靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

稀星乍有無

稀星と書いてキララと読む名前を届け出たら,ある町では「星ではララとは読めない」と再考をうながし,ある市では「不受理にする法的根拠に乏しい」と受け付けたそうです。
ばかばかしい,親の気持ちとしては「まばらなほしがキラキラ」だからキララとしたんでしょう。別に稀はキで星がララというわけじゃない。私の母親の実家は服部で,勿論ハットリと読むのだけれど,べつに服がハッで部がトリというわけじゃない。服部はつまりハタツオリベで,まず部のベが省略されて,ついでハタツオリがハットリと変化したというか訛ったんでしょう。でも世の中には部田と書いてトリタと読む苗字が有る。日本人の苗字や名前の読み方なんて無茶苦茶なんです。
でも,稀星でキララなんて,私の趣味じゃない。どうしてもキララと名づけたかったら綺羅々と書くし,いっそ雲母でもいい。

杜甫「倦夜」詩
 竹涼侵臥内 野月滿庭隅 重露成涓滴 稀星乍有無
 暗飛螢自照 水宿鳥相呼 萬事干戈裏 空悲清夜徂
そもそも稀星なんてそんなに良い名前ですかね。まあ,このみの問題ですからとやかくいうこともないんですが。

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