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こだまの世界

新しいURLとメイル・アドレス

URL: http://www.ethics.bun.kyoto-u.ac.jp/~kodama/

mail: kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp


98年1月後半号

1月後半の主な話題


ご意見のある方は、 kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jpまたはメイルを 送るまで。


01/16/98(Friday/vendredi/Freitag)

真夜中

現在、「情報と倫理」のレポートを書く前に、まずいろいろと下調べをしてい る。しかし、ウェブで調べものをすると、ついつい合い間に人の日記を読んだ りして、気が散るばかりで一向に捗らない。


つい、サーチエンジンで小学校や中学校や高校のページ(および卒業生)を探し てしまう。何してんだか。


さらに真夜中

む。一人になってしまった。まだ「情報と倫理」のレポートのための下調べを 続行中。久しぶりに頭を使いすぎたので、少し頭が筋肉痛になった気がする。

ところで、第四次産業って、いったい何なんだろうか。てっきり「情報産業(っ てのも実際のところよくわからんが)」のことを言うのかと思っていたら、あるページ には「交易・金融・保険・不動産を含む(産業)」と説明してある。う。しかし、 これではちっともわからん。そもそも、ぼくにはこれらの業種の共通点すら理 解できない。…もしかして、「悪徳業者の多い産業」という区分か?


昼下がり

明け方から昼まで眠る。目覚めると、外は天気になっていた。


う。昼ごはんを食べてから、ホームページをいろいろいじったり、コピーなん かをしてたら、いつのまにか夜になっちゃった。

ところで、少年誌の中では、マガジンもそれなりにおもしろいが、やはりサン デーが一番充実していると思う。そう思うのはぼくだけなのだろうか?


ふたたびロールズの勉強。


ふたたび警句的に

診察のときに患者が「なんだか具合が悪い」と言ってくると、医者はまず どこが悪いのか、つまり病の原因を正確に突きとめようと する。というのも、病の原因がわからなければ処置のしようがないからだ。

同じように、ある理論が「なんだかおかしい」と思ったときには、われわれは まずどこがおかしいのかを正確に突きとめなければならな い。おかしいと感じる原因をはっきりさせないまま議論したり、あるいは「議 論全体がおかしい」と言って、その議論を検討することを鼻から拒否したりす るのは、ちょうど、医者が病の原因を突きとめずに患者の体を切開したり、患 者の具合をよく調べもせずに最初から治療を放棄してしまうようなものだ。


「ひらなど」君と「きみまさ」君の違いは?

「平等equality」という言葉が何を意味しているのかは、わかる気がするが、 「公正fairness」という言葉が正確には何を意味しているのかは、よくわから ん。公正ってなんだ?(また、「公正」と「公平」も違うのだろうか?)

たとえば、「あの社会は平等だ」と言う場合、その社会において個々人は(少 なくともなんらかの点で)平等に扱われていることを指しているはず。「あの 社会では法律上、男女平等だ」と言えば、その社会では、法律の上で男女が等 しく扱われているのだろうし、「あの社会では、法律上、人種平等だ」と言え ば(「人種平等」という表現はないと思うが)、その社会では、法律上は、白人 も黒人も青人も緑人も黄色人もみんな等しく扱われていることになる。

しかし、「あの社会は公正だ」という言い方はできるのだろうか?できるとす ると、その社会において個々人は、なんらかの点で公正に扱われているのであ ろう。すると、「個々人を公正に扱う」とはどういうことだろうか?あるいは、 「個々人を平等に扱う」のと、「個々人を公正に扱う」というのはどう違うの だろうか?

もしかすると、この「平等」という言葉と、「公正」という言葉とは、一見似 たような意味を持つように思えても、本当は非常に異なる種類の言葉なのでは なかろうか。


01/17/98(Saturday/samedi/Sonnabend)

昼下がり

equalとfairに関して情報をいただく。感謝。

またあとで書き足すが、某ロールジアンと話したところ、ロールズ先生はfair という言葉(や考え方)をはっきりさせることはできない、というようなことを 言っているらしい。

しかし、ソクラテスおじいちゃんじゃないが、「fairとは何か」をはっきりさ せないままに、「ある制度(たとえば原初状態)がfairかどうか」という議論を 明晰判明に行なうことができるのだろうか?たとえば、ロールズ先生や某ロー ルジアンの考えているfairの内容がぼくの考えている内容と違うかも知れない のに、ぼくらが「ある制度がfairかどうか」に関して明瞭な議論をして、同じ 結論に至ることはできるのだろうか?(いやできない)


