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例会

年に2ないし3回、講演会やシンポジウムを中心とした研究会を開催しています。
会員・非会員を問わずどなたでも参加できます(参加無料)。
また、他学会との共催、後援シンポジウムもおこなっております。参加に際してはは各シンポジウムの案内をご覧下さい。

【例会】第162回例会が開催されます new!
2017年12月8日(金)に「競争と協調」というシンポジウムを催させていただきます。
動物が集団で生きていくためには他個体と競うだけでなく、ときに協調的にふるまわなければなりません。しかしながら、動物が協調的にふるまうメカニズムについては未だ明らかになっていない点が多くあります。本シンポジウムでは「攻撃」「援助」「寛容」「立場」の4つのセッションを通して、競争と協調の行動選択をおこなうメカニズムについてについて論じていきます。

日時 12月8日(金)14:00 - 18:00(開場13:30)
会場 東京大学駒場キャンパス3号館301

演者
仲田真理子(産業技術総合研究所)
中村月香(麻布大学)
永山博通(国立遺伝学研究所)
瀬口瑛子(慶応義塾大学)

参加費不要
参加をご希望の方は,以下の参加者用フォームにご記入ください。
https://goo.gl/forms/ByJSBbMaHKDn615C2
*当日参加も可能です

詳細は、PDFをご覧ください。

オーガナイザー・企画の問い合わせ先
麻布大学 度会晃行
連絡先:a.watarai.06あっとcarazabu.com

【例会】第161回例会が開催されます
自閉症スペクトラム障害を通じて考える共感性のメカニズム;動物モデルとヒト研究の接点を探る

日時:平成27年9月27日(日)13:00〜16:00
会場:慶應義塾大学三田キャンパス 東館4階セミナー室

 自閉症スペクトラム障害(ASD)のモデルマウスを用いた基礎的学習能力に関する研究とASD者における社会的認知に関する研究を融合し、共感性と呼ばれる現象の潜在的メカニズムを探る。
演者:
神前裕(慶應義塾大学先導研究センター)
浅田晃佑(東京大学先端科学技術研究センター)
菊池由葵子(東京大学総合文化研究科)
討論者:
久保 健一郎(慶應義塾大学医学部)

タイムスケジュール:
13.00-13.50 神前裕「BTBR T+/tf/Jマウスにおける連合学習の刺激選択的障害」
13.50-14.40 浅田晃佑「自閉スペクトラム症者のパーソナルスペースとボディイメージ」
14.40-15.30 菊池由葵子「ASD者における他者への注意:実際の対人場面での検討」
15.30- 総合討論

参加費不要

オーガナイザー:
神前裕(慶應義塾大学先導研究センター)
浅田晃佑(東京大学先端科学技術研究センター)
菊池由葵子(東京大学総合文化研究科)
伊澤栄一(慶應義塾大学文学部)

企画の問い合わせ先:神前裕(y.kosaki _at_ cantab.net)

共催:新学術領域研究「共感性の進化・神経基盤」,慶應義塾大学「論理と感性のグローバル研究センター」

【例会】第160回例会が開催されます
この度,「第23回日本行動神経内分泌研究会サテライトミーティング」との共催で,第160回動物心理学会例会を開催させていただくことになりました。動物心理学会会員の皆様は特に事前登録することなく,無料でご参加いただけますので,ぜひ多くの方にご出席いただきたく,ご案内申し上げます。

第160回動物心理学会例会/第23回日本行動神経内分泌研究会サテライトミーティング教育講演

日時:平成27年9月20日(日)9:00-12:00
会場:KKRホテル仙台(宮城県仙台市青葉区錦町1丁目8番17号)
プログラム:
「第23回日本行動神経内分泌研究会サテライトミーティング 教育講演」
講演1:竹内秀明先生 (岡山大学)
  「メダカの恋の三角関係を生み出す分子神経機構」
講演2:戸張靖子先生 (早稲田大学)
  「雌の存在が雄ウズラの生殖内分泌システムを変化させる分子メカニズム」
講演3:種村健太郎先生 (東北大学)
  「化学物質暴露による中枢神経影響と異常行動 -行動毒性評価系の高度化に向けて-」

連絡先:
 鹿児島大学法文学部人文学科
 富原一哉
 E-mail: tomihara _at_ leh.kagoshima-u.ac.jp

また,この教育講演は,下記の学会大会のサテライトミーティングとして開催されます。ご興味のある方は是非こちらへもご参加ください(こちらは参加費が必要です)。

「第42回日本神経内分泌学会・第23回日本行動神経内分泌研究会 合同学術集会」
会期:2015年9月18日(金)−19日(土)
会場:仙台市戦災復興記念館(仙台市青葉区大町二丁目12番1号)
会長:井樋慶一 教授(東北大学大学)・小川園子(筑波大学)
学会テーマ:新時代を展望する神経内分泌学
学会ホームページ:http://www.bio.is.tohoku.ac.jp/~jns42/

【例会】第159回例会が開催されます
日本動物心理学会第159回例会として、Ralph R. Miller教授の講演会を開催いたしますのでご案内申し上げます。
Ralph R. Miller教授は、学習心理学、特に古典的条件づけ・連合学習分野での理論的研究において、名実ともに世界のトップランナーであり続けてきた方であり、これまでにコンパレータ仮説をはじめとする数々の有力な連合学習理論を提唱されました。動物心理学、学習心理学、記憶や連合学習の理論的研究に興味のある方は、ぜひご参加ください。なお、講演内容は、日本心理学会77回大会のものとは異なります。札幌での講演を聞かれた方も、ぜひご参加下さい。

<日 時> 平成25年9月23日(月・祝)13:30〜15:30 (開場 13:00)
<企画者> 漆原宏次(北海道医療大学)・澤幸祐(専修大学)
<場 所> 専修大学 神田キャンパス1号館2F 204教室
(東京都千代田区神田神保町3-8)
※交通案内はこちらです
<内 容> “Acquired behavior depends on post-acquisition information processing.”
Ralph R. Miller (Distinguished Professor, State University of New York at Binghamton)
参加費 無料(事前の申し込みは不要です。参加される方は直接会場にお越し下さい。)
※英語による講演となります。司会による日本語での要約がつく予定です。
※講演に関する問い合わせは、以下にお願いいたします。
 漆原宏次(北海道医療大学心理科学部准教授)
 〒002-8073 札幌市北区あいの里2-5
Tel: 011-778-8981
e-mail: uru[at]pluto.dti.ne.jp

第158回例会が開催されます
日本動物心理学会第158回例会

 標記の例会を、「日本動物心理学会第158回例会・第19回日本行動神経内分泌研究会(JSBN)」として開催します。

<日 時> 平成25年7月7日(日)9:00〜11:30
<企画者> 富原一哉(鹿児島大学)
<場 所> 鹿児島県鹿児島市桜島横山町1722-16
   国民宿舎 レインボー桜島 会議室
<内 容>
<教育講演1>
『下垂体後葉ホルモンおよびその神経活動の蛍光タンパクによる可視化の試み』
 上田 陽一 教授 (産業医科大学医学部 第1生理学)
<教育講演2>
『食欲調節ペプチドからみた摂食障害の病態と治療』
 乾 明夫 教授 (鹿児島大学医歯学総合研究科 心身内科学分野)

連絡先:
 鹿児島大学法文学部人文学科比較行動心理学教室
 富原一哉
 E-mail: tomihara[@]leh.kagoshima-u.ac.jp


第157回例会が開催されます
日本動物心理学会第157回例会のご案内

日本動物心理学会第157回例会・専修大学社会知性開発研究センター国際シンポジウム・玉川大学脳科学研究所グローバルCOEプログラム講演会

<テーマ> Expansion of Associative Learning Theory
<日 時> 平成24年11月10日(土) 14:00〜17:00(受付13:30)
<企画者> 澤幸祐(専修大学)
<場 所> 専修大学神田キャンパス 7号館3階 731教室

アクセスマップ:
http://www.senshu-u.ac.jp/univguide/profile/access/kanda_campus.html

平成23年度文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業として、 専修大学の研究プロジェクト「融合的心理科学の創成:心の連続性を探る」 が選定されました。 この度、本学社会知性開発研究センター/心理科学研究センターでは、 下記のとおり国際シンポジウムを開催することとなりました。 本シンポジウムでは、心理学分野のみならず、生理学や工学など、極めて広範囲に 影響を及ぼした 学習理論であるRescorla-Wagner modelの提唱者であるDr. Robert Rescorlaをお招き します。 連合学習について最新の知見や新しい研究方法、神経科学などの隣接領域での応用など 様々な話題を紹介し、講演者の先生方ならびにシンポジウムの参加者の方々と議論を深める予定です。


【研究報告】14:00〜14:10
 澤幸祐(心理科学研究センター研究員/専修大学准教授)

【講演】14:10〜16:55
Robert A. Rescorla(ペンシルバニア大学名誉教授)
中島 定彦(関西学院大学教授)
鮫島 和行(玉川大学准教授)

■定 員:180名(先着順)
■参加費:無料

■申込方法:
 件名を「11/10心理シンポジウム」とし、
(1)氏名(ふりがな)、(2)郵便番号、(3)住所、
(4)電話番号を明記のうえ、下記までお申し込みください。

 【申込み・問合せ先】
 専修大学社会知性開発研究センター事務課
 〒214-8580 神奈川県川崎市多摩区東三田2-1-1
 e-mail : socio[at]acc.senshu-u.ac.jp ([at]をアットマークに変えてください)  FAX:044-911-1348

 【申込締切】 11月2日(金)必着

※ご参加の可否は、メールでご連絡いたします。
※お申し込み時にいただいた個人情報は、本学からのお知らせや連絡、または個人が特定できないようにして、統計処理を行う目的で使用します。


第156回例会が開催されます
日本動物心理学会第156回例会のご案内

日本動物心理学会第156回例会・玉川大学脳科学研究所グローバルCOE・科学研究費補助金基盤研究(S)「海のこころ、森のこころ─鯨類と霊長類の知性に関する比較認知科学─」特別講演会

「知能設計における普遍性と局所性 〜比較認知とロボットからのアプローチ〜」

<日 時> 平成23年10月13日(木) 13:00〜18:00
<企画者> 友永雅己(京都大学),高橋英之(玉川大学)
<場 所> 玉川大学 大学研究室棟 B104会議室
アクセスマップ:
http://www.tamagawa.jp/access/index.html
キャンパスマップ:
http://www.tamagawa.jp/access/campusmap.html
(上記キャンパスマップの10番)

知的な人工知能の設計において,動物の優れた能力を模倣することは有効である.しかし動物の持つ知的さを知れば知るほど,動物の持つ知能が単に優れている,優れていない,の一軸のベクトルのみでは捉えられないことに気づく.個々の動物は,その住む環境に適した形で,局所的にその知能進化させているように見える.その一方で,進化全体を俯瞰することで,このような進化の方向性の中に種間を超えた普遍性があるようにも感じられる.本ワークショップでは,異なる環境に住む動物の知能を研究している研究者に,ご自身が研究している動物の知能について普遍性と局所性の観点からご講演いただく.さらに知能創発をテーマにロボットの知能をご研究をしている研究者の方にもご講演頂くことで,知能設計における普遍性と局所性についてみなで議論できたらと考える.

