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例会

年に2ないし3回、講演会やシンポジウムを中心とした研究会を開催しています。
会員・非会員を問わずどなたでも参加できます(参加無料)。
また、他学会との共催、後援シンポジウムもおこなっております。参加に際してはは各シンポジウムの案内をご覧下さい。

第146回例会
日本動物心理学会第146回例会 「動物園の行動学」
 今日の動物園の役割は、娯楽だけでなく、教育、研究も含み、最終的には、種の保存に貢献することであると言われています。動物心理学の分野に関わる研究者が、展示動物の行動研究に参加することは、動物心理学の新たな展開の契機になると同時に、動物園がその役割を果たすことに少なからず参加できると思われます。
現在、展示動物である動物園の動物の行動をさまざまな目的を持って研究しておられる方々に集まっていただき、その成果と今後の方向性をご紹介していただきます。動物園の展示動物に関心を持つ多くの方々にご参加いただき、活発な議論を願っています。

期日 2007年12月15日(土) 午後1時15分〜午後5時
場所 大阪大学大学院人間科学研究科(吹田キャンパス)東館105教室

プログラム
  • 13:15-13:45 村山 司(東海大学海洋学部)
    「イルカ類の認知に関する研究」
  • 13:45-14:15 入江 尚子(東京大学大学院総合文化研究科)
    「アジアゾウの数量認知能力」
  • 14:15-14:45 平崎 鋭矢(大阪大学大学院人間科学研究科)
    「動物園でのバイオメカニクス研究の可能性」

  • 14:45-15:00 休憩

  • 15:00-15:30 長尾 充徳・松永雅之(京都市動物園)
    「エゾヒグマの認知能力と研究対象としての可能性について」
  • 15:30-16:00 三浦乃莉子(東京農工大学大学院農学府)
    「飼育下フサオマキザルの環境エンリッチメント実施のための評価実験」
  • 16:00-17:00 総合論議
    指定討論者 竹田正人(天王寺動植物公園)上野吉一(東山動植物園)
例会世話人:中道正之(大阪大学大学院人間科学研究科)、友永雅己(京都大学霊長類研究所)
問合せ先:中道正之
(電話:06-6879-8129または-8045;メール:naka@hus.osaka-u.ac.jp)

共催:「動物園の生物学5」(世話人:友永雅己、上野吉一)
共催:大阪大学大学院人間科学研究科:大学院教育改革支援プログラム「人間科学データによる包括的専門教育」

アクセス:大阪モノレールの阪大病院前下車徒歩5分、あるいは、JR茨木駅から近鉄バスで15分、地下鉄御堂筋・北大阪急行線千里中央駅から阪急バスで10分、阪大医学部前または阪大本部前下車、徒歩5分。
詳しくは、大阪大学大学院人間科学研究科ホームページ(http://www.hus.osaka-u.ac.jp/access/access.html)をご覧ください。

日本動物心理学会第146回例会報告
報告者:中道正之(大阪大学大学院人間科学研究科)・友永雅己(京都大学霊長類研究所)
 「動物園の行動学」と題した日本動物心理学会第146回例会が、2007年12月15日に、大阪大学大学院人間科学研究科東館106教室において、開催された。 今日の動物園の役割は、娯楽だけでなく、教育、研究も含み、最終的には、種の保存に貢献することであると言われている。動物心理学の分野に関わる研究者が、展示動物の行動研究に参加することは、動物心理学の新たな展開の契機になると同時に、動物園がその役割を果たすことに少なからず参加できると思われる。そこで、現在、展示動物である動物園の動物の行動をさまざまな目的を持って研究しておられる5名の方に、その成果と今後の方向性をご紹介していただき、「動物園の行動学」の可能性を探る研究会を開催した。
 日本の10余の水族館等でイルカ類の認知研究を長年にわたり続けておられる村山司氏(東海大学海洋学部)は、その成果だけでなく、飼育担当の方々との相互理解の重要性も指摘していただいた。平崎鋭矢氏(大阪大学大学院人間科学研究科)からは、ワオキツネザル、ゴリラなどが動物園で暮らしている状態のままで、彼らの生体力学を研究する新しい試みを聞かせていただいた。入江尚子氏(東京大学大学院総合文化研究科)は、陸生動物の中で最も大型の動物であるアジアゾウの数量認知の最新の研究成果を発表していただいた。動物園の飼育担当をしておられる長尾充徳氏(京都市動物園)からは、エンリッチメントの試みのために与えた物体をエゾヒグマがどのようにかかわるのかについて詳細な報告をいただいた。最後に、三浦乃莉子氏(東京農工大学大学院農学府)からは、集団で暮らすフサオマキザルのケージにロープを縦と横に張ったときの行動の違いを定量的に測定したデータを紹介していただき、エンリッチメントにおける実証的な評価の重要性と問題点を指摘していただいた。その後に、竹田正人氏(天王寺動植物公園)と上野吉一氏(東山動植物園)のふたりの指定討論者から、総合的な観点からのコメントをいただいた。
 研究会には、13大学、9動物園・水族館、2企業などから、計68名の参加者があり、個別の発表後も、総合論議でも、終始活発な議論が展開された。とりわけ、大学関係者と動物園・水族館関係者が、互いに協力しながら、展示動物の福祉にも十分考慮しながら、多くの種の動物の豊かな心を探っていくことの重要性と楽しさを、研究会を通して、確認できたと思う。
 尚、本研究会は、「動物園の生物学5」(世話人:友永雅己、上野吉一)、及び大阪大学大学院人間科学研究科:大学院教育改革支援プログラム「人間科学データによる包括的専門教育」の共催として行われた。

第145回例会
日本動物心理学会第145回例会
第4回 行動神経内分泌研究会との共催になります。
今回は共催の関係上、事前登録・参加費が必要になりますのでご注意下さい。

第4回 行動神経内分泌研究会 開催要項
今回の研究会は動物心理学会例会との共催となります。

日時:2007年7月7日(土)− 8日(日)
場所:湘南国際村センター
〒240-0198 神奈川県三浦郡葉山町上山口1560-39
http://www.shonan-village.co.jp/
アクセス:http://www.shonan-village.co.jp/map_index.htmlを参照

宿泊込みの参加登録は締め切りました。
宿泊なしで研究会のみ参加の場合は、当日まで受け付けます。
ただし、食事をご希望の方は、準備の都合上、なるべく早くにご連絡いただければ幸いです。

参加希望者の方は、
氏名、所属、一般/学生の区分
1日目の夕食(バーベキュー)および2日目の朝食・昼食の要・不要を、横浜市立大学・高瀬宛email(taka_se@yokohama-cu.ac.jp)
にお知らせ下さい。

