学会誌
論文抄録
『医学教育』46巻・第1号【抄録】2015年02月25日
INDEX | |
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特 集 | 医師国家試験を考える 1. 我が国の医師国家試験は卒前医学教育から卒後研修へのシームレスな移行を担保しているか …田邊 政裕
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特 集 | 医師国家試験を考える 2. 国民の立場から …山口 育子
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特 集 | 医師国家試験を考える 3. 日本の医学教育の現状と医師国家試験 …中谷 晴昭
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特 集 | 医師国家試験を考える 4. 臨床実習後OSCEの実施と課題 …吉田 素文
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特 集 | 医師国家試験を考える 5. 卒前医学教育の質保証 文部科学省の観点から …平子 哲夫
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特 集 | 医師国家試験を考える 6. 卒後研修から見た研修開始時の質保証と医師国家試験 …中田 勝己
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特 集 | 医師国家試験を考える 7. 座長として(1) …北村 聖
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特 集 | 医師国家試験を考える 8. 座長として(2) …神代 龍吉
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原 著 | 新人看護師が求める先輩看護師の関わり -関わり尺度の作成と評価- …日高 優
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原 著 | 医療面接実習では教員の臨床での体験談,学生同士の討論が期待されている ―教員からのフィードバックに対する評価の多面的解析にもとづく教員マニュアルの効果の検討― …原田 芳巳,平山 陽示,和久田 佳奈,井村 博美,大滝 純司
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短 報 | 擬似電子カルテを用いた外来診療体験シミュレーション授業の試み
…岡澤 成祐,林 龍二,小清水 由紀子,西川 由衣
西野 美智子,藤賀 晃,戸邉 一之 |
招待論文 | 国際認証の時代における臨床系教員養成のあり方: マギル大学での臨床教育研修プログラムの事例検討 …西城 卓也,大江 直行,池田 貴英,牛越 博昭,白橋 幸洋,高杉 信寛
松橋 延壽,矢野 竜一朗,渡邉 珠代,鈴木 康之 |
掲示板 | 医学部教育における行動科学カリキュラムの提案
…日本行動医学会行動医学コアカリキュラム作成ワーキンググループ(*座長)
網谷 真理恵,石川 善樹,乾 明夫,井上 茂,島津 明人,諏訪 茂樹 津田 彰,堤 明純,坪井 康次,中尾 睦宏,中山 健夫,端詰 勝敬,吉内 一浩 |
掲示板 | 糖尿病教室IPE(interprofessional education)〜患者参加型IPEの試み〜
…末松 三奈,阿部 恵子,安井 浩樹,會田 信子,半谷 眞七子,亀井 浩行
山内 恵子,小森 拓,脇田 久,植村 和正 |
1. 我が国の医師国家試験は卒前医学教育から卒後研修へのシームレスな移行を担保しているか
田邊 政裕*
要旨:
医療安全を契機に医学教育の質保証が強く求められるようになり,教育のアウトカムが重視されるようになった.教育のアウトカムとして全ての医師が修得すべき能力(ジェネラル・コンピテンシー)とそこに至るマイルストーンズを設定することで医学教育から臨床研修へのシームレスな医師育成が可能になる.アウトカム基盤型教育ではコンピテンシーの達成が教育の柱であり,その達成を証明する評価が重要である.
コンピテンシーの評価は,筆記試験に加えてパフォーマンス・テスト,観察評価,ポートフォリオなどにより多面的に行われる必要がある.現状の医師国家試験ではこのような多面的な評価は実現できていない.卒前から卒後へのシームレスな教育継続を担保するには,ジェネラル・コンピテンシー,マイルストーンズの設定に加えて,医学部,医科大学が臨床実習,卒業判定において卒業時マイルストーンを適切に評価し,学位を授与することが求められる.
