優秀賞
○高士真奈¹・杉山智風²・小関俊祐³ (¹桜美林大学大学院国際学術研究科 ²岩手大学大学院教育学研究科 ³桜美林大学リベラルアーツ学群)
「集団ストレスマネジメント教育プログラムの実施者の違いが介入効果に及ぼす影響 ―学習指導要領にストレスマネジメント教育が盛り込まれることを期待して―」
高士真奈(桜美林大学大学院国際学術研究科)
この度は、日本ストレスマネジメント学会第23回学術大会・研修会において、ポスター発表に対し優秀発表賞を賜りましたこと、心より御礼申し上げます。本研究では、認知再構成法に基づくストレスマネジメント教育プログラムを高校の保健体育授業内で実施し、実施者の経験の違いによる効果の差を検証しました。その結果、理論に基づいた介入であれば経験にかかわらず一定の効果が得られることが示されました。本取り組みは、教員が扱いやすい心理教育プログラムの普及に向けた重要な一歩と考えております。ご指導くださった小関先生、杉山先生、ご協力いただいた高校の先生方、生徒の皆様に心より感謝申し上げます。

○今泉菜緒¹・野村和孝¹²・熊谷槙人¹・三好由夏¹・五十嵐里奈¹・村瀬華子¹² (¹北里大学大学院医療系研究科 ²北里大学医療衛生学部)
「ストレスマネジメントに基づく薬物乱用防止教室が中学生の薬物乱用への態度とストレス反応に及ぼす影響-実施2週間後の効果検証- 」
今泉菜緒(北里大学大学院医療系研究科)
この度は、日本ストレスマネジメント学会第23回学術大会・研修会の一般演題:ポスターセッションにおきまして、優秀発表賞を賜りましたこと大変光栄に存じます。今回の研究では、薬物乱用防止教室における危険性の心理教育といった介入内容の一部がストレッサーとして機能してしまう影響を避けてのストレス反応の測定が可能であるとする結果となりました。今回の受賞を励みに、生きづらさを抱える方々の力になれるよう、研究活動と心理臨床活動により一層邁進して参ります。末筆ではございますが研究に際して、ご指導いただきました野村和孝先生を始めとする北里大学心理学研究室の皆様、また関係者の皆様に感謝申し上げます。

奨励賞
木村悠人 (名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
「ストレスフルな体験に関する自己開示の発生メカニズム — 開示態度が開示行動に及ぼす影響の縦断的検討から —
木村悠人(名古屋大学大学院教育発達科学研究科)
大会の運営スタッフの皆様、本大会のご盛会と円滑な運営に、心からの敬意と感謝を申し上げます。そしてこの度、研究奨励賞をいただけたこと、大変光栄に思います。私の研究テーマは、心的外傷後成長(Posttraumatic Growth:PTG)です。特に、PTGが高まるプロセスでストレスフルな体験を話すこと(“出来事に関する自己開示”と呼んでいます)が担う役割について実証的に検討しています。今回の発表では、縦断調査によって明らかになった、出来事に関する自己開示が生じるメカニズムについて報告しました。発表の際、被災地で心理支援にご尽力されている先生方からお声がけをいただき、実践的な観点から今後の研究に大いに参考となるご意見を賜りました。また、「被災者支援に活きる研究であるため、今後も頑張ってほしい」と励ましのお言葉をいただき、研究意欲がより一層高まりました。今後も継続して研究に取り組むことを通じて、被災者を含む心理危機に直面した人々が、それを乗り越えて逞しく生きていくうえで有用な知見を示していきたいと思います。

松尾詩子¹・二宮貴至¹ (¹浜松市精神保健福祉センター)
「浜松市の自殺対策事業における子どものためのストレスマネジメント教室について」
松尾詩子(浜松市精神保健福祉センター)
この度は研究奨励賞を賜り、心より御礼申し上げます。事業開始から16年間、私どもは「連携体制」を重視し、様々な事業を通して教育委員会や学校と日常的に積極的なコミュニケーションを図ってきました。私達の立場やどのように協力できるのかを学校現場にご理解いただくことが必要でした。現在、不登校など精神的不調の顕在化により現場の精神保健への関心は高まりつつあり、今後私達がいかに価値ある支援を現場に提供できるかが重要と考えております。事業継続にあたり、浜松市教育委員会、市内小中学校関係者、メンタルヘルスサポーターの皆様のご尽力とご支援に深く感謝申し上げます。今後もより良い支援の提供に努めてまいりたいと思います。
○岡島義¹⁴・江藤宏美²・長浦由紀³・神徳備子²・樋上巧洋¹⁴・松井佑里子¹⁵・加藤千穂⁶・近藤英明³ (¹東京家政大学 ²長崎大学生命医科学域 ³長崎大学病院総合診療科 ⁴益財団法人神経研究所 ⁵東京家政大学大学院人間生活学研究科 ⁶日本赤十字看護大学)
「自殺関連行動尺度(SBQ-4)の作成:大学生,一般成人,妊婦を対象とした信頼性・妥当性の検討」
岡島 義(東京家政大学)
この度は,日本ストレスマネジメント学会第23回学術大会にて,研究奨励賞をいただき大変光栄に存じます。この研究は多くの先生方のご協力がなければ成立し得なかったものであり,その意味でも本賞をいただけたことは格別の思いです。私たちは,自殺関連行動尺度Suicide-related Behaviors Questionnaire-4 items(SBQ-4)を作成し,大学生,一般成人,妊婦を対象に項目反応理論を用いて検討し,本尺度が幅広い対象に対して,合計得点でも各項目単独でも利用可能な尺度であり,自殺リスクを適切かつ簡便に評価できることを明らかにしました。最後に,共同研究者である長崎大学の江藤宏美先生,長浦由紀先生,神徳備子先生,近藤英明先生,公益財団法人神経研究所の樋上巧洋先生,東京家政大学の松井佑里子先生,日本赤十字看護大学の加藤千穂先生に心よりお礼申し上げます。
