Nuss法漏斗胸手術手技研究会

我が国の胸壁疾患治療の向上と発展をめざして

会長挨拶

第22回Nuss法漏斗胸手術手技研究会の開催について

2023年5月

関係各位

ごあいさつ

 この度、第22回Nuss法漏斗胸手術手技研究会を主催いたします福岡大学形成外科の髙木誠司です。私が漏斗胸治療に携わり始めてまだ10余年、いまだに日々悩みながら治療にあたっている段階ではございますが、そんな私にこのような機会を与えて頂き、誠に光栄に感じています。
 それにしても、漏斗胸治療はつくづく難しいです。治療の目的は機能面と整容面の改善にあります。機能面においては、治療により心肺機能が改善されるという報告が出てきていますが、まだまだ十分に議論されているとは言えません。整容面においては、元々の変形の名残りを一切感じられないほどに格好よく美しい形態に治せることもあれば、凹凸・傾き・不整感が残ってしまってGoodやFairどまりに終わることもあります。医療者側にとっては数ある手術のひとつかもしれませんが、患者さんにとっては一期一会の手術です。執刀医は常に、「全例において機能と整容の両面でのExcellent」を目指して努力と改善を積み重ねていかなければない、と改めて感じています。そういった想いを込めまして、今回の学会のテーマを「胸郭疾患に対するわれわれの心意気」とさせて頂きました。どうか皆さま方の「心意気」を見せて頂いて、私自身もおおいに学ばせて頂きたいと思います。
 なお、演題は漏斗胸に限りません。胸郭に絡む疾患・異常であればなんでも結構ですし、形成外科だけでなく胸部外科・小児外科・呼吸器外科などの先生方が加わった議論の中から見えてくるものもあろうかと思います。治療に難渋する症例を提示し、他領域の先生方のご意見を求めるのも結構です。どうぞ気負うことなくご参加ください。
 また、本研究会の前代表世話人植村貞繁先生・現代表世話人野口昌彦先生による主導のもと、漏斗胸術後の疼痛緩和を目指した肋間神経冷凍焼灼機器の日本導入の話が進みつつあるようです。その動きをサポートするためにも、術後疼痛で非常に難渋した症例、疼痛遷延で思わず生じた2次的合併症、などの報告も受け付けたいと考えております。
 令和5年3月に地下鉄七隈線が延伸し、博多駅から直通約20分。ますます便利になったここ福岡大学で、教室員一同、皆様のお越しを心よりお待ち申し上げております。

第22回Nuss法漏斗胸手術手技研究会会長
福岡大学 形成外科
髙木 誠司