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がん医療フォーラム 2023 活用しよう!相談と支え合いの場
【第1部】基調講演
あなたのそばに、がん相談とがん情報

髙山 智子さん(静岡社会健康医学大学院大学 教授、
前・国立がん研究センターがん対策研究所がん情報提供部 部長)
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髙山 智子さん
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相談できる場、サービスや支援を活用して

静岡社会健康医学大学院大学の髙山と申します。この3月まで国立がん研究センターで、今渡邊さんからご紹介がありましたがんの情報づくりや相談支援、今も研究面では携わっておりますが、そういったことをしておりました。今日は、がんに関して日本でどのような体制が整備されつつあるのかということを、ご紹介をさせていただこうと思っております。皆さん、すでにご存じのことも多くあるかと思うのですが、冒頭に辻理事長からもお話がありましたように、「社会全体で支える仕組み」がまさに求められていると思いますので、そのような力になればよいと思っています。

今日のフォーラムは、「活用しよう!相談と支え合いの場」というタイトルになっています。では、がんになった時、困った時に相談できる場、立ち寄れる場をご存じでしょうか。どこに行ったらよいかが頭に浮かぶ方は、どれぐらいいらっしゃるでしょうか。頭に浮かぶようであれば、もしがんで悩まれている方がいたら、ぜひご紹介いただければと思うのですが、先ほども、がん医療は「話し合う医療」に変わっている、がん治療は「組み合わせ」になっている、そして急速に「チーム医療」として支えるようになってきているというお話がありました。

地域の中で、医療機関の中で利用できるサービスや支援、これもかなり変わってきています。どのようなことをしているのかを、ぜひご紹介していきたいと思います。サービスや支援をうまく活用して、私たちの生活が、これは療養も含まれると思いますが、安心できるものに、そして、より快適に過ごせるようになっていったらと思っています。

利用できるサービスや支援が十分に知られていない

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これは先ほどもありましたが、がんを体験された方、がんと診断された方を対象に、「どのような経験をされましたか」「どのような思いでいましたか」ということを聞いた、患者体験調査の結果です。その中で、「利用できる支援、サービス、こういった場が十分にあると思いますか」と聞いたところ、あると思う方が75.6%でした。これを高いと思うか、まだまだだと思うのか、ここは微妙なところだと思いますが、私としては100%に近づいてほしいと思っています。
がん相談支援センターについて、これも後ほど詳しくご紹介していきたいと思いますが、がんの治療をしている、支援をしている病院にかかった患者さんに聞いた内容です。その方々に「がん相談支援センターを知っていますか」と聞くと、知っている方は47.7%、約半数の方でした。これもまだまだ足らないと思います。そして外見の変化、こういったことも今は支援が進んでいます。また、仕事のご相談も全てではないですが、窓口として病院で相談ができるようになっています。しかし、就労の継続について医療スタッフから話があった方というと、4割を切っているという現状があります。
今日も後半に多くのご紹介があると思いますが、ピアサポート(がん体験者ががん患者さん・ご家族を支援すること)の場を知っている方もまだまだ少ないです。これをさらに多くの方に知っていただきたいというところが、やはり社会で、皆で支えていく場につながっていくのではないかと思います。これを知っていただくために、今日はがん相談支援センターについて、そして仕事、学校のことについて、外見のケアについて、ピアサポート、ピアサロンについて、少しご紹介をしていきたいと思います。

がんに関する情報があふれている

それでは、「がんといわれて」ということで、この中には、もうすでに体験された方、ご家族で体験された方もいらっしゃるのではないかと思います。いわれた時に頭の中をよぎるのはどのようなことでしょう。人によっては、しばらくの間何も考えられないという方もいらっしゃるかもしれません。治療のことよりも先にご家族のこと、お子さんのこと、仕事のこと、このようなことが頭をよぎる方もいらっしゃるかもしれません。そして治療のこと、どこでどのような治療を受けたらよいのか、こういったことを悩む方も当然いらっしゃると思います。

