☆実習で役立つ
☆安楽のポイントはここ!!
すぐにできる!
「安楽」なケア虎の巻
看護師の方へ
明日の安楽のための看護
様々な場での安楽な看護ケア
~救急外来、精神科外来、手術室、集中治療~
論文・学会発表
関連リンク

様々な場での安楽な看護ケア

意識が無いからこそ、患者さん家族へ向けて
 -救命センターICU看護師より-

意識が無いからこそ、患者さん家族へ向けて私の勤務する救急救命センターICUでは意識レベルが悪い方がとても多いです。鎮静があったり、心肺停止蘇生後で低酸素血症でという方で、意識が戻ってくる見込みが少ない方もいらっしゃいます。
こういう場合には、やはりその患者さんがつらい、つらくないというのは、フィードバックが来ない分、評価はこちら側の評価になってしまいます。体の姿勢、安楽な体位が取れているか、ベッド周りがきれいか、熱があったらつらいだろうか・・・など全部こちら側の推測になってしまいます。そんな時、安楽かどうかの中心とするのは、やはり家族が見て、ああ、ちゃんとしてくれているなと感じてくれること。自分や家族がその環境に入院したときに「ああ、すごく良くしてくれているな」と思うということが一番かなと思います。安楽

患者さん本人からフィードバックが来ない分、家族の方が“とてもきれいにしてくれている”と感じてくださることが、ICUにおける 患者さんの看護の安楽ではないかと思います。


眠れている?患者さんの1日のバイタルサインから観察
-救命センターICU看護師より-

眠れている?患者さんの1日のバイタルサインから観察患者さんが安楽な睡眠を得られているかどうかは、体位変換などで一時覚醒した後、すぐに再入眠しているかどうかを見ます。整えたその人にとっての良い寝相がしばらく続くかどうかも見ます。もぞもぞせずにそのまま落ち着いたりする感じなどです。病棟(ICU)の特質上、持続で心拍数などをモニタリングしているので、そういうところで「ぐっすり寝ているな」というようなことも分かったりします。  
安楽 そんなに極端に上がったり下がったりはないですが、結構除脈になりがちなのです。特に高齢者の方です。例えば、日中は心拍数が70台で夜間の心拍数は50台ですと、パッと見て、ああ寝ているなというのはなんとなく分かるのです。常にそれで寝ているか寝ていないかをモニタリングしているわけではないですが、呼吸回数なども10回前後などになってくると、寝られているのかなと思います。  
勤務16時間で夜勤もみていると、ある程度のパターンが見えてきます。例えば、だいたいこの人は寝ると心拍数が59とか60前後だけれども、起きていると心拍数は90ぐらいなんだななどというのは分かったりします。


キーワードは「安全」と「体位」
-手術室の看護師より-

キーワードは「安全」と「体位」私は手術室勤務の看護師です。手術室の安楽の為の看護で大切なことは、一般的な人の関節可動域や褥瘡好発部位などを知っていること、その患者さんにとっての「安楽」という何らかの条件を看護師が知っていることです。  
その患者さんにとっての安楽の条件は何なのかは、手術前に直接患者さんに伺います。どこまで手が上がるか、どのくらい膝屈曲できるか、つまり関節可動域です。あと腰が痛い患者さんは、どうやったら仰臥位が楽に取れるか、リウマチのある患者さんは、どういう角度が一番楽なのかなどを聞きます。  
側弯症とういう先天性の疾患の方は、胸郭のある部分がとても出っ張っている場合があります。うつぶせで手術をするのですが、ちゃんと自分で見て触ってどこに注意すればよいかを確認し、必要な時は、体位を調整するための特殊な枕も使用します。

安楽手術室での患者さんにとって「安楽」な体位は、患者さんの皮膚損傷や神経損傷、安全面にもつながっています。「安全」というのは、看護師が最低限保障しなければならないもの、手術室での安楽はその患者さんにとって、その人が考える安全な手術のことだと思います。


Don’t harm yourself
-精神科外来の看護師より-

精神科外来の看護師より私の勤めている精神科外来は、初診時前に当院で受けられるケースかどうか判断するために、はじめに医療者が電話相談に乗ります。初診で患者さんにお会いして、看護師が初診時の診察前問診をさせていただきました。その時に、「あの時、話をしっかり聞いてもらって予約を取らなかったら、自分を傷つけていたと思う。」と仰っていました。  安楽
お電話の時には、希死念慮の確認はしても、そういうことはお話にはならない。自殺企図もされていらっしゃらないし、希死念慮とも仰らないですが、もしもあの時に予約を取らなかったら、自分はやはり「harming myself」、自分のことを傷つけていた と思うと話されました。多分、自殺を企図していたというか、危なかったという感じだったそうです。  
希死念慮や自殺企図があると、都内だと本当に限られたところでしか入院はできなくなってしまいます。その方は、外来でそのまま通院を続けていて入院に至らないで済んでいます。  
やはり、社会的な生活を送っていらっしゃる方だと、入院されるのは 避けたいところではないでしょうか。こういうことから、患者さんの安楽について考えることはあります。


「環境を整える」
-救急外来看護師より-

救急外来看護師より 救急外来で働いています。患者さんが苦痛な時に、面会をどう考慮するかということを大切にしています。救急外来は苦痛が一番MAXな状態で来る場所なのです。一番辛い時に、患者さんは誰とでも会えるような状況にありません。痛みが強い時に、治療や、看護ケアという、私が実際に手を触れて何かをすることももちろんありますが、周りの環境を整えるのも重要だと思っています。  
環境を整えるうちの一つに面会をどういう風に設定してあげるかということがあります。患者さんにどのように面会したいか伺うように、私はいつも心掛けています。例えば少しだけ、状況が落ち着いた時に、付き添いの方に会ってもらいますかとか、ご家族はいつ入ってもらいますかとか、そのように環境を整えるよう考慮しています。 安楽 
看護でどうして安楽が必要か。そうですね、患者と関係を築く、何か看護ケアを行う、治療を進める、どれにおいても患者と看護師の関係を形成する所から全ては始まると思います。

患者さんが安楽な状態でなければ、患者さんからの信用も 得られないですし、それはもちろん看護師だけではなく、医師も患者さんに関わる事務職員も、全員に共通して言える事だと思います。治療に至る前の、例えば着替えや、バイタルサインを測らせてもらうなど、何か患者さんに介入する全てにおいてのベースなのではないかなと考えます。