産業・労働分野においては、職場のメンタルヘルスの保持・増進が求められており、ストレスマネジメントの重要性も年々高まってきています。産業・労働分野におけるストレスマネジメントにおいては、社会心理学、組織心理学分野における基礎研究が必要不可欠であり、これまでも多くの研究が行われてきました。また、労働者のパフォーマンス、職場におけるストレス、職場満足度等をアセスメントするツールの開発も、これまでに多くの研究者によってなされてきました。これらの研究に加えて、研究のニーズが高まっているのは、組織における心の健康づくり、職場復帰支援プログラム等のメンタルヘルス対策と密接に関係した実践的な取り組みと、それらと関連した研究です。

そこで、産業・労働分野においては、これまでのように、産業・労働分野において参考になる基礎研究や有用と思われる尺度の開発に関する研究等を推進していきたいと考えています。また、それにとどまらず、労働環境等の組織・仕事の資源に着目した実践的研究、労働者個人の資源に着目した実践的研究等も推進していきたいと考えています。研究方法としましては、質的研究、量的研究の別に拘らず、エビデンスレベルの高い研究の排出を目指したいと思います。産業・労働分野への広い社会還元を視野に入れた大規模調査研究、縦断的研究、介入研究、実験的研究等に関係する取り組みを強化していきたいと考えています。

田山  淳(早稲田大学)

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