靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

一年分為五時

ソウルで,北京中医薬大学の賀娟女士から聞いた「古十月暦法」の観点によって,『霊枢』順気一日分為四時篇を読み解けば,経文は以下のように整理すべきであろう。

肝為牡藏,其色靑,其時甲乙,其音角,其味酸。
心為牡藏,其色赤,其時丙丁,其音徵,其味苦。
脾為牝藏,其色黄,其時戊己,其音宮,其味甘。
肺為牝藏,其色白,其時庚辛,其音商,其味辛。
腎為牝藏,其色黒,其時壬癸,其音羽,其味鹹。

つまり,十干は春の初めから36日ずつを示しているのであって,甲の日、乙の日などを言っているわけではない。もとの文章の春、夏、季夏、秋、冬と大差なさそうにみえるが,季夏として旧暦の6月を言うのではなくて,戊、己として5番目と6番目の36日ずつを言っている。
そもそも,ここは「是為五變」と締めくくられているのであるから,もとの文章のように蔵と色と時と音と味と日では,六変となってしまってそぐわない。「其時」と「其日」は実は同じことを言っているのだろう。だから,もとの経文でも肝以外の条では両者は続けて挙げられる。
そして,この蔵、色、時、音、味に,「病在藏」、「病變于色」、「病時間時甚」、「病變于音」、「病在胃及以飮食不節得病」をあて,井、滎、兪、経、合を取って対応したのが,変化して『難経』六十八難の「井主心下滿,榮主身熱,兪主體重節痛,經主喘咳寒熱,合主逆氣而泄」となったと考える。

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