参加費
研究会のみ参加の場合、一般は2500円、学部・大学院学生は無料。
食事については、個々に受け付けます。
1日目の夕食:一般 2000円; 学部・大学院学生 1000円
2日目の朝食:一般・学部・大学院学生 1300円
2日目の昼食:一般・学部・大学院学生 1200円
プログラム

1日目7月7日(土)

12:00 受付開始
※荷物は会場内の小部屋もしくは地階のロッカールームに置くことが可能です。
12:30 鍵の受け渡し(宿泊室の利用が可能となります)

13:00-13:05 開会の挨拶 高瀬堅吉(横浜市立大学)

13:05-15:05 研究発表1 司会:松脇貴志(東京大学)
・高橋阿貴(国立遺伝学研究所)
「C57BL/6JとMSM系統から作出されたコンソミックマウス系統を用いた攻撃行動の遺伝学的解析」
・笠原好之(東北大学・院)
「OXT受容体遺伝子と中枢性の発熱制御」
・古田都(国立精神・神経センター)
「Neurogenesis builds the relationship between mother and child」
・株式会社エイコム
「神経伝達物質分泌動態の測定法の基礎と応用-実践的データを踏まえてー」
※発表20分、質疑応答10分としますが、発表の途中でも自由に質問して下さい。

15:10-16:00 特別講演1 司会:小川園子(筑波大学)
・小出剛(国立遺伝学研究所)
「動物行動多様性の遺伝的基盤解明に向けた試み」

16:00-16:50 特別講演2 司会:近藤保彦(日本医科大学)
・舩橋利也(横浜市立大学)
「性差から見た摂食行動調節の神経基盤」

17:00-20:00 夕食〈バーベキュー〉(総合研究大学院大学敷地内バーベキュー施設)

2日目7月8日(日)

7:30-9:00 朝食〈バイキング〉(湘南国際村センター内カフェテリアオーク)
※10:00までにフロントでチェックアウトを済ませるようお願い致します。

9:00-10:30 研究発表2 司会:實木亨(横浜市立大学)
・大西新(北里大学・院)
「生後発達期ラット海馬における認知機能関連受容体に対する甲状腺ホルモンの影響」
・井上和彦(早稲田大学・院)
「ウズラの自発運動を高める新規ニューロステロイドの同定と生理的変動」
・坂口菊恵(お茶の水女子大学・日本学術振興会PD)
「ヒト女性における生殖腺ホルモンと副腎ホルモンの周期的変動」
※発表20分、質疑応答5分としますが、発表の途中でも自由に質問して下さい。

10:30-12:00 研究発表3 司会:浦川将(日本医科大学)
・増田純弥(武蔵野大学)
「ストレス反応の性差におけるエストロジェンの役割」
・青木麻美(協和発酵工業株式会社)
「マウスにおけるストレス応答の性差に関する研究」
・下鶴倫人(東京大学・院・日本学術振興会DC)
「離乳後の社会的隔離操作がスナネズミの行動特性に与える影響」
※発表20分、質疑応答5分としますが、発表の途中でも自由に質問して下さい。

12:00-13:00 ランチミーティング ランチ終了後自由解散

※研究会およびランチミーティングの会場は湘南国際村センターのルミエールです。
開催要項について御不明な点は横浜市立大学・高瀬宛emailまで御連絡ください。

日本動物心理学会第145回例会報告
小川園子教授(筑波大学)
この例会は、第4回行動神経内分泌研究会との共催で65名の参加者を得て行われました。
日時:2007年7月7日(土)- 8日(日)
場所:湘南国際村センター

1日目7月7日(土)
開会の挨拶 高瀬堅吉(横浜市立大学)
研究発表1 司会:松脇貴志(東京大学)
・高橋阿貴(国立遺伝学研究所): C57BL/6JとMSM系統から作出されたコンソミックマウス系統を用いた攻撃行動の遺伝学的解析
・笠原好之(東北大学・院): OXT受容体遺伝子と中枢性の発熱制御」
・古田都(国立精神・神経センター): Neurogenesis builds the relationship between mother and child
・株式会社エイコム:神経伝達物質分泌動態の測定法の基礎と応用-実践的データを踏まえて
特別講演1 司会:小川園子(筑波大学)
・小出剛(国立遺伝学研究所):動物行動多様性の遺伝的基盤解明に向けた試み
特別講演2 司会:近藤保彦(日本医科大学)
・舩橋利也(横浜市立大学):性差から見た摂食行動調節の神経基盤
バーベキュー

2日目7月8日(日)
研究発表2 司会:實木亨(横浜市立大学)
・大西新(北里大学・院):生後発達期ラット海馬における認知機能関連受容体に対する甲状腺ホルモンの影響
・井上和彦(早稲田大学・院):ウズラの自発運動を高める新規ニューロステロイドの同定と生理的変動
・坂口菊恵(お茶の水女子大学・日本学術振興会PD):ヒト女性における生殖腺ホルモンと副腎ホルモンの周期的変動
研究発表3 司会:浦川将(日本医科大学)
・増田純弥(武蔵野大学):ストレス反応の性差におけるエストロジェンの役割
・青木麻美(協和発酵工業株式会社):マウスにおけるストレス応答の性差に関する研究
・下鶴倫人(東京大学・院・日本学術振興会DC):離乳後の社会的隔離操作がスナネズミの行動特性に与える影響
ランチミーティング

第144回例会
日本動物心理学会第144回例会
第144回動物心理学会例会のお知らせ

本年度の動物心理学会例会を下記の要領で開催致しますので,多数の皆様のご参加をお待ちしています.



テーマ:社会的行動研究の多様なアプローチ
日時:2007年3月10日(土)午後2時から午後5時まで
場所:大阪市立大学文化交流センターホール(大阪駅前第2ビル6階)
司会:山口哲生(大阪市立大)

