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こだまの世界

---倫理学者のふしぎな日記---

97年7月前半号

7月前半の主な話題


ご意見のある方は、 kodama@socio.kyoto-u.ac.jpまたはメイルを 送るまで。


07/01/97(Tues)

・夕方・

・昨日は夜、新聞の切抜きをする。やっと去年の12月の新聞を切抜き終わ る。ペルーの日本大使館占領の話題など(古い)。

・それから昼まで寝てしまい、今日の4コマ目の補講に遅れる。

・久しぶりにビデオを借りる。『ミッション・インポッシブル』、『デッ ドマン・ウォーキング』、『仕立て屋の恋』。


・今回の須磨の殺人事件でショックだったこと、二つ。

・一つは、この容疑者の少年が、ホラー映画において「殺される 側」ではなく「殺す側」に感情移入(シンクロというべきか)していたというこ と

・これって最近では普通なんだろうか。ぼくにはちょっと考えられない。 少なくとも『13日の金曜日』を見てぼくはジェイソンの方に感情移入はできな い。

・その意味で(こういう言い方は誤解を生むかも知れないが)、ぼくにとっ て彼はエイリアンなのだ。

・もう一つは(ぼく個人のショックではないだろうが)、皮肉にもまさに大 人たちが守るべき子供たちの中から当の犯人が出て来た、ということ。

・うまく言えないが、獅子身中の虫というか、「ブルータスお前もか」と いうか、(これらの表現は今この研究室にいる人達から「全然違う」と言われ た…)、瓢箪から駒というべきか、SF的というべきか、とにかくあまりにも皮 肉な結果で、多くの人はどこか「裏切られた」という気になるのではないだろ うか。


・真夜中・

・また日仏のル・フジタでどんちゃん騒ぎをする。その後、ロック読書会。眠い。


07/02/97(Wed)

・真夜中・

・ご飯屋で(まだ食う!)、本宮ひろ志の『雲にのる』を最後まで読む。ようわからん。

・そういえば、倫理学研究室の合宿で(あの有名な京北町に行く)、環境 倫理の勉強会がある。ので、担当の「救命ボート倫理」なる有名な論文を(電 車に乗っているときに4、5日かけて)読んだのだが、これがまたなんともお粗 末な論文で頭に来てしまった。

・それでも4級が先日、「ガレット・ハーディンって女性でしょ?ハーディ ンちゃん、でしょ?」と言われていたので、まあ女性だったら許そうか(やっぱり これも差別?)、と思っていた。が、この論文を批判している別の論文の中でハー ディンちゃんがしっかり「彼(he)」で言及されていたので、無制限に批判する ことに直ちに決めた。合宿が楽しみだ。くく、くくくくく…。

・では、これからちょっと勉強して寝るべ。


・そろそろ夜明け・

・雨。真夜中に中哲の人が来てびびる。

(注.倫理学は、中国哲学と相部屋(共生ともいう)なのである)


・朝・

・あ〜眠い眠い。顔を洗いたいが、断水中のようで、困る。猫式でやるか。

・そ言えば一昨日、河原町丸太町の鴨川ほとりにある川瀬博文堂というところで古本を買った。

・面白い本、欲しい本はなかなか見つからない。コンピュータ検索ができ るようにして欲しいが、そんなことはあと50年経っても(少なくとも京都の古 本屋では)行なわれない気がする…。


・昼前・

・行きつけの喫茶店でジョン・ロックを読んだり、マンガを読んだり…。

・○るたさんと『人間知性論』の第一巻を読んでるんだけど(やっと最終章 に入る)、ロックってひたすらくどい。くどすぎる。わああ。大槻春彦の完訳 (岩波文庫)は正確でいいんだけどね。


・昼下がり・

・シジウィック読書会終わり。お腹が減ったので昼ごはんを食べに行く。


・夕方・

・お金もないのに、団藤重光の『死刑廃止論(第5版)』を買ってしまった(2800円)。 全精力を尽くして叩くことを誓う。


・宵・

・ロック読書会。ねぶい。


・夜・

・そろそろ帰る。ねぶい。


07/03/97(Thurs)