01/18/98(Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中

心斎橋のClub QuatroまでG. Love & the Special Sauceのライブを見に行く。

友人との待ち合わせの時間よりも早く着いたので、心斎橋の通りをずっと北に 歩いてみた。すると古本屋があったので(よせばいいのに)立ち寄って買物をす る。この古本・古マンガ屋は小説の値段がやたらと高かった。小説は100円均 一にしないと売れないってば。

ところで、最近、筒井康隆の『日本列島七曲り』を読み始めたのだが、これがす ごくおもしろい。いや、おもしろいどころではない。笑い死にしそうである。隣 の部屋に笑い声が聞こえないように我慢するのが大変である。まだ読んでない人 はぜひどうぞ。

あ、それでライブを見たんだけど、おとなしい曲が多くて、今ひとつ盛り上がり に欠けた。残念。ライブの後、友人と夕ごはんを食べて帰って来た。世紀末の話 で盛り下がる。未来ってなんだか暗いよなあ。


こないだ発表した死刑廃止論の続き--読んでもらえばすぐにわかる通り、あれ は未完なのだ--を考えていたら、あやうく頭のヒューズが飛びそうになる。誤 解されないように、しっかりわかりやすく説明しようと思うと、どう書いたら いいのかわからなくなるのだ。う〜む。「人に説明できないことは、自分でも よくわかっていない」という格言があるし、これも修行のうちなのか。


お昼過ぎ

う、寝過ぎた。昨夜から雨が降り続いている。気温はけっこう高い気がする。


今年初めてのバンドの練習終わり。久しぶりなので声が枯れてしまった。だめ ねえ。

(↑む、なんだこの言葉使いは?)


真夜中

久しぶりに銭湯に行く。はっきり「何日ぶり」と書くと、貴重な友人(特に女 性)を失うおそれがあるので書くのは差し控えるが、「あまりに久しぶりなの で風呂の入り方を忘れてしまっていたぐらい久しぶり」とだけ書いておこう。

下宿に戻ってから、筒井康隆を読んで寝てしまう。寝てばっかりだ。


01/19/98(Monday/lundi/Montag)

真夜中

筒井康隆の『日本列島七曲り』の 感想を二時間近くかけて書く。勉強もせずにこんなことをして、 ぼくはやはりあほなのだろうか?


某ロールジアンと夜食。

さあ、勉強するぞぉ。


夜明け前

勉強、あまり進まず。


夜明け

「情報と倫理」のレポートのための情報収集。 必要な情報を集め終わって、 情報を加工する段階に入れる日はまだまだ遠い。

しかし、レポートを書くために必要な情報を集めるさいに、 どの程度集めたら「最小限必要な量」に達したことになるのか、 を見極めるのは難しいものである。

もっとも、すでに書く内容がかなり明確にわかっていれば、 「どれだけの情報を集めればいいのか」という問題は、 そんなに困難なものではないんだろうけど。

けど、ぼくは最近、「とりあえず必要そうな情報を集めて、 それからそれらの情報を用いて何ができそうかを考える」 という、いきあたりばったりというか、 出たとこ勝負のやり方が多いからなあ。

これは料理で言えば、まずとりあえずスーパーで おいしそうなものを買い集めて来て、 材料がそろってから初めて何を作るか考える、 という感じじゃないだろうか。

こういうやり方にもそれなりの長所はあるのだろうが、 やはり最初に何を作るかをある程度明確に決めて、 それに必要な材料のリストを作成してから行動に移った方が よいと思われる。

ま、しかし、「情報と倫理」に関しては、 (授業に出席していたにも関わらず) まだほとんど右も左もわからない状態なので、 --先の料理の比喩でいけば、どのような料理があるのかも知らない状態なので-- とりあえず事典の項目などをいろいろ読んでみることにも ある程度の意味はあるのかもしれない。

(あれ、なにが言いたかったんだっけ?)