13:00 - 13:10 企画趣旨説明 高橋 英之 (玉川大学)
13:10 - 13:40 「3つの時間を生きるチンパンジー:進化、発達、文化」友永 雅己 (京都大学)
13:45 - 14:15 「道具使用の発達的起源をアイ・スクラッチ課題で測れるか?」宮崎 美智子(玉川大学)
14:20 - 14:50 「イヌにおける社会的認知能力と異種間絆形成について」永澤 美保(麻布大学)
14:50 - (15分休憩)
15:05 - 15:35 「イルカの社会行動‐ふれあいと同調」酒井 麻衣 (東京大学)
15:40 - 16:10 「群集環境に適応する小鳥の"知性":シジュウカラ科3種の対リスク戦略」川森 愛 (北海道大学)
16:15 - 16:45 「学習と適応に基づく原始的な道具使用のロボットモデル」鍋嶌 厚太 (CYBERDYNE株式会社)
16:45 - (15分休憩)
17:00 - 18:00 総合討論
指定討論者:大森隆司 (玉川大学)、酒井裕 (玉川大学)、菊水健史 (麻布大学)
18:00 - 閉会の言葉
大森 隆司 (玉川大学)
(タイムテーブルを更新しました。'11.9.28更新)

問い合わせ先:
友永雅己(京都大学)
E-mail: tomonaga[at]pri.kyoto-u.ac.jp
高橋英之(玉川大学)
E-mail: hideman[at]lab.tamagawa.ac.jp
([at]をアットマークに変えて下さい)


第155回例会が開催されました
日本動物心理学会第155回例会のご案内(名古屋)

標記の例会を以下の要領で開催します。今回は、薬理学・解剖学あるいは行動学的な立場から、うつ病や依存症といった臨床的な問題に関する研究を進めておられる方々に発表をお願いしました。多数の方々のご参加をお願いします。

日時:2011年3月30日(水)14時〜17時ごろまで
(その後、1時間程度の懇親会を予定)
会場:ホテル新名 1階会議室: 名古屋駅新幹線口(西口)徒歩2分
http://travel.rakuten.co.jp/HOTEL/8191/8191_std.html を参照)

発表題目および発表者
1.覚せい剤依存および認知障害についての行動学的基礎研究
溝口博之(名古屋大学環境医学研究所近未来環境シミュレーションセンター)
山田清文(名古屋大学大学院医学系研究科医療薬学・附属病院薬剤部)

2.マウスの水迷路学習場面における行動的絶望―うつ発症の個人差を検討可能な動物モデル―
土江伸誉(株式会社 行医研・兵庫医科大学)

3.側坐核に関する精神薬理学―薬物依存と大うつ病モデルの接点―
井口善生(金沢大学医薬保健研究域脳情報病態学)

 なお、発表終了後に同会場で簡単な懇親の場を設ける予定ですので、そちらにもぜひご参加ください。大会、懇親会ともに参加費無料です。

お問い合わせ先:
名古屋大学環境学研究科 石井 澄(i45086b[at]nucc.cc.nagoya-u.ac.jp)
または、
名古屋大学情報科学研究科 川合伸幸(kawai[at]is.nagoya-u.ac.jp)
([at]を@に変えて下さい)


日本動物心理学会第155回例会報告
報告者:石井 澄(名古屋大学環境学研究科)
 動物心理学会第155回例会は、名古屋大学の担当で3月30日14時から名古屋駅前の「ホテル新名」の会議室で開催された。今回の例会では、うつや依存症といった臨床的な問題に関する基礎的な研究をテーマとして、薬理学・生理学そして行動学の複合的領域において研究活動を行っている3名の研究者に発表をお願いした。参加者は関東から来られた方も含め15名であった。
 最初に名古屋大学環境医学研究所の溝口博之氏から「覚せい剤依存および認知障害についての行動学的基礎研究」と題して、放射状迷路様の装置を用いた行動研究により、覚せい剤を投与されたラットではリスク選択行動の増大などが見られるようになるが、ニコチンの摂取によりそれらが非投与群に近づくといった所見が提示された。
 続いて行医研・兵庫医科大学の土江伸誉氏が「マウスの水迷路学習場面における行動的絶望」というテーマで、水迷路課題において訓練途中から目標への遊泳をあきらめ浮遊するようになる個体が、表現型やその病理・病因そして治療処理の有効性といった点において、ヒトのうつ病のモデル動物となり得る可能性について詳細な検討を報告した。
 最後に金沢大学医薬保健研究域の井口善生氏が「側座核に関する精神薬理学」というタイトルで、薬物依存と大うつ病の動物モデルが共通して欲求性道具的行動の目標志向性や報酬に対する快の情動表出を低下させることを報告した過去の研究を総括し,これらの表現型に関与する側坐核が両疾患の病態を統合的に理解する上で重要であることを指摘した。
 それぞれの発表に対して非常に活発な質疑や討論が行われ、予定の時間を超過して18時前に終了した。


第154回例会が開催されました
日本動物心理学会第154回例会のご案内(京都)

テーマ:「『自己』の起源」
日 時:2011年3月16日(水)15:00−17:30  (終了後、懇親会)
場 所:京都大学 本部キャンパス内文学部新館 第6講義室
(アクセスはこちらをご参照下さい。
 http://www.kyoto-u.ac.jp/ja/access )
入場無料、予約不要

■企画趣旨
 動物における認知研究が盛んに行われるようになって久しい。外界のみならず、自己の内部で生じる出来事もまた動物を取り巻く環境であると言えよう。このような見地に立った自己認知研究が外界認知研究に加え行われるようになったが、「自己」という概念的存在の特異性により、ヒト以外の種においては自己鏡映像に関する分析が長らくその主要な研究手法であった。しかし近年、心の理論やメタ認知など自己に関する他の側面からのアプローチによって、動物における自己認知研究は新たな展開を見せつつある。自己と他者の区別をより多角的な諸側面からの検討をおこない、またそれらが鏡映像自己認知といかに関わるのかを明らかにすることは、自己の発生を明らかにする上で重要な示唆をもたらすであろう。

 本例会は、自己に関する研究を行っている若手研究者を招き、ヒトを含む3種の動物で行われた自己と他者の区別に関する研究および自己鏡映像に関する研究を紹介していただく。これらの講演およびそれらに関する議論から、自己の発生に関して複合領域的な考察を行うことを狙いとしている。

■講演者
兼子 峰明(京都大学霊長類研究所)
「チンパンジーとヒトにおける自己の随意運動の知覚:
 視覚-運動随伴性の変化に対する視線行動と上肢運動の調節」

陳 香純(関西学院大学文学研究科)
「鯨類における自己鏡映像認知について」

矢追 健(京都大学文学研究科)
「自己参照プロセスに関わる脳内神経基盤―fMRIによる検討」

■指定討論者
森阪 匡通(京都大学野生動物研究センター)

■企画者
渡辺 創太(京都大学文学研究科)
岩崎 純衣(京都大学文学研究科)


日本動物心理学会第154回例会報告
報告者:渡辺 創太(京都大学文学研究科)
 第154回動物心理学会例会は、「『自己』の起源」とのテーマで2011年3月16日に京都大学文学研究科第六講義室にて開催された。ヒト以外における自己認知の研究手法として、近年心の理論やメタ認知など自己に関する他の側面からのアプローチが行われるようになり、動物における自己認知研究は新たな展開を見せつつある。本例会は、自己に関する研究を行っている若手研究者を招き、ヒトを含む3種の動物で行われた自己と他者の区別に関する研究および自己鏡映像に関する研究を紹介していただいた。
 まず、陳香純先生(関西学院大学文学研究科)に「鯨類における自己鏡映像認知について」という演題にて講演いただいた。バンドウイルカ、カマイルカ、ベルーガを対象とした鏡映像認知実験の結果および進捗を、エピソードを交え語っていただいた。続いて、兼子峰明先生(京都大学霊長類研究所・日本学術振興会)に「チンパンジーとヒトにおける自己の随意運動の知覚:視覚-運動随伴性の変化に対する視線行動と上肢運動の調節」という演題にて講演いただいた。紹介された研究の結果から、運動制御時に自動的な補正から注意を伴う補正に切り替わる基準がチンパンジーとヒトとで異なる可能性の指摘がなされた。最後に、矢追健先生(京都大学文学研究科・日本学術振興会)に「自己参照プロセスに関わる脳内神経基盤―fMRIによる検討―」という演題にて講演いただいた。特定の人物表象へのアクセスが必要とされるような参照課題をおこなった研究を紹介いただいた。結果は、各実験参加者内でより反応時間が長かった試行において、自身について参照した課題と特定の第三者について参照した課題との間で脳活動が部分的に異なることを示唆するものであった。その後、指定討論者の森阪匡通先生 (京都大学野生動物研究センター)による総括的質問が各講演者になされ、総合討論を行なった。
 一言で「自己」と表現されるそれは、しかし実のところ文脈により微妙に異なる対象を指す。今回の例会で各講演者に提供いただいた話題はいずれも自己に関する研究であったが、厳密には自己の中でもそれぞれ異なる側面を対象とした研究であった。このように「自己」という存在を、複数の観点から、また複数の種についての研究から総合的に考察することが本例会の主旨であったが、参加者の各人が「自己」に対する自身の認識について再確認し、また一段踏み込んだものにしたことと思われる。震災直後の混乱の時期ということもあってか参加者は16名と比較的少人数であったが、参加者のほぼ全員が活発に質問や意見を述べる双方向型の熱気溢れる会となった。予定の終了時刻を大幅に延長した上での散会となり、またその後の懇親会でも盛んに意見や情報の交換が行われるなど、小規模ながら非常に盛況な会であった。


