難病患者に対する医療等に関する法律(いわゆる難病法)が平成26年に成立して以降,我が国における難病対策は,医療の提供にとどまらず,療養生活全体を支える総合的支援へと大きく舵を切ってきました.こうした政策展開を学術的に支え,実効性ある施策へと結びつけるために,西澤正豊先生を研究代表者とする「難病患者の支援体制に関する研究班(西澤班)」が,制度設計や支援体制の在り方に関する重要な政策提言を行ってきました.
その成果を基盤として,平成30年からは小森哲夫先生を中心とする「難病患者の総合的支援体制に関する研究班(小森班)」が発足し,医療・福祉・地域連携を包含した実践的かつ持続可能な支援モデルの構築に取り組み,難病対策のさらなる高度化に貢献してきました.
そして令和8年より,新たな研究班が発足し,研究代表者を下畑享良(岐阜大学脳神経内科)が引き継ぎました.本研究班では,これまでの成果を継承・発展させるとともに,現場のニーズを的確に捉えたエビデンスの創出と政策への還元を通じて,難病患者を取り巻く医療・療養環境のさらなる充実を目指します.
本サイトでは,これら一連の研究活動の成果と進捗を広く社会に発信し,政策立案者,医療・福祉関係者,さらには患者・家族の皆様に資する情報基盤となることを目的としています.多くの関係者の皆様にご活用いただくことで,我が国の難病対策の質的向上と,難病患者のより良い未来の実現に寄与することを期待しています.
本冊子は,災害時に,難病患者さんと家族にとって,どのような支援が必要なのかについて,「難病患者の総合的地域支援に関する研究」班 災害対策チームが中心となり,幅広く多職種・多領域の方々にも執筆いただきました.難病患者さんの災害対策を考えていく上で,支援者の方々に知っていただきたいこととともに,多職種・多領域の連携のあり方などに活用していただければ幸いです.(溝口功一)
本冊子は,難病患者さんとご家族を支えるために,医療・介護・福祉などの関係者が連携して支援を行う際の考え方や具体的な方法をまとめたものです.難病の制度や支援の仕組みをわかりやすく解説するとともに,発症期から終末期までの各段階で生じる困りごとに対する対応のヒントを掲載しています.支援者の方は日々の実践の参考に,また患者さん・ご家族にとっても利用できる制度や相談先を知る手がかりとしてご活用ください.(原口道子)
本冊子は「難病患者支援における施設間・職種間の連携-知・技・コツ-」の別冊として医療機関における就労支援の要点が伝わるように改変を加え,事例集としてまとめました.
難病患者さんにとって就労における課題は山積していますが,医療機関では就労支援の実績が少ないとされています.しかし事例集には医療機関と事業所,就労支援機関との連携することで“働き続けるための工夫”“自分に合った働き方の相談”“求職活動”“総合支援法による就労支援の選択”等,就労を可能にした実際を掲載しました.事例から難病患者さんの「働く」可能性を見出し,支援の手がかりになればと思います.(中本富美)
難病相談支援センターは,「難病の患者に対する医療等に関する法律 第29条」に難病の患者の療養生活の質の維持向上を支援することを目的とする施設として位置づけられていますが,地域によりセンター運営状況に差がみられ,均霑化が望まれています.本冊子には各地域の難病相談支援センターの取組事例,個別支援の好事例,センター運営上の工夫等を収集し掲載しています.自治体担当者やセンター職員の方は,センター運営の参考としてご活用ください.(千葉圭子)
本冊子は,大規模災害を経験した訪問看護師の実践から得られた知見をもとに,難病患者の生活と医療を途切れさせないための備えと支援をまとめたものです.能登半島地震や豪雨災害の経験,各地の訪問看護ステーションの取り組みを通して,災害時の課題や訪問看護だからこそ可能であった支援を紹介しています.あわせて,平時からの備えや地域との連携の重要性にも触れ,訪問看護師が自らの安全を確保しながら,患者さんとご家族の安心を支えるための実践的なヒントと,次の一歩を考える手がかりを提供します.(松田千春)
| 団体名 | 厚生労働行政推進調査事業費補助金(難治性疾患政策研究事業 「難病患者の総合的支援体制に関する研究」班 |
|---|---|
| 設立年月日 | 令和8年4月1日 |
| 研究代表者 | 下畑 享良 岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野 |
| 研究分担者 |
浅川 孝司 国際医療福祉大学市川メディカルセンター 石山 麗子 国際医療福祉大学 磯部 紀子 国立大学法人九州大学 植木 美乃 名古屋市立大学 漆谷 真 滋賀医科大学 江口 尚 産業医科大学 大山 彦光 埼玉医科大学 奥田 博子 国立保健医療科学院 鎌田 依里 東京福祉大学大学院 柊中 智恵子 熊本大学 小堤 歩 愛知医科大学病院 西郷 和真 近畿大学 佐藤 睦子 武蔵野大学 杉浦 真 JA愛知厚生連安城更生病院 関屋 智子 金沢大学附属病院 中山 優季 公益財団法人東京都医学総合研究所 新野 正明 独立行政法人国立病院機構北海道医療センター 原口 道子 公益財団法人東京都医学総合研究所 中根 俊成 順天堂大学ニューロン-グリア クロストークセンター 松田 千春 公益財団法人東京都医学総合研究所 三浦 雅子 かながわ移行期医療支援センター 宮地 隆史 独立行政法人国立病院機構柳井医療センター 山田 恵 国立大学法人東海国立大学機構岐阜大学 |
| 研究協力者 |
小森 哲夫 東京医療保健大学 檜垣 綾 国立病院機構柳井医療センター 小橋 修平 滋賀医科大学 荻田 美穂子 滋賀医科大学 今井 富裕 独立行政法人国立病院機構箱根病院神経筋・難病医療センター 田中 克俊 北里大学 野邑 瞳 名古屋大学医学部附属病院 中田 翔子 愛知医科大学病院 野口 史緒 岐阜大学医学部附属病院 林 秀樹 岐阜薬科大学 松瀨 大 九州大学 瀬尾 和秀 埼玉医科大学 平山 真紀子 埼玉医科大学 平田 陽一郎 北里大学 板垣 ゆみ 公益財団法人東京都医学総合研究所 奥山 典子 公益財団法人東京都医学総合研究所 澤田 樹里 公益財団法人東京都医学総合研究所 上出 直人 北里大学 寄本 恵輔 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター病院 高橋香代子 北里大学 大寺亜由美 国際医療福祉大学市川メディカルセンター 秦 若菜 北里大学 |