そして皆さん、ではどこにかかったらよいのか、どういった情報を知っていたらよいのかということで、情報を探すことを多くの方がされるのではないかと思います。医師に聞く、あるいは周りの人に聞く、スマートフォンやパソコン、いろいろな媒体を使ってインターネットで調べる、本や雑誌で調べる、いろいろな手段で情報を探す方もいらっしゃると思います。この中の1つの方法でというわけではなく、おそらくいろいろな方法で、皆さんありとあらゆる情報を、場合によっては、本人ではなくご家族、周りの方もいろいろな所から、いろいろな情報を探されるのではないかと思います。ただ、探すと多くのいろいろな情報が出てきます。こちらにある情報、インターネットで調べた情報、いろいろな所から出てくる情報、どれを頼りにしたらよいのか、何が一体正しいのか、判断することがなかなか難しいです。さらに誰かを介して伝わってくるものになると、聞いた人のお考えも入るなどして、より複雑になってきます。

断片の情報では誰でも混乱すると思います。これは治療の情報、がんの情報に関してだけではありませんが、このような状況が今まさに起こってきています。さらにこういった情報を、テレビ、新聞、雑誌、いろいろな媒体を通じてご覧になったり、最近はYouTubeやLINEのようなニュースでご覧になったりということもあるかもしれません。

科学的根拠に基づく正しい情報にたどり着くことが大事

こういった情報をわれわれ医療者はどうしているかというと、情報の確かさで区別をしています。何が正しいのか、何が優先的に見る情報なのかをあらかじめ知っているので、そこから仕分けをして探していく、その中で、先ほどお話があったように科学的根拠に基づく情報かどうかという情報の信頼性をもとに判断をしていくということをしています。
こういった確かな情報を見極めるために、まず情報源に戻るということをわれわれはします。ただ、これを皆さんがやるというのは非常に大変なことだと思います。だからこそ、確かな情報はここだという所をいくつか知っておいて、それを頼っていただくということが大事になってくると思います。

情報の氾濫で必要な情報にたどり着くことが困難に

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インターネット上の情報ということで、少し補足ですが、多くの情報を拾うことは可能です。ただ、この病気の情報、治療の情報は、まさに自分が治療するとなると、やはり後戻りができない非常に大事な情報になってきます。情報は多くありますが、日本のインターネットで正しいがんの情報にヒットする割合は、2009年の論文によると、当時50%ほどであり、半分は誤った情報ということです(1。さらにその後、同じような検討をした結果では、信頼できるサイトは1割程度しかありませんでした(2。もちろん正しい情報にありつくことは可能ですが、1割というと結構低いです。そのため、情報そのもの、サイトも両方注意しなくてはいけないということになってくると思います。
そして皆さんがご覧になるようなYouTubeの情報、ソーシャルメディアの情報、こういったものも、今はいろいろな方が発信できるようになっています。

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これはアメリカの国立がん研究所の調査になりますが、全200記事のうち誤った情報が含まれていたのは、全体のどのぐらいだと思われるでしょうか。誤った情報は3分の1、やはり非常に高い割合で含まれているという結果でした(3。正しい情報にたどり着いていただきたいのですが、これがなかなか難しくなっているというのが現状だと思います。

そして新型コロナウイルス感染症がまん延して、皆さんもいろいろな情報に翻弄されたというご経験をお持ちの方も多いのではないかと思います。そこでいわれていたのが「インフォデミック」という言葉になりますが、必要な情報にたどり着けないような世の中になっているということです。ただ、これはコロナ禍で始まったことではなく、がんの世界では随分前からいわれていたことです。こういった状況で、最近はいろいろな戦争もあってフェイクニュースといわれるものも出てきていますし、誤った情報の中には、意図的ではなく誤った情報を共有する「ミスインフォメーション」だけではなく、故意に誤らせるような「ディスインフォメーション」という少し怪しい情報が含まれることもありますので、本当に非常に注意が必要な世の中になってきていると思います。

主治医と確かな情報源から情報を集めて

そういった中で、情報を集める時に大切にしていただきたいことは2つあると思っています。まず1つは「主治医」です。これはあなたにとって一番大切な情報源になります。主治医の情報を確かなものとして捉えていただきたいということです。そして、それ以外にも情報が欲しい時があると思います。
2つ目は「確かな情報源」からの情報探しです。今、こういった時代だからこそ、ますます重要になってきているのではないかと思います。ここから情報を探すことによって、自分に合った情報を身に付けることで、主治医とまた「話し合う」医療で話しやすくなるということにもつながっていくと思います。
がんの領域では、国立がん研究センターで「がん情報サービス」という確かな情報を発信しています。これをまず見ていただいて、その後にほかの情報も見比べていただくことも必要だと思いますが、まずはここの情報から見ていただくとよいと思っております。

