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がん医療フォーラム 岩手 2016/気仙がんを学ぶ市民講座
【フォーラム】がん患者さんとご家族の療養を地域で支える ディスカッション

モデレーター: 渡邊清高さん、岩渕正之さん
パネリスト:熊谷優志さん、白井秀徳さん、阿部遼介さん、田畑俊之さん、安達健太郎さん
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ディスカッションの様子の写真
ディスカッションの様子

渡邊:みなさんからいただいたご質問にお答えする形で、ディスカッションを進めていきたいと思います。最初に、がんと診断された患者さんへの対応について、介護福祉士の方からのご質問です。

「告知された直後の混乱している時期に、ご本人にご家族はどう対応すればよいのでしょうか。声をかけたほうがよいのか、見守ったほうがよいのか。生活のどのようなことに注意すればいいのでしょうか」

岩渕:これは大変難しい質問です。「あなたはがんですよ」と告知されると、普通はとても混乱した状態におちいります。このときに、家族としてご本人にどのように声をかけたらよいのか、もしくは声をかけないで様子を見たほうがいいのか、というご質問でした。年齢にもよると思いますが、基本的にこちらから声をかけてあげることが必要です。声をかけてあげても、「どうせ自分のことはわかってくれないだろう」というふうに考えてしまう方が多いです。

これはあくまでも私の経験ですが、お声かけとか、そういったことではなく、相手の身体に触ってあげるとか、そういったことが一番効果があるようです。何気なく、例えば手の上に手をのせたりする、そうした触れ合いが「自分は一人じゃないんだ」という気持ちにつながっていくように思います。もちろん言葉も必要ですが、必要以上に言葉で何かをしようとしてはいけないような気がします。患者さんに触れる、よくいわれる「寄り添う」ということでしょうか。ご家族の関わりの場合には、それが一番効果があると思います。

岩渕 正之さん 渡邊 清高さんの写真
岩渕 正之さん 渡邊 清高さん

渡邊:支援に関わる方からご本人への接し方について補足させていただきます。私もがんの治療に関わっていますので、告知をする機会はたくさんあります。告知というのは、その瞬間のことではなく、患者さんとのやりとりを続けていく連続的なものではないかと考えています。ですので、病名についてお話しした後も、「病名をお聞きになって、どう感じていらっしゃいますか」といったことを伺ったり、看護師さんなど患者さんと接する他の職種の人たちから、患者さんがどんな反応をされているのかを聞いて、それによってさらにやりとりをするようにしています。患者さん、ご家族がどのように受けとめていらっしゃるのかを心がけながら、情報をお伝えするようにしています。病名を伝えることだけが告知ではなくて、その後のやりとりも含めて、患者さんとの距離を縮めていくことが大切ではないかと思っています。

次は経済的な問題についてのご質問です。

「在宅で医療サービスを受ける場合と、病院で医療サービスを受ける場合、経済的な負担はどう違うのか。経済的なことについて、どのように考えればいいのか。誰に相談すればいいのか」

医療ソーシャルワーカーの阿部さん、いかがでしょうか。

阿部 遼介さんの写真
阿部 遼介さん

阿部: 在宅で療養する場合と、病院で療養する場合の経済的負担を比べますと、一般的には介護保険などの社会資源を利用して在宅で療養されるほうが安くなるだろうと思います。お使いの健康保険証の種類や世帯の収入状況によっては療養病院などで入院を継続されたほうが安くなる場合もありますので、相談室にお越しいただければ確認できると思います。あとは各病棟の事務職員に確認していただいてもよいと思います。

岩渕:この質問も非常に多いです。料金表みたいなものを作ろうと、一度トライしました。しかし、人によってかなり違ってきます。例えば訪問診療を月に2回以上、24時間対応で、何かあったときにはすぐ後方ベッドが引き受けてくれるという条件のもとであれば、1割負担の方の場合だと月6,000円くらいかかります。その間に点滴が必要になったり、何か薬を出す、血液検査をするといったことがあると、だいぶ違ってきます。ですので、人それぞれでかなり違うと思ってください。基本的に、総じて言えば在宅医療のほうが若干、安くなるかなという印象があります。通っておられる、例えばクリニックの事務の方などに直接、かかる費用はどのくらいになるのか聞いていただくのが近道ではないでしょうか。