第153回例会が開催されました
日本動物心理学会+千葉大学「人間理解のための認知適応科学の創成」プロジェクト共催 ワークショップ
「認知の適応とは何か?」

 適応は,環境の不確実性に柔軟に対処する,動物の生存にとって必須の能力で す。自然界の適応の方略には様々な形態があります。たとえば,霊長類に見られ る母指対向性などはその例でしょう。しかし,このようなハードウェアに組み込 まれた適応システムが,短期的な環境の大きな変化に対応するのは簡単ではあり ません。ヒトを含む,高度に発達した動物の適応方略の特徴は,ソフトウェアで ある認知システムにこそあるでしょう。認知システムの適応様式,機能,機序を 解明することで,動物種としてのヒト自身を理解することにとどまらず,ヒトが ヒトを取り巻く環境下で快適に生きていくための指針を見出すことが期待できま す。
 認知の進化は,まさに認知の適応過程ですが,非常に長い時間(多くの世代交 代)が必要です。今回のワークショップでは,より短期的な認知の適応過程に着 目し,認知システムはどのように環境に適応しているのか,またどのような点で 適応的であると言えるのか,適応を可能にしているサブメカニズムはどのような ものか,4人の話題提供者が様々な側面から問題提起しつつ,参加者全員で考え ていきたいと思います。
(本ワークショップは,千葉大学「教育研究高度化のための支援体制整備事業」 と日本動物心理学会の支援を受けています。)

日時:2010年7月31日(土)
場所:国立情報学研究所(http://www.nii.ac.jp/access/)20階 実習室1 & 2 (東京メトロ半蔵門線/都営地下鉄三田線・新宿線「神保町」A8出口, 東京メトロ東西線「竹橋」1b出口 徒歩3〜5分)

※当日参加もできますが,建物のセキュリティ上,参加をご予定されている方は, 7月29日(木)までに牛谷(ushitani[at]L.chiba-u.ac.jp)にご所属とお名前をお知らせください。

スケジュール:
13:00- 13:10 イントロ(牛谷 智一)
13:10- 14:10 藤井 直敬(理研BSI)「霊長類を用いた社会的脳機能解明の試み」
14:10- 15:10 長坂 泰勇(理研BSI)「ニホンザルにおける自−他同調運動」
15:10- 15:20 休憩
15:20- 16:20 一川 誠(千葉大・文)「奥行知覚の可塑性と行動適応:反転眼鏡の長期装着による検討」
16:20- 17:20 牛谷 智一(千葉大・文)「空間探索における適応的な方略」

講演概要(講演順):
藤井 直敬「霊長類を用いた社会的脳機能解明の試み」
 霊長類の社会的脳機能を明らかにするため,動物の行動制限を可能な限り排し, 出来る限りの生体情報を同時記録する多次元生体情報記録手法を開発した。その 手法を用い,抑制行動を中心とした社会的適応機能の解明を試みた。

長坂 泰勇「ニホンザルにおける自−他同調運動」
 われわれヒトの行動には無意識的な行動が散見され,そのなかのいくつかは社 会適応に有効であることが示されている。このような行動がヒト以外の動物にも 観察されるのか,ニホンザルを対象として検討した。

一川 誠「奥行知覚の可塑性と行動適応:反転眼鏡の長期装着による検討」
 鏡やレンズなどを用いて光学的に奥行手がかり間に不一致を導入することがで きる。たとえば,両眼視差手がかりの方向や量を光学的に変換したまま観察を持 続すると,両眼視差の処理過程および奥行情報統合の過程に様々な変化が生じる。 それぞれの過程における変化の順応的側面について解説するとともに,それらが 行動適応において持つ意味について考察する。

牛谷 智一「空間探索における適応的な方略」
 タッチパネルを用いた空間探索課題において,ハトがどのように手がかりを利 用するか調べたところ,ハトは複数の視覚手がかりを同時に学習し,状況に応じ て使い分けることがわかった。空間探索における適応的な方略とはどのようなも のか考察する。

第153回例会概要ダウンロード(pdf:201KB)

日本動物心理学会第153回例会報告
報告者:牛谷智一(千葉大学文学部)
 2010年7月31日(土)国立情報学研究所20階実習室1にて,「認知の適応とは何か?」と題したワークショップを開催した。
 最初の話題提供者,藤井直敬氏(理化学研究所)は,多次元生体情報記録手法の開発とその手法を用いた社会的適応機能の研究について紹介した。2人目の長坂泰勇氏(理化学研究所)は,複数の個体間の同調行動の分析とそこから示唆される社会的適応機能について考察した。3人目の一川誠氏(千葉大学)は,反転眼鏡装着下における順応を中心に,知覚的適応過程とその基盤について論じた。4人目は私,牛谷が,ハトを用いた空間認識の比較認知研究を題材に,適応的な認知方略の基礎要件について考察した。
 「認知の適応」についての問題提起が目的であったので,あえて討論時間を設けなかったが,参加した方々との積極的な意見交流があり,予定時間をオーバーして議論が続き,また,ワークショップ終了後にも話題提供者と参加者の議論が続くなど,大変盛会であった。酷暑の最中であったが,話題提供者を含み,29人の参加があった。
 (本ワークショップは,千葉大学「教育研究高度化のための支援体制整備事業」との共催でおこなわれた。)


第152回例会が開催されました
テーマ:「比較認知科学とフィールド科学の接点」
日 時:2010年4月3日(土)13:00−17:30  (終了後、懇親会)
場 所:ホテル新名(名古屋駅(新幹線口)徒歩1分)
入場無料、予約不要

<企画趣意>
 比較認知科学の分野では、詳細な方法論にもとづいて、飼育下の動物の心に関する知見を蓄積してきた。フィールドにおける野生霊長類の暮らしを明らかにする研究も、同様に長い歴史をもっている。両者は相互に有益な視点をもたらすと考えられるが、実際には、心 と暮らしを包括的に捉えて双方が討論をおこなう場は少なかった。
 本例会では、国内外の若手研究者を招き、霊長類の認知について実験室と野外における様々な視点から、比較認知科学とフィールド科学の接点をさぐることを目的とする。

 Comparative cognitive studies have established precise methodologies and accumulated the knowledge on the mind of captive animals. Meanwhile, field studies on wild primates have had long history of revealing their behaviors and lives in the community. Although the two streams of research can be mutually informative, there have been limited opportunities for the comprehensive discussion concerning the mind and society of animals as a whole. The aim of this annual meeting is to make a bridge between researchers from animal laboratories and fields. The topics focus on cognition in primates from various perspectives.

企画者:友永雅己、林美里、足立幾磨、伊村知子

<講演者>
13:05‐13:40 Anna Albiach Serrano
(Max Planck Institute for Evolutionary Ant hropology)
"The knowledge of object-object physical relations in Great Apes and Corvids"

13:40‐14:15 Yuko Hattori
(Primate Research Institute, Kyoto University)
"An experimental study about cooperative communicative abilities in chimpanzees"

14:15‐14:50 Sonja Koski
(Leverhulme Centre for Human Evolutionary Studies, University of Cambridge)
“Dissecting chimpanzee empathy”

14:50‐15:15 休憩 Coffee break

15:15‐15:50 Misato Hayashi
(Primate Research Institute, Kyoto University)
“Cognitive development in captive and wild chimpanzees”

15:50‐16:25 Susana Carvalho
(Leverhulme Centre for Human Evolutionary Studi es, University of Cambridge)
"Weaving different trends of research in Guinea: From field experiments to environmental education"

16:25‐17:00 William McGrew, Kimberley Hockings, Tetsuro Matsuzawa
(Leverhul me Centre for Human Evolutionary Studies, University of Cambridge / Universidade Nova de Lisboa / PRI, Kyoto University)
“Spontaneous ingestion of alcohol by non-human primates: seven hypotheses a nd some preliminary findings”

17:00‐17:30 総合討論 General discussion

問い合わせ先 友永:tomonaga[at]pri.kyoto-u.ac.jp
([at]を@に変えて下さい)


日本動物心理学会第152回例会報告
報告者:林美里(京都大学霊長類研究所)
 152回例会は『比較認知科学とフィールド科学の接点』というテーマで、2010年4月3日に開催された。比較認知科学の分野では、詳細な方法論にもとづいて、飼育下の動物の心に関する知見を蓄積してきた。フィールドにおける野生霊長類の暮らしを明らかにする研究も、同様に長い歴史をもっている。両者は相互に有益な視点をもたらすと考えられるが、実際には、心と暮らしを包括的に捉えて双方が討論をおこなう場は少なかった。本例会は、国内外の若手研究者および著名研究者を招き、霊長類の認知について実験室と野外における様々な視点から、比較認知科学とフィールド科学の接点をさぐることを目的としておこなわれた。演者と講演内容は以下のとおりである。
 Anna Albiach Serrano氏(マックスプランク研究所)は、大型類人とカラスにおける物理的関係性の理解について報告した。服部裕子氏(京都大学霊長類研究所)は、視線計測課題と見本合わせ中の映像提示課題によって、チンパンジーが同種からの社会的手がかりを使っていることを報告した。Sonja Koski氏(ケンブリッジ大学)は、共感にいくつかの段階があることを示し、チンパンジーの共感について論じた。林美里氏(京都大学霊長類研究所)は、物を扱う課題でチンパンジーの認知発達を調べた結果および飼育下と野生チンパンジーの行動のビデオ記録について報告した。Susana Carvalho氏(ケンブリッジ大学)は、考古学的手法をチンパンジーの石器使用に応用した研究の成果とともに、野生チンパンジーの保護活動についても報告した。William McGrew氏(ケンブリッジ大学)は、ヒト以外の霊長類における自発的なアルコール摂取について、その背景となる要因に関する仮説を立てるとともに実際の摂取行動を報告した。
 今回の例会は、年度開始直後の開催となった上に、すべての講演および質疑応答が英語でおこなわれたため、どれくらいの参加者があるか不安だったが、東海地区だけなく東京および関西地区からも参加者があり、有意義な会となった。演者には30分の講演と5分の質疑応答という時間設定でお願いしていたが、異分野が融合しておこなったこともあり、多様な視点からの議論がおこなわれ、終了後の懇親会でも各発表者を中心に熱心な議論が続いていた。