がん相談支援センターで自分に合った情報を探す

そして全国にある「がん診療連携拠点病院」、聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、聞き慣れない言葉かもしれません。大抵皆さんのお近くの大きな病院が、このがん診療連携拠点病院になっていると思います。がん診療連携拠点病院は、専門的な治療、支援サービスを提供する医療機関として国から指定された病院になります。この中に必ず「がん相談支援センター」、相談できる場を置くことになっていますので、このがん診療連携拠点病院とがん相談支援センターをセットで見ていただけるとよいと思っております。
今ご紹介したがん情報サービスの中に、パソコン(PC)版とスマートフォン(スマホ)版がありますが、病院を探せるサイトがあります。今、日本全国には456のがんの拠点病院があります。どちらも「相談先・病院を探す」という所からたどっていただくと病院を探せますので、お近くの病院をご紹介する時にぜひ使っていただければと思います。

多くの情報の中で、何が正しいのか、今必要な情報は何なのか、それを見極めるのは本当に難しいです。普段は理性的にいろいろな決断ができる場合にも、こと病気のことになって、今すぐ決めなくてはいけないとなると、混乱するというのも当然あることです。そういった場合に、がん相談支援センターでは情報探しのお手伝いをしていきます。ここで今必要な情報は何か、それを探すかなどの道筋を見極めることで、自分に合った情報を身に付けることができるのではないかと思います。がん相談支援センターでは、患者さん・ご家族、その病院にかかっていなくても、誰でも相談することが可能です。あるアパートの管理人さんが、「アパートに住んでいる人ががんになったので」ということでご相談があったこともあるぐらい、誰でもご相談いただけます。そして必要であれば匿名でもご相談が可能ですし、無料で情報を教えてもらうことが可能です。これは面談でも、電話でも相談に乗っていただけるという場で、またパネルディスカッションでもこのような議論になってくるかと思います。

そして病院探しについても相談できる場を、国立がん研究センターのサポートセンターでもご紹介が可能です。先ほどもありましたが仕事のこと、そして外見のケアのこと、ピアサポート、そういったことも相談ができる場です。お仕事の相談については、国でも病気の治療だけではなく、仕事のこともやはり支援をしていく場が必要であろうと、就労支援ということでいわれているのですが、病院が入り口となってこういった相談に乗ることが可能になっています。これはがんだけではなく、ほかの疾患でも仕事の相談に乗ってもらえるような体制が、今築かれているところです。

仕事と治療の両立についての相談も

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がんといわれた途端に、あるいは診断がつく前に、体力的に治療に専念しようという方もいらっしゃるのかもしれないですが、3分の1程度の方が仕事を辞めてしまうことが、実は問題になっています。そこで少し考えていただいて、まず、なかなか相談できない場合もあるかもしれませんが、今お話ししたようながん相談支援センターで、治療がどうなっていくのか、今はかなり仕事と治療の両立をしていくことも可能になってきていますので、そのためには治療をどのようなスケジュールでやっていったらよいのか、自分の生活と合わせたかたちで主治医に相談するという方法を、相談いただくことも可能だと思っております。
医療者たちもこのような就労支援をしていこうということで、こういった仕事を辞める辞めないの決断は、急がないようにすること、治療の選択をその人の生活に合ったかたちで示していくこと、そして、やはりこれは医師だけではできないことで、医療チーム、看護師さん、社会福祉士さん、いろいろな職種の方がいらっしゃいますので、そういった方とチームで支えていく場が、今つくられているところです。

学校生活と治療の両立を支える試み

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それから、大人だけではなく子どもの時にがんになる方もいます。すると仕事と同じように大事になってくるのは、やはり学ぶ場で、学校にいかに通い続けながら治療を続けるかということです。小・中学校の義務教育、これも100%ではないですが、支える場ということで、学校生活と治療を両立させながらという場を、何とかつなごうという試みが行われています。今、高校については休学が6割と非常に多いということですが、高校に限らず、小・中学校から高校まで、就学を支える場も非常に大事になってきています。

がんの拠点病院、がん相談支援センター、そして地域の中では、やはり就学の支援をしていこうということで、成人の病院だけではなく「小児がん拠点病院」というより専門的にたけた所が協力しながら、各地域の特別支援学校という教育の場の取りまとめをしたり、こういった病気を持った方の支援も行ったりしていますが、こういった専門家につないでいただく、一緒につないでいくという試みをしているところです。
ぜひ、このような方がいたら、どうしても治療のことが優先されてしまうということはあるのですが、学校のことも忘れずに、非常に友達は大事になってきますので、つないでいただく場というのをご相談いただけるとよいと思っています。