・昼過ぎ・

・昨夜は『ミッション・インポッシブル 』を観て寝た(昼前まで)。この映画はトム・クルーズ版007シリーズなわ けですね。まあまあ楽しめました。


・シジウィック読書会終わり。


・夕方・

・読書会の準備がまだ終わっていないが、とりあえず遅い昼ごはんを。


・宵・

・倫理学入門書読書会終わり。そろそろ帰る。


07/04/97(Fri)

・夕方・

・昨夜遅くまで『デッドマン・ウォーキ ング』を観ていたため、学校に来るのが大変遅くなってしまった。○くだ くん、ごめんなさい。

・これから、シジウィック読書会。


・夜中・

・バンドの練習終わり。ベンタム読書会終わり。死ぬほど腹をすかしつつ 読書会をしていたところ、途中でおお○に5級がふらりと現れて、下々の者に 神戸まんじゅうと神戸コロッケを投げ与えて下さった。感謝。

・ねぶい。


07/05/97(Sat)

・真夜中・

・研究室にある、おく○くん文庫の賭博マンガ『カイジ』(福本伸行)を4巻まで読む。おもしろい。倫理学者は平等平等とやたらとうるさいが、勝負の世界は厳しいもんなぁ。短い人生、命がけで生きなきゃ、と思ったのでした。


・そろそろ夜明け・

・ねぶい。ちょっと寝よう。


・と思ったがなかなか寝れなくて困る。そこらにあるマンガを読んで一時を過ごす。

(他に読むべき本がたくさんあるだろーがっ)


・朝・

・が〜ん。す、すごい日差し。現在研究室には冷房が入っているので(入っ ていなければぼくはすでに死んでいる)大丈夫なのだが、一歩廊下に出るとも うだめ。もあ〜っとした熱い空気が身体にまといついてきて、一瞬のうちに脱 水状態になって蛙のように干からびます。

・今日外出される人は干からびないようにご注意。


・さて、ちょっと喫茶店へ。


・あ〜つ〜い〜。(研究室は涼しいけど)

・ただ今、倫理学の歴史を勉強中。


・昼・

・ね〜む〜い〜。そりゃ夜が明けてから寝て朝起きたんだもんなぁ。うう う。英語読んでもちっとも頭に入りませんがな。


・昼下がり・

・となりでお○だくんやら、よ○むらさんやら、○るたさんやらが夏合宿 用の環境倫理の読書会を楽しそうにやっている…。その様子を視界の端で捉え つつ、ぼくはヘッドフォンでストーンズを聴きながらシジウィックの翻訳して いる。

・はら減った。すごく。


・夕方・

・ロック読書会終わり。三条河原町の丸善によって帰ります。

(それにしてもお金がない。ないったらない。うう。『パピーの世界』とかいう哲学入門書でも書こうかな。『喜びの哲学』とか)


07/06/97(Sun)

・朝・

・昨日はあの後丸善に行って、おおた○5級に勧められた英語の死刑廃止論の本を買おうと思ったが結構高かったので、結局購入を見合わせた。ひーん。

・それで家に帰ってから、『仕立て屋の恋』を観てから寝た。

・んで今日は、京大に来てバンドの練習のコマを取らないといけないので、めちゃくちゃ早朝に起きて来た。ひーん。


ところで以前

「ガレット・ハーディンって女性でしょ?ハーディンちゃん、でしょ?」と 言われていたので、まあ女性だったら許そうか(やっぱり これも差別?)

