靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

山東珍道中/恐行軍3

3月26日 泰山
済南から泰安へ長途汽車つまり長距離バスで移動して、五月蝿くつきまとう出租汽車つまりタクシーの客引きを蹴散らして、汽車站近くの水餃で腹ごしらえして(そういえば山東にはやたら水餃の店が多かったような気がする。日本のラーメン屋の感じです。)、歩いて泰山に登るとがんばっている一人を登山口まで送って、後の三人は再び火車站までUターンしてきて遊覧バスを探すこととする。はじめタクシーの運転手には岱宗坊と言ったんだけど、そこから本当の登山口まではかなり有りそうだったのでもう少しもう少しといっているうちに機嫌が悪くなりそうだったので、マアマア約束より10元プラスするからとなだめてニコニコと。なに、10元って150円くらいのものですがね。
で、火車站まできて遊覧バスを探すんだけど、それらしいものが無い。駅前で飲み物なんかを売っているお兄ちゃんに聞いても知らないという。さてどうしたものかと思案しているとお姉様がよってきてタクシーの客引き。話を聞いてみるとタクシーで中途まで行くと特別許可の観光登山バスが有って、その終点からゴンドラが出ているということらしい。で、お姉様の勧誘にのることにしたら、単なる勧誘員じゃなくてご本人が運転手でした。もともと泰山のゴンドラには3路線があるらしいので、登りは裏側にあたる桃花源索道を使おうということで、桃花峪というところまで走ってもらった。
さあ、ここからが事件の始まりで、桃花峪に着いてみると、今日は登山バスは運休だという。全山停電でゴンドラは動いていない、だからそれに乗る站までのバスも走らない、というわけ。そんなことをいわれても、すでに一人は登りはじめているし、第一宿は山頂に予約してある。一般的な登山路では中間が中天門で、そこまではバスで行って、そこからは歩いて登るというのもまた一般的である。多分、そっちの登山バスは走っているだろうということで、急遽引き返してもらって、やっぱり走っていた登山バスで中天門まで行って、先に麓から歩いて登りはじめた一人を捕まえようとしたのだけれど、しばらく待っても影も形も見えない。これはどうも既に通り過ぎてしまったようだ、さてどうしたものか、何とか歩いて登って山頂で追いつくほかないだろう、と。

ここから山頂までは、くわしく書く気にならない。要するにしばらく「階段怖い病」になりました。前に載せた写真を見てください。
結局、私が最後に南天門にたどりついたところで、また一波乱。先に歩いて登っていたものの報告によると、予約した山頂のホテル神憩賓館は工事中である。そんな馬鹿な!と生気すると取りあえず動けるものですね。確かめなければ気が済まないと、一人だけ荷物の番に残して、取りあえず宿まで行く。途中その宿の服務員らしいのと出合ってどうも泊まれそうだという感触をつかんで、一人は荷物番のほうに加わってもらって、一番元気な一人と宿まで行ってみると、なるほどこれはとても営業中とは思えない。

それでもしょうがない、ずかずかと入っていって予約の書類を見せると、待ってましたという雰囲気です。つまり、工事の予定が遅れているけれど、インターネットで予約を受けてしまった客は手をつけてない房間に泊めるということらしい。我々の感覚ではあと一ヶ月やそこらで終わる工事には見えませんでしたがね。
で、元気な一人に引き返してもらって、荷物と荷物番に連絡してもらって、私は房間までビールを届けさせて待ってました。いや、このビールは美味かったですがね、これですべてが解決した訳じゃない。全山停電ですからね、暖房が無い。寒い。服務員の話では停電は6時までということだか、何せ中国ですから結局は7時半でしたかね。
暖房が入って一安心して、食事の案内が来たんだけど、厨房は無事だが、食べてもらう場所が無いという。で、一人あて50元で見繕って房間まで運ぶがどうだ、という。選択の余地はない。どんなものがくるかとあんまり期待していなかったけれど、山頂の工事中の宿で出す料理としてはお値打ちだったんじゃなかろうか。品数も味もおおむね満足できました。

ちょっと疲れたので、翌日の話はまた後で。

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