歴 史
日本鼻科学会は、前身の第1回鼻副鼻腔研究会が西暦1962年10月8日、長野市で開催された時点を本学会の創設時点とすると、本年で満50年目を迎えている。鼻副鼻腔研究会が第3回から鼻副鼻腔学会となり、第22回からは日本鼻科学会と名称を新たにして、今日に至っている。今では会員数1953名を誇る学会として、日本の鼻科学をリードすべく、隆盛の道をたどっている。これまでの開催された51回の学術講演会の歴史は、後述の添付資料に掲載しているが、その内容を見ると本学会が国内外で鼻科学の発展に貢献してきた歴史が理解できる。第1回の鼻副鼻腔研究会から第51回の日本鼻科学会まで、その内容たるや、歴代会長をはじめ参画していただいた諸先輩方おひとりおひとりのご苦労を彷彿とさせる。また、学会前日に同時に開催されてきた基礎問題研究会、臨床問題研究会の歴史も資料として掲載している。国際的には、1965年に京都で第1回の国際鼻科学会が開催された年に、米国のCottle教授を中心に国際鼻科学会((International Rhinologic Society)の組織が設立されたが、日本鼻科学会は1981年(昭和56年)に国際鼻科学会に加盟し、その活躍の舞台を世界に大きく拡げることとなった。注目すべき日本での3つの国際的なイベントについて紹介すると、まず国際鼻科学会の組織の設立の舞台となった第1回の国際鼻科学会(正式名称:Extraordinary Meeting of International Rhinologic Society,Kyoto)は、1965年(昭和40年)の10月に京都国際ホテルで、名古屋市立大学教授高須照男会長の下、10月19日と20日両日に開催された。第8回の国際耳鼻咽喉科会議が同月24日~30日に東京で開催される直前であったが、全世界20ヶ国より約200名の参加を得て開催されている。1976年(昭和51年)11月には、東京(帝国ホテル)にて、第1回「鼻副鼻腔の感染とアレルギーに関する国際シンポジウム」(1st International Symposium on Infection and allergy of the Nose,ISIAN)が、東京慈恵会医科大学教授高橋良会長の下で、77題の演題が世界各国より寄せられ、盛大に開催されている。1991年には、国際鼻科学会議’91(ICR’91:International Congress of Rhinology)が、1991年9月23日から28日までの6日間にわたり東京都新宿区の京王プラザホテルで盛大に開催された。本会議は3つの主催団体から組織され、国際鼻科学会(International Rhinologic Society, IRS)は高橋良慈恵医科大学名誉教授を会長(President elect)として、第10回ISIAN(10th International Symposium on Infection and Allergy of the Nose)は馬場駿吉名古屋市立大学教授を会長(President)として、第30回日本鼻科学会(Japan Rhinologic Society, JRS)は東京女子医科大学石井哲夫教授を会長として、共同開催されている。本会議は、日本も含め34カ国からの参加があり、ICRへの海外からの登録は219名、ICRへの日本人の登録者数は248名で計467名と多くの参加者を集め、同時通訳や質疑応答におけるlanguage moderatorなどの制度も導入し、成功裡に行われた。