靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

山東珍道中/恐行軍2

3月25日~26日 済南
朝7時52分北京西駅発の「新空調軟座普快臥」で、済南に向かう。あとから聞けば、どうももっと快速かつ快適な列車が有ったようだが、なぜだかインターネットで見つけられなかった。まあ、軟臥で4人だから、つまり個室を占拠して寝そべっての旅だから、快適な方だろう。問題は食事だけれど、普段から朝飯は食わないとかというのが多くて、そこそこの食料たとえば饅頭とか果物とかは北京での宿の近くのスーパーで買い込んでおいたからさほどの問題でもない。
さて14時41分に済南に到着して、タクシーに乗ろうとしてはたと迷う。まともなタクシーの見分け方がわからない。ままよと乗り込んだのが、なんと客が乗るまで車から降りて押していた山東大漢のタクシー。普通なら故障だと思うよね。チラッとみるとメーターは動いているから安心していたら、途中から妙にあがり方が早い。結局、山東省博物館まで50元強、他の場合から考えると倍くらいにふっかけている。メーターに細工しているわけだ。『水滸伝』の好漢のようなアンちゃんかと思ったけれど、実はこそどろでした。
山東省博物館は、結構良いものは置いてあるはずなのに、いささか整理が悪い。別に整理の悪い博物館が嫌いなわけじゃない。かつての上海の博物館は手狭な建物に貴重な文物があふれていて、一番好きな博物館だった。新築なってかえってつまらなくなったと思ってる。山東省博物館は建物が立派なだけに、整理が悪いとみすぼらしい。
宿は中豪大酒店。さて夕飯をどうしようかとロビーで迷っていたら、なんと現地在住で仕事をしているらしい日本のかたに話しかけられた。そのお勧めの「焗鶏王」というのにタクシーで乗り付ける。別に鶏料理店ではなくて、実物の食材を目で確かめて注文するという趣向の店で、どうもそういうことで人気の店らしい。唯一奮発したのは「清蒸桂魚」、淡水産の昔から高級魚とされているやつである。ワニには結局しりごみしてしまった。ちょっと惜しかったかも知れない。ウミガメは食材だったのか、観賞用だったのかはっきりしない。中国人のことだからねえ、でも世界中で保護動物だったんじゃないか。
焗:方言。一種烹飪方法。在密閉的容器中燜煮。陸殘雲『香飄四季』第三二章:「他不是要請你上廣州喫盬焗鷄?」(漢語大詞典)
食事を終わって、せっかくの繁華街だから少し歩こうとなって、中途でなんとウエディングドレスのファッションショーを見たり、庶民の市場を見たりしながら、結局、宿まで歩いてしまった。金持層と庶民層の乖離という感じだけど、どちらかというと庶民層に属しそうな多分せいぜい小学校低学年の男の子が、説明役のお姐さんに近づいていって、何をいうのかと思ったら、「もう終わったの?」お姐さんも一瞬なにを聞かれたのかわからなかったようだけど、あれはよかったね。君の幸せな結婚を祈る!shandong02.jpg

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