昼下がり

朝に下宿に戻って寝たために、寝坊して昼の約束に遅れる。申しわけない。

某師匠と故障したマックのモニタをルネ(生協の購買部)に持って行く。

(注: 某師匠をルネに持って行ったわけではない)

某師匠と別れ、昼ごはんを食べてから再びルネに行ってCDや本を物色する。 そこで、ラモーンズが96年に解散していたことを、今頃知る。 なんだか高度情報化社会から疎外されている気がする。

NHKラジオ英会話のテキストを購入。しばらくの間、 CDラジカセが壊れていたことを理由にさぼっていたが、 また最近聴き始めた。

ついでに、

アリストテレス、『弁論術』、戸塚七郎訳、岩波文庫、1992年、新品

を購入。やっぱりアリストテレス先生って賢そう。 先生の『政治学』とか『形而上学』とかも欲しかったが、 ぼくも倹約と禁欲を旨としているので、 購買欲に心を掻き乱されながらも、 五指をくわえて耐え忍んだ。

古本市を気長に待とう。

しかし、「ラモーンズの解散」という情報が 今まで耳に入ってこなかったことで痛感したが、 必要な情報を手に入れる能力って、 しっかり身に付けないといけないよなあ。

WWWも情報収集をするためには大変役に立つが、 もっと便利な個人用情報収集ツールが欲しいぞ。

たとえば、研究室の「情報コンセント」に耳を当てると 必要な情報が入ってくるとか。 (実は壁の向こうで事務のお姉さんが…ってのはあまりに非効率的だな)


夕方

newsgroupの勉強を少々。わからん。


01/20/98(Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中

夕方から真夜中まで爆睡。

文学部新館の入口付近でパンダ色の猫を見かけたので、じゃれる。 パンダ色といっても、単に背中の方が黒くて、お腹の方が白いだけだが。 あれはたしか法学部近辺にいついている猫だと思う。


夜食を食べに行ったあと、 頼まれていた某嬢の論文のレイアウトをやる。

それから、muleの勉強を少々。

そいえば、アリストテレス先生の書き方って、 誰に似てるかと思えば、 ベンタム先生に似てるんだな。分類癖とか。 もちろん影響関係は逆なわけだけど。


夜明け前

うう。ついつい、やるべきこととは別のことをしてた…。


「情報と倫理」のレポートの下調べ。まだやってる。 ううむ。何を書こうか。


うわ、また寝すぎたっ。洗面所の鏡を見たら顔がむくんでたので驚いた。 睡眠おそるべし。

今日は朝からとにかく寒い。北風がピューピュー吹いてくる。 下宿の部屋もとにかく寒い。 ふとんから出ると室内の温度は10度以下のように思われる。 あまりに寒いので、手袋をはめて アリストテレスの生涯について読んだりしていた。


某嬢と夕ごはん。情報倫理関係の本をお借りするために某教授室を訪ねる。

名和小太郎、『知的財産権--ハイテクとビジネスに揺れる制度』、 日本経済新聞社、1993年

を借り出す。


再び某嬢の論文のレイアウトを手伝わされる。


真夜中

ちょっと買物に出掛けたが、外の寒いこと寒いこと。 今夜下宿に戻ったら、コップに水を張ってみよう。 凍るかどうか実験。


01/21/98(Wednesday/mercredi/Mittwoch)

真夜中

情報と倫理の勉強。

ethics@bun.kyoto-u.ac.jpに来ていたメイルの一部に返事を出す。 これも誰がやるのかきちんと決めておかないと、 結局返事を出さないままに終わり、
「あの研究室は愛想が悪い」
「せっかくメイルを出したのに無視された。礼儀がなっとらん」
「人を馬鹿にしている」
「あの研究室にはいつも人がいるくせに、メイルの返事も書かない。 もしかして誰もコンピュータを使えないんじゃないのか」
などと言われることになりかねない。対処法を考えるべし。


今夜の暴論: 情報有機体説

テーゼ1: 情報informationはデータdataの総和としては認識できず、 全体としてas a wholeの原理的把握が必要である。

情報は生物である。有機体である。 したがって情報は、無機的なデータの 機械的な集合体としては捉え切れない。 すなわち、情報を要素還元主義的elementalisticに 理解することは不可能である。

テーゼ2: 情報informationは進化evolveして知識knowledgeとなる。

情報は生物である。有機体である。 したがって情報は、自然淘汰natural selectionを経て、知識へと進化する。 情報の本質は、たゆまざる上昇運動にある。 情報は、即自より他在を通して工事に発展し事故に還る。 「知識へ!