講演:
 14:00 - 14:50 服部裕子(京都大)
  「チンパンジーとフサオマキザルの視線認識と身振りの生成」

 14:50 - 15:40 佐伯大輔(大阪市立大)
  「ハトにおける他個体との共有による報酬の価値割引」

休憩

 15:50 - 16:40 菱村 豊(広島国際大)
  「マウスの社会的ストレスによる体表面温度の変化:社会的行動の生理学という視点から」

16:40-17:00 総合討論

指定討論者:
青山謙二郎(同志社大)
中島定彦(関西学院大)
中道正之(大阪大)
以上

 なお,懇親会を例会終了後に行う予定です.懇親会に参加される方は,2月末日までに伊藤宛に御連絡下さい(講演者の方は懇親会費無料です)
世話人:伊藤正人(大阪市立大)E-mail: ito@lit.osaka-cu.ac.jp TEL 06-6605-2379 or 2382
日本動物心理学会第144回例会報告
伊藤正人教授(大阪市立大学)
日本動物心理学会第144回例会は,2007年3月10日(土)大阪市立大学文化交流センターにおいて開催された.「社会的行動研究の多様なアプローチ」という共通テーマのもと,比較認知,行動分析,神経科学分野から3名の話題提供者に,この共通テーマに関連するそれぞれの分野の最近の研究事例と各自の実験データを織り交ぜた話をしていただいた.比較認知分野からは,服部裕子氏(京都大)がチンパンジーとフサオマキザルの社会的場面における視線認識の問題を自身の実験的研究を通して紹介し,行動分析分野からは,佐伯大輔氏(大阪市大)がハトの他個体との共有による報酬の価値割引の問題を独占餌場と共有餌場の選択問題とした実験的研究を報告した.さらに,神経科学分野からは,菱村豊氏(広島国際大)がマウスを用いて社会的ストレスを体表面温度の変化から見る研究の概要と温度測定装置の検討について紹介した.以上の話題提供に対して,青山謙二郎氏(同志社大),中島定彦氏(関西学院大),中道正之氏(大阪大)の3名の指定討論者から的確なコメントをいただき,発表内容の理解や議論を深めることができた.当日は,21名の参加者があり,例会終了後は懇親会において引き続き議論がなされ,有意義な時間を持つことができた.この場を借りて,話題提供者および指定討論者の皆様に改めてお礼申し上げる.
世話人:伊藤正人(大阪市大)

第143回例会
日本動物心理学会第143回例会
第143回日本動物心理学会例会(中部地区)
「動物心理学研究の多様性」

日時:2007年3月3日(土) 13:00〜18:15
場所:ホテル新名(JR名古屋駅)
参加費無料、事前登録不要
オーガナイザー:友永雅己、田中正之、林美里(京都大学霊長類研究所)

  • はじめに 友永 雅己(京都大・霊長研)
  • 日本人の動物観と動物心理学 渡辺 茂 (慶応大、日本動物心理学会理事長)
  • チンパンジーによる複数オブジェクトの追跡 松野 響(京都大・霊長研)
  • チンパンジーにおける3次元空間知覚:絵画的手がかりで定義された面の知覚
  • 伊村知子(関学大)
  • 動物の連合学習における事象表象―知覚・イメージ・行為― 井口善生(名古屋大)
  • 老齢ザルにおける学習と記憶の特性 久保(川合)南海子(京都大・霊長研)

  • コメント:谷内 通(金沢大)、浅野俊夫(愛知大)、齋藤洋典(名古屋大)、辻 敬一郎
  • 5歳のニホンザルにおける生後2年間の対象経験についての再認記憶 村井千寿子(玉川大)
  • テナガザルの発達─思春期をむかえて─  打越万喜子(京都大・霊長研)
  • テナガザルの音声の変異性 親川千紗子・香田啓貴・杉浦秀樹(京都大・霊長研)
  • 笑いの起源と進化 松阪崇久(滋賀県大)
  • 野生チンパンジーの広域調査から見えてくるもの 大橋 岳(京都大・霊長研)
  • コメント:竹下秀子(滋賀県大)、宮本邦雄(東海女大)、三宅なほみ(中京大)
  • 閉会の挨拶  松沢哲郎(京都大・霊長研)

日本動物心理学会第143回例会報告
友永雅己助教授(京都大学霊長類研究所)
 第143回日本動物心理学会例会は、中部地区担当分として行われた。中部地区 では、これまで中部地区の大学が持ち回りで企画・開催してきたが、今回は京都 大学霊長類研究所の松沢哲郎、友永雅己、田中正之、林美里らにより企画・運営 が行われた。
最近の動物心理学研究は、その対象とする種、用いられる研究手法、隣接する研 究領域との関連など、さまざまな側面から多様性が深まってきている。そこで、 今回の日本動物心理学会例会では、動物心理学およびその隣接領域において精力 的に研究を行っている若手研究者の方々、特に最近学位取得されたか、近いうち に取得予定の方々を招いて、自身の研究について紹介していただき、動物心理学 研究の多様性の一端に触れることを目的とした。また、冒頭では、本学会理事長 の渡辺茂先生にレクチャー講演をお願いした。さらに、若手の研究発表に対し て、さまざまな領域ですでに活躍している研究者の方々を数多くコメンテータと してお招きし、それぞれに、自由闊達にコメントをしていただいた。
主催者の想像を越える40名以上の方々が中部地区だけでなく東京、関西からも参 加していただいた。発表者の方々も20分という短い時間の中で自らの研究をコン パクトにまとめていただき、動物心理学が近接領域と密接な関連をもちつつその 裾野を着実に広げていることが実感できた。
内外の学会では、今回の例会のように、博士学位取得前後の研究者を集めて議論 を行う「博論コンソーシアム(Doctoral Consortium)」が活発に行われているら しい。最近の学会発表は、ポスターが主流で口頭発表も、非常に短い時間しか与 えられない。比較的長い時間の中で、自身の研究をまとめて紹介するという経験 が、若い研究者たちにはほとんどないのが現状だろう。日本動物心理学会として も、学会大会前後の自由集会、サテライトシンポジウムや例会などを活用して、 若手研究者の支援をさまざまな形で進めてはどうだろうか。

第142回例会
日本動物心理学会第142回例会
講演者:Prof Robert G. Cook (Tufts University)
演題:Perception, memory and the organization of behavior in pigeons
日時:2007年1月27日(土)午後3時より
場所:キャンパスイノベーションセンター東京 5Fリエゾンコーナー 
会場地図HP:http://cic-hp.zam.go.jp/
       (JR山手線・京浜東北線田町駅下車徒歩1分)

要旨:This talk will focus on three crucial aspects of behavior in pigeons. Recent advances in our understanding of the mechanisms of short and long-term memory for visual information in this animal will be presented and their comparative implications discussed.

千葉大学が他大学に先駆けて導入した「飛び入学」など、早期高等教育の試みも10年を迎えようとしています。早期高等教育は、千葉大学先進科学研究教育センターが担当していますが、このたび海外との研究交流を促進する企画の一環として、主としてハトを用いた視知覚研究で世界をリードしている Tufts 大学の Robert G. Cook 博士を招聘することになりました。この機会を利用して、動物心理学会の例会として Cook 博士の講演会を開催します。直前の連絡になりましたが、多数の皆様のご参加をお待ちしております。
連絡先:千葉大学文学部 牛谷智一
    263-8522 千葉市稲毛区弥生町1-33
TEL 043-290-2274 FAX 043-290-2274
E-mail:ushitani@L.chiba-u.ac.jp