キーワード:医師国家試験,アウトカム基盤型教育,医学教育継続,コンピテンシー評価
* 千葉大学大学院医学研究院医学部医学教育研究室,The Office of Medical Education, Chiba University Graduate School of Medicine
[〒260-8677 千葉市中央区亥鼻1-8-1]
2. 国民の立場から
山口 育子*
患者と医療者の“協働”を目指す
NPO法人ささえあい医療人権センターCOML(以下,COML)は,患者の自立と成熟,主体的医療参加を目指し,1990年から活動してきました.活動を始めた当時,多くの患者は医療という専門性の高さから,受け身でお任せに甘んじるしかありませんでした.しかし,まずはそのような姿勢を見直し,一人ひとりが「いのちの主人公」「からだの責任者」として自覚し,「賢い患者になりましょう」と呼びかけてきました.
活動を進める中で時代は大きく変化し,患者の権利・コスト意識の高まりを飛び越えて,一時期,非常に医療不信が高まった時代がありました.その時期も含めて,COMLでは患者と医療者は決して対立する立場ではないはず,同じゴールを目指す者同士,協働する必要があるという考えを貫いてきました.特に“協働”とは,同じ目標に向かう立場の異なる者が,それぞれの役割を果たし合うという意味を持ちます.高齢化が進み,がんも含めて慢性疾患が大半を占める昨今.医療者の努力だけでは治療効果の上がる時代ではなくなってきました.患者の側も服薬や生活習慣など,自分の果たすべき役割を理解し,努力することが治療のために欠かせないと考えています.
また,協働を実現するために何よりも必要なのがコミュニケーションです.COMLのさまざまな活動を通して,医療現場に患者・医療者双方のコミュニケーション能力を高める努力をしてきました.
* NPO法人ささえあい医療人権センター(COML)
[〒530-0047 大阪市北区西天満3-13-9西天満パークビル4号館]
3. 日本の医学教育の現状と医師国家試験
中谷 晴昭*
要旨:
日本の医学教育では,欧米に比して,学生の医学知識の面では決して劣ることはないものの,臨床実習の時間と内容という面で不十分であることが指摘されている.全国医学部長病院長会議では,CBTとOSCEからなる共用試験の資格化に取り組み,全国統一基準でスチューデント・ドクターの認定を行おうとしている.これにより臨床実習に進む学生の質保証が行われ,国民の理解を得たうえで,より充実した診療参加型臨床実習に実施することが可能となる.日本の医師国家試験は問題数が多く,受験生の負担も大きい.今後,医師国家試験が臨床実習の成果を判断するものになると共に,将来的には各大学での客観性,公平性の担保された卒業時OSCEの実施を条件として医師国家試験の軽減化も考慮されるべきであろう.
キーワード:共用試験,CBT,OSCE,医師国家試験,診療参加型臨床実習
* 全国医学部長病院長会議・千葉大学,Association of Japanese Medical Colleges・Chiba University
[〒263-8522 千葉市稲毛区弥生区1の33]
4. 臨床実習後OSCEの実施と課題
吉田 素文*
要旨:
筆者は,臨床実習開始前の共用試験OSCEの運営に関わっている.本稿では,臨床実習後OSCEを受験する学生に問う内容の考え方,試験システムの導入や運営上の想定される課題などについて述べ,最後に国際基準による分野別認証制度の導入や医師のプロフェッショナリズム教育に焦点が当たっている現状を踏まえ,近未来の臨床教育について展望する.
キーワード:臨床実習後OSCE,共用試験OSCE,分野別認証評価
* 九州大学医学部医学研究院医学教育部門,School of Medicine Graduate School of Medical Sciences Faculty of Medical Sciences, Kyushu University
[〒812-8582 福岡市東区馬出3-1-1]
5. 卒前医学教育の質保証 文部科学省の観点から
平子 哲夫*
要旨:
本稿では我が国の卒前医学教育行政の最近の動向について概観する.
キーワード:文部科学省,卒前医学教育
* 文部科学省高等教育局医学教育課,Medical Education Division, Higher Education Bureau, Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology
[〒100-8959 東京都千代田区霞が関3-2-2]
6. 卒後研修から見た研修開始時の質保証と医師国家試験
中田 勝己*
医師国家試験は,昭和21年に第1回が実施され,以後,医療を取り巻く状況及び医療の進歩に合わせ,その都度改善が行われている.近年の大幅な見直しは,平成12年度(第95回)より,試験日数を2日間から3日間へ延長し,出題数が320題から500題へ拡大された.以降の医療の取り巻く状況として,平成16年度より,新医師臨床研修制度が開始され,医師としての人格を涵養し,プライマリ・ケアの基本的な診療能力を修得することを目的として,診療に従事しようとする医師は,2年以上の臨床研修を受けなければならないとされた.また,平成25年4月には,「専門医制度の在り方に関する検討会報告書」がまとまり,専門医の質の向上に資するため,第三者機関において専門医の認定基準等が策定されることとなり,卒後研修の体制が今後大きく見直されることとなる.
