痙,擎井反
- 医経
- by shenquzhai
- 2009/07/03
『中醫古籍校讀法』p58
この話も前に書いたと思うけれど,編委のうちの何人かにはそれを見る機会が有ったと思うけれど,またこの記述だから,また書きます。
これもダメです。仁和寺本『太素』に書かれている文字は,もともと「痙」の俗字です。巠を𡉊と書いている。同様の例は,そもそも「黄帝内經太素」の「經」字にも見られます。『黄帝内経九巻経纂録』だって『霊枢講義』だって,楊上善注は「痙」です。ところが袁昶本も蕭延平本も「痓」に作っています。どうもそのあたりから誤ってるようです。「後の校者が誤った」のだろうというべきで,別に仁和寺本『太素』の抄者の問題ではありません。其病足下轉筋,及所過而結者皆痛及轉筋,病在此者主癎痸及痓,在外者不能俛,在内者不能仰。故陽病者腰反折不能俛,陰病者不能仰。楊上善注:「痸,充曳反。痓,擎井反,身强急也。」原巻の正文の字形は「痓」であるが,「擎井反」に拠れば,原文は「痙」のはずである。後の抄者が誤って「痓」と書いたのであるが,注中の反切が,正しくは「痙」であることを明確に示している。
この話も前に書いたと思うけれど,編委のうちの何人かにはそれを見る機会が有ったと思うけれど,またこの記述だから,また書きます。
Comments