日本動物心理学会第142回例会報告
牛谷智一助教授(千葉大学)
第142回例会として、Robert G. Cook 教授による講演会を開催した。Cook 教授は、California 大学で生物心理学の博士号を取得され、現在は Tufts 大学の教授・心理学科長として、鳥類の視覚認知分野で活躍されている研究者である。  講演会は、ハトをもちいた2つの実験報告を軸に進められた。第1の実験では、通常間違った方を選択すれば罰が与えられて終わるだけの見本合わせ課題において、2回目、3回目の反応を許した。2回目、3回目の反応は、偶然レベル以上の正答率であった。第2の実験ではセッションの前半と後半とで課題が変化し、選ぶべき項目は逆転していた。ハトの反応は、課題の変化をハトが「予期」していることを示唆するものであった。いずれも、ハトの行動が、時間のパラメータでダイナミックに変化することを示しており、大変興味深いものであった。  講演参加者は38名で、若い参加者が多かったにもかかわらず、彼らを中心に活発な討論がおこなわれた。講演会後、Cook 教授を囲む懇親会が開かれ、研究者間の国際交流を深めた。

<共催>千葉大学先進科学研究教育センター
<企画>實森正子・牛谷智一(千葉大学)
<司会>牛谷智一(千葉大学)

第141回例会
日本動物心理学会第141回例会
“認知鳥類学の可能性”
場所;慶應義塾大学・東館4階セミナー室
日時;平成18年3月16日(木) 14:00〜16:30
オーガナイザー;渡辺茂・伊澤栄一(慶應義塾大学)

スケジュール;
14:00-14:20 「イントロダクション-認知鳥類学-」
伊澤栄一(慶応義塾大学)
14:20-15:10 「悩まずに生きる鳥と悩みながら生きる鳥」
中村浩志(信州大学)
15:15-16:05 「チンパンジーの母子間交渉に見られる社会的知性」
田中正之(霊長類研究所)
16:05-16:30 総合討論
(敬称略)

<共催;慶應義塾大学・魅力ある大学院教育イニシアティブ・心に関する研究科横断プロジェクト型教育>
連絡先:伊澤栄一
E-mail: izawa@psy.flet.keio.ac.jp
Tel: 03(5443)3896
日本動物心理学会第141回例会報告
伊澤栄一特別研究助教授(慶應義塾大学)
2006年3月16日、慶應義塾大学三田キャンパスにて、動物心理学会141回例会「認 知鳥類学の可能性」を開催した。社会的知性仮説の検証は、もはや霊長類に限ら ず、同様の生態学的・生理的諸条件を持つカラスやオオムなどの鳥類にまでに及 び、「収斂としての知性」の理解へと広がりを見せている。一方で、野外での研 究、いわゆる鳥類学において、個体の認知機能は、研究対象であったとは必ずし も言い難い。2006年初頭にPhil. Trans. R. Soc. B誌に発表された総説” Cognitive ornithology: the evolution of avian intelligence (Nathan Emery 著; 361, 23-43)” は、近年の鳥類の脳に関する比較解剖学的な理解の深まりに も後押しを受け、鳥類の認知研究の意義を論じると同時に、更なる展開へ向け て、野外研究における「認知」という視点の必要性を述べている。本シンポジウ ムは、鳥類、霊長類の比較心理学の先生方だけでなく、鳥類学の先生にもご参加 いただき、鳥類の認知研究に比較対象としての霊長類、そして鳥類学という視点 を加える試みとして行われた。会はインフォーマルであったこともあり、いずれ の講演にも活発な議論がなされ、予定時間を大幅に過ぎてしまうということも あったが、何よりも、このような会を企画することで、鳥類学を専門とされる方 々に来聴していただき、それらの方々に認知研究という視点を発信できたこと は、何よりも本例会の一つの収穫であったと言える。本シンポジウム開催に当た り、ご参加いただいた先生方、並びにご後援いただいた本学会、及び、慶應義塾 大学「魅力ある大学院教育イニシアティブ」プログラムに、この場借りて謝意を 表したい。

第140回例会
日本動物心理学会第140回例会
 第140回例会を東海地区で、下記要領で開催させていただきます。今回は岐阜大学の心理学関係者ではない研究者と、進化について語り合いたいと思い、下記の内容を企画しました。多くの方に参加していただき、議論していただけることを願っています。
                             岐阜大学 大井修三

日 時:2006年3月4日(土)14時00分から16時00分まで
場 所:ハートフルスクエアーG クラフト室
http://www.ip.mirai.ne.jp/~heartful/:Tel 058-268-1050)
(JR高架下施設。JR岐阜駅東側に隣接しています。クラフト室は2階です。)
主 題:「地質学、人類学、心理学から進化を考える」
趣 旨:
最近、氷河のボ−リングによる年代測定から、社会的学習と文化の発生および大脳化が氷河期の激しい気温の変動とその後の最近10万年の恒温によるというレビューを目にしました。今まであまり身近に考えなかった地質学の知識が、進化を考える上で重要なのではないかと思い至ったしだいです。ちょうどその時期に人類の進化が大きく影響を受けた時期でもあります。そこで、進化を考えている地質学と人類学の研究者の話を聞き、心理学研究者との議論を通じて新たな視点を共有できればと思い、下記を企画しました。

演者と演題:
  川上紳一(岐阜大学教育学部地学)「脳機能の進化は地球環境と関連しているのか」
  口蔵幸雄(岐阜大学地域科学部人類学)「ホミニゼーション研究の最近の動向」

内容要旨:
川上先生「地球に生息する多様な動物における人類の特異性は、高度な知性をもっていることである。人類のもつ知性は大きな脳の作用によるものであるが、とりわけ大脳皮質の働きによる。人類の脳は、せきつい動物の進化とともに発達してきた。化石人類化石と古気候の研究は、脳容積が増大した時代が、氷期と間氷期が繰り返した激しい気候変動で特徴づけられることを明らかにした。初期人類は、地球環境の大きな変動のなかで、将来何が起こるかを知りたいと願い、自分たちのまわりの環境がどのようなものであるかを理解しようとした。それはまず心的イメージとして表現され、やがて言語で表現されるようになったものと思われる。すなわち人類特有の知性の発達は、地球環境の激変が後押しした出来事であったのだ。もしさまざまな動物行動に進化の階層性があるとすれば、それを歴史のなかで位置づけて地球環境との関連性を探ることは意味のあることではなかろうか。」
(主要著書:『生命と地球の共進化』NHKブックス、2000年ほか)

口蔵先生「ホミニゼーションとは類人猿(ヒト上科)からヒト科が分岐するプロセスのことです。具体的には、類人猿(チンパンジーとの共通の祖先)の一部が直立二足歩行という推進様式を獲得し、ヒト科として進化することです。従来の仮説では東アフリカの大地溝帯において森林の縮小にともない開放地に進出した類人猿の一部がヒト科になった、というものでした。しかし、ここ数年間で新しい化石が続々と発見され、この定説が覆されようとしています。このような、最近の人類進化に関する新説、論争について紹介します。」
(主要著書:『吹矢と精霊』東京大学出版会、1996年ほか)