平成26年6月に第1回医道審議会医師分科会医師国家試験改善検討部会(以下,「部会」という)を開催し,このような状況も踏まえて,医師国家試験の見直しに向けた検討を進めており,平成27年の前半を目途に,医師国家試験出題基準の見直し方針等として報告書をとりまとめる予定である.現在までの部会における主な検討状況について報告する.
医師国家試験の基本的な方針については,これまでと同様に,卒前教育・卒後臨床研修・専門医制度を含めた一連の医師養成課程の到達目標との整合性を踏まえることとするが,卒後臨床研修の到達目標は平成32年度の見直しに向け検討を進めているところであり,専門医については,日本専門医機構が認定基準等を策定し,平成29年度からの養成開始を目指して準備を進めている.医師国家試験の位置付けについては,こうした動きも踏まえながら検討することとしている.
また,医師国家試験の出題内容については,基本的臨床能力を問う出題に重点化することが望ましいとの考え方から,「臨床実地問題」の出題を軸とし,出題数の検討に当たっては,各医学部・医科大学における臨床実習開始前の共用試験の共用試験の成績評価が一定程度標準化されることが必要であり,現在,全国医学部長病院長会議及び医療系大学間共用試験実施評価機構が調整を行っている.
第2回部会(平成26年11月12日)では,その報告を踏まえた検討のほか,OSCEや医師国家試験受験資格認定の在り方等について検討する.
* 厚生労働省医政局医事課 課長補佐
[〒100-8916 東京都千代田区霞が関1-2-2]
7. 座長として(1)
北村 聖*
* 東京大学大学院医学系研究科医学教育国際研究センター
[〒113-0033 文京区本郷7-3-1]
8. 座長として(2)
神代 龍吉*1,2
*1 日本医学教育学会国家試験・共用試験委員会副委員長
*2 久留米大学医学教育学
[〒830-0011 久留米市旭町67]
-関わり尺度の作成と評価-
日高 優*
要旨:
背景:本研究では,新人看護師が先輩看護師に求める関わりを測定する尺度を作成し,その実際と影響要因を検討することを目的とした.
方法:先行研究を参考に尺度を作成し,先輩看護師844名を対象に調査を行った.
結果:作成された尺度は「新人理解行動」「関わり促進・雰囲気作り」「自身の感情コントロール」「ねぎらい」の4因子で構成されていた.本調査では関わりを実施している先輩看護師が多かった.プリセプター経験とプリセプター研修受講経験は各因子への影響は異なり,年齢と看護師経験年数は全ての因子でほぼ関連を認めなかった.新人看護師が求める関わりは,先輩看護師の基本属性に関係なく実施可能であると示唆された.
キーワード:新人教育,新人看護師,先輩看護師,関わり
* 岡山大学大学院保健学研究科, Graduate School Of Health Sciences,Okayama University
[〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1]
受付:2014年10月5日,受理:2015年1月9日
―教員からのフィードバックに対する評価の多面的解析にもとづく教員マニュアルの効果の検討―
原田 芳巳*1,2 平山 陽示*1,2 和久田 佳奈*1 井村 博美*1 大滝 純司*3,2,1
要旨:
目的:模擬患者参加型医療面接実習での教員からのフィードバック(FB)の内容とそれに対する医学生の評価,および教員用FBマニュアル(マニュアル)の効果を検討した.
方法:実習を撮影したビデオの解析,学生への質問紙調査,マニュアルの作成とそれを用いた教員の研修を実施した.
結果:FBの内容の違いには面接の出来が強く影響していた.学生からの評価は良好で,特に「臨床の体験談」「学生同士の討論」を肯定する意見が多く得られた.マニュアル導入後はFBの内容の偏りが減少した.