と書いたところ(7月2日)、「やはりそれは女性差別です。いやしくも倫理 学を学ぶ者がそういう発言をするのは許せません。いますぐ日記の掲載を中止 して京大新聞に謝罪文を載せなさい、きい」(後半はウソです。あ、怒らない でね)と、ある方のお叱りを受けた。

・この文章を読んで気分を害された方、ごめんなさい。I didn't mean to hurt youとか言って。

・しかし未熟な倫理学者はあえて考えてみる。

「ある行為に関して、それを男性が行なった場合は許さないが、女性が行 なった場合は許す」というルールは差別であろうか。

「ある行為に関して、それを成人が行なった場合は許さないが、未成年が 行なった場合は許す」というルールであれば誰も差別だと言わないであろう。

・後者は「なぜなら、未成年は成人に比べて判断能力が劣るため、責任が 問えない場合があるからだ」と正当化できよう。

・すると前者はどうか。「なぜなら、女性は男性に比べて判断能力が…」 と最後まで書くと友人を大勢失うのでやめるが、この正当化は明らかに事実に 反する偏見に基づくもので、差別といわれてもおかしくないであろう。

・だが、「なぜなら、男性に嫌われるのは構わないが、女性に嫌われるの は大変困るからだ」という正当化ならどうだろうか。

・男性ならどんな人であろうが死力を尽くして批判するが、女性ならば態 度がふにゃりと軟化して、できるだけ嫌われないように努力しながら批判する、 というのは差別だろうか。

・男性に対して取る態度と女性に対して取る態度が異なることは許されな いことだろうか。ある程度は許される気もするが。じゃあ、どの程度までは許 される?

・ううむ。わからん。また考える。


・昼・

・これから(ソウル)バンドの練習。


・昼下がり・

・バンドの練習終わり。外はめちゃくちゃ暑い。髪が焦げるかと思った。


・夕方(というにはまだ早いが)・

・ひたすらねむい。外は灼熱地獄と化している。


・夜・

・身体の調子が余り良くない。ずっと冷房のかかった部屋にいるせいか。食欲不振。

・ちょっと団藤氏の死刑廃止論を読んで、それからシジウィックの翻訳をしようか。


07/07/97(Mon)

・真夜中・

・パイプ椅子を6つも使って豪華仮設シングルベッドを作って寝たのは良いが、冷房を切って寝たら部屋がかなり暑くなって目覚めてしまった。(冷房を入れて--関西電力さんごめんなさい)もう少し寝よう。


・と思ったが、中哲の方がいらっしゃったので目覚めた。

・そこで昨日の話続きを考えることにする。

・昨日ぼくは、

「男性に嫌われるのは構わないが、女性に嫌われるのは大変困るからだ」 という正当化はどうだろうか。

と書いたのだが、「こういう考えは『女性だというだけの理由で、正当に 論文を評価される権利を奪うことになる』という点においてセクハラであるこ とを理解してもらいたい」とのメイルをいただいた。近頃は学問の領域におけ る性的差別のことをアカハラ(academic harassment)と言うらしく、今回のぼ くの態度はそれに当たっている、とも指摘されている。

・ううむ。ぼくの腹は黒いぞ。

・たわごとはさておき、この指摘は一理も二理もあると思う。確かにこの ままいくとぼくは、たとえば(偉くなって)学生のレポートを評価するとき、男 性と女性とでは異なる採点基準を持つ、ということになる可能性が高い。

・おそらく、女性のレポートに対する評価の方が甘くなると思うのだ。し かしこれは絶対に非難されるべきことなのだろうか。(非難されるだろうなあ、 少なくともこういうことを学生に明言すれば)

・たとえば、相変わらず強引な例を出すが、世の中には字がきれいな人も いればそうでない人もいる。現在ワープロとPCの普及によって、字の善し悪し が論文の判断基準の一つになるということは減ったかと思うが、昔は相当あっ たに違いない。

・だがこの場合、『字が上手だ(あるいは下手だ)というだけの理由で、正 当に論文を評価される権利を奪うことになる』からアカハラだ、という風に主 張されるだろうか。

・字は性別と同様に、論文の中身とはなんら関係がないはずである。しか しおそらく、「字が汚い人の論文については、自然と評価が辛くなる」という ことを暗に認める人は多いと思うし、明言する人も少なからずいるかと思う。