渡邊:お金のことについては、聞きにくいと思われる方もいらっしゃると思います。例えば事前の手続きをしていただくことで、その後の支払いを抑えられたり、スムーズに連携できたりすることもあるので、ぜひ病院などの窓口にご相談いただきたいと思います。

今日は情報をキーワードに医療と介護福祉の両方の方にお話しいただきましたが、両者をネット環境でつないで、データ化された患者さんの情報をやりとりする方向性が国からも示されています。これを実施するために、気仙では「未来かなえ機構」という情報ネットワークシステムが動いているということですが、これについてのご質問がありました。

「未来かなえ機構では、どういったことができそうなのか、今後どのように展開されるのか」

岩渕:これは医療・介護のICT(情報通信技術)といわれているものです。病院・診療所・薬局・訪問看護ステーションなどを全部ネットでつないで、情報を一極化しようというものです。

メリットとして、例えば休日に大船渡病院に具合が悪いと突然、患者さんがいらっしゃった場合に、その人がどういう治療を受けていたのかを知ろうと思うと大変です。ICTでは、その患者さんの情報を、それまでかかっていた診療所のカルテのデータにアクセスして見ることができます。病院の救急外来に来た患者さんは、採血をして、CTをして、場合によってはMRIもやったり、たくさんの検査をします。ICTでは過去の検査の内容とデータ、どんな薬を飲んでいるのかといったことがすべてわかります。

在宅療養の場合は、在宅医と訪問看護師さんとの間で情報を共有できる可能性があります。訪問看護師さんがその日にどのような処置をしたかという記録から、患者さんがどういう状態なのか予想して訪問に行くことができます。

デメリットとしては、情報が多すぎるという可能性があります。例えばクリニックに大船渡病院から紹介された患者さんが来たとします。どういう検査をしてきたのか、大船渡病院のデータを見ると、とても多くの検査結果が出てきます。CTだけでも何十枚もの画像の中から、1枚か2枚の異常所見を見つけなければならなくなります。そのような情報の多さということがあります。

さらに情報が流れてしまうというリスクがあります。これはどんなに注意しても、100%防ぐことは難しいです。こうしたリスクの可能性もご説明して、情報の共有化について患者さんに承諾書を書いていただくことになります。承諾書を書いていただいた患者さんのデータしか、私たちは見られないという形になっています。

このシステムが進んでいって、使う側が慣れてくると、かなり有用なものだと思います。ちなみに気仙地域では「未来かなえ機構」に7,000人近くの患者さんの登録があって、これは全国トップクラスです。

渡邊:情報の共有について、病院という一つの施設の中ではスタッフが同じ条件で患者さんの情報にアクセスできます。複数の施設の、異なる専門性をもつ職種が関わっている患者さんでは、医療スタッフが情報を共有することが難しい場合があります。そういった場合には、IT(情報技術)の力を使って情報を共有することができます。

情報を整理したり、必要な情報をピックアップして、今後の方針についてやりとりができるとか、共有できることが技術的に可能になると、患者さんとご家族にとっても安心ですし、関わるスタッフにとっても安心できるということで、岩渕先生からお話しいただきました。こうしたことが患者さん、ご家族に見える形のメリットとして伝わっていくのが大切なことだと思います。

次はリハビリテーションについてのご質問です。

「リハビリテーションをやりたくないという方に、どう向き合われていますか」

安達 健太郎さんの写真
安達 健太郎さん

安達:リハビリ、イコール機能訓練と思われがちです。私が普段やっている在宅リハビリの場合、患者さんがやりたくなければ無理にやろうとはしません。その場合は機能訓練ではなくて、話し相手ということで対応しています。お話ししている中で、その方が日常生活で困っていることが出てきます。リハビリの対象者なので、みなさんどこか身体的に困っていることがあります。お話ししているうちに、何か困っていることが出てきたら、「ちょっとやってみましょうか」と働きかけてみます。そのときにやってみるかどうかも、その人の気持ちなので、そこも大切にしています。「やりたくない」というので終了にするのではなくて、少しずつ寄り添って、信頼関係をつくっていくようにしています。

渡邊:確かに機能訓練をするのは大事なことですが、その間のちょっとしたコミュニケーションというか、働きかけをきっかけに、患者さんが少しずつリハビリに取り組むような対応をされることもありますので、できるところから環境をつくっていくのも大事だと思います。