結論: 1)臨床の体験談や学生同士の討論を含むFBは学習効果を高める可能性がある. 2)マニュアルの導入でFBの偏りを減らすことができた.
キーワード:医療面接,フィードバック,コミュニケーション技術,教員養成,モチベーション
*1 東京医科大学総合診療医学分野,Department of General Medicine and Primary Care, Tokyo Medical University
[160-0023 東京都新宿区西新宿6-7-1]
*2 東京医科大学医学教育学分野,Department of Medical Education, Tokyo Medical University
*3 北海道大学大学院医学研究科医学教育推進センター,Center for Medical Education, Hokkaido University Graduate School of Medicine
受付:2014年8月1日,受理:2015年1月24日
岡澤 成祐*1 林 龍二*1 小清水 由紀子*1 西川 由衣*2 西野 美智子*2 藤賀 晃*2 戸邉 一之*1
要旨:
背景:電子カルテを用いて多人数を対象としたシミュレーション授業は医学部ではまだ十分に普及していない.
方法:ファイルメーカーで疑似電子カルテを作成した.医学部3年生および6年生に講義室で症例に関連する外来診療体験シミュレーション授業を行い,アンケート調査を行った.
結果:回収率は3年生 63.1%,6年生 76.3%で,回答した各受講生の87.1%,78.9%に興味を持ってもらえた.本授業は実践的で参加型であると評価された.3年生は5.6%が難しいと答えたが学習したいという意見も多かった.
考察:疑似電子カルテシステムを用いることにより,低学年でも興味深くシミュレーション授業を受けることができた.
キーワード:外来診療体験授業,電子カルテ,ファイルメーカー
*1 富山大学医学部第一内科,The First Department of Internal Medicine, University of Toyama
[〒930-0194 富山市杉谷2630]
*2 富山大学医学部医学科,School of Medicine, Faculty of Medicine, University of Toyama
受付:2014年6月2日,受理:2014年12月19日
マギル大学での臨床教育研修プログラムの事例検討
西城 卓也*1 大江 直行*2 池田 貴英*3 牛越 博昭*3 白橋 幸洋*3 高杉 信寛*2
松橋 延壽*3 矢野 竜一朗*3 渡邉 珠代*3 鈴木 康之*1
要旨:
医学部臨床実習・卒後臨床研修を担うよき臨床指導医を育成するため,海外での教員養成プログラムが構築された.医学部教員10名が参加し,講義・実地見学を通じて海外の臨床教育を学び,それに対する認識を変容させた.この経験から,海外教員養成プログラムの効果を最大限にする要因を考察した.すなわち,1) 優秀な教育機関・環境,2) 参加者の専門性と見学診療科のマッチング,3) 講義と実地研修・振り返りのコンビネーション,4) 文化的相違への相互理解,5) 1週間という滞在期間で生じる仲間意識である.これらは海外における教員養成プログラム構築・運営・医学教育研究の発展に示唆を与えるものである.
キーワード:教員養成, 臨床教育, 海外教員養成プログラム
*1 岐阜大学医学教育開発研究センター,Medical Education Development Center, Gifu University
[〒501-1194岐阜県岐阜市柳戸1番1]
*2 岐阜大学医師育成推進センター,Center for Clinical Training, Gifu University
*3 岐阜大学医学部附属病院,Gifu University Hospital
受付:2015年1月30日,受理:2015年2月2日
日本行動医学会行動医学コアカリキュラム作成ワーキンググループ(*座長)
網谷 真理恵*1 石川 善樹*2 乾 明夫*3 井上 茂*4 島津 明人*5 諏訪 茂樹*6
津田 彰*7 堤 明純*8 坪井 康次*9 中尾 睦宏*10 中山 健夫*11 端詰 勝敬*9 吉内 一浩*12
抄録:
諸言:わが国の医学教育においては,行動科学が医学教育の中で独立したカリキュラムとして取り扱われることはほとんどなく,体系的な教育はなされていない.
方法:日本行動医学会評議員に対するデルファイ法を用いた意見調査から明らかになった医学部卒業時に求められる行動科学に関するコンピテンシーを基に討議を重ね,アウトカム志向型のカリキュラム案を考案した.