日本動物心理学会第140回例会報告
大井修三教授(岐阜大学)
岐阜大学の地質学者:川上先生、人類学者:口蔵先生に、進化を中心とした話題を提供して頂いた。出席者は24名であったが、その半数は非会員であった。川上先生には、心理学で考える時間軸よりも遙かに大きな単位での時間変化を基に、地質学の視点から大胆な認知進化の仮説にまで踏み込んだ話題が提供された。心理学が進化の話題で考える時間の単位との違いにとまどいながらも、地球と生物の共進化という新しい考え方に刺激を受けた。また、口蔵先生には、人類進化に対する考え方の転換が1990年代に起こったこと、またホミニゼーションの近年の話題を直立2足歩行の意義などを中心に提供された。直立2足歩行の力学的生態学的背景だけでなく、その進化論的展開に関するいくつかの具体的な仮説に基づく話題は、興味深いものであった。  その後若い人を中心に活発な議論が行われ、一方で学問間でのもっと密接な交流の必要性も考えさせられた例会となった。

第139回例会
日本動物心理学会第139回例会
日本教育心理学会2003ポストカンファレンス
「経験と行動」

演題:"Giving Meaning to Behavioral History"
日時:2005年8月5日(金)午後3時より
場所:大阪府柏原市・大阪教育大学柏原キャンパス共通講義棟A-307
会場地図HP:http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/campus_map.html
       (近鉄大阪線大阪教育大前駅が最寄駅です)
講演者:Prof. Kennon A. Lattal (West Virginia University)

講演者紹介:
ケノン・A・ラッタル教授は、長年ウエストヴァージニア大学心理学部行動分析専攻のコーディネーターとして、多くの行動分析家を育ててこられました。同時に"Journal of the Experimental Analysis of Behavior (JEAB)"のエディターや、国際行動分析学会(ABA)および米国心理学会(APA)第25部会(行動分析)の会長も務められました。反応と強化子の依存関係や近接性など基礎的な研究を中心に現在の実験的行動分析をリードするお一人です。今回は行動履歴についての講演です。

企画:大阪教育大学
   石田雅人・大日方重利1・安福純子・山下光2・大河内浩人
    (1:現神戸学院大学、2:現愛媛大学)
司会:大河内浩人
解説:漆原宏次
主催:大阪教育大学学校教育講座・日本教育心理学会第45回大会準備委員会
    日本動物心理学会
共催:関西心理学会

連絡先:大阪教育大学学校教育講座 大河内浩人
    582-8582大阪府柏原市旭ヶ丘4-698-1
TEL 0729-78-3472 FAX 0729-78-3472
E-mail:okouchi@cc.osaka-kyoiku.ac.jp
日本動物心理学会第139回例会報告
石田雅人教授(大阪教育大学)

West Virginia大学Kennon A. Lattal教授による講演会を第139回例会として行った。講演は、オペラント条件づけにおける行動履歴の効果についてであった。現象の理論的背景、研究意義、研究パラダイムについての簡単な説明に続いて、Lattal教授の研究室における大量の動物実験のデータが、未発表のものも含め、詳細に解説された。これらのデータに基づき、行動履歴効果の頑健性、この効果に影響を与えるであろう変数等についての考察が行われた。公演後の総合討論では、行動履歴効果という現象の、異なる被験体種を通じての普遍性、学習心理学分野、さらには心理学他分野における諸現象との関連などについて、活発な議論が行われた。講演会出席者は25名であった。講演会後、夫人であり、行動分析学を応用したビジネスコンサルタント会社を経営しているDarnell Lattal博士を交えて、大学内のカフェレストランで懇親会を行った。

後援シンポジウム
日本発達心理学会第16回大会公開シンポジウム
(日本動物行動学会、日本動物心理学会、日本霊長類学会、人間行動進化学研究会後援)
『ヒトはなぜ賢くなったか?─知性の起源とマキャベリ的知性仮説』

春の訪れが待ち遠しい候、皆様におかれましてはいかがお過ごしでしょうか。 この3月に行われる日本発達心理学会第16回大会において、準備委員会企画として、「ヒトはなぜ賢くなったか?−知性の起源とマキャベリ的知性仮説」と題したシンポジウムを開催することとなりました。
発達心理学のみならず、さまざまな分野の研究者が一堂に会し、知性の進化とい う大きな謎に新たな視点で迫りたいと思います。
このシンポジウムは、日本霊長類学会、日本動物行動学会、日本動物心理学会、人間行動進化学研究会の後援を得て、各学会員の方々に、公開シンポジウムとさせていただくことになりました。
本シンポジウムから新たな学問の連携が一層すすむことを期待します。皆様のご来場をお待ちいたしております。
詳細につきましては、以下をご覧ください。

日時:2005年3月28日(月)12:30−15:00
場所:神戸国際会議場
(会場へのアクセス等、くわしい情報については、http://www2.kobe-u.ac.jp/~jsdp16/をご覧ください)
参加費:無料(ただし、大会の他のプログラムへの参加には参加費が必要です)

企画:
友永 雅己(京都大学霊長類研究所)
明和 政子(滋賀県立大学人間文化学部)
小椋 たみ子(神戸大学大学院文学研究科)

話題提供者:
山越 言(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
「社会的知性仮説は大型類人猿−ヒト的な知性の進化を説明できるか」

平田 聡(林原類人猿研究センター)
「チンパンジーのマキャベリ的知性」

小田 亮(名古屋工業大学大学院工学研究科)
「ヒトにおける社会的知性の構造と適応」

國吉 康夫(東京大学大学院情報理工学系研究科)
「身体性に基づく認知の創発と発達のロボット的シナリオ」


指定討論者:
千住 淳(東京大学大学院総合文化研究科)
藤田和生(京都大学大学院文学研究科)
麻生 武(奈良女子大学大学院人間文化研究科)

