靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

万物相関

天人相関という言葉はあまり好きではない。どうしてだろう。人は天の気を受けて生まれ、生命とは身体を流れる気の働きのことであり,身体の気の流れは,天の気の運行に影響される,というよりも寧ろさらに一体であるとは思うのに……。どうして,天人相関という言葉を気嫌いするのだろう。つらつら思い量るに,天が人を支配し,あるいは特別に野心の有るものは天に影響を与え,支配しようとする,などと連想するからかも知れない。考えてみると,万物は天地宇宙の気の移り変わりの諸相である。あるときは形をなし、運動し変化しつつ存続して、ついには形を散じて気に帰る。何も天と人を特別扱いにすることはない。いっそのこと万物相関と言い換えようか。天と人の,二者の対立などと感じるのはビョーキというものだとは思うけれど,少なくとも,私自身はこっち(万物相関)のほうが好みのようである。しかしまあ考えてみれば,ものごとが場に影響され影響するというのは,洋の東西,時の古今を問わず,当然の常識である。何も「万物相関」などと言挙げすることも無いかも知れない。

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