夜明け前

ふと気になって、 去年の今頃何をしていたかを確認する。

くっだらないこと書きながら、ドイツ語を勉強したり、 レポートを書いたりしていたようだ。

しかし、今のぼくとあの頃のぼくのどちらがより「くっだらない」かは、 神のみぞ知るところである。


倫理学入門書読書会の予習。 久しぶりだったせいか、けっこう時間がかかった。


お昼過ぎ

今日のお昼過ぎにコピー機(文明の利器)が研究室に搬入される予定なので、 眠い身体を押して登校。ほんっとに眠い。


夕方

コピー機(文明の利器)到着。コピーカードを配る。

某嬢(昨日の某嬢とは別)の論文のレイアウトをする。 忙し。腹減った。


倫理学入門書読書会の準備など。忙し。腹減った。


01/22/98(Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中

快眠。なんか最近、英語で会話してる夢を見る。 覚えている、ということは相当意識して喋っているということだろうか。

昨日は、研究室の人々と夕ごはんを共にした(結局昼ごはんは食べなかった)。

そのあとで銭湯に行ったら、 足の指がしもやけで痛いわ、 風呂から上がるとふらふらするわで、 自分の健康状態があまり良くないことを実感させられた。

おそらく、血が足りないんだと思う。どうしたらいいんだろうか。

献血してもらう
毎日スクワット5回、腕立てふせ5回
もっと野菜を食べる
ルーズソックスをはいてみる

アドバイス


早朝

うわっ、もう朝か。 独りさみしく倫理学入門書読書会の準備。

(…あああ、白いワニがやってくるっ)

ルーズソックスをはいてみる1票。 (わかりました。10票入れば真剣に考えてみましょう)

豚肉が効くらしいが、 あいにく最近豚は食べない。 こだまの食べる肉類は基本的に魚類だけです。

(だからダイオキシンが怖い)


やっと読書会の準備が一段落着いた。 そろそろ情報と倫理のレポートを書きだそうか。

某君も関東地方 探検に行ったらしい。 新都庁近辺を見たときの、ぼくとの反応の違いが興味深い。


耳せん

最近、ある人が耳せんをしているのを見て、 ぼくも大学受験以来久しぶりに耳せんを使ってみている。 一人でいるときにも、耳せんを付けると、 意識的/自覚的/覚醒的になる時間が多くなる気がする。

ただし、 (1)人の気配が読めない(で驚かされる)、 (2)人の話が聞こえない(のでとりあえずふんふんとうなずいておくが、後で困る) などの弊害にも苦しまされている。

やはり、耳せんしなくても集中力を維持できるよう修行すべきなのかもしれない。


野菜を食べる1票。 ルーズソックスをはいてみる1票。

緑黄色野菜を食べたり、レバー (肉類でなければ、あさりなどの貝類がいいとのこと)を 食べたり、歩いたり泳いだりすると良いらしい。

だが、緑黄色野菜を食べようとしてフラリと貧血になったり、 歩いたり泳いだりしようとしてフラリと貧血になったりしなければいいが。

しもやけの良い対処法はどなたかご存知ないだろうか。


お昼前

毎日スクワット5回、腕立てふせ5回1票。 野菜を食べる1票。ルーズソックスをはいてみる1票。

毎日銭湯に行けば、しもやけは治るのでは、というご意見をいただいた。

ううむ、たしかにその通りなんだが…ううむ… それはちょっと無理な…むにゃむにゃ…。

(↑自己批判せよっ)


お昼

野菜を食べる2票。 毎日スクワット5回、腕立てふせ5回1票。 ルーズソックスをはいてみる1票。


昼下がり

研究室のいすに座って爆睡。 あんまり寝てないので死にそうだったが、 少し寝たらずいぶん楽になった。 まだ頭がぼーっとしてるが。


夕方

う、時間がどんどん経つ。

そうか、デジタル・コピー機って、一枚の文書を複数枚コピーするときに、 アナログ機と違って一度ジーっとデータを読み込むだけで済むのか。 (つまり、何枚コピーしても、 あの「まぶしいやつ」が動くのは最初の一回だけ)

当然と言えば当然だが、すごい。 ううむ、まさに文明の利器、文明の力。


倫理学入門書読書会 (「一見自明な義務の倫理an ethic of prima facie duties」の巻(上)」 終わり。来週はその続き。 この倫理学説はけっこう皆に不評だった。 (ぼくも悪口を言っていたが)

そのあと、みなでスパゲティ屋へ。アサリ系のスパゲティと、 サラダを頼む。健康は何かと高くつく。

野菜を食べる4票。 毎日スクワット5回、腕立てふせ5回1票。 ルーズソックスをはいてみる2票。

やはり野菜か。なんとかせねば。


01/23/98(Friday/vendredi/Freitag)

深夜

ううむ、夜に寝て次の日の深夜に起きる、という生活リズムは 勉強するのに都合が良いし、 体調の良い証拠ですらあると思うのだが、 しかし、しもやけが…。

献血をしてもらう1票。 野菜を食べる6票。 毎日スクワット5回、腕立てふせ5回1票。 ルーズソックスをはいてみる4票。

今度時計台の前に献血車が来たときに 「あの〜、献血してもらいたいんですけど〜、 いや〜、え〜と〜 血を抜くんじゃなくって〜、 血を少し分けていただきたいんですけど〜」 とお願いしに行くか。