安達:実際に訪問リハビリをやっていて、拒否される方はけっこう多いのです。拒否しなければ、通所のリハビリとか、何かサービスを受けていらっしゃいます。拒否される方に対しては、やはり流れに沿ってというか、ご本人の気持ちを考えた対応をするのがよいと思っています。

岩渕:今のお話は、歯科診療を受けない、薬を飲みたくないという人にも共通しています。拒否的な方に、こちらがしていただきたいことをしてもらうのは難しいです。ですが、今現在の状態に固執しないで、「1週間後はベッドに座ってみようか」とか「お孫さんが来るときにベッドに座っていられるようにしようね」など、肯定的な提案をしてみれば、「じゃあいま頑張ってみようかな」という話になることもあります。そういった働きかけ、動機づけのようなことはご家族にもできることなので、みなさんも記憶にとめておいていただければと思います。

渡邊:拒否的ということに関連して、医療で治療している患者さんの場合、介護はまだ必要ないと考えられていて、介護保険が必要だということがなかなか伝わりづらいことがあります。拒否的なことも含めて、そうした場合にどういうお声かけをすればいいのか、どういうお話をするとご家族が受け入れてくださるのか、ということは悩ましいところです。こうした場合について、田畑さん、いかがでしょうか。

田畑 俊之さんの写真
田畑 俊之さん

田畑:私たちケアマネジャーに依頼があるのは、介護保険を使うような形になってからが多いので、介護保険をどうやって使おうかというご相談に対応したことはあまりありません。ただ、ご家族が心配するのは、先ほどもお話ししたように、申請してから認定結果が出るまでに調査から1か月ほどかかるということです。例えば足が不自由で何かのはずみに転びそうな方とかいらっしゃいます。そういう方が認定調査だけ受けておいて、後で区分変更したとしても、当面の福祉サービスが使えるのではないかと考えて、申請をご本人に勧められるご家族がいらっしゃいます。私たちとしては、ご家族の「何があった場合はどうするのか」という思いを汲み取りながら、ご本人に「認定を受けておいたほうがいいのではないですか」と働きかけたりします。いやだということなら、「また次の機会にお話ししますね」という形でお話しすることはしています。

岩渕:訪問して、初めて会った人にはなかなか受け入れてもらえないことは多いです。そこらへんは、やはり信頼関係をつくっていきながら、お互いの理解を深めていくということが、一番の解決策なのだろうと思います。歯医者さん、薬剤師さんの立場で何かありますか。だいたい対応は、同じような感じでやっておられると思います。

渡邊:歯科診療についてのご質問もあります。

「栄養状態の数値は血清アルブミン値ということでよいですか。実際に栄養状態がよくなることで、どのようなことがよくなるのか」

熊谷 優志さんの写真
熊谷 優志さん

熊谷:先ほどの数字は血清アルブミン値です。それだけで栄養状態は把握できないと思いますが、わかりやすい数値として出しました。アルブミン値だけでなく、体重の増加も大事な要素だと思います。実際に栄養が改善されて体重が増えてくると、筋力も出てきますし、運動機能、動く動作にも貢献します。先ほどもちょっと触れましたが、傷の治りもよくなり、肺炎の治りもよくなると思います。栄養状態が悪くなってからの肺炎では、治るまでに時間がかかるので、やはり栄養状態を維持しておくことは大事だと思います。

渡邊:栄養状態が基本になるということですね。先ほどの発表でご紹介いただいた患者さんは、栄養状態が悪かったときは腰が曲がっていましたが、栄養状態が改善されると背筋が伸びてスタスタと歩けるようになっていらっしゃいました。そうなると、生活面でも、治療や在宅での療養についても前向きになれると思います。ご家族の意識も変わってくるでしょう。そういったことで、栄養をサポートすることはとても大切だということを知っていただけたと思います。

調剤薬局では薬を週単位、月単位で管理したり、お薬をきっかけに対話をして、いろいろな方とやりとりをされるというお話についてのご質問です。

「お薬の管理も含めて、薬剤師さんはどのような関わりができるのでしょうか」

白井 秀徳さんの写真
白井 秀徳さん

白井:さきほどお話ししそびれましたが、在宅での薬剤管理を通して、多職種の方に患者さんの状態についての情報を伝えるようにしています。それに対して、またフィードバックしていただいたりなどという連携もしています。実際にお薬を飲めていない場合、何が原因なのか、その根本的な原因をみつけて解決するようにしています。