外見の変化への支援も整ってきている

さらに、外見(アピアランス)の変化も治療の副作用で出てくることがあります。やはりこれは見た目が変わってしまうということでは、自分もあるいは周りから見える自分を考える時に、つらくなったり、生活に支障が出たりすることもあります。こういったことも防げるものは、先ほど渡邊さんのお話にあった支持療法という中で防いでいくこともありますが、どういったケアをするのかということで、こういった支援をしていく場も、医療機関の中に整いつつあります。髪の毛、かつら、爪、あとは肌のケア、そういったことです。どうしてもお化粧をするとなると女性が主でいわれることが多いのですが、男性も同じです。男性のためのこういったアピアランスケアに関する情報もあり、非常によく書かれています。これは、男性だけでなく女性にも大変役立つ情報があります。医療者もこれを支えなくてはいけないということで、研修会を行うなど頑張っていますので、ぜひ気になったら相談をするという皆さんからの発信をしていただけるとよいと思っています。

患者さん・ご家族が語り合う場を開催

そして患者サロン、ピアサポート、こういった場も医療機関の中でできつつあります。がんの中では、先ほどお話ししたがん相談支援センターを通してこういった語り合う場が、平均して月2回ぐらい、多い所では毎週つくられているようです。こういった場もありますので、なかなかどこにあるのかわからない場合には、がん相談支援センターにご紹介いただくことも可能です。ぜひお声掛けいただければと思います。また、コロナ禍でオンラインサロンを開く所も出てきました。オンラインであれば、場所を問わずにご参加いただけると思いますので、どこに情報があるのか、お伺いいただけるとよいと思います。
この支える人をどのようにして集めていくかという取り組みも、国でも進んでいますし、東京都ではピアサポート事業として、都立駒込病院、武蔵野赤十字病院で実施されています。

がん相談支援センターを知っていただくために

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とはいえ、がん相談支援センターに関して、なかなか周知が進まないというのも事実です。がん相談支援センターを必要とする時に知らなかったという方が、先ほどの患者体験調査の中でも13%いらっしゃいました。それほど多くはないのではと思うかもしれませんが、年間がんになられる方が約100万人で換算すると、10万人以上が必要とする時にこのがん相談支援センターを知らなかったということです。これを何とかしたいと思います。1人でも少なくしたいというのが、冒頭に申し上げた内容になります。そこで、病院の医療者、医師たちが一緒に、がん相談支援センターを周知させるためにつくった『がんと診断されたあなたに知ってほしいこと』という冊子、動画がありますので、今までのおさらいになりますが、ご覧いただければと思います。それでは動画、よろしくお願いいたします。

<動画>

がんと診断されても慌てないために

がん専門医:私はがんの専門医です。医師としてこのような経験があります。患者さんが説明した内容をほとんど覚えていない。こちらで説明した治療以外にさらによい治療がないかと、インターネットで見つけた治療を希望される。仕事と治療は両立できるということを話す前に、仕事を辞めてしまう。冷静でいられないのは当然のことです。
私はこの冊子、『がんと診断されたあなたに知ってほしいこと』をお勧めしています。この冊子があると、患者さんが帰宅して少し落ち着いた時に、ご家族と一緒にご覧いただくことができ、診察時の話を冷静に思い返すことにつながると思います。

患者さんをさまざまな職種のチームで支える

患者さんの悩みはいろいろです。でも患者さんを支えるのは主治医だけではありません。病院には多くの専門家がいます。そしてチームで患者さんを支えることができます。この冊子をご覧いただければ、聞きたいことや疑問は、まず主治医に気軽に質問してよいということがおわかりいただけると思います。次の診療時に聞きたいことの整理も前もってできます。
妊よう性とは妊娠するための力のことをいいます。妊よう性について早めの意思決定が必要ですが、告知のタイミングで詳しくお話しすることは難しいことがあります。大切なことなので、早い段階からこの冊子をご覧いただくことで、ご自身で考えるきっかけになると思います。 治療をしながらでも仕事はできるということも大切です。治療が終わっても人生は続きます。経済的な面だけでなく、仕事が生きる糧になることもあります。ぜひお伝えしたいポイントです。

