靈蘭之室 茶餘酒後

   ……休息している閑な時間

邯鄲

昨日,偶然かけたテレビの偶然のチャンネルで,江戸学者で有名な女性大学教授が,邯鄲は夢の中で皇帝にまで成り上がった男の物語,というようなことを曰った,ようです。盧生が皇帝になったなんて初耳だった。もし彼女の学生だったら,からかいのタネにして,そしてしっかり嫌われただろう。
と思ったら,能の邯鄲は,唐代伝奇の枕中記とはかなり違うみたいで,先ず出身が蜀で,楚へ修行に出かける途中に邯鄲にさしかかった,ということになっている。地理的に無茶苦茶です。で,夢の中で一足飛びに楚の皇帝に即位しているらしい。舞台の上で夢中の栄華と覚めたあとのな~んだを表現しようとすればこういうことかもしれないけれど,なんともはや安直。こういうのが江戸庶民の趣味ということでもあるのかしらん。いや,あぶないあぶない。

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