第151回例会が開催されました
テーマ:「自閉症研究と比較認知科学の接点」
日時:2010年3月20日(土)14:00−17:30
場所:京都大学文学研究科第6講義室
会場へのアクセス等につきましては,下記をご覧ください。
http://www.bun.kyoto-u.ac.jp/sogo/access.html

講演者
・中野珠美(順天堂大学大学院医学研究科・日本学術振興会)
 「自閉症の視覚認知スタイルの異常」
・魚野翔太(京都大学大学院教育学研究科・日本学術振興会)
 「広汎性発達障害における動的表情処理の心理・神経メカニズム」
・直井望(JST/ERATO, 岡ノ谷情動情報プロジェクト)
 「自閉症児の言語・社会性発達の評価・介入研究
   ー応用行動分析学的アプローチを用いてー」

指定討論者
藤田和生(京都大学大学院文学研究科)
後藤和宏(京都大学こころの未来研究センター)

タイムテーブル
14:00-14:10 企画者より
14:10-14:55 中野珠美先生ご講演
14:55-15:40 魚野翔太先生ご講演
15:40-16:00 休憩
16:00-16:45 直井望先生ご講演
16:45-17:30 指定討論(藤田和生先生、後藤和宏先生)および総合討論

企画趣意
自閉症研究と比較認知科学は、Premack & Woodruff(1978)、Baron-Cohen et al. (1985)による「心の理論」研究をはじめとして、模倣や視点取得の困難など、社 会的認知の様々な側面において、これまで共通の問題意識をもってきた。また近 年では、比較的低次の視知覚や注意の処理過程についても、健常者との比較にお いて同様の相違点が報告されている。本例会では、自閉症者、ヒト以外の動物を 対象に研究を進めてこられた先生方を講演者、指定討論者としてお招きして分野 間の交流をはかり、共有する問題意識について多視点から議論を深めたい。

事前申込み不要、入場無料
企画者 黒島妃香・松野響(京都大学文学研究科)


日本動物心理学会第151回例会報告
報告者:松野響(京都大学文学研究科)
 第151回動物心理学会例会は、「自閉症研究と比較認知科学の接点」とのテーマで2010年3月20日に京都大学文学研究科第六講義室にて開催された。動物心理学会の例会としてはやや奇抜なテーマ設定ながら、40名弱の参加者にめぐまれ、盛況の中、活発に議論を交わすことができた。
 テーマ選定の理由として、自閉症研究と比較認知科学の両者が共通した問題意識を内包している点が挙げられる。本例会では、両分野で共に重要なトピックとして取り上げられているSocial cognition、Social vision、Basic visionの3つのレベルそれぞれにおける研究と、それらレベル間の連関を探るアプローチについて理解と議論を深めることを目指し、自閉症研究のフィールドで世界的に活躍されている若手の先生方3名に講演をお願いした。また、比較認知科学研究の立場から同様のトピックに取り組んでこられた先生方に指定討論をお願いすることで、両分野の交流をはかり、共有する問題意識について相互理解と議論を深めた。各講師の先生方と講演内容は以下のとおりであった。
 中野珠実先生(順天堂大学大学院医学研究科・日本学術振興会)は、「自閉症の視覚認知スタイルの異常」というタイトルで、社会的刺激観察時の視線計測実験、スリット視をもちいた時間統合処理過程についての研究、定型発達者を対象とした瞬目の同期に関する研究について報告された。
 魚野翔太先生(京都大学大学院教育学研究科・日本学術振興会)は  「広汎性発達障害における動的表情処理の心理・神経メカニズム」というタイトルで、広汎性発達障害と定型発達者を対象とした情動表出刺激観察時の表象モーメンタムに関する心理物理学的研究、情動刺激観察時のfMRIによる脳機能計測に関する研究を発表された。
 直井望先生(JST/ERATO, 岡ノ谷情動情報プロジェクト)は「自閉症児の言語・社会性発達の評価・介入研究 ー応用行動分析学的アプローチを用いてー」というタイトルで、応答的共同注意と始発的共同注意に対するオペラント条件づけをもちいた介入・評価に関する研究を発表された。
 指定討論者の後藤和宏先生(京都大学こころの未来研究センター)、藤田和生先生(京都大学文学研究科)のコメントに端を発した総合討論では、個々の課題で明らかにされる心的機能間の機能連関についての考察の必要性、脳機能計測の手法を含めた測定手法の重要性、個人差、個体差についての検討など、自閉症研究と比較認知科学研究両者に共通する課題について意見が交わされた。また、例会後には、講演者、指定討論者の先生方を囲んだ懇親会を開催し、フランクな雰囲気の中で硬軟織り交ぜ、活発な議論が続いた。
「自閉症の視覚認知スタイルの異常」
中野珠実 (順天堂大学大学院医学研究科・日本学術振興会)

 自閉症は社会性やコミュニケーション能力の発達障害を特徴とする。彼らの社会的認知機能の異常を明らかにすることを目的に、人の動きや顔への注視パターンの研究が数多く報告されているが、結果はまちまちであった。そこで、テレビ番組や映画から社会的なシーンを抜き出して作成した動画を視聴しているときの乳幼児と成人の注視パターンを自閉症群と健常群で比較した。視線の時系列パターンを多次元尺度法で定量化したところ、自閉症の有無と発達の2つの独立した要因による注視パターンの変化を同定することに成功した。
さらに、自閉症には社会性の障害だけでなく、知覚過敏や実行機能・注意障害もみられる。一方で、自閉症の中には、驚異的な記憶力やカレンダー計算力などのサヴァン症候群とよばれる能力を保有するものもいる。このようなアンバランスな認知能力の発達の背景として、局所的な大脳皮質回路の過剰形成と大域的な皮質回路の形成不全による脳機能不全の可能性が考えられる。その場合、複数の領域の協働を要する認知課題の成績が低下するはずである。そこで、スリット視課題を用いて自閉症群と健常群を比較したところ、自閉症群は健常群と比較して著しく成績が劣っていた。しかし、局所の情報量が高い絵に対する正答率は高かったことから、視覚の局所情報の認知処理には問題がないものの、それらを統合して全体を再構成する能力に障害があることを明らかにした。

「広汎性発達障害における動的表情処理の心理・神経メカニズム」
魚野翔太(京都大学大学院教育学研究科・日本学術振興会)

 日常的なコミュニケーションでは顔の動的な情報が重要な役割を果たしており、静止表情と比較して動的表情では知覚・注意といった様々な処理が促進されることが示されている。しかしながら、対人コミュニケーションの障害を主な症状とする広汎性発達障害(PDD)ではこのような動的表情による促進効果が定型発達群と比較して弱いということが示された。これらの知見に加え、PDD群における動的表情処理の問題に関わる神経メカニズムを調べたfMRI研究から比較的低次の視覚処理に障害がある可能性について報告する。

「自閉症児の言語・社会性発達の評価・介入研究 ー応用行動分析学的アプローチを用いてー」
直井望(JST/ERATO, 岡ノ谷情動情報プロジェクト)

 自閉性障害に関連して様々な言語、社会性の障害が報告されている。一方で、発達臨床研究においては、自閉性障害に関連する言語やコミュニケーションの困難は、行動的介入によって改善が可能であることが報告されている。観察研究においては「できる」、「できない」にとどまってしまう自閉性障害児の言語・コミュニケーションについて、「介入」という新しい視点から「できるための変数」つまり介入による可塑性を明らかにすることができると考えられる。このような視点から、自閉性障害児の発達初期から重度の障害が報告されている「共同注意」について、行動分析的な手法を用いた評価・介入研究について報告する.

第150回例会が開催されました
日本動物心理学会第150回例会
「ヒトを含む霊長類の親子関係のダイナミックス」のお知らせ

 中部地区担当の第150回例会を下記のように開催します。今回の共通テーマとしては、実験室、動物園や家庭での行動観察を主体とした手法による、ヒトを含む霊長類の親子関係のダイナミックスです。 話題提供者として、上野有理先生(滋賀県大学)、中道正之先生(大阪大学)、小島康生先生(中京大学)、指定討論者として辻敬一郎先生(動心名誉会員)、友永雅己先生(京都大学霊長類研究所)の先生方をお願いしました。 会場はJR岐阜駅に隣接しています(JR改札を出て東へ徒歩2分、名鉄岐阜駅より徒歩5分)。多くの会員のご参加をお待ちしています。

日時:2009年3月28日(土)13:10-16:50
場所:岐阜市ハートフルスクエアG(中研修室)
http://www.ip.mirai.ne.jp/~heartful/index.htm
参加費:無料、事前予約不要

例会プログラム
13:20〜14:00(質疑応答10分)
 上野有理(滋賀県立大学)「食事場面にみるチンパンジーの親子関係」
14:10〜14:50(質疑応答10分)
 中道正之(大阪大学)「ゴリラの母子関係と子どもの行動発達」
休憩10分
15:10〜15:50(質疑応答10分)
 小島康生(中京大学)「ヒトの親子の自然場面での相互作用」
16:00〜16:40
 指定討論者:辻敬一郎(動心名誉会員)・友永雅己(京都大学霊長類研究所)
2009.3.26追記:当初、松沢哲郎先生を指定討論者とお知らせしておりましたが、友永先生に変更となりました。)

問い合わせ先
 宮本邦雄(東海学院大学、miyamoto[at]tokaigakuin-u.ac.jp)
      ([at] の部分を@に変えて下さい)