「ヒトの知性はどのように進化してきたのか」。近年、この問いに答えるべく比較認知科学や進化心理学は精力的に研究を進めています。しかし、知性の「進化史」を明らかにするだけでは十分とはいえません。「ヒトの知性はなぜそのように進化したのか」。この問いに答えてこそ知性の進化的理解にたどりつけるのではないでしょうか。この問いかけをみのりある実証研究へと昇華させるためには、検証可能な仮説が必要です。
今から16年前、霊長類学者たちが一つの魅力的な仮説を提唱しました。『われわれの持つ知性は、社会生活にともなう複雑な問題に対処する必要性から生まれてきた』。こう主張するマキャベリ的知性仮説がそれです。1988年にR.W.バーンとA.ホワイトゥンによって出版された"Machiavellian Intelligence"は霊長類学のみならず、行動学、発達心理学など多方面に大きなインパクトをもたらし、1997年にはその続巻が刊行されました。そして2004年には、これらの日本語版も出版されました。
マキャベリ的知性仮説がカバーするトピックは非常に幅広く、その大半は発達心理学と密接な関係を持っています。言い換えれば、発達心理学なしにはこの仮説がここまで成長することはなかったかもしれません。日本でも社会的認知の発達は多くの研究者の興味をひきつけています。しかしながら、マキャベリ的知性仮説のような進化論的、適応論的な視点をもって行われている研究はまだまだ少ないのが現状です。今回のシンポジウムでは、マキャベリ的知性仮説と(そして発達心理学とも)密接に関連する領域の気鋭の研究者をお招きし、それぞれの研究分野でマキャベリ的知性仮説がいかに取り込まれているかをご紹介いただくともに、発達心理学への示唆をもたらしていただこうと考えています。
話題提供者として、霊長類学からは野生チンパンジーを対象に道具使用(技術的知性)と生態環境(生態学的知性)の関連を研究するとともに、社会的知性についても研究を進めている山越言さん、比較認知科学からは、チンパンジーの協力行動、役割分担、欺きなどについての実験をもとに社会的知性に関する研究を進めている平田聡さん、進化心理学からは裏切り者検知機構と顔の記憶の関連などの研究を通して日本の進化心理学をリードする研究者のひとりである小田亮さん、そしてロボティクスからは認知発達ロボティクスの牽引者のひとりである國吉康夫さんをお招きしました。また指定討論者には、マキャベリ的知性仮説を論じる上で避けることのできない自閉症や社会脳の研究の領域で活躍している千住淳さん、日本の比較認知科学研究の第一人者であり、今回の翻訳を企画した藤田和生さん、乳児のコミュニケーションや自我の発達について進化論をも含めた広い視点から研究しておられる麻生武さんに指定討論をお願いしました。
本シンポジウムは、日本発達心理学会第16回大会準備委員会の企画のもと、日本霊長類学会、日本動物行動学会、日本動物心理学会、そして、人間行動進化学研究会の後援を得て公開シンポジウムとして開催することになりました。本シンポジウムから新たな学問の連携が一層すすむことを期待します

日本発達心理学会第16回大会公開シンポジウム (日本動物行動学会、日本動物心理学会、日本霊長類学会、人間行動進化学研究会後援) 『ヒトはなぜ賢くなったか?─知性の起源とマキャベリ的知性仮説』報告
友永雅己助教授(京都大学霊長類研究所)

去る2005年3月28日に日本発達心理学会第16回大会において、大会準備委員会企画として、「ヒトはなぜ賢くなったか?−知性の起源とマキャベリ的知性仮説」と題したシンポジウムを日本動物心理学会を含む計4学会・研究会の講演で開催した。 近年、ヒトの知性の起源と社会的知性の関係が大きな注目を浴びている。ヒトの知性の起源に社会的知性を想定するという「マキャベリ的知性仮説」は霊長類学者により提唱され、発達心理学における心の理論研究や発達障害研究、比較認知科学や進化心理学、さらにロボティクスなどの構成論的アプローチなどともリンクしながら実証的な研究が少しずつ蓄積されはじめてきた。本シンポでは、そのような現状と今後の展望を各領域の気鋭の研究者に紹介していただいた。それぞれのトピックは非常に刺激的で興味深いものであったが、残念ながら、講演時間が短かったため各演者には十分に話していただくことができなかった。今後は、諸学会の間の連携も視野にいれて、もう少し長い時間を取れるような機会を作れるよう努力していきたい。 末尾になったが、このような企画をお認めいただいた日本発達心理学会第16回大会準備委員会に謝意を表するとともに、本シンポをご後援いただいた、日本霊長類学会、日本動物行動学会、人間行動進化学研究会に感謝いたします。

共催シンポジウム
応用動物行動学会、日本動物心理学会 共催シンポジウム
『動物の条件づけ学習と野生動物の被害管理』
日時:2005年3月26日(土):13:00-17:30
場所:関西学院大学大阪梅田キャンパス
(K.G.ハブスクエア大阪、梅田駅前、定員96名)
会場地図はこちら:http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access.html
参加費:500円(資料代として)

講演予定者
 磯 博行(兵庫医科大学)
 吉野俊彦(太成学院大学)
 江口裕輔(麻布大学)
 井上雅央(奈良県農業技術センター)
 岡野美佐夫(野生動物保護管理事務所)
指定討論予定者
 室山泰之(京都大学霊長類研究所) 
 中島定彦(関西学院大学)

<シンポジウムの趣旨>
 近年、人里にやってきて畑や人家を荒らす動物たちが報道等で話題になっています。昨年、全国で話題に なったクマによる人身被害や、都市部の住宅地にやってくるイノシシ、増えすぎたシカ、そして先日も下北 のニホンザルの特定鳥獣保護管理計画にもとづく捕獲、など、数え上げればきりがありません。  これら野生動物の被害管理については様々な観点からのアプローチがなされていますが、今回は、被害を おこす動物に対する行動制御をシンポジウムのテーマとしました。被害管理には様々な技法が利用されてい ます。音響器やロケット花火などの音や光などによる撃退、電柵などの忌避刺激の呈示による回避、また毒 性のある食物を摂取させて人里にある食物への嫌悪を条件づける、などなど…しかし、そのような実践活動 を行っている方からは、これら行動学的・心理学的技法の持続性をいかに維持していけばよいかという声を たびたび耳にします。
 一方、動物を対象とした学習心理学の領域では長きにわたって古典的条件づけやオペラント条件づけの基 礎研究が行われています。そこでの知識の蓄積は相当なものになっているはずです。そして、これらの知見 をこうした実践的な面に応用したいと考えている基礎研究者も数多いと思われます。しかし、実際に野生動 物の被害管理の現場で条件づけの技法が使われている(そして十分な効果を挙げていないように思われる) にもかかわらず、これら基礎研究者が被害管理に関与している例は少ないようです。この理由の一つには日 常的にお互いが接する機会がないためではないかと考えました。それぞれの方々が集う学術集会などの場と いうのは明らかに異なっています。それぞれがそれぞれの状況を知っていても、それに対して積極的に意見 交換を行う場がこれまでほとんど持たれなかったのではないでしょうか?  今回のシンポでは、このようなディスコミュニケーションを改善し、相互理解を深め、実践活動への連携 の可能性を探るべく企画いたしました。現場での実践活動における問題点を十分に把握するとともに、被害 管理に適用可能な条件づけ技法に関する最新の知見を概観する。これらの作業を通して、実践家と基礎研究 者のコラボレーションによってより効果的な野生動物の被害管理がすすむことを期待してやみません。

企画・運営・司会
安江 健(茨城大学)
上野吉一(京都大学霊長類研究所)
友永雅己(京都大学霊長類研究所)

両学会員以外どなたでも参加できますが、資料準備の都合がありますので参加希望者は3月19日(土)まで に事務局の安江健(tyasue@mx.ibaraki.ac.jp)までお名前と連絡先をご一報願います。
応用動物行動学会、日本動物心理学会 共催シンポジウム 『動物の条件づけ学習と野生動物の被害管理』報告
友永雅己助教授(京都大学霊長類研究所)

