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第2回 北見地域のがん患者さん支援の充実に向けたセミナー 2023
【グループワーク】
まとめ

渡邊 清高さん(帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科)

今日は私もお話を聞かせていただいて、大変ためになるといいますか、非常に面白いディスカッションを聞かせていただきました。いろいろ答えのない正解を皆で探すというプロセスが、やはり重要だと思います。

患者さんの病状や気持ちの変化に常にアンテナを張っておく

講演の画面01

「患者さん・ご家族の価値観」に沿うにはどうしたらよいかを一緒に探すということを継続していくことが大切です。一方で、時々刻々と患者さんの病状も動くし、気持ちも揺れ動く中で、「臨床的な評価」、例えばADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)や、疼痛(とうつう)、不安、精神状態、臨床症状、本人の理解と認識といったところに常にアンテナを張っておくことが大事です。また、「予後の見通し」として、予後の予測とともに副作用のリスク、不確実性を考慮するべきです。何らかの介入、例えば放射線治療、痛みのコントロール、抗がん剤治療をすることによって副作用のマネジメントもしていくというところで、治療の意向なのか、在宅ケア・在宅医療の希望なのか、将来に向けたアドバンス・ケア・プランニング(今後の治療・療養について患者さん・家族と医療従事者があらかじめ話し合う自発的なプロセス)で確認し、いろいろなところで常にアンテナを張っておくということが非常に重要だと思います。こうした勉強会をすると、きっかけは誰からでもそれができて、話し合った内容を共有して、必要なサポートにつながっていくことが一番重要だと思って伺っておりました。

また、どのようなテーマで、どのように、またどこで行うかについて、今回は症例検討やグループワークが中心ですが、これがより狭いコミュニティーで実践するというのも一つの方法ですし、職域、あるいは職種の中で実施するということもよいですし、いろいろな職種の方が交わるというのも非常に有用かと思います。ぜひまたこういった機会を今後も続けられるとよいと思います。私自身も大変学ばせていただきました。地域で考えたり、話し合ったりして伝えるというようなきっかけが、今後も広がっていけばと願っております。今日はどうもありがとうございました。

「第9回日本がんサポーティブケア学会学術集会」開催

講演の画面02

よろしかったら、2024年5月に「第9回日本がんサポーティブケア学会学術集会」を埼玉県で開催します。「多職種でかかわる・チームで支える」ということで、私が大会長を務める予定です。行政の方と住民の方が一緒に参画するということで、患者さん、住民の方を支えるというようなところのディスカッションをしてまいりたいと思っています。ぜひ北見からもご報告いただければということで、こちらも楽しみにいたしております。どうぞよろしくお願いいたします。

関:ありがとうございました。本セミナーの締めといたしまして、閉会のごあいさつを本間内科医院の理事長・院長、本間栄志先生にお願いしたいと思います。なお、本間先生は、北海道オホーツク総合振興局保健環境部・北見地域保健室で管轄している北見地域多職種連携チームという組織がございます。その代表もお務めいただいておりまして、今日はそのお立場での閉会のごあいさつをお願いしております。本間先生、よろしくお願いいたします。

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掲載日:2023年12月11日
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