日本動物心理学会第150回例会報告
報告者:宮本邦雄(東海学院大学)
 日本動物心理学会第150回例会は、2009年3月28日(土)の午後1時から5時まで、岐阜市ハートフルスクエアG中研修室において開催された。「ヒトを含めた霊長類の親子関係のダイナミクス」という共通テーマで、3名の話題提供者にご講演をいただいた。上野有理氏(滋賀県立大学)には、ヒトとチンパンジーの食事を介した親子のやりとりについての縦断的研究を紹介し、発声・もぐもぐ・待機がチンパンジーの乳児でみられないという知見を報告していただいた。中道正之氏(大阪大学)には、米国サンディエゴ野性動物園でのゴリラ集団を対象とした継続的観察研究によって得られた、母子分離・母子交換・母と祖母の子どもの受け渡しという興味深い事例を報告していただいた。最後に、小島康生氏(中京大学)は、横断歩道・ショッピングセンター・住居内という自然場面におけるヒト親子の相互作用の観察から、モノ・ひと・言葉を介して関わり合うヒトの親子関係を紹介された。以上の話題提供について、辻敬一郎氏(本学会名誉会員)と友永雅己氏(京都大学霊長類研究所)の指定討論者から、個々の研究方法やそれらの研究をまとめる視点に関して的確なコメントをいただき、発表内容の理解を深めることができた。前記3氏のご報告によって、自然な場面での行動観察による、子どもの自立に向けての親子の営みに関する比較発達心理学的研究の最先端を紹介していただいた。有意義な集会となったことをご報告すると共に、話題提供者および指定討論者の先生方にお礼申し上げる。


第149回例会が開催されました
日本動物心理学会第149回例会
ワークショップ「比較認知神経科学の展望」のお知らせ

 神経科学領域における最近の技術的革新には目覚ましいものがあります。ヒト 以外の動物を対象とした研究では、神経伝達物質の測定法や神経活動の解析法に おける進展、遺伝子工学による様々な改変動物作成などに見られるように、分子、 細胞、器官など様々なレベルで、詳細な分析や操作が可能になりつつあります。 一方、ヒトを対象とした研究では、各種イメージング法の開発や技術的進展によ り、ヒトにしか見られないような認知機能の神経基盤を、非侵襲的な方法で可視 化する研究が急速に増えてきています。
 そこで、第149回例会では、神経科学分野で最先端の仕事を進められている新 進気鋭の若手研究者5人に、それぞれの最近の研究内容についてご講演をお願い いたしました。活発な議論の場となるよう,多くの皆様のご参加をお待ちしてお ります。

日時:2009年3月14日(土)13:25-16:40
場所:学術総合センター(国立情報学研究所)1階 特別会議室101
http://www.nii.ac.jp/introduce/access1-j.shtml

※ ご来場の際は,チラシ(PDF)をプリントし,当日,会場警備員にお見せください。
*** チラシは,こちら ***

タイムテーブルと講演内容:
13:30-14:05 兎田幸司(筑波大学)
「アカゲザルの前部帯状皮質における報酬の近さと量の情報表現」
 霊長類において、前部帯状皮質は「報酬の予測」や「動機づけ」などの認知機 能に関わっていることが示唆されている。しかしながら、(1)前部帯状皮質の領 域内に機能差が存在するのか、(2)報酬獲得までのコストや報酬量の情報はこの 領域においてどのように処理されているのかは未だ明らかでない。本研究では、 アカゲザルに報酬の「近さ」と「量」を操作した視覚弁別課題を訓練し、課題遂 行中のサルの前部帯状皮質から単一ニューロン活動の記録を行った。前部帯状皮 質の吻側部と尾側部の比較を含め、今までに得られているデータについて紹介す る。

14:05-14:40 鈴木江津子(専修大学)
「記憶に関する海馬下位領域間機能差とその生理学的基礎」
 海馬シナプス伝達効率の長期的な増大(長期増強)は、記憶の生理学的基礎の 候補である。海馬は歯状回、CA3、CA1という3領域に区分され、どの領域におい ても長期増強が生じうる。一方、各領域の長期増強を選択的に操作した動物を用 いた研究から、記憶における各領域の役割が異なる可能性が示唆されてきた。こ の違いに関連すると思われる各領域間の長期増強の差異について検討した。

14:40-15:15 堀江亮太(理化学研究所)
「人工文法学習の機能的MRI研究および乳児の系列学習研究」
 人工文法学習の機能的MRI研究を報告する。成人被験者に、指に空気圧をあた える指運動の系列学習課題により有限状態文法を学習させ、課題遂行時の脳賦活 を測定した。人工文法の状態遷移が予測不可能なときに、前部帯状回とブローカ 野周の辺前頭前皮質の活動が高まることを報告する。次に、言語発達研究で行わ れている乳児の学習実験研究について、統計学習実験の追試も含めて概説し、計 算論的な系列学習研究について論じたい。

15:30-16:05 加藤真樹(理化学研究所)
「鳴禽類の歌学習を司る分子基盤の探索」
 鳴禽類はヒト同様に音声学習能をもち、歌学習と発声に特化した脳構造(歌神 経核)をもつ事から、ヒト言語の神経基盤を探るモデル動物として用いられてい る。歌学習には遺伝的制約があることが示唆されており、我々はその分子的実体 を明らかにすることを目的として、鳴禽類の歌神経核における網羅的遺伝子発現 解析を行った。その結果、歌神経核で可塑性関連分子など様々な遺伝子が特異的 に発現していることが明らかとなった。

16:05-16:40 長坂泰勇(理化学研究所)
「社会的文脈を含む感情表出観察中のニホンザル扁桃体,前帯状野,前頭眼窩野の活動」
 社会的な環境世界において他者の感情を認識することは重要である。しかしそ のような感情がどのような状況や文脈のもとで生起したものであるのかを同時に 認識することなしに、その社会において適切に行動を行うことは不可能である。 本研究では、ニホンザルに社会的な文脈を含んだ感情表出行動を観察させ、その 際の扁桃体、前帯状皮質、前頭眼窩野の3領野の神経活動を同時に記録した。2 頭のニホンザルのそれぞれの脳領域から記録した結果、扁桃体と前頭眼窩野の細 胞は、同種個体が恐怖感情を表出しているときに活動したが、それは付随する社 会的文脈情報によって変化した。一方で前帯状野では、そのような活動の変化は 認められなかった。したがって、扁桃体と前頭眼窩野は共に他者の感情の認知だ けではなく、その感情がどのように生起したのかその社会的な情報の符号化にも 関与していることが示唆された。

司会:牛谷智一(千葉大学)・山崎由美子(慶應義塾大学)
オーガナイザー:山崎由美子・牛谷智一・後藤和宏(慶應義塾大学)・友永雅己(京都大学)

日本動物心理学会第149回例会報告
報告者:山崎由美子(慶應義塾大学)
 149回例会は『ワークショップ「比較認知神経科学の展望」』というテーマで、2009年3月14日に開催された。このテーマとしたのは、神経科学領域における最近の技術的革新が目覚ましく、先端技術を背景に、分子生物学、心理学、行動生態学、人文科学、社会科学など、学際的な視点をもった研究が次々と創出されている背景があるからである。例えば、ヒト以外の動物を対象とした研究では、神経伝達物質の測定法や神経活動の解析法における進展、遺伝子工学による様々な改変動物作成などに見られるように、分子、細胞、器官など様々なレベルで、詳細な分析や操作が可能になりつつある。一方、ヒトを対象とした研究では、各種イメージング法の開発や技術的進展により、ヒトにしか見られないような認知機能の神経基盤を、非侵襲的な方法で可視化する研究が急速に増えてきている。
 そこで、本例会では、様々な実験対象・実験技術を用いて神経科学分野で最先端の仕事を進められている新進気鋭の若手研究者5人に、それぞれの最近の研究内容についての講演をお願いした。演者と講演内容は以下のとおりである。
 兎田幸司氏(筑波大学)はアカゲザルの視覚弁別課題遂行中の前部帯状皮質の神経活動記録について報告した。鈴木江津子氏(専修大学)は、薬理学的方法により生じさせた長期増強のラットの海馬各領域における差異について報告した。堀江亮太氏(理化学研究所)は、指運動の系列学習課題を通して人工文法を学習させたヒト成人被験者における、機能的MRIによる脳賦活について報告した。加藤真樹氏(理化学研究所)は、歌学習を行う鳴禽類の歌神経核における網羅的遺伝子発現解析の結果を発表し、ヒト言語の神経基盤のモデル動物としての有用性を論じた。長坂泰勇氏(理化学研究所)は、社会的文脈の有無が、ニホンザルの感情表出観察時の神経細胞活動にどのような影響を与えるか、多電極同時記録法により測定した結果を報告した。
 今回の例会は、いつもとは異なり、場所が大学構内でない上、当日は昼ごろまで嵐に近い悪天候だったため、一体どれくらいの参加者があるかと不安になったが、様々な大学・研究機関から28人の参加者があった。演者には25分の講演と10分の質疑応答という時間設定でお願いしていたが、10分の質疑応答時間が短く感じられるほど、各講演後にはフロアから質問が活発になされ、細かな実験手技に関する疑問から概念的なことまで、有意義な議論をすることができた。


第148回例会が開催されました
 日本動物心理学会第148回例会
 『若き動物心理学徒に語る』

 第148回例会を以下のとおり開催します。今回は、日本動物心理学会の役員を長く務められた南徹弘、井深信男両先生にご講演いただくことになりました。南先生は大阪大学、井深先生は滋賀大学を今年3月に定年退職され、現在は新しい大学で活躍されております。例会では、両先生の動物心理学者としての人生を、若い研究者や学生に向けて熱く語っていただく予定です。ご研究内容はもとより、ご研究スタイルや学問観について、両先生にお教えいただく点が多々あることでしょう。多くの方のご参加をお待ちしております。

日時:2008年11月22日(土) 14:00-18:00
場所:立命館大学大阪オフィス 6階 6Aセミナールーム
    大阪市中央区北浜3-1-18 島ビル6F
    京阪本線・淀屋橋駅
    地下鉄(御堂筋線)・淀屋橋駅
    京阪14-B出口 エスカレーター上すぐ
http://www.ritsumei.ac.jp/mng/gl/koho/annai/profile/access/osaka_office_l.html 参加費:無料、事前予約不要。会員外も参加可能です。