近年よく問題となっている野生生物の被害管理について、現場での実践的活動とそこで利用されている各種技法の学習心理学的な基礎について、それぞれの立場の相互理解を深めることを目的として、応用動物行動学会と日本動物心理学会による共催シンポを開催した。参加者は83名だった。学習心理学の分野の2名(磯、吉野)はともに、行動を制御する上で用いられる罰の技法の功罪について基礎研究の成果をもとに解説した。被害管理の実践的活動を行っている3名(江口、岡野、井上)からは、それぞれの立場から野生生物(イノシシやサル)の被害管理の現状と問題が報告された。講演後の総合討論でも講演者や指定討論者の間で活発な議論が行われた。それぞれの領域の間にはまだ隔たりがあるように見えたが、それぞれがお互いを理解し共同での研究や実践を探ろうとする姿勢も強く感じられた。学習心理学の立場からいえば、厳密に統制された環境での基礎的な知見が、野外生息域のような統制の弱いオープンな環境にどのように適用可能かという問題は、今後も両方の領域の研究者たちがさらに真摯に考えていかなくてはならないものであろう。

第138回例会
テーマ:ヒトの記憶研究と動物の学習行動研究の接点を探る―反応競合的現象を手がかりとして―
日時:2005年3月19日(土) 15:00-17:30
場所:名古屋大学文学部1階小会議室(130室)
会場地図:http://www.lit.nagoya-u.ac.jp/letters/01l/01l.html
交通:名古屋駅から地下鉄東山線「本山」で乗り換え、名城線(右回り)「名古屋大学」下車、徒歩5分

話題提供者および演題:
  1. 月元 敬 (名古屋大学環境学研究科)
  2. 「ヒトの記憶検索事態における抑制的現象とそのモデル」
  3. 澤 幸祐 (日本学術振興会奨励研究員) 
  4. 「動物の条件づけにおける反応競合的現象とその規定要因」

連絡先:名古屋大学環境学研究科 石井 澄 
電話:052-789-2223, 2263
日本動物心理学会第138回例会報告
石井澄教授(名古屋大学)

第138回例会は、これまで別個の研究領域とされ相互理解が十分とはいえなかった、記憶研究と条件づけ研究の接点を探ることを目的として開催された。最初に、ヒトの記憶研究における再生あるいは再認を巡る干渉効果に関するいくつかの現象と、動物の条件づけにおける刺激あるいは反応間の競合とそれに関与する要因について、それぞれの領域を専門とする若手の研究者がそれらについての理論との関連において解説した。それによって、具体的な手続きや現象においてはある程度共通している面がある一方で、それを説明する理論的枠組みの基本において違いがあることが認識された。その後参加者の間で、両者を共通の枠組みで理解する可能性について議論がなされた。

第137回例会
演題:“Cocaine Effects in Dopamine Receptor Knock Out Mice"
日時:2004年7月29日(木) 16:30より
場所:東京・三田 慶応義塾大学 研究室棟 地下1階 経済学部会議室
会場地図HP:http://www.keio.ac.jp/access.html
(JR田町駅、地下鉄三田駅・赤羽橋駅が最寄駅になります)
講師:Dr.Jonathan Katz
    National Institute on Drug Addiction
講演者紹介:
Jonathan Katz 博士は、米国NIHにある薬物依存研究所 (National Institute of Drug Addiction) で、主として コカインに関する行動薬理学的研究に従事されています。 今回は、慶応義塾大学での集中講義のために来日されました。

連絡先:慶應義塾大学文学部心理学研究室 渡辺 茂
〒108-8345 東京都港区三田2-15-45
TEL 03-5443-3896  FAX 03-5443-3897
E-mail swat@flet.keio.ac.jp

日本動物心理学会第137回例会報告
渡辺茂教授(慶應義塾大学)

第137回例会は米国NIDA(National Institute of Drug Addiction)のJonathan Katz 博 士に"Cocaine Effects in Dopamine Receptor Knock Out Mice"というタイトルで ご講演いただきました。博士は心理学出身の行動薬理学者で、ドーパミン受容体のサ ブタイプが欠損したマウスにおけるコカイン強化効果について最新のデータを紹介し ていただきました。

第136回例会
演題:「ラットの風味嗜好条件づけにおける消去抵抗の問題―ヒトと比較して―」
日時:2004年7月10日(土) 午後4時 〜 5時半
場所:同志社大学寒梅館地下大会議室 会場案内
   (寒梅館は同志社大学今出川キャンパスすぐ近くにできた新しい建物で、
   京都市営地下鉄烏丸線「今出川」駅 2番出口から北へ徒歩1分です。)
講師:Robert A.Boakes(ロバート A.ボークス)
    School of Psychology, University of Sydney, Australia
   (シドニー大学心理学部教授)
講演者紹介:
ラットを用いた古典的条件づけおよびオペラント 条件づけの行動研究で世界的に著名な心理学者であり、ま た動物心理学史の研究者でもある(著作に『動物心理学史 ―ダーウィンから行動主義まで―』誠信書房)。近年は、ラット およびヒトにおける風味条件づけの研究を盛んに進めており、 学習性の食行動の問題に明るい。
現在、シドニー大学心理学 部長。

企画:中島定彦(関西学院大学文学部助教授)
   青山謙二郎(同志社大学文学部助教授)
司会:中島定彦
連絡先:〒662-8501 兵庫県西宮市上ヶ原一番町1-155
   関西学院大学文学部心理学研究室
   Phone & FAX: 0798-54-6076

日本動物心理学会第136回例会報告
中島定彦助教授(関西学院大学)

日本動物心理学会第136回例会は、ラットを用いた古典的条件づけおよびオペラント条件づけの行動研究で世界的に著名な心理学者であり、また動物心理学史の研究者でもあるシドニー大学心理学部長Boakes教授をオーストラリアから迎えて、講演会形式で開催した。Boakes教授は、近年、風味嗜好条件づけについてラットおよびヒトを対象に研究しているが、講演ではラットを用いた実験を5つ紹介された。
いずれの実験でも、ある風味をショ糖やサッカリンと対呈示することで形成された当該風味への嗜好は、その後で消去手続きを行ってもなかなか消失しないことが確認された。これは、ヒトの風味嗜好条件づけや評価的条件づけでの実験報告と一致する。この現象の説明として、(a)非常に強固な条件づけが形成される、(b)条件づけ以外の学習メカニズムによる、といった可能性が論じられた。講演会出席者は34(うち半数が非会員)であった。講演会後、Boakes夫人を交えて、会場建物内にあり、マスコミでも話題になっている瀟洒なカフェレストランで懇親会を行った。

