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第2回 北見地域のがん患者さん支援の充実に向けたセミナー 2023
【イントロダクション】
前回アンケートの振り返りと本セミナーのねらい

渡邊 清高さん(帝京大学医学部内科学講座 腫瘍内科)

皆さん、こんばんは。まず私のほうから前回の研修会の振り返りと、今回参加いただいた方のバックグラウンドについてお話をさせていただきたいと思います。

研修会の目標

講演の画面01

本日の研修会の目標は、1つ目として「事例を通じて北見地域のがん患者さんとご家族向けの支援における課題を概説できる」、2つ目として「がん患者さんのQOL(クオリティー・オブ・ライフ:生活の質)の向上と支援の充実に向けたかかわりの事例を提案できる」というところをねらいとしています。前回は少し座学というべきか、勉強をして皆で聞くというところを中心に、その中でグループワークの時間を設けましたが、今回はグループワークが主体になります。ぜひ、皆さま方からの事例や困っていること、工夫していることについてのお話を共有いただければと思っております。
3つ目の目標として「地域におけるがん患者さんの支援に向けた多職種チームアプローチの意義を説明できる」ということであげてみました。やはり、いろいろな職種の方が同じ事例についての課題と改善策を提案するということを通じて、これからの北見地域でお過ごしの患者さん・ご家族向けにどのようなサポートができるのかということを、ぜひ考えてみたいと思います。

講演の画面02

昨日時点での今回のアンケートの取りまとめです。医療関係者の方、福祉・介護関係者の方を含めて、多くの方にご参加いただきました。前回と比べて医師、薬剤師の方のご参加が多いという印象です。

講演の画面03

「がん患者さんへのかかわり」としては、「現在かかわっている」方が6割ほど、「過去にかかわっていた」方が4分の1ほどということです。頻度としては、「たまに」という方が3割台半ば、「常に」「ほとんどない」という方がそれぞれ4分の1ほどで、「ときどき」という方が1割台半ばとなっています。「がん患者さんの問い合わせへの対応」についても「自信がない」という方は半分近くいらっしゃって、必ずしもがん患者さんを専門にかかわっていらっしゃるというわけではなく、一般的な地域での患者さんへ向けたサポート体制のもとで、今日ご参加いただいたのではないかと理解をしております。

前回研修会の振り返り

前回7月18日、2か月前になりますが、実践報告として「退院支援」のお話を北見赤十字病院の上林先生に、「在宅の事業所連携」のお話をオホーツク勤医協北見病院の菊地先生に、「多職種連携」のお話を本間内科医院の本間先生にしていただきました。また、「訪問看護ステーション」「麻薬管理について」「ケアマネジャーの視点」ということでお話をいただきました。グループワークでも地域での課題について話し合いました。
前回現地参加された方、オンライン参加の方からは、「多職種(他施設)からの話が聞けてよかった」「連携の大切さ、地域の現状がわかった」「連携、意思決定のスピードが必要で、忙しい時間でも効率的な情報共有が必要」「こういったディスカッションの機会があると、次会った時にはよりストレートに提案や困ったことを共有するところから始められて、とてもよいのではないか」「それぞれの施設で実践していらっしゃることの種明かしをお互いに共有することによって、病院を出たあとの支援の実際を聞くことができて、退院後のイメージが膨らんだ」というようなご感想・ご意見をいただき、情報共有することとイメージを共有できることが非常に重視されていると思いました。「患者さんだけでなくご家族にも寄り添うことが大切」というご意見もありました。

そこで、今回改めて「多職種チームケアと地域医療連携を推進する」ということで、このモデル研修を提案いたしました。ぜひ今回の事例検討に沿って、北見地域での患者さんをイメージしながら議論ができればと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。私からは以上です。

関:渡邊先生、ありがとうございました。それでは、今回のメインとなるグループワークに入ります。

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掲載日:2023年11月27日
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