講演1:14:00-15:20(質疑応答20分を含む)
 南徹弘(大阪成蹊短期大学教授、大阪大学名誉教授)
  「ネズミ・サル・ヒトの比較心理学研究40年」

講演2:15:30-16:50(質疑応答20分を含む)
  井深信男(聖泉大学学長、滋賀大学名誉教授)
  「私の生体リズム研究−実験動物に支えられて−」

懇談・意見交換:17:00-17:30

企画・司会:中島定彦(関西学院大学)
コメンテーター:藤田和生(京都大学)

なお、例会後、会場近くで懇親会(実費)を開催する予定です。
問い合わせ:中島定彦 nakajima[at]kwansei.ac.jp
日本動物心理学会第148回例会報告
報告者:中島定彦(関西学院大学)
 日本動物心理学会第148回例会は、2008年11月22日(土)の午後2時から5時45分ま で、大阪の淀屋橋駅出口にある島ビル6階、立命館大学大阪オフィスの6Aセミナール ームで開催された。会場は、京阪中之島線開通により大阪市内で今一番ホットな中之島 を眼下に見下ろす絶景で、国の重要文化財である大阪市中央公会堂や大阪府立中之島図 書館、土佐堀川をゆく水上バスなど、窓の外の美しさにため息が出るほどであった。交 通至便で景色のいい素敵な会場を手配いただいた立命館大学の藤健一先生に感謝したい 。
 さて、今回の例会は、日本動物心理学会の重鎮である南徹弘先生、井深信男先生にそ れぞれ1時間ご講演いただき、各講演の後に20分間の質疑応答、そして最後に30分間の 全体討論(懇談・意見交換)を行うという構成であった。両先生から「たっぷり!」学 ぶ機会を持てたことをまず喜びたい。
 南先生は、ご自身の発達研究の対象がラット・サル・ヒトへと変わって来られた歩み を、井深先生は若き頃の研究テーマの模索や優れた師との出会いによる研究の転機・展 開を、多くの写真を用いてスライド紹介された。要所要所で具体的な観察記録、実験デ ータなどを分かりやすく説明された。
 コメンテーター役をお願いした京都大学の藤田和生先生からの鋭い質問により、学術集 会としてのアカデミックさも増幅した。フロアからは、大阪大学の中道正之先生からの 好奇心を掻き立てる問いかけや、同志社大学の岡市先生ご夫妻からの会場が和むご発言 などがあり、アカデミックかつアットホームな、まさに例会らしい集いだった。
 学部看板を抱えた南先生の大学生時代のお写真や、井深先生と小泉元首相の同窓会での ツーショット写真(高校の同級生だそうである)などを拝見できたのは、なかなか愉快 であった。あいにく参加者は20名と少人数であったが、両先生からの後進へのメッセー ジ(動物心理学研究の面白さ)は十分伝わったものと思われる。
 例会後は、向かいの居酒屋で2時間余りの懇親会を開催した。懇親会の参加者は15名だ ったが、例会以上に愉快な時間を持つことができた(冗談か本気か分からない話もたく さん飛び出した)。
 南先生は大阪大学、井深先生は滋賀大学を今年3月に定年退職され、現在は新しい大学 で活躍されている。若輩者の言にて僭越ではあるが、ご研究のますますのご発展をお祈 りしたい。

国際ワークショップ『森の心、海の心:チンパンジーとイルカの比較認知科学』が開催されました
国際ワークショップ『森の心、海の心:チンパンジーとイルカの比較認知科学』
International Workshop on Comparative Cognitive Science
"Minds in the Forest and Under Water: Comparative Cognitive Science on Chimpanzees and Dolphins"

開催日時:2008 年 9 月 12 日(金) 10:00〜17:30
場所:名古屋港水族館 北館レクチャールーム
http://www.nagoyaaqua.jp/othe/acce/index.html
入場無料、予約不要
(レクチャールームへの入場は無料ですが、水族館への入場は有料です)

主 催:京都大学霊長類研究所、京都大学野生動物研究センター(共催)
後 援:名古屋みなと振興財団(名古屋港水族館)、京都大学グローバル COE『生物の多様性と進化研究のための拠点形成』、同『心が活きる教育のための国 際的拠点』、日本動物心理学会、勇魚会(海棲哺乳類の会)

ワークショップ準備委員会
友永雅己(京都大学霊長類研究所准教授)
幸島司郎(京都大学野生動物研究センター教授)
中原史生(常磐大学コミュニティ振興学部准教授)
森阪匡通(京都大学野生動物研究センター研究員)
山本真也(京都大学霊長類研究所大学院生)

発表者
山本真也(京都大学霊長類研究所、日本学術振興会)
松野 響(京都大学文学研究科、日本学術振興会)
友永雅己(京都大学霊長類研究所)
Victoria Horner (Yerkes Primate Research Center, USA)
中原史生(常磐大学)
森阪匡通(京都大学野生動物研究センター、日本学術振興会)
Marie Trone (Dolphin Research Center, FL, USA)
Stan Kuczaj (University of Southern Mississippi, USA)

ワークショップの趣旨
近年、心の進化を探る研究領域である「比較認知科学」は、その対象とする種の幅をここ数年劇的に広げつつある。これまで非常に研究が進んできた霊長類、とくにチンパンジーなどの大型類人猿だけでなく、鳥類でも知性が高いといわれているカラスやカケスの仲間、そしてイルカやシャチといった鯨類などでの研究が海外では盛んになってきた。また、研究テーマの面でも広がりを見せている。これまで視覚認知など物理的世界の認識を調べる研究が主流だった霊長類での比較認知研究は、この 10 数年の間、彼らの持つ社会的な知性を探る研究が精力的に行われるようになってきた。物理的な世界を認識する知性、生態学的環境を認識する知性だけでなく、社会的なかかわりの中で発揮される知性への関心の高まりは、霊長類だけでなく、鳥類や鯨類にも波及しつつある。国内での鯨類の比較認知研究者の数は、霊長類研究者に比べてまだまだ少ない。そこで、本国際ワークショップでは、海外からイルカの行動と認知の研究の第一人者である Stan Kuczaj 氏(University of Southern Mississippi)をお招きするとともに、国内外の鯨類と大型類人猿の若手研究者を糾合して、国内外で進展している研究の現状を共有し、さまざまな形での研究の連携を探る場を提供したいと考えた。多数のご来場をお待ちしております。

問い合わせ:友永雅己 (tomonaga[at]pri.kyoto-u.ac.jp)

第147回例会が開催されました
日本動物心理学会第147回例会

 中部地区担当の第147回例会を以下のとおり開催します。今回は「動物心理学研究」の前の編集委員長を努められた岡市広成先生にご講演をいただき、その後に若手の研究者の研究発表を予定しています。また、会員以外の中部地区の心理学研究者の方々にもコメンテーターをお願いしました。会場は名古屋駅新幹線口から程近いところです。多くの会員のご参加をお待ちしております。

日時:3月29日(土)13時から17時(発表終了後18時ごろまで同会場にて懇親会)
場所:「ホテル新名」会議室(名古屋駅新幹線口徒歩1分)
例会内容

講演
  • 「ラットの空間認知行動と海馬機能」 岡市広成(同志社大学)
研究発表
  1. 「ニホンザルにおける視覚性弁別課題を用いた性の認知」 木場玲子(日本学術振興会・京都大学霊長類研究所)
  2. 「ヒトとサルにおける生得的および獲得された嫌悪事象について」 柴崎全弘(名古屋大学情報科学研究科)
  3. 「運動処置を無条件刺激としたラットの味覚嫌悪条件づけ」 柾木寿久(日本学術振興会・名古屋大学)
  4. 「マウスの養育行動発達に対する親の影響」 昌子浩孝(国立長寿医療センター研究所)
コメンテーター:辻敬一郎(動心名誉会員)・古賀一男(名古屋大学)・松沢哲郎(京都大学霊長類研究所)・宮本邦雄(東海学院大学)・川口 潤(名古屋大学) 

問い合わせ先
石井 澄(i45086b[at]nucc.cc.nagoya-u.ac.jp)または川合伸幸(kawai[at]is.nagoya-u.ac.jp)
日本動物心理学会第147回例会報告
報告者:石井 澄(名古屋大学)
 日本動物心理学会第147回例会は、平成20年3月29日(土)の13時から18時まで、名古屋駅前の「ホテル新名」の会議室にて開催され、以下のような講演および研究発表が行われた。参加者は約30名であった。

講演:岡市広成(同志社大学)「ラットの空間認知行動と海馬機能」

研究発表
1.木場玲子(日本学術振興会・京都大学霊長類研究所)「ニホンザルにおける視覚性弁別課題を用いた性の認知」 
2.柴崎全弘(名古屋大学情報科学研究科)「ヒトとサルにおける生得的および獲得された嫌悪事象について」
3.柾木寿久(日本学術振興会・名古屋大学)「運動処置を無条件刺激としたラットの味覚嫌悪条件づけ」 
4.昌子浩孝(国立長寿医療センター研究所)「マウスの養育行動発達に対する親の影響」 

 なお、中部地区に拠点を置く若手研究者によるこれらの発表に対しては、以下のようなコメンテーターを含むフロアからの質問および討議が行われた。
辻敬一郎(動心名誉会員)・古賀一男(名古屋大学)・松沢哲郎(京都大学霊長類研究所)・宮本邦雄(東海学院大学)・川口 潤(名古屋大学) 

 研究発表終了後、同会場にて簡単な懇親会が行なわれた。

第146回例会が開催されました
日本動物心理学会第146回例会 「動物園の行動学」
 今日の動物園の役割は、娯楽だけでなく、教育、研究も含み、最終的には、種の保存に貢献することであると言われています。動物心理学の分野に関わる研究者が、展示動物の行動研究に参加することは、動物心理学の新たな展開の契機になると同時に、動物園がその役割を果たすことに少なからず参加できると思われます。
現在、展示動物である動物園の動物の行動をさまざまな目的を持って研究しておられる方々に集まっていただき、その成果と今後の方向性をご紹介していただきます。動物園の展示動物に関心を持つ多くの方々にご参加いただき、活発な議論を願っています。