昨日会った患者さんは、「薬は飲みたくない」とおっしゃいました。どうして飲みたくないのか、どうやったら理由が聞けるのか、相手のお話しするペースや、気持ちに合わせて、一体化するような話をしたらよいのではないかと考えました。そのおばあちゃんにしっかり目線を合わせて対面して話したら、「先生が飲めと言っているけど、この薬はがんになるんじゃないかと思うから、飲まないの」ということでした。「大丈夫ですよ、このお薬はがんにならないです。先生が言うように、きちんと飲んだほうが病気の解決には早道ですから、ちゃんと飲んでくださいね」と目を見て話したら、「わかった、飲んでみる」と言ってくれました。

やはりコミュニケーションの問題だと思います。そういう患者さんの気持ちを汲み取って、お薬が飲めない原因を根本的に解決するのが、ぼくたち薬剤師の役目であり、ちゃんと飲んでいただくために、そういうところは力を入れてやっている部分です。

ディスカッションの様子1の写真
ディスカッションの様子1

渡邊:お薬が飲めないという裏には、患者さんの不安や心配ごと、コミュニケーション不足が隠れている場合があるので、そういったことで薬剤師さんが積極的に関わっていただけると、根本的な問題にも対応できるということでした。

今回は高校生の方たちに受付や会場設営、案内などのボランティアとしてご参加いただきました。ありがとうございました。高校生の方たちも含めて、今日、ご参加いただいた方たちに講師のみなさんからぜひ伝えたいというメッセージを、一言ずつお願いします。

熊谷:先ほどのお話の中でも強調しました「治療は栄養から、栄養は口から」というのは、少し大げさな表現だったかとも思います。このようなお話をしたのは、歯・口に関する問題の優先順位が下のほうになっているのではないかと感じているからです。全国乳幼児歯科検診で市町村別の結果をみると、3歳児の虫歯で岩手県内の中で気仙地域がワースト1、2、3になっています。これは決して子どもが原因ではなく、育てている大人が原因です。大人の歯・口に対する健康意識が低いのではないか、そうしたことから病気になっても歯・口の問題は優先順位が低いのではないかと思っています。この点をぜひ、地域の方々に伝えていきたいと思っています。

白井:今まで薬剤師がどういう働きをしてきたのか、わからない方が多いのではないかと思って、今回ここでお話しさせていただきました。どういうことを今、やらなければならないかということ。今まで薬剤師は調剤をしてお渡しするという、薬局の中だけで完結する業務だけをやってきた部分があります。今、求められているのは、それよりも外の世界で、今回のテーマになっている在宅療養での関与や、多職種との連携を深めていくことです。今までは薬という「モノ」を仕事の対象として扱ってきましたが、今後は「モノ」から「人」へということで、患者さんに寄り添った医療が実践できるように、我々薬剤師が働かなければいけないところがあるように思います。それをやっていけるように頑張っていきますので、みなさん、ぜひ薬局が使えると思われたら使ってください。まだまだそうした業務では発展途上の部分があるので、ダメだなと思うところはご指導・ご鞭撻いただければ改善していきますので、よろしくお願いいたします。

阿部:在宅療養での情報をお持ちでないご家族に対する支援での成功体験として、関わらせていただいた中で「どうせ家で看られない」と思い込んでいたご家族が、介護保険や訪問診療の情報を提供することで、在宅療養ができたということがあります。このことに私たちはすごく喜びを感じたのですが、同時に情報はとても大切だと改めて痛感しました。情報を持っていないことによって、選択肢がすごく狭まってしまうのはもったいないことだと思いました。国のほうでもがんに関する情報のウェブサイトを持っていて、いろいろ発信はしていますが、身近な私たちがもっと地域のみなさんに必要な情報を提供していくように努力していかなければならないと思います。気仙がん相談支援センターをご存じない方もいらっしゃると思うので、こういう機会に広めていただきたいと思いますし、私たちも努力していきたいと思います。

田畑:病院の中には介護士さんもいらして、介護という面でも充実していると思いますが、やはり住み慣れた地域で、住み慣れた空間で過ごすということは、ほかには代え難いのではないかと思います。家族の声を聞いたり、近所の方が今までどおり訪ねてきてくれたり、そうした人たちと会話ができる環境が毎日ある中で過ごせます。単純に自分の家族だったらどうか考えてみたら、ぼくはそのほうがいいのではないかと思っています。国の調査を見ますと、余命が限られている場合は、国民の約60%が自宅での療養を望んでいるということです。昔は在宅、自宅で亡くなる方が8割を超えていたようですが、現在は自宅で看取られる方は12%くらいに減っているそうです。患者さんとご家族は在宅療養について不安を持っていらっしゃいます。今日、在宅療養に関わる専門職のみなさんのお話、私もお話しさせていただきましたことで、少しでも在宅療養の不安の解消につながればよいと思っています。