野菜を食べる6票。 ルーズソックスをはいてみる5票。 献血をしてもらう1票。 毎日スクワット5回、腕立てふせ5回1票。

「南船北馬が旅行の基本、頭寒足熱が健康の基本」ですか。 やっぱルーズソックスかなあ。

じゃあ、ルーズソックスはいて野菜を食べまくるか。


う、また無為のうちに夜が明けてしまった。 明けましておめでとう。


ftpはfile transfer program の略だったのか。略語表が欲しい…。

ところで、ハッカー倫理 (ハッカーの行為の指針と、彼らの行為の正当化を図る議論。 たとえば、コンピュータ・ウィルスをまいたり、 他のユーザーのパスワードを解読して 他のコンピュータに侵入するなどの行為を 正当化しようとする議論)っていうのは、 そもそもちょっとむちゃな気がするが、 しかし、まだまだ論争の余地がありそうで 興味深いなあ。

「なぜむちゃなのか」と聞かれると困る。 っていうのも、 勉強不足で自分でもまだよくわかってないから、 自分のこの直観的判断の理由を説明するのは大変だし、 また、いいかげんなことを書くと、 「ftpが何の略称かも知らなかった人間が 何を偉そうに」、 と天上界から手厳しく叱られそうだからだが、 まあそれでも一応、今考えていたことを メモ程度にでも書きとめておこう。 批判歓迎。


今日の暴論: ハッカー倫理

基本的には、ハッカー(注)は、 無断で他のコンピュータに侵入するという点では、 無断で他の家に侵入する泥棒になぞらえうる。

(注: この意味でのハッカーは「クラッカー」と呼ぶべきかも 知れないが、下に登場するスパフォード氏の定義通り、 一応ハッカーで通す。 どうしても気になる方は、このファイルをダウンロードし 単語を置換してお読み下さい。 ちなみに、ハッカーを尊称として使うべきかどうかも、 人の話を鵜呑みにしないでそのうち一度真剣に考えてみたい)

スパフォードっていう先生も、ハッカーのこの手の侵入行為を 泥棒の行為に等しいとして、不正だと考えてる。 (ま、そもそも他人のコンピュータに無断侵入することを computer burglaryっていうぐらいだからね)

しかし、その同一視は本当に適切なのだろうか? その比喩にはどこかに重大な誤ちがあるのではないだろうか? ハッカーの中には、自分たちの行為は泥棒の行為と 同一ではないと考えている者もいるのではないのだろうか?

たとえば、ハッカーの中には、 自分たちが巨大な悪の組織(管理国家、大企業)に立ちむかう スパイ集団、あるいは忍者集団と考えている者もいるのでは なかろうか? そして自分たちの行為を、正義の闘いとまでは いかなくとも、ある種の必要悪と考えているのではないか?

そこで、問題を煎じ詰めて言うと、 「ハッカーは泥棒に近いのか、 あるいはスパイ(忍者/義賊)に近いのか」なのだ。 (ちょっと無茶な煎じ詰め方か)

確かに、ハッカーの行為が泥棒と同じと考えられるのだったら、 泥棒と同様、ハッカーは不正行為を行ってることになる。

けれども、ハッカーの行為がむしろスパイ活動に 近いのであれば、 --ある種のスパイ活動が社会的に認められているとすれば その限りにおいて-- ハッカーの行為は正義あるいは 必要悪として正当化される可能性がある。

(他のコンピュータに侵入する行為を computer burglaryと呼ぶ風潮に対抗して、 computer 007っていう名で呼ぶ、 っていうのはどうだろうか。 もちろんBGMはLive and Let Die)

といっても、実はぼくもスパフォード先生の言うとおり、 「必要悪/義賊としてのハッカー」という考え方は (おそらく)正当化できないと思うんだけど、 それでもハッカーを単純に泥棒と同一視してしまう前に、 ハッカーの主張をよく考えて 彼らの行為を正当化する議論がないかどうかを 考えるのはおもしろそうだなあ、 と思うわけです。


ソシオ復活。忙し。


01/24/98(Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中

眠くて死にそう。


深夜

ふぁ〜あ。あんまり眠いので研究室で寝てしまった。

昨日は、お昼からいろいろと作業にいそしみ、 昼下がりからソシオのサーバが落ちたので不安になりつつも、 某嬢の英語の勉強の世話をしたり、 某師匠と情報倫理の話をしたりして夜になるまで研究室で いそいそしてた。