期日 2007年12月15日(土) 午後1時15分〜午後5時
場所 大阪大学大学院人間科学研究科(吹田キャンパス)東館105教室

プログラム
  • 13:15-13:45 村山 司(東海大学海洋学部)
    「イルカ類の認知に関する研究」
  • 13:45-14:15 入江 尚子(東京大学大学院総合文化研究科)
    「アジアゾウの数量認知能力」
  • 14:15-14:45 平崎 鋭矢(大阪大学大学院人間科学研究科)
    「動物園でのバイオメカニクス研究の可能性」
  • 14:45-15:00 休憩
  • 15:00-15:30 長尾 充徳・松永雅之(京都市動物園)
    「エゾヒグマの認知能力と研究対象としての可能性について」
  • 15:30-16:00 三浦乃莉子(東京農工大学大学院農学府)
    「飼育下フサオマキザルの環境エンリッチメント実施のための評価実験」
  • 16:00-17:00 総合論議
    指定討論者 竹田正人(天王寺動植物公園)上野吉一(東山動植物園)
例会世話人:中道正之(大阪大学大学院人間科学研究科)、友永雅己(京都大学霊長類研究所)
問合せ先:中道正之
(電話:06-6879-8129または-8045;メール:naka[at]hus.osaka-u.ac.jp)

共催:「動物園の生物学5」(世話人:友永雅己、上野吉一)
共催:大阪大学大学院人間科学研究科:大学院教育改革支援プログラム「人間科学データによる包括的専門教育」

アクセス:大阪モノレールの阪大病院前下車徒歩5分、あるいは、JR茨木駅から近鉄バスで15分、地下鉄御堂筋・北大阪急行線千里中央駅から阪急バスで10分、阪大医学部前または阪大本部前下車、徒歩5分。
詳しくは、大阪大学大学院人間科学研究科ホームページ(http://www.hus.osaka-u.ac.jp/access/access.html)をご覧ください。

日本動物心理学会第146回例会報告
報告者:中道正之(大阪大学大学院人間科学研究科)・友永雅己(京都大学霊長類研究所)
 「動物園の行動学」と題した日本動物心理学会第146回例会が、2007年12月15日に、大阪大学大学院人間科学研究科東館106教室において、開催された。 今日の動物園の役割は、娯楽だけでなく、教育、研究も含み、最終的には、種の保存に貢献することであると言われている。動物心理学の分野に関わる研究者が、展示動物の行動研究に参加することは、動物心理学の新たな展開の契機になると同時に、動物園がその役割を果たすことに少なからず参加できると思われる。そこで、現在、展示動物である動物園の動物の行動をさまざまな目的を持って研究しておられる5名の方に、その成果と今後の方向性をご紹介していただき、「動物園の行動学」の可能性を探る研究会を開催した。
 日本の10余の水族館等でイルカ類の認知研究を長年にわたり続けておられる村山司氏(東海大学海洋学部)は、その成果だけでなく、飼育担当の方々との相互理解の重要性も指摘していただいた。平崎鋭矢氏(大阪大学大学院人間科学研究科)からは、ワオキツネザル、ゴリラなどが動物園で暮らしている状態のままで、彼らの生体力学を研究する新しい試みを聞かせていただいた。入江尚子氏(東京大学大学院総合文化研究科)は、陸生動物の中で最も大型の動物であるアジアゾウの数量認知の最新の研究成果を発表していただいた。動物園の飼育担当をしておられる長尾充徳氏(京都市動物園)からは、エンリッチメントの試みのために与えた物体をエゾヒグマがどのようにかかわるのかについて詳細な報告をいただいた。最後に、三浦乃莉子氏(東京農工大学大学院農学府)からは、集団で暮らすフサオマキザルのケージにロープを縦と横に張ったときの行動の違いを定量的に測定したデータを紹介していただき、エンリッチメントにおける実証的な評価の重要性と問題点を指摘していただいた。その後に、竹田正人氏(天王寺動植物公園)と上野吉一氏(東山動植物園)のふたりの指定討論者から、総合的な観点からのコメントをいただいた。
 研究会には、13大学、9動物園・水族館、2企業などから、計68名の参加者があり、個別の発表後も、総合論議でも、終始活発な議論が展開された。とりわけ、大学関係者と動物園・水族館関係者が、互いに協力しながら、展示動物の福祉にも十分考慮しながら、多くの種の動物の豊かな心を探っていくことの重要性と楽しさを、研究会を通して、確認できたと思う。
 尚、本研究会は、「動物園の生物学5」(世話人:友永雅己、上野吉一)、及び大阪大学大学院人間科学研究科:大学院教育改革支援プログラム「人間科学データによる包括的専門教育」の共催として行われた。

第145回動物心理学会例会が開催されました
日本動物心理学会第145回例会
第4回 行動神経内分泌研究会との共催になります。
今回は共催の関係上、事前登録・参加費が必要になりますのでご注意下さい。

第4回 行動神経内分泌研究会 開催要項
今回の研究会は動物心理学会例会との共催となります。

日時:2007年7月7日(土)− 8日(日)
場所:湘南国際村センター
〒240-0198 神奈川県三浦郡葉山町上山口1560-39
http://www.shonan-village.co.jp/
アクセス:http://www.shonan-village.co.jp/map_index.htmlを参照

宿泊込みの参加登録は締め切りました。
宿泊なしで研究会のみ参加の場合は、当日まで受け付けます。
ただし、食事をご希望の方は、準備の都合上、なるべく早くにご連絡いただければ幸いです。

参加希望者の方は、
氏名、所属、一般/学生の区分
1日目の夕食(バーベキュー)および2日目の朝食・昼食の要・不要を、横浜市立大学・高瀬宛email(taka_se[at]yokohama-cu.ac.jp)
にお知らせ下さい。

参加費
研究会のみ参加の場合、一般は2500円、学部・大学院学生は無料。
食事については、個々に受け付けます。
1日目の夕食:一般 2000円; 学部・大学院学生 1000円
2日目の朝食:一般・学部・大学院学生 1300円
2日目の昼食:一般・学部・大学院学生 1200円
プログラム 1日目7月7日(土) 12:00 受付開始
※荷物は会場内の小部屋もしくは地階のロッカールームに置くことが可能です。
12:30 鍵の受け渡し(宿泊室の利用が可能となります)

13:00-13:05 開会の挨拶 高瀬堅吉(横浜市立大学)

13:05-15:05 研究発表1 司会:松脇貴志(東京大学)
・高橋阿貴(国立遺伝学研究所)
「C57BL/6JとMSM系統から作出されたコンソミックマウス系統を用いた攻撃行動の遺伝学的解析」
・笠原好之(東北大学・院)
「OXT受容体遺伝子と中枢性の発熱制御」
・古田都(国立精神・神経センター)
「Neurogenesis builds the relationship between mother and child」
・株式会社エイコム
「神経伝達物質分泌動態の測定法の基礎と応用-実践的データを踏まえてー」
※発表20分、質疑応答10分としますが、発表の途中でも自由に質問して下さい。

15:10-16:00 特別講演1 司会:小川園子(筑波大学)
・小出剛(国立遺伝学研究所)
「動物行動多様性の遺伝的基盤解明に向けた試み」

16:00-16:50 特別講演2 司会:近藤保彦(日本医科大学)
・舩橋利也(横浜市立大学)
「性差から見た摂食行動調節の神経基盤」

17:00-20:00 夕食〈バーベキュー〉(総合研究大学院大学敷地内バーベキュー施設)

2日目7月8日(日)

7:30-9:00 朝食〈バイキング〉(湘南国際村センター内カフェテリアオーク)
※10:00までにフロントでチェックアウトを済ませるようお願い致します。

9:00-10:30 研究発表2 司会:實木亨(横浜市立大学)
・大西新(北里大学・院)
「生後発達期ラット海馬における認知機能関連受容体に対する甲状腺ホルモンの影響」
・井上和彦(早稲田大学・院)
「ウズラの自発運動を高める新規ニューロステロイドの同定と生理的変動」
・坂口菊恵(お茶の水女子大学・日本学術振興会PD)
「ヒト女性における生殖腺ホルモンと副腎ホルモンの周期的変動」
※発表20分、質疑応答5分としますが、発表の途中でも自由に質問して下さい。

10:30-12:00 研究発表3 司会:浦川将(日本医科大学)
・増田純弥(武蔵野大学)
「ストレス反応の性差におけるエストロジェンの役割」
・青木麻美(協和発酵工業株式会社)
「マウスにおけるストレス応答の性差に関する研究」
・下鶴倫人(東京大学・院・日本学術振興会DC)
「離乳後の社会的隔離操作がスナネズミの行動特性に与える影響」
※発表20分、質疑応答5分としますが、発表の途中でも自由に質問して下さい。

12:00-13:00 ランチミーティング ランチ終了後自由解散

※研究会およびランチミーティングの会場は湘南国際村センターのルミエールです。
開催要項について御不明な点は横浜市立大学・高瀬宛emailまで御連絡ください。

日本動物心理学会第145回例会報告
小川園子教授(筑波大学)
この例会は、第4回行動神経内分泌研究会との共催で65名の参加者を得て行われました。
日時:2007年7月7日(土)- 8日(日)
場所:湘南国際村センター

1日目7月7日(土)
開会の挨拶 高瀬堅吉(横浜市立大学)
研究発表1 司会:松脇貴志(東京大学)
・高橋阿貴(国立遺伝学研究所): C57BL/6JとMSM系統から作出されたコンソミックマウス系統を用いた攻撃行動の遺伝学的解析
・笠原好之(東北大学・院): OXT受容体遺伝子と中枢性の発熱制御」
・古田都(国立精神・神経センター): Neurogenesis builds the relationship between mother and child
・株式会社エイコム:神経伝達物質分泌動態の測定法の基礎と応用-実践的データを踏まえて
特別講演1 司会:小川園子(筑波大学)
・小出剛(国立遺伝学研究所):動物行動多様性の遺伝的基盤解明に向けた試み
特別講演2 司会:近藤保彦(日本医科大学)
・舩橋利也(横浜市立大学):性差から見た摂食行動調節の神経基盤
バーベキュー

2日目7月8日(日)
研究発表2 司会:實木亨(横浜市立大学)
・大西新(北里大学・院):生後発達期ラット海馬における認知機能関連受容体に対する甲状腺ホルモンの影響
・井上和彦(早稲田大学・院):ウズラの自発運動を高める新規ニューロステロイドの同定と生理的変動
・坂口菊恵(お茶の水女子大学・日本学術振興会PD):ヒト女性における生殖腺ホルモンと副腎ホルモンの周期的変動
研究発表3 司会:浦川将(日本医科大学)
・増田純弥(武蔵野大学):ストレス反応の性差におけるエストロジェンの役割
・青木麻美(協和発酵工業株式会社):マウスにおけるストレス応答の性差に関する研究
・下鶴倫人(東京大学・院・日本学術振興会DC):離乳後の社会的隔離操作がスナネズミの行動特性に与える影響
ランチミーティング

第144回例会が開催されました
日本動物心理学会第144回例会
第144回動物心理学会例会のお知らせ

本年度の動物心理学会例会を下記の要領で開催致しますので,多数の皆様のご参加をお待ちしています.



