ご挨拶

第 84 回
日本公衆衛生学会総会
学会長

浜松医科大学
健康社会医学講座教授

尾島 俊之

尾島 俊之

このたび、第84回日本公衆衛生学会総会を2025(令和7)年10月29日(水)~31日(金)の3日間にわたり、グランシップ(静岡県コンベンションアーツセンター・静岡市)で開催することになりました。

第84回総会は、これまでの80年余りの学会の歴史で、初めての静岡県での開催となり、約4,000名の参加を見込んでいます。全国からの参加者を静岡にお迎えして、海の幸・山の幸や、地域の魅力を堪能いただきたいと思います。

第84回総会のテーマは、『フェーズフリーの地域づくりと健康危機管理』としました。フェーズフリーとは、平時の物や仕組みが、危機時にも垣根無く役立つことです。静岡県は、1970年代から東海地震説の提唱により、防災運動が展開されてきました。この間、東日本大震災を初めとする地震や風水害、新型コロナウイルス感染症のパンデミックなどの健康危機が発生しました。次の健康危機に向けての備えは、公衆衛生学の重要な課題となっています。
一方で、静岡県は全国トップクラスの健康寿命を誇っています。温暖な気候や製造業等の経済活動に加えて、積極的な公衆衛生活動を展開しており、厚生労働省の第1回健康寿命をのばそう!アワード最優秀賞を受賞しています。健康づくり活動は、行政のみで頑張るのでは無く、地域の住民や教育研究機関を含めて種々の関係機関・団体が連携した地域づくりが重要であると考えられます。そして、地域づくり活動は、平時の健康づくりだけではなく、災害等の健康危機が発生した時の対応にも威力を発揮します。この総会が、地域づくりと、健康危機管理を垣根無く推進していく一助になればという趣旨でこのテーマを設定いたしました。

日本公衆衛生学会では協力会員制度が始まりました。これは、国または地方公共団体の職員(関連機関職員を含む)、全国公衆衛生関連学協会連絡協議会(全公連)の加盟学会会員または社会医学系専門医協会構成学会の会員で、日本公衆衛生学会に入会したことがない方に対し、入会後翌年の事業年度終了時まで会費を無料とする制度で、その間であれば総会において共著者として演題に名を連ねることが可能です。この機会に、ぜひお近くの非学会員もお誘いいただき、多くの演題登録と学会へのご参加をよろしくお願いいたします。

皆さまの本学会総会へのご参加を心よりお待ち申し上げます。

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