安達:高校生のみなさんに伺いたいのですが、理学療法士、作業療法士や言語聴覚士という職種がわかる方、いますか? あ、けっこういますね、半分くらいですね。ぼくが学生だった頃とか、少し前まではみんな知りませんでした。気仙管内で理学療法士は何人くらいいるかというと、震災前に比べたら増えましたが、まだまだ少ないです。

今日は在宅のリハビリ、特にがん患者さんの場合についてお話ししましたが、さまざまなフィールドでリハビリが展開されていると思います。実際に在宅のリハビリでも、いろいろな疾患の方を対象としています。ですから幅広い知識が必要です。高校生の方でリハビリに興味のある方がいたら、その勉強ができる学校へ行って、ぜひ気仙管内に戻ってきていただき、一緒にお仕事をしたいと思います。

在宅でとても楽しいというか、やりがいがあると思うところは、患者さんやご家族と直接、家での関わりがあることです。ご自宅での日常生活に対応したリハビリの成果が出ると、すごく笑顔になったりとか、感謝されたりします。またぼくたち理学療法士が介入しなくても、自然とよくなったりすることもあります。それは気持ちが前向きになるからです。がんの患者さんに限らず、さまざまな疾患でも同じだと思います。これから勉強する上で機能的なところも大事だと思いますが、気持ちも大事だと思って勉強していってほしいと思います。

ディスカッションの様子2の写真
ディスカッションの様子2

岩渕:今おっしゃったことがすべてかなと思います。我々も身体をよくしようとしているだけでなくて、気持ちなんですね。患者さんの気持ちだけではなく、ご家族の気持ちも一緒に上げていかないといけないと思います。この中には将来医療従事者になる高校生の方もいると思いますが、こうしたことも覚えておいてもらえればと思います。

渡邊:今回のフォーラムでは、がん患者さんとご家族の療養を地域で支えるということをテーマにさせていただきました。がん医療ということになると、主に病院とか医療従事者が主語になりがちですが、生活を支えるという視点になると、これだけいろいろな関係者の方、職種の方が関わられるということです。

普段、身近な方が、どういったがんについての意識を持っていらっしゃるか、地域で在宅療養について偏見のようなものがないかどうか。患者さんの悩みに寄り添っていくには、どんなことが必要でしょうか。場合によっては、がんについて詳しく知っている必要はないのかもしれません。ただ、患者さんがどんなことについて困っているのか、その点に関心を持っていただくのが大切なのではないかと思っています。

そういった意味で、がん患者さんを支えるというのは、2人に1人ががんにかかるというなかで、参加された方々を含めていろいろな方がそれぞれの立ち位置でどんなことができるかを考えていただく、こういった市民講座でともに学ぶことが大切になってくるのではないかと、今日、みなさんのお話を聞きながら考えました。学ぶこと、ともに考えるということは、将来の希望につながると思いますので、ぜひ周りの方にもこうした学びを伝えていただきたいと思います。

情報の大切さというお話がありましたが、情報の一つとして、気仙のがん患者さんとご家族が語り合える場としてつくられたサロン「よりどころ」について、阿部さんからご紹介いただきます。

阿部:大船渡病院ではがん患者・家族サロン「よりどころ」を開いています。今日も情報コーナーにパンフレットを置いてありますので、お持ちいただければと思います。このサロンは、がん患者さん同士が自由に自分の思いを語り合う場です。がん患者さんとご家族であれば、どなたでも参加可能です。患者さんを支えるためにご家族が頑張っていらしたり、今日みなさんにお話した専門職も含めて私たちは支えるように努めていますが、やはり当事者同士でないと共感できないこともあると思います。そういうニーズを満たす場になっていると思いますので、身近にがん患者さんがいらしたら、ご案内いただければありがたいです。

毎月第2土曜日、10時から12時まで、大船渡病院の2階の食堂でやっています。この機会にみなさんに知っていただきたいと思って、ご紹介させていただきました。

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掲載日:2016年2月27日
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