テーマ:社会的行動研究の多様なアプローチ
日時:2007年3月10日(土)午後2時から午後5時まで
場所:大阪市立大学文化交流センターホール(大阪駅前第2ビル6階)
司会:山口哲生(大阪市立大)

講演:
 14:00 - 14:50 服部裕子(京都大)
  「チンパンジーとフサオマキザルの視線認識と身振りの生成」

 14:50 - 15:40 佐伯大輔(大阪市立大)
  「ハトにおける他個体との共有による報酬の価値割引」

休憩

 15:50 - 16:40 菱村 豊(広島国際大)
  「マウスの社会的ストレスによる体表面温度の変化:社会的行動の生理学という視点から」

16:40-17:00 総合討論

指定討論者:
青山謙二郎(同志社大)
中島定彦(関西学院大)
中道正之(大阪大)
以上

 なお,懇親会を例会終了後に行う予定です.懇親会に参加される方は,2月末日までに伊藤宛に御連絡下さい(講演者の方は懇親会費無料です)
世話人:伊藤正人(大阪市立大)E-mail: ito[at]lit.osaka-cu.ac.jp TEL 06-6605-2379 or 2382
日本動物心理学会第144回例会報告
伊藤正人教授(大阪市立大学)
日本動物心理学会第144回例会は,2007年3月10日(土)大阪市立大学文化交流センターにおいて開催された.「社会的行動研究の多様なアプローチ」という共通テーマのもと,比較認知,行動分析,神経科学分野から3名の話題提供者に,この共通テーマに関連するそれぞれの分野の最近の研究事例と各自の実験データを織り交ぜた話をしていただいた.比較認知分野からは,服部裕子氏(京都大)がチンパンジーとフサオマキザルの社会的場面における視線認識の問題を自身の実験的研究を通して紹介し,行動分析分野からは,佐伯大輔氏(大阪市大)がハトの他個体との共有による報酬の価値割引の問題を独占餌場と共有餌場の選択問題とした実験的研究を報告した.さらに,神経科学分野からは,菱村豊氏(広島国際大)がマウスを用いて社会的ストレスを体表面温度の変化から見る研究の概要と温度測定装置の検討について紹介した.以上の話題提供に対して,青山謙二郎氏(同志社大),中島定彦氏(関西学院大),中道正之氏(大阪大)の3名の指定討論者から的確なコメントをいただき,発表内容の理解や議論を深めることができた.当日は,21名の参加者があり,例会終了後は懇親会において引き続き議論がなされ,有意義な時間を持つことができた.この場を借りて,話題提供者および指定討論者の皆様に改めてお礼申し上げる.
世話人:伊藤正人(大阪市大)

第143回例会が開催されました
日本動物心理学会第143回例会
第143回日本動物心理学会例会(中部地区)
「動物心理学研究の多様性」

日時:2007年3月3日(土) 13:00〜18:15
場所:ホテル新名(JR名古屋駅)
参加費無料、事前登録不要
オーガナイザー:友永雅己、田中正之、林美里(京都大学霊長類研究所)

  • はじめに 友永 雅己(京都大・霊長研)
  • 日本人の動物観と動物心理学 渡辺 茂 (慶応大、日本動物心理学会理事長)
  • チンパンジーによる複数オブジェクトの追跡 松野 響(京都大・霊長研)
  • チンパンジーにおける3次元空間知覚:絵画的手がかりで定義された面の知覚
  • 伊村知子(関学大)
  • 動物の連合学習における事象表象―知覚・イメージ・行為― 井口善生(名古屋大)
  • 老齢ザルにおける学習と記憶の特性 久保(川合)南海子(京都大・霊長研)
  • コメント:谷内 通(金沢大)、浅野俊夫(愛知大)、齋藤洋典(名古屋大)、辻 敬一郎
  • 5歳のニホンザルにおける生後2年間の対象経験についての再認記憶 村井千寿子(玉川大)
  • テナガザルの発達─思春期をむかえて─  打越万喜子(京都大・霊長研)
  • テナガザルの音声の変異性 親川千紗子・香田啓貴・杉浦秀樹(京都大・霊長研)
  • 笑いの起源と進化 松阪崇久(滋賀県大)
  • 野生チンパンジーの広域調査から見えてくるもの 大橋 岳(京都大・霊長研)
  • コメント:竹下秀子(滋賀県大)、宮本邦雄(東海女大)、三宅なほみ(中京大)
  • 閉会の挨拶  松沢哲郎(京都大・霊長研)

日本動物心理学会第143回例会報告
友永雅己助教授(京都大学霊長類研究所)
 第143回日本動物心理学会例会は、中部地区担当分として行われた。中部地区 では、これまで中部地区の大学が持ち回りで企画・開催してきたが、今回は京都 大学霊長類研究所の松沢哲郎、友永雅己、田中正之、林美里らにより企画・運営 が行われた。
最近の動物心理学研究は、その対象とする種、用いられる研究手法、隣接する研 究領域との関連など、さまざまな側面から多様性が深まってきている。そこで、 今回の日本動物心理学会例会では、動物心理学およびその隣接領域において精力 的に研究を行っている若手研究者の方々、特に最近学位取得されたか、近いうち に取得予定の方々を招いて、自身の研究について紹介していただき、動物心理学 研究の多様性の一端に触れることを目的とした。また、冒頭では、本学会理事長 の渡辺茂先生にレクチャー講演をお願いした。さらに、若手の研究発表に対し て、さまざまな領域ですでに活躍している研究者の方々を数多くコメンテータと してお招きし、それぞれに、自由闊達にコメントをしていただいた。
主催者の想像を越える40名以上の方々が中部地区だけでなく東京、関西からも参 加していただいた。発表者の方々も20分という短い時間の中で自らの研究をコン パクトにまとめていただき、動物心理学が近接領域と密接な関連をもちつつその 裾野を着実に広げていることが実感できた。
内外の学会では、今回の例会のように、博士学位取得前後の研究者を集めて議論 を行う「博論コンソーシアム(Doctoral Consortium)」が活発に行われているら しい。最近の学会発表は、ポスターが主流で口頭発表も、非常に短い時間しか与 えられない。比較的長い時間の中で、自身の研究をまとめて紹介するという経験 が、若い研究者たちにはほとんどないのが現状だろう。日本動物心理学会として も、学会大会前後の自由集会、サテライトシンポジウムや例会などを活用して、 若手研究者の支援をさまざまな形で進めてはどうだろうか。

第142回例会が開催されました
日本動物心理学会第142回例会
講演者:Prof Robert G. Cook (Tufts University)
演題:Perception, memory and the organization of behavior in pigeons
日時:2007年1月27日(土)午後3時より
場所:キャンパスイノベーションセンター東京 5Fリエゾンコーナー 
会場地図HP:http://cic-hp.zam.go.jp/
       (JR山手線・京浜東北線田町駅下車徒歩1分)

要旨:This talk will focus on three crucial aspects of behavior in pigeons. Recent advances in our understanding of the mechanisms of short and long-term memory for visual information in this animal will be presented and their comparative implications discussed.

千葉大学が他大学に先駆けて導入した「飛び入学」など、早期高等教育の試みも10年を迎えようとしています。早期高等教育は、千葉大学先進科学研究教育センターが担当していますが、このたび海外との研究交流を促進する企画の一環として、主としてハトを用いた視知覚研究で世界をリードしている Tufts 大学の Robert G. Cook 博士を招聘することになりました。この機会を利用して、動物心理学会の例会として Cook 博士の講演会を開催します。直前の連絡になりましたが、多数の皆様のご参加をお待ちしております。
連絡先:千葉大学文学部 牛谷智一
    263-8522 千葉市稲毛区弥生町1-33
TEL 043-290-2274 FAX 043-290-2274
E-mail:ushitani[at]L.chiba-u.ac.jp

日本動物心理学会第142回例会報告
牛谷智一助教授(千葉大学)
第142回例会として、Robert G. Cook 教授による講演会を開催した。Cook 教授は、California 大学で生物心理学の博士号を取得され、現在は Tufts 大学の教授・心理学科長として、鳥類の視覚認知分野で活躍されている研究者である。  講演会は、ハトをもちいた2つの実験報告を軸に進められた。第1の実験では、通常間違った方を選択すれば罰が与えられて終わるだけの見本合わせ課題において、2回目、3回目の反応を許した。2回目、3回目の反応は、偶然レベル以上の正答率であった。第2の実験ではセッションの前半と後半とで課題が変化し、選ぶべき項目は逆転していた。ハトの反応は、課題の変化をハトが「予期」していることを示唆するものであった。いずれも、ハトの行動が、時間のパラメータでダイナミックに変化することを示しており、大変興味深いものであった。  講演参加者は38名で、若い参加者が多かったにもかかわらず、彼らを中心に活発な討論がおこなわれた。講演会後、Cook 教授を囲む懇親会が開かれ、研究者間の国際交流を深めた。

<共催>千葉大学先進科学研究教育センター
<企画>實森正子・牛谷智一(千葉大学)
<司会>牛谷智一(千葉大学)

開催された例会・シンポジウム
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