靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

唯砭石鈹鋒之所取也

『霊枢』玉版篇に,
岐伯曰:以小治小者其功小,以大治大者多害,故其已成膿血者,其唯砭石鈹鋒之所取也。
とあります。これは癰疽で已に膿が成って,十死一生という状態になったものの治療の話です。砭石鈹鋒は今で言えば,外科医のメスの類でしょう。してみれば,我々が小鍼を以てなすべきことは,こうした事態に陥る前に,微の状態において,微を積みて形を成すようなはめに陥ることを防ぐに在るわけです。ことここに至っては,小を以て治すのではその功は小であるし,もともとここに至らせないのが聖人の治と言うものです。もし已に膿血を成してしまったのであれば,外科医のメスにゆだねるのをためらうことはない。岐伯もそれしかないと言ってます。

Comments

Comment Form