結果:演習や実習を取り入れた,行動科学1単位=15時間の学習モデュールを提案した.
考察:アウトカムに到達するために,疾患の全人的理解および行動変容を目的とするロールプレイなどを取り入れた実習・演習や,実際の治療戦略を考案するPBL,TBL形式の学習を推奨したい.
キーワード:行動科学,コンピテンシー,コアカリキュラム,デルファイ法,卒前教育
*1 鹿児島大学医歯学総合研究科地域医療学分野離島へき地医療人育成センター,Department of Community-Based Medicine, Education Center for Doctors in Remote Islands and Rural Areas
*2 東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻,Department of Health and Social Behavior, University of Tokyo School of Public Health
*3 鹿児島大学医歯学総合研究科心身内科学分野,Department of Psychosomatic Internal Medicine, Kagoshima University Graduate School of Medical and Dental Sciences & University Hospital
*4 東京医科大学公衆衛生学分野,Department of Preventive Medicine and Public Health, Tokyo Medical University
*5 東京大学大学院医学系研究科精神保健学分野,Department of Mental Health, The University of Tokyo Graduate School of Medicine
*6 東京女子医科大学看護学部人文社会科学系,Division of Humanities and Social Sciences, School of Nursing, Tokyo Women's Medical University
*7 久留米大学文学部心理学科,Department of Psychology, Kurume University
*8 北里大学医学部公衆衛生学単位※,Department of Public Health, Kitasato University School of Medicine
[〒252-0374 神奈川県相模原市南区北里1-15-1]
*9 東邦大学医学部心身医学講座・心療内科,Department of Psychosomatic Medicine, Faculty of Medicine, Toho University School of Medicine
*10 帝京大学大学院公衆衛生学研究科・医学部附属病院心療内科,Teikyo Graduate School of Public Health & Division of Psychosomatic Medicine, Teikyo University Hospital
*11 京都大学大学院医学研究科 社会健康医学系専攻健康情報学分野,Department of Health Informatics, Kyoto University School of Public Health
*12 東京大学大学院医学系研究科ストレス防御・心身医学,Department of Stress Sciences and Psychosomatic Medicine, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo
受付:2015年1月16日,受理:2015年1月29日
末松 三奈*1 阿部 恵子*1 安井 浩樹*1 會田 信子*2 半谷 眞七子*3 亀井 浩行*3
山内 恵子*4 小森 拓*5 脇田 久*6 植村 和正*7
要旨:
医療現場でのチーム医療実践のため,WHOは多職種連携教育(IPE: interprofessional education)の重要性を提唱している.近年,患者の参加協力を得て行ったIPEの報告があるが,糖尿病教室におけるIPEの報告はほとんどない.そこで,多学部学生による糖尿病教室の企画・運営,そして振り返りを含めたものを「糖尿病教室IPE」として実施した.参加学生は,医学生2人,看護学生4人,薬学生4人,栄養学生3人の計13人であった.参加した学生,患者,医療スタッフに対するインタビューの結果より,本IPEはIPEプログラムの一形態として有用であると考えられたため報告する.
キーワード:多職種連携教育,糖尿病教室,卒前教育,行動変容
*1 名古屋大学大学院医学系研究科地域医療教育学講座,Department of Education for Community-Oriented Medicine, Nagoya University Graduate School of Medicine
[〒466-8560愛知県名古屋市昭和区鶴舞65 医系研究棟3号館901号室]
*2 名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻基礎・臨床看護学講座,School of Nursing, Nagoya University Graduate School of Medicine
*3 名城大学薬学部薬学科,Meijo University Faculty of Pharmacy
*4 名古屋学芸大学管理栄養学部管理栄養学科,School of Nutritional Sciences, Nagoya University of arts and sciences
*5 医療法人中京クリニカル,Chukyo clinical
*6 医療法人来光会尾洲病院,Raikoukai Bishu Hospital
*7 名古屋大学医学部附属総合医学教育センター,Center for Medical Education, Nagoya University School of Medicine
受付:2015年1月26日,受理:2015年1月28日