その後、皆で食事に。鍋をつつきながら、 「サイバーポルノと興奮」「震災と私」 「『栃木県の県庁所在地は?』と『う〜ん…。とっ、栃木市ですか?』」 などの倫理問題を真夜中近くまで(一部の人が)熱く語っていた。 ごちそうさまでした。

んで、ぼくはそのあと、ひとり研究室に戻って来て今まで寝てた。 しばらく寝てなかったから死にそうだった。


今日の暴論: チェイン・メイルって、ほんまにあかんの?(1)

そういえば、寝る前に、チェイン・レター(チェイン・メイル) の問題について考えていた気がする。 「新手のコンピュータウィルスが広まってます。 ***と書いたヘッダーのメイルが来たら、 絶対に開かないですぐに消去してください。 また、この文書をできるだけ多くの人に送ってください」 というあれだ。

しかし、なぜチェイン・メイルがだめなのか、と訊かれたら、 どう説明すればよいのだろうか?

ぼくも昔(といってもそれほど昔ではないが)、 チェイン・メイルはまずまちがいなくデマで、 話にのって他人にメイルしてはいけないことを人から教えられた。 しかし、「あれを信じて他人に知らせるのは善意からの行為だし、 万一その内容が事実で、ぼくがその有益な情報をとめていた なんてことになったら大変だし、 それに、デマだとしても大して実害はないんだから、 積極的にダメと言える理由はないんじゃないか」と心のうちで 考えたものだ。

<-- 余談になるが、「不幸の手紙」は「利己的」な動機から別の人へと 送るのに対し、チェイン・メイルは善意あるいは「利他的」な動機から 別の人へ送る、という違いがある。 「利己的」「利他的」とカッコを付けたのは、 日常で使われている意味での利己的、利他的、ということを 示すためである。 --> こういう疑問に対して、どう答えればもっともな理由を 与えたことになるのだろうか?

この問いに対して、 「だって、無意味なトラフィックが増加するから」と答えるのは、 (その他の手段で毎日ほぼ無意味なトラフィックを 増加させ続けている人間が言っても) あまり説得力がないように思われる。 というのも、この答えがもっともな理由であるためには、

  1. 無意味なトラフィックの増加が不正だと断言できること、

  2. チェイン・メイルが確実に無意味だと言い切れること、

が必要だが、ぼくは1.に関してあまり偉そうなことを 言えないし、2.に関しては、 「絶対デマなんですね?ずぇぇったいに本当であることはないんですね?」 と念を押された場合に、はいそうです、と答えられる自信は ないからだ(人間の可謬性…)。

では、どう答えればよいのだろうか?

一応ぼくも答えらしきものは用意してあるのだが、 「情報と倫理」のレポートの参考にもしたいので(邪悪)、 ひとまずみなさんの意見を聞かせていただきたい。おねがいっ。

なお、チェイン・メイルの問題や実例に関しては以下を参照のこと。 (最初に ここを見つけた。いろいろ議論がなされていて大変参考になる)

「なんでチェイン・メイルは無視せなあかんの?」(冗談歓迎):


そういえば、今週号の少年サンデーの『め組の大吾』も、 デマかほんとかわからない火事の通報の話だったな…。

野菜を食べる7票。 ルーズソックスをはいてみる5票。 献血をしてもらう1票。 毎日スクワット5回、腕立てふせ5回1票。

なるほど、乾燥プルーンを仕事の合間(仕事してないけど)に食べれば、 鉄分補給ができ、またお通じもよくなりますか。 実は後者の問題もなきにしもあらずなので、ありがたい情報です。

そういえば、某助教授や某師匠には、 「しもやけなんていうものはWHOがとうに 全世界から撲滅したものとばっかり思っていた」 と言われて、 「絶滅の恐れのある生物」に指定されてしまった。

また、お二人から、しもやけの治療法として、 血行を良くするために歩くのがいいと教わったり、 くつしたを2枚重ねてはいて、その間に唐辛子をはさめばてきめんに効く、 という(縄文時代の)治療法も教わった。感謝感激。


いろいろコピー。お金が(とっても)心配。


わ、ついに雪が降ってきた。

今日は朝から高槻に行って、大阪から車で来るバンド友達に 自転車を運んでもらった。感謝。

ちょっと宝ヶ池の方にドライブに行ったあと (しかしぼくは死ぬほど眠かったのでほとんど寝てた)、 バンドの練習。またのどが枯れる。もうだめ。

富田の古本屋で買った本。


01/25/98(Sunday/dimanche/Sonntag)

