委員会活動
教育研究・利益相反委員会
教育研究・利益相反委員会 Education Research and Conflict of Interest Committee
日本医学教育学会 教育研究開発委員会主催
第8回 医学教育研究技法ワークショップ
第8回 医学教育研究技法ワークショップ
医学教育研究、はじめの一歩 - リサーチクエスチョンを立ててみよう
- 概要
- 医学教育分野の研究が盛んになりつつありますが、いざ始めようとした時、どのような研究テーマにしたらよいか、迷うことが多々あります。 どのようなリサーチクエスチョンが重要なのか? 国内的・国際的に見て魅力的なテーマとは? 実行可能性は?どのようなフィールド・方法・協力者を得たらよいか?などを1人で考えるのは大変です。このワークショップでは、リサーチクエスチョンを立てるプロセスを学び、参加者とタスクが協力して個々のニーズに合わせた研究テーマを立てることを目標とします。
- 【対象
- 医学教育研究について関心があり、これからテーマを考えようとしている方。
- 日時
- 2012 年10 月27 日(土) 13:00〜17:00 ・ 28 日(日) 8:45〜13:00
(第46回医学教育セミナーとワークショップ企画として実施) - 会場
- 岐阜大学サテライトキャンパス
- ファシリテーター・講師
- 教育研究開発委員会委員
(鈴木康之、大滝純司、石川ひろの、伊藤俊之、尾原晴雄、西城卓也、錦織宏、向原圭) - 事前課題
- やってみたい・予定もしくは実行している研究について、考えていることや調べたこと等をワードA4 一枚かパワーポイントスライド数枚(最大5枚)でまとめて持参する。なお、今まで書いたことのある抄録をひとつ持参すること。
- タイムテーブル
-
10月27日(土) 13:00~17:00 13:00 オリエンテーション 13:20
ミニレクチャー
よきリサーチクエスチョンに必要なこと
これまで書いた抄録のレビュー14:30 グループワーク
基本原則に則ったRQ の洗練
*参加者一人30分程度の議論16:30 振り返り・発表フォーマットの説明 夜 各自:発表の準備 10月28日(日) 8:45〜13:00 8:45 スケジュール・発表会の確認 8:50 グループワーク
発表の準備・相互チェック9:40 リサーチクエスチョン発表会
*4分発表+5分議論で16名
*10分休憩12:15 メンタリングプログラムへの繋がり 12:50 クロージング - 報告概略
- WS冒頭の講義では、現在の医学教育研究を取り巻く世界的な状況と国内の動向、及び今後の方向性について情報共有がなされた。続いて、よきリサーチクエスチョンについて議論をした。まず、各自がこれまで行った学会発表の抄録を参加者2名がペアで相互評価し、抄録やこれまでの研究を簡単に振り返るアイスブレイクを行った。続いていかにリサーチクエスチョンが生成されるか、その源はどこにあるか、どのような条件があるかについて、先行知見に基づいた講義で情報共有をした。その後はグループワークに移り、各自のテーマを題材にしておよそ30分ずつお互いのリサーチクエスチョンの洗練を試みた。翌日は発表会においてプレゼンテーションを行い、活発な質疑応答を行った。様々な医療系の教育研究をシェアすることで、様々なリサーチクエスチョンのアイディアの共有や、知見を広めることが出来た。最終的には委員会で継続的に取り組んでいるメンタリングプログラムへのつながりを説明し、嬉しいことに早速のお申し込みも頂戴することが出来た。
今回のワークショップの成功のカギは、①最低限の基本的情報共有を短時間で伝える講義形式、②作業において参加者の個別性を重視しつつ、小グループでの協働性を視野の拡大に生かした小グループ学習、③ラウンドテーブルでの発表会を通じた形成的な相互評価、④事前準備をしてくださった熱意ある参加者と、研究マインドを有し教育研究に深く携わるファシリテーターとの密な意見交換を可能にした雰囲気、があったように振り返る。教育研究を推進するワークショップを、研究手法や結果分析といった異なる研究ステップの学習にも応用し開催していく意向である。熱意を持って参加してくださった総計13名の参加者に、心より感謝の意を表します。