・さて、ぼくがもし「字の善し悪し」を論文の評価基準の一つにすること が正当であり、必ずしも不当な差別とは言えないと考えていたとすると、同じ 理由から「女性の論文については、自然と評価が甘くなる」という基準が正当 であり、必ずしも不当な差別とは言えないと考えることは十分にあり得る。

・結局、「マリリン・モンローの書いた論文は、(田中邦衛にそっくりな) ジャン・レノの書いた論文よりも評価が甘くなる」のは男性にとっては(明言 はしないにせよ)不可避であるように思えるのだ。女性もそうじゃないのだろ うか。

・もちろん「そうなることは不可避である」という事実から「そうあるべ きだ」という当為(規範)は導き出せないが--しかしぼくは事実としてそのよう な判断基準があると思うだけでなく、その判断基準は(字の善し悪しと同様に) あながち不正であるとも思えない。

・ご批判請う。(絶対にあるはず。こだまの誤謬を鋭く指摘していただきたい)

(もっとも今から思えば、ガレット・ハーディンに関しては、「議論が説得 力に欠けるけど、女性だからしょうがないか」と少し考えた気もする。深く反 省)


・夜明け・

・てなことを書いてる間に、すっかり夜が空けてしまった。ひーん。

・明日の時計台前のイベント(学生部再編に反対するイベント)の準備をし ているのだろうか、昨日から今朝まで多くの学生が文学部のまわりでわいわい がやがややっている。まあ、にぎやかでいいが。

(夏のこういうところは好き--そいえば今日は七夕か)


・朝・

・よく寝た。勉強はちっともしてないが…(ひーん)。とりあえず喫茶店へ高飛び。


・昼前・

・午後からシジウィック読書会と(合宿用の)環境倫理読書会がある。眠いよ〜。

(しかし、今一体いくつ読書会やってんだ?シジウィック読書会、ロック読書会、倫理学入門書読書会、ベンタム読書会、環境倫理読書会で五つか。このうち最初の二つは不定期だが大体二日に一回あるし、環境倫理もそうなる可能性が高い。今年はほんとに「読書会の年」になりそうだ…)

・これまでに書いた男女差別の話を、「 わたしのアカハラ論」というところにまとめておく。この件に関しては、これ以降はこちらの方に書くことにする。


・昼下がり・

・シジウィック読書会終わり。次回は水曜2時半から。


・夕方・

・環境倫理読書会終わり。次回は水曜12時半から。

・福岡から、○せださんがいらっしゃる。おそらく明日までこちらにいるのだそうだ。明日もまた飲みに行けるかも知れない…。


・ぼくのライフワークとでも言うべき、団藤重光『死刑廃止論』批判がい よいよ始まった。しかしまだ実験的な段階だし、自説も未だ確立されていない ので、「草稿」ということにする。

・しかし今回は真剣も真剣、これで修論を書いた方が良いのではないかと 思えるほど大真面目である。だからこのトピックに興味を持たれている方はぜ ひともぼくの意見を批判して誤謬を指摘してもらいたい。

・では今日はこれにて帰ります。また明日。

(それにしても、昨日今日とえらいたくさん文章を書いたなあ)


07/08/97(Tues)

・昼下がり・

・ 家で死ぬほど寝てから来る。ついでに、(自宅、研究室の)鍵を一式忘れて来た。痛恨。ひーん。


・夕方・

・ロック読書会終わり。お腹減った。


07/09/97(Wed)

・真夜中・

・ふらふらバンドの友達のところへ行っていた。しんどい。けどいろいろ (シジウィックとか)しないと…。

・ドラムのやつ(会社員)がついにクルマ買ったとか。ううむ。

・やっぱりちょっと寝よう。


・朝・

・まずいまずいまずい。読書会の予習をしないと。


・ところで、翻訳(和訳)というのは、日本語の文章力を高めるのに大変役 立つと思う。

・おおざっぱな言い方だが、英文和訳とは、英語を読んで理解したアイディ アというものを日本語で表現し直す、という作業だと言えよう。頭の中で理解 された、英語とも日本語とも言えないような「考え」を日本語の文章の形ではっ きり表現しなければならないのだから、これはかなり創造的な仕事である。