第135回例会
演題:「ハト、サル、類人猿」
日時:2004年3月9日(火) 午後4時 〜 7時
場所:名古屋キャッスルプラザホテル・3階福の間
講師:ドラ・ビロ(オックスフォード大学)
   エリザベッタ・ビザルベルギ(イタリア認知科学認知工学研究所)
   ジョゼップ・コール(マックスプランク進化人類学研究所)
企画・司会:友永雅己・松沢哲郎(京都大学霊長類研究所)

日本動物心理学会第135回例会報告
松沢哲郎教授(京都大学霊長類研究所)

日本動物心理学会第135回例会は、日本学術振興会先端研究拠点事業HOPEプロジェクト (京大霊長類研究所・マックスプランク進化人類学研究所共同事業)との共催でおこ なわれた。冒頭に、辻敬一郎会員(日本心理学会理事長)と渡辺茂本会理事長から 歓迎の挨拶があった。その後、3名の外国人研究者が講演し質疑をおこなった。ドラ・ ビロ(イギリス、オックスフォード大学動物学部)は、伝書バトのナビゲーションに おいて視覚手がかりが使われていることを、GPSを利用した研究から実証した。エリ ザベッタ・ビザルベルギ(イタリア、認知科学認知工学研究所)は、キャプチンモン キー(フサオマキザル)の食物摂取における他者の採食行動の観察の効果について実 験的研究を紹介した。また、最近ブラジルで撮影に成功した「野生キャプチンのハン マー石を使ったナッツ割り」のビデオを紹介した。ジョゼップ・コール(ドイツ、マッ クスプランク進化人類学研究所)は、チンパンジー・ボノボ・ゴリラ・オランウータ ンの大型類人猿4種を対象として、推論や因果に関する実験のいくつかを紹介した。 一般公開の無料講演会としておこなわれた。参加者は38名だった。渡辺理事長はじ め遠方からの参会者をえて、こじんまりとした和やかな雰囲気の中で、活発な討論が おこなわれた。

第134回例会
一般公開講演会「進化史からみたヒトとイヌ」
日時 2003年12月13日(土) 午後3時〜5時
場所 ACTA西宮東館6階西宮市大学交流センター大講義室
   (阪急西宮北口駅の北出口を出て右側連絡通路を渡る:徒歩3分)
参加費 無料
講師 埴原 和郎 先生(東京大学名誉教授・国際日本文化研究センター名誉教授)
企画・司会:中島定彦(関西学院大学文学部助教授)
連絡先 〒662-8501 兵庫県西宮市上ヶ原一番町1-155
関西学院大学文学部心理学研究室
Phone & FAX: 0798-54-6076

第133回例会
Dickenson博士はケンブリッジ大学実験心理学の教授で、連合学習理論の研究で著名ですが、カケスのエピソード記憶といった比較認知の仕事もなさっています。今回は古典的条件づけの脳内機構についての講演です。
(例会担当:渡辺茂・岡ノ谷一夫)

日 時: 9月4日午後5時より
場 所: 慶應義塾大学(三田)東館5階会議室
企画・司会: 渡辺 茂(慶應義塾大学)
講 師: T.Dickenson(ケンブリッジ大学教授)
演 題: Encoding of prediction errors in Pavlovain conditioning by dompamine activity
連絡先: 渡辺茂(慶応義塾大学)
  電話 03−5443−3896  Fax  03−5443−3897
  E-mail swat@flet.keio.ac.jp

第132回例会
人のくらしと野生動物
 昨年夏の「タマちゃん騒動」や年末のサル騒動など、われわれの日常に現れた野生動物がニュースとして新聞やテレビで報じられることが少なくありません。日本動物心理学会は、動物心理学を専門とする研究者の集まりであり、研究室実験や野外調査などによって動物の心理や行動の謎を探求しています。しかし、生活者と野生動物の関係について研究している会員はあまり多くありません。そこで、このたび、学会外部から2名の講師を招き、「人と動物が共生する社会」についてお話をうかがうことにしました。また、学会内部から指定討論者を立て、シンポジウム形式で議論を深めたいと存じます。なお、今回のテーマは一般の方々の関心も高いものですので、広く一般に公開します。

日 時  2003年3月1日(土) 13:30 〜 17:15
場 所  ACTA西宮東館6階西宮市大学交流センター大講義室
(阪急西宮北口駅の北出口を出て右側連絡通路を渡る:徒歩3分)
参加費  無料(会場定員120名を超えた場合は入場をお断りすることがあります)
主催 日本動物心理学会
後援 兵庫県動物愛護センター・(社) 兵庫県自然保護協会

講演1  「野生動物問題の原因と対処法」  濱崎伸一郎 先生
 (株)野生動物保護管理事務所関西分室室長 東京農工大学大学院農学研究科修士課程獣医学専攻修了後、野生動物保護管理事務所に入社、1998年に関西分室を開設し室長着任。主に大型哺乳類の保護管理に関する調査、行政に対するコンサルタント業務に従事。『ヒトと動物の関係学会誌』に「エッセイ:人と野生動物の関係を考える」を連載中。

講演2  「ブータンの人のくらしと動物たち」  権藤眞禎 先生
 神戸市立王子動物園動物科学資料館館長 (社)兵庫県自然保護協会副理事長 岐阜大学農学部獣医学科卒業後、神戸市衛生局、環境局、王子動物園園長を経て現職。ブータン、ミャンマー、ボルネオなどで、野生動物を観察するとともに、現地と日本との交流ボランティア活動にも従事。学術博士、学芸員。

指定討論  「人と野生動物を結びつけるもの」  中道正之 先生
 大阪大学大学院人間科学研究科助教授 大阪大学大学院人間科学研究科修了後、大阪大学助手を経て現職。野生および飼育下のニホンザルを25年間観察。マダガスカルに生息するワオキツネザルやアメリカの動物園のゴリラの研究も行っている。著書に『ニホンザルの母と子』福村出版。学術博士。

企画・司会  中島定彦(関西学院大学文学部心理学科助教授)
連絡先 〒662-8501 兵庫県西宮市上ヶ原一番町1-155 関西学院大学文学部心理学研究室
電話・FAX:0798-54-6076               ※事前申し込みは不要です

第131回例会
今回は Cambridge 大学の McCabe 先生をお招きして、仔の刻印づけに関わる脳内機構についてご講演頂きます。万障お繰り合わせの上、是非ご来聴下さい。
(例会担当:渡辺茂・岡ノ谷一夫)

日 時: 平成14年9月6日(金)午後4時半から
場 所: 慶應義塾大学三田校舎東館5階プロジェクト室
企画・司会: 渡辺 茂(慶應義塾大学)
演者: Dr. Brian McCabe (Cambridge University)
演題: "Neural mechanisms of filial imprinting"

連絡先:渡辺 茂(慶応義塾大学)
    Tel: 03-5443-3896, Fax: 03-5443-3897
    E-mail: swat@flet.keio.ac.jp

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