真夜中

今日も眠くて死にそう。コピーの山。

昨日はその後、 某嬢の院試受験対策をやって 、 研究室に残っていたみなで夕ごはんを食べた。

あとはコピーとか。ひたすら疲れた。


夜明け前に寝たので、起きたのはお昼過ぎだった。 某嬢との院入試対策勉強会の約束に遅刻。


上の某嬢とやはり院試の勉強をしている某嬢と 夕ごはん。

そういえば、先日上の某嬢に「貧血にプルーンが効く」話を したら、今日、レーズン入のビスケットを買ってきてくれた。 感謝。…そうか、レーズンって、ぶどうを干したものだったのか。 ああいうしわしわの実がなる「レーズンの木」かなにかが あるのかと思っていた。(本当)

ついでに、バジリコの正体も知る。 そうか、バジリコってハーブに似た植物だったのか。 「タラコ」はタラの子供(卵)だから、 てっきり「バジリ」っていう(たぶんうねうねと動く) 生き物の子供かと思っていた。(後半はうそ)

ごはんを食べた帰りに買った本。


某師匠来訪。チェインメイルについての意見を聞かせてもらう。 やっぱりこの話題を使ってレポートを書くか。


01/26/98(Monday/lundi/Montag)

夕方

寝坊。ごめんなさい。来たらすでに新コンピュータの搬入が終わっていた。

某助教授に アレックス・C・マイクロス、『虚偽論入門』、須原一秀訳、昭和堂、1983年、 を貸していただく。


夜中

院試対策の勉強会をしたり、生協に買物に行ったり。忙しい。

そいえば、昨日買ったアシモフの『黒後家蜘の会1』の表題で気づいたが、 一時話題になった「セアカゴケグモ」も、 「背中の赤い後家蜘(widower)」という意味だったのだ。

てっきり「コケグモ」という蜘の一種がいるものだとばかり思っていた。 まさか「後家蜘」だったとは…。やられた。


01/27/98(Tuesday/mardi/Dienstag)

真夜中

眠い〜。倫理学入門書読書会の準備など。 一体いつになったらレポート始めるんだ?


早朝

これからロックの勉強。今日は久しぶりにロック読書会があるのだ。


ちょっと体調悪し。しかし朝ということもあって、気分がいい。 はっきり言って、幸せである。最近忙しいけど、楽しいし。

やっぱり生きてるって楽しい。

などと書くと、ぼくのことを 「単純naiveな奴」とか「悩みがなくて幸せな奴」と 思う人もいるかもしれないが(当ってなくもないが)、 そういう「自称不幸な人」にしても、 人生の暗い部分ばかりを凝視してないで、 明るい面にも目を転じて、 自分の今ある境遇についての一面的でない、 総合的な評価を下すならば、 「あれ、思ってたよりけっこう幸せじゃん」 って思えるんじゃないのかな。 (ま、暗い面から目を転じられるようになるのも、 人によってはかなりの努力が必要なんだろうけど)

そういう人は、ついついくせで人生の中の悪い点ばかりが気に かかってしまうために、自分の今ある状態を正当に評価できず、 不幸だ不幸だ、と思いこみ、 その思い込みがますます自分を不幸にして行くっていう悪循環が あるのではなかろうか。

それに、社会あるいは習慣も、「わたしは不幸だ」式の考え方を 標準仕様にするよう勧めているように思えるし。

あ、つい余計な「わたしの人生哲学」を語ってしまった。 こういうのは学問としての倫理(倫理学)とは無関係なので 注意してください。 (といっても、ロックも似たようなことを言ってるけど)


お昼

うつらうつらしながら、 倫理学入門書読書会で次にやる「帰結主義」の勉強をしていた。 ペティット先生の文章は、なかなか難しいです。

(レポートは…?)


ロック読書会、院試対策勉強会終わり。 眠いったらありゃしない。

(レポートは…?)


ベンタム(研究室の古い方のマック)復活。 モニタケーブルが壊れていたため、数か月放置してあったのだ。

眠い。

(レポートは…?)


01/28/98(Wednesday/mercredi/Mittwoch)

昼下がり

爆睡。


院試対策勉強会終わり。


現在、マックのOS8のインストールをやっている。 ぼくもいつのまにやらマック使いになってしまったようだ。

(レポートは…?ちょっと書き始めました!)