・たとえば、漱石のような文章を書くために、彼の小説を丸写しするより も、漱石の読んだ英文を翻訳する方が、文章力を付けるためのより良い訓練に なるのではないだろうか。

・それに、翻訳をすることで、日本語の表現力が上がると同時に筆者の思 考の流れも学べるのであれば、まさに一挙両得であろう。(もちろん元の言語 の習得にも役立つので、一挙三得か)

・実際、ぼくが曲がりなりにも人が読める文章を書けるのは、(え、読めな いって?ひーん)、京大を受験するために多くの英文を全文和訳したことによる ところが大きい。

(京大の二次試験の英語は、たしか大問一が部分和訳で、次が全文和訳(部 分和訳だったかな?)で、最後が英作文であった。穴埋めや選択肢問題などが 一切ない、硬派な問題なので非常に勉強になった)

・といっても最近、文体に関してかなり影響を受けていると感じるのは、 (翻訳をしている)シジウィックの文章からではなく、ロックの文章からなので あるが…。


・昼・

・今ちょっと京大の図書館の蔵書検索をやっていたのだが、死刑廃止論関 係の本のほとんどは法学部図書室にあり、文学部の方に全くないのは、大変け けけしからんと思う。り、り、倫理学研究室でもっといっぱい買うべきだっ。


・昼下がり・

・環境倫理読書会終わり。次回は明日11時から。

・ひきつづきシジウィック読書会。が、お腹が減ったのでちょっと中央食堂へ。


・シジウィック読書会終わり。ぼくの試訳から明らかな誤訳が二つ見つかり、ちょっとあせる。以後よく気を付けないと。(ま、そういう誤訳を見つけるために読書会をしているわけだが)

・次回は明日1時から。あああ、また明日も読書会三つ…。


・夕方・

・ロック読書会継続中。もう疲れてふらふらである。


・夕ごはんを食べて帰る。また明日。


07/10/97(Thurs)

・昼・

・雨。環境倫理読書会終わり。次回は月曜1時から。

・次はシジウィック読書会。忙し。


・昼下がり・

・雨雨。中央食堂でシーチキン冷麺を食べて、これから倫理学入門書読書会の用意。

・「児玉アカハラ発言問題」に別の方からメイルをいただいたが、たぶん答えられるのは明日になると思う。


・夜・

・倫理学入門書読書会終わり。「利己主義」の章終わり。来週から倫理学史を勉強する。まず「ギリシアの倫理学」。

・シジウィック読書会は明日3時から。

・これから夕ごはんを食べて帰る。じゃあねえ。


07/11/97(Fri)

・夕方・

・ボンソワ〜ル。(最近フランス語の勉強をまた始めた)

・昨夜は筒井康隆の本を読んで、昼過ぎまで爆睡してしまった。

・そのため、シジウィック読書会の開始が遅れ、またあまり予習もしてい なかったので、すぐに終わってしまった。おく○くんごめんなさい。

・現在、法経7番教室に京大総長を引きずり出してきて団交しているらしい。 ぼくも5年前の入学式以来見ていない総長の姿を見に行こう。


・戻って来ると、久しぶりに3級がいらっしゃっている。団交は盛況だった ので少し見て来ただけである。

・今日、奨学金が入っていたのでかろうじて生きながらえる。ついうれし くなって中央生協で服やシャンプーや石鹸などを買ってしまう。

(これで生協で服を買うのは2度目。三条、四条の方に行くのは怖いから、 ついここで買ってしまう。下着などを買うのには便利。それにしても、なんで 生協にはHanesの製品ばかり置いてあるのだろうか…)


