本学会の倫理綱領の第1条に,「本学会の会員は、ストレスマネジメントに関わる高度な資質を有する専門家として自覚と責任を持つ義務がある。同時に、自らの専門性の限界を認識し、専門性の範囲を超えた活動を慎まなければならない。そのために、資質と技能の向上を目指し、常に研鑽に努めなければならない。」と謳われています。
会員の先生方には,研究の実施ならびに教育・特殊教育,基礎・医療,災害支援,産業・労働,ライフスタイルの各実践領域での活動において、対象者へのインフォームドコンセント,基本的人権の尊重,守秘義務の遵守といったストレスマネジメントの専門家としての責任について共通理解を深めていただきたいと思います。
倫理に関する問題は,時代とともに変遷してきました。当初は,研究不正(データねつ造,改ざん,剽窃,不適切なオーサーシップ,研究費の不適切な使用)やインフォームドコンセント(対象者への説明と同意)があげられていました。その後,利益相反の開示,個人情報保護,多様性への対応などが議論されてきました。最近では,生成AIへの対応,災害支援,オンラインカウンセリングなど新たな課題が生じてきました。
このような背景から,倫理に対して新しい情報を取り入れ続ける必要があります。加えて,状況や場面によって,適切な対応は異なるため,私たちは常に学び続ける必要があると思います。倫理的視点を持ち続けて研究や実践活動を行うことは,対象者の安心と信頼につながり,皆さん自身を守ることになると考えています。
本学会には,多くの実践家が所属しています。本学会は,研究者の学術論文のみならず実践家による研究報告や事例報告も学術的成果として位置づけています。倫理委員会は,会員の不正を摘発する存在ではなく,研究や実践活動を支援するために存在しています。論文投稿には,一定の倫理基準を満たすことが求められますが,その基準が十分に共有されていないために投稿を躊躇される会員もおられると思います。そこで今期は,編集委員会と連携して,実践家による投稿論文に関する倫理基準を明確化し,会員の先生方に周知していくことを最初のミッションとします。
副委員長に岡村編集委員長を迎え,経験豊かな山田・藤原委員を加えた4名で倫理に関する諸課題に取り組んでまいります。

矢島 潤平(別府大学)

日本ストレスマネジメント学会倫理委員会規程

2019年8月24日制定

(目的)

第1条 倫理委員会(以下、委員会)は、日本ストレスマネジメント学会(以下、学会)の会員による研究および実践について、社会的に合意が得られているガイドライン等に従って適正かつ円滑に実施するための業務を所管し、本学会の目的達成に寄与することを目的とする。

(業務)

第2条 委員会は、前条の目的を構成するために、次のことを行う。

(1)会員による研究および実践のガイドライン等に即した適正な実施に関すること。

(2)会員の諸活動のうち、学会に関連する出版、利益相反に関すること。

(3)会員の諸活動のうち、学会に関連する倫理案件に関する対応を行うこと。

(4)その他、理事会が負託した業務等。

(委員会の構成)

第3条 委員会は、正会員の委員で組織する。ただし、必要に応じて倫理に関する専門家等の意見を求めることができる。

(1)委員は、委員長の推薦をもとに、理事会の議を経て理事長が委嘱する。

(2)委員の任期は1期3年とし、再任を妨げない。

(3)委員長1名は、理事の中から理事長が委嘱する。

(4)委員長の任期は、理事の在任期間とする。

(5)委員長指名の副委員長を置くことができる。

(6)委員に欠員が出た際は補欠委員の選任を行うことができる。専任の方法は、本条1号に準ずる。

(改廃)

第4条 本規程の改正は、理事会の承認を得るものとする。

附 則 本規程は、2019年8月25日より施行する。