がん相談支援センターが質問の窓口に

セカンドオピニオンを遠慮してしまう方が多いですが、気になっている場合は患者さんから気軽に切り出してよいということも、この冊子で伝えています。主治医の説明が難しいと思われたり、忙しい医師にこのようなことを聞いてよいのかと思われたりすることも多いと思います。そのような時はがん相談支援センターをご利用ください。あなたの疑問や質問の窓口になることができます。そして一緒に考えていきます。
家に帰ってからの生活や、病気のことを周りの人にどう伝えるのかといったことで悩むこともあるでしょう。がん相談支援センターでは患者さんの生活面での相談に乗ったり、サポートしたりすることもできます。どのようなことでも相談してよいということが、この冊子を読むとおわかりになるでしょう。

患者さんと医療者が同じ方向を見ながら対話することが大切

そして一番は、これを一緒に見ながら診療を受けることで、患者さんと医師、医療スタッフが、同じ地平の同じ地点で、同じ方向を見ながら対話をすることができるようになるということです。これから始まる治療で不安なこと、心配なことも多くあると思います。でもあなたは1人ではありません。あなたの周りには医師、そして頼りにできる医療スタッフがいます。『がんと診断されたあなたに知ってほしいこと』、ぜひ手に取ってみてください。

「がん情報ギフト」全国の図書館と連携して

髙山:今のおさらいになるかもしれませんが、医療者からのメッセージということでお伝えいたしました。そしてこれは、国立がん研究センターの「がん情報サービス」の中で、冊子、動画とも紹介していますので、ぜひまたご覧いただければと思いますし、ぜひご紹介いただければと思います。
そして病院の中だけではありません。「点を結んで、私たちの地域の安心に」ということで、国立がん研究センターで、「がん情報ギフト」という図書館にがんに関する冊子を寄贈し、置いていただいて情報を使っていただくというような取り組みをしておりますが、図書館だけではなく、図書館と必ずがん相談支援センターがつながるようなかたちでの支援をしています。図書館で何か、さらに知りたいということがありましたら、お近くのがん相談支援センターにつないでいただくことも可能ですので、ぜひご利用いただければと思います。 そして読売新聞の「病院の実力」というコーナーで、先日がん相談支援センターのご紹介がありました。こういったかたちでいろいろなところがつながっていく、そしてこのがん情報ギフトは皆さまのご寄付で成り立っているということで、本当にいろいろな方をつないでいる取り組みだと思っています。

新聞記事をきっかけにがんと緩和ケアに関するイベントを開催

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さらに、図書館とがん相談支援センターが連携をしてイベントをする場も、国立がん研究センターで「結ぶ」事業として、支援しているところです。名古屋医療センターのがん相談支援センターの方は、実はがん情報ギフトのこと、図書館とこのような連携をしていることをご存じなかったのですが、まさにこの新聞記事をきっかけに調査が来て、このような取り組みができることを知って、先ほどの国立がん研究センターが実施している「結ぶ」事業に応募されて、10月にこういったイベントを開催されました。いろいろなものがつながっていく取り組みが、本当に一つ一つの小さなことかもしれませんが、地域、私たちがよりよく生活できるように変えていっていると思うところです。少しずつつながって、つなげていく、これがやはり私たち一人一人に求められていることではないかと思います。

サポーターを見つけ、支え合える場を共につくる

まとめになりますが、「確かな情報から」情報を探せるように、「がん情報サービス」あるいは主治医、そういったところから見ていただければと思いますし、がん診療連携拠点病院もぜひ頼ってください。そして「あなたを支える場」も図書館、がんサロンの場、これもこれからまたご紹介があると思いますが、いろいろな所でできています。あなたのサポーターがきっと見つかると思います。そして支え合える場を皆さんと一緒につくっていければと思っております。以上で終わりたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

1)Y Goto, et al., J Thorac Oncol 2009; 4(7): 829-833
https://doi.org/10.1097/JTO.0b013e3181a76fe1
2)R Ogasawara, et al., JMIR Cancer 2018; 4(2): e10031
https://doi.org/10.2196/10031
3)SB Johnson, et al., J. Natl. Cancer Inst. 2022; 114(7): 1036-1039
https://doi.org/10.1093/jnci/djab141

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掲載日:2024年01月15日
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