・これからバンドの練習。先にごはんを食べておこう。


・夜・

・バンドの練習終わり。戻って来てみるとまだ団交が続いている。井村 総長が帰りたがっている。写真やビデオがたくさん持ち込まれているようだ。 さすがに手配が良い。

・どうやら井村総長の主張は「京大の最高議決機関である評議会で決まっ たことだから今さら何を言ってもむだだ」ということらしい。まさに法実証主 義的発言。

・それに対して野次を飛ばす学生側の主張は「学生に関わりが大きいこと なのになぜ評議会で決定する前に学生に知らせなかったのだ」というものらし い。正論だが分が悪そうである。

・この学生側の主張に対して井村総長は「学生部を再編して副学長制にし ても何も変わるわけではない。学生に知らせる必要はないと思った」と言って 学生の怒りのシャワーを浴びている。

・さて学生はどうすれば最善の結果を得られるのであろうか。読書会が あるのでまた後で書く。


・真夜中・

・ベンタム読書会終わり。今夜は環境倫理のレジメを作るか、シジウィッ クの翻訳をするかしないといけない。やることがたくさんあってうれしい(わ けはない)。

・5級がいらっしゃられないので、これからひとりで晩ごはんを食べに行く。


07/12/97(Saturday/samedi/Sonnabend)

・真夜中・

・また雨。そういえば、明日は一つも読書会がない。うう、うれしい…。


・「わたしのアカハラ論」 を書き足す。いろいろ考えさせられる。(ろくなことを考え付かないが)

・何も勉強してないが、とりあえず寝る。今日も疲れた。


・早朝・

・雨。二度寝。ぐ〜。(と思ったが起きてしまった)

・最近よく蚊に刺される。しかも他の人は刺されないのに、ぼくだけがや たらと刺される。なんだかくやしい。ふふふ不公平だ差別だ団交だ総長でで出 て来いっ。


・外に出たらまた蚊に刺された。ううやられた刺された苦しいもう死ぬ(パタン)。


・ratherっていうか

・ratherという言葉は、昔からわけがわからんなりに好きである。そこで どこら辺が好きなのかを英英辞典の例文を訳しながら説明しよう。


1.The problem was psychological rather than physiological.

(問題は生理的っていうか、心理的なものだった)

2.The process is not a circle but rather a spiral.

(その過程は、繰り返しっていうか、むしろ悪循環である)

3.Sorry. I'd rather not talk about it.

(ごめん。どっちかって言うとそのことは話したくないんだ)

4.We got along rather well.

(ぼくらは結構うまくやってたんだ)

5.I rather think he was telling the truth.

(いや、わたしは彼が本当のことを言っていたんだと思 いますね)


・というわけである。どこら辺が好きなのかおわかりいただけたであろうか。

・強いて言語にて表現すると、3.4.5.の例のratherの持つ「控え目な感じ」 が好きである。4.は「結構」と訳してしまったが、もともとの感じは「どっち かって言えば」であろう。それが「かなり」とか「結構」を意味するようになっ たのだろう。

・こういう、控え目な表現で相手にその程度を推し量らせる感じが好きで ある。特に3.の用法が好き。

・ロッド・スチュワートの曲で I'd Rather Go Blind という曲が ある。あまり歌詞は覚えていないが、ラブソングだろうから、「目が見えなく なった方がマシさ」と言えばなんとなく内容は想像できる。これもthan以下が ないのでかえって奥行きがあって味わい深い。

・う〜ん、今一つうまく言い得てない気がするが、まあいいか。


・朝・

・ボンジュ〜ル。喫茶店でサンデー、チャンピオン、マガジンを立て続け に読む。

・京大本部の教育学部の辺りの松が、昨夜の雨が原因で倒れて完全に道路 をふさいでいた。かなり大きい木だったので、倒れて来た時にそこにいて直撃 されていたら死んでいたかも知れない。怖い怖い。さっき通ったら、すでに片 付けられ始めていた。


・昼前・

・環境倫理のレジメ作成中。レイアウトで意味もなく30分つぶす。


・昼過ぎ・

・眠い眠い眠いっ。シジウィック読書会は来週火曜1時から。


・夕方・

・バンドの練習終わり。冴えなかった。落ち込む。

・ではそろそろ帰る。明日も来るかも知れない。


07/14/97(Monday/lundi/Montag)