01/29/98(Thursday/jeudi/Donnerstag)

真夜中

晩ごはんを食べたり、 加藤先生のホームページをいじったり。

今日の夕方までに倫理学入門書読書会の準備をしなければ。

(レポートは…?ううう…)


夜明け前

だ、だはあっ。 読書会の勉強もしないで『虚偽論入門』読んでたっ。

(それはそれとして)なかなかおもしろくためになる本だった。 しかし、内容もさることながら、訳がとにかくすばらしい。 翻訳書を読んでいることを忘れてしまうくらい日本語らしい文章である。

ただし、少し難を言わせてもらうと、訳語がちょっと凝りすぎている嫌いがある。 たとえば、
appealing to the authority of tradition(伝統という権利に訴える誤ち)を
「長老主義」と訳すのはまだ頷けるにしても、
fallacy of confusion with humor(冗談でちゃかして論点を曖昧にする誤ち)を
詐術洒落のめし」と訳したり、
fallacy of emotional language(感情に訴える言葉を用いる誤ち)を
妖術情動語法」などと訳したりするに及んでは、 「ちょっとちょっと、この本は論理学の本であって 忍法かなにかについての本じゃないんだから…」と言いたくなってくる。

(あと、「虚偽快刀乱麻」とか「奸計引き延ばし戦術」とか「幻法水煙」とか 「詐術諸行無常」とか「凶法愚民政策」とか…)


早朝

だ、だはあっ。読書会の勉強もしないで『デビルマン』読んでたっ。

う〜む。永井豪おそるべし。壮絶なエンディング。 絵の迫力もものすごい。SFしてる。 この結末はどこか、筒井康隆の『霊長類南へ』とか、 『七瀬再び』とかのエンディングを思い出させる。


昼下がり

やばいっ。読書会の準備があっ。

(しかしサンデーおもしろいよなあ)


真夜中

倫理学入門書読書会終わり。 今日は風邪やら葬式やらで参加者が若干少なかった。

それからMacのOSの調整など。眠い。


01/30/98(Friday/vendredi/Freitag)

真夜中

研究室にアコースティックギターも入ったので、某師匠と某君とで 「地獄の軍団」を結成(one night stand)。


苦情らしきものが来たのであえなく解散。


夜明け前

URLとメイル・アドレスが変った。 しばらく「メイルを出す」が機能しないので注意(1月31日現在無事稼働中)。

眠い。


お昼過ぎ

夜明けに寝て、お昼まで爆睡。

某師匠の偉大な黒魔術でウェブ・サーバとメイル・サーバが立ち上がったので、 新しいURLとメイル・アドレス

URL: http://www.ethics.bun.kyoto-u.ac.jp/~kodama/

mail: kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp

socioの管理者には今まで大変お世話になりました。感謝。


夕方

チェインメイルに関するアンケートに答えてくださった方、 どうもありがとうございます。大変参考になっています。 けど、レポートができるまで返事はちょっと待ってくださいね。


院試対策勉強会、ベンタム読書会終り。


01/31/98(Saturday/samedi/Sonnabend)

真夜中

某ロールジアンと某ヘーゲリアンと共に院試対策。 風邪気味。微熱。のど痛し。


お昼

寝る前はのどが痛くてちょっとやばいかと思ったが、 お昼まで寝たら元気になった(気がする)。

ところで、ホームページやメイルアドレスの引越しに伴ない、 下宿も2月中に引越すことになりそうだ

場所は大学より結構北の方で、 1階2部屋、2階2部屋、トイレ・キッチン・風呂付の一軒家。 バンドの友人と2人で一緒に入る。

実は、この友人が見つけてきたので、ぼくはまだ場所や建物を 見ていないし、大家さんにも会っていない。 だから「引越すことになりそうだ」なのだ。

しかし、礼金敷金なし、家賃は2人で4万円と聞けば、 井戸から幽霊が出ようが雨もりがひどかろうが、 はたまたローソンもセブンイレブンもない絶海の孤島のような 場所だろうが、もうなんでもいい、 がせねたでもいいからとにかく入らしてくれ、 という気にもなる。

ていっても、友達と同居するってのはきっと難しいと思うけどね。 そこでお金のこととか、掃除のこととかで何かアドバイスがあれば メイルしてください。経験者歓迎。

友人と同居するときの暮らしの知恵:


昼下がり

院試対策の勉強。

某D大の神学部を出たはずの某嬢は、 'the Old Testament Book of Genesis'を

遺伝子の古いテキストブック

と訳していた。おそるべし。


Satoshi Kodama
kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp
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Last modified: Fri Jan 22 08:01:20 JST 1999