靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

黄帝と炎帝

 黄帝伝説の主要な内容は、炎帝との戦いであり、炎帝は即ち神農であって、神農は百草の滋味を嘗めて、医薬の祖となっている。してみると、針の経典を黄帝に仮託するのは、「毒藥を被らしめることなく、砭石を用いることなきを欲し、微針を以てその經脈を通じ、その血氣を調え、その逆順出入の會を營せんと欲す」云々と関係が有って、黄帝が炎帝を滅ぼしたのと同様に針が薬を凌駕するのを標榜している、と言いたいところであるが、そうもいかない。『太平御覧』に引く『帝王世紀』に「帝使歧伯嘗味百草,典醫療疾,今經方、本草之書咸出焉。」とある。


 炎帝が神農なら、黄帝は何かと言うと、軒轅なんですね。でも、軒轅って何なんだ!?
 あんまり考えたことが無かったでしょう。それがねえ、『山海経』海外西経には、次のようにあるんです。
軒轅之國在窮山之際,其不壽者八百歲。在女子國北。人面蛇身,尾交頭上。
 そりゃまあ、古の天神に人面蛇身は多いわけで、伏羲や女媧もそうなんですがね。

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