・昼過ぎ・

・週末は久しぶりに家でのんびりしてました。映画を見たり。死ぬまで寝たり。夏休みっ ていいなあ。


・昼下がり・

・環境倫理読書会終わり。次回は水曜のお昼までにレジメを作って来る。 今日は読書会は一つなので楽。


・土曜日に京大附属図書館で借りた本。


・最後の平尾透の本の前書きが興味深かったので、一部引用する。この人 は京大法学部出身で、現在は奈良産業大学の法学部教授であるそうだ。

ただ、私自身と本書の性格をより正しく理解していただくために、一つの 告白(だけ)をしておくが……実は、私は根本的な問題にしか興味がない。しか も、それについての独自の思考にしか情熱を感ずることができない。それ故ま た、私はそのような内容の論文しか書きたくない。それ以外の対象は、私にとっ ては瑣末である。研究という多大の精神的エネルギーの消費に値しないのであ る。しかしもちろん、これはあくまで、私個人の単なる嗜好に過ぎない。誰も がもっている私的傾向の(些か極端な?)一例に過ぎない。研究スタイルに序列 があるわけではなく、各々自己の個性に従ってやればよいのである。全体知の ためには多様性が必要であるから、むしろそれが望ましいであろう。その意味 でも、成果のほどはともかく、私は私自身の個性を生かしたい。ただそれだけ である。

・う〜む。ここまで言い切るとは。かっこいいというか、勝手にしてくれ というか…。


・夕方・

・時間があれば、聖書読書会、というのもやりたいな…。


・シジウィックの翻訳をやるのが面倒なので、つい本を読んだり、コピー に行ったりしてしまう。

・というわけで、生協でベンタムのThe Book of FallaciesAnarchical Fallaciesをコピーした。ベンタムの古い全集は二段組 で顕微鏡がないと見えないような字で印刷されているので、122%で拡大コピー をしたが、まだまだ小さい。昔の人は虫メガネを使って読んでいたんだろうか?


・la nuit・

・3級に付き添ってお好み焼きを食べに行く。環境倫理の話になり、3級は 「わしはオイルショックや、ロッキード事件というショッキングなニュースを 見聞し、♪No Future, No Future〜とピストルズを口ずさんで育ったんじゃ よ」などとビール片手にしみじみと語られ、こだまは涙する。鉄板の上に落ち た涙がじゅーじゅーと音を立てて消えて行くのがあまりに悲しい。ああ環境倫 理。(うそ)

・では今日は帰る。また明日。


07/15/97(Tuesday/mardi/Dienstag)

・昼過ぎ・

・暑い暑い。これからシジウィック読書会。あ、映画を勧めてくれる方々、 ありがとうございます。ちょっとずつ見ますので。(もう22個も勧められてし まった…)


・昼下がり・

・シジウィック読書会終わり。お○だくん、つ○たさんと中央食堂でお昼 を食べる。これから環境倫理(ハーディン君)のレジメ作り。眠い。


・た○くんが来られる。眠い。


・夕方・

・現在、ぼくがまじめに勉強している周りで、若干2名 の人々が、3級が持って来られた『ゴールデン・ラッキー』を 読みながら、くくく、いひひ、はひはひ、と笑っている。こいつら首を絞めて やろうか、などと考える。

・そういえば、昨日3級に『ソクラテスの弁明』をいただいた(以前に無く してしまった)。Merci.


・Le Soir・

・ロック読書会継続中。身体の調子は悪い。と、5級がいらっしゃる。環境 倫理、映画の話など。

・外に出ると蚊に刺される。右腕に四箇所、靴下の上から右足に一箇所。 くやしい。夏は嫌いだ。


・ロック読書会終わり。帰ってビデオを借りよう(今日はレンタル半額の日 なのでぃす)。


Satoshi Kodama
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Last modified: Fri Jan 22 07:07:36 JST 1999