靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

まごつく

『太素』巻21九鍼要解
壹其形聽其動靜者言工知相五色于目有知調尺寸小大緩急滑濇以言所病也
楊上善注:相五色於目謂壹其形也相目之形有五色別以知一形也調尺寸之脉六謂聽其動靜也聽動靜者謂神脉意也
 杏雨書屋の『太素』の原本を見て、かえってまごつくことも有るんです。楊上善注中の「思」は原本では画像のようになっています。里の下に心に見えませんか。そんな字は、字書に見つかりません。多分、抄者の単なる筆の誤りだろうとは思うんですがね。ひょっとすると用紙の汚れにすぎないのかも知れない。でも「悝」なら有る。意味は「思い悩む」です。「動静を聴くとは、神が脈の意を思い悩むことを謂うのである。」ちょっと変だけど、全く変でもないでしょう。だから、かえってまごつく。模写は「思」にしてますから、なんとなくやりすごしていた。「動静を聴くとは、神が脈の意を思うことを謂うのである。」なんだか、考えてみればこれだってそんなに分かりやすくはなかった。

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