ご挨拶

第22回日本婦人科がん分子標的研究会
会長:永瀬 智
(山形大学医学部 産科婦人科学講座 教授)
令和5年11月17日(金)、18日(土)の2日間、天童市にある「美味求真の宿 天童ホテル」において、第22回日本婦人科がん分子標的研究会を開催することとなりました。これまでの3年間は、コロナ感染拡大の影響を受け、日程や開催形式などの変更を余儀なくされ、歴代の会長はご苦労なさったと拝察いたします。感染は未だ終息しておらず医療人としては油断できない状況であることには変わりありませんが、今回の日本婦人科がん分子標的研究会は、研究会発足当初のコンセプトに立ち返り、熱い議論を深められるような環境での開催としました。「三密」から解放された研究会になることを期待しております。
今回のテーマは「トランスレーショナルリサーチのその先へ」とさせていただきました。昨今、婦人科がんの領域に分子標的治療薬が実装され、治療概念が大きく変わろうとしています。治療戦略を大きく変える新規治療薬の開発は、創薬技術の単なる進歩によりもたらされたわけではありません。抗VEGF抗体薬、PARP阻害剤、そして免疫チェックポイント阻害剤のどれをとっても、新規治療薬の開発にはその基盤となる基礎研究の蓄積が存在します。そして、様々な研究グループによる多方面からの解析、情報交換、さらには、良い意味での競争が新規治療法開発の推進力となっています。トランスレーショナルリサーチの成果をその先にすすめていくためには、同じ思いの研究者が集い、切磋琢磨し合うことが非常に大切と考えています。本研究会がそのような場になることを願い、また、コロナ禍から抜け出そうとしている今、本研究会の原点に帰る意味を込めて、このテーマを掲げました。
11月17日(金)は、全国の先生方が参加しやすいように、午後からの開催とし、特別講演を含むスポンサードセミナー3つ、一般演題からノミネートされる天神・菊池賞候補演題セッション、そして、一般演題のセッションの構成を予定しています。また、懇親会では、山形の秋の味覚と山形が誇る地酒・十四代も準備しています。2日間通して昼夜問わず楽しんでいただけるよう、教室員一同鋭意準備しているところです。
山形で皆様にお会いできることを楽しみにしております。