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こだまの世界

---倫理学者のふしぎな日記---
今日の目標: 路上でペシャンコになって死んでいるセミを踏まないように気をつける

97年8月前半号

8月前半の主な話題


ご意見のある方は、 kodama@socio.kyoto-u.ac.jpまたはメイルを 送るまで。


08/02/97(Saturday/samedi/Sonnabend)

・夕方・

・一句。「おれ監督・実存してるぜっ・キルケゴダール」

(え、だめ!?て、徹夜で考えたのにっ)


・夏期講習の最後の授業(中1数学)が完全に崩壊してしまい、大変落ち込む。

・下のクラスの生徒はちょっと放っておくとすぐに破壊工作に精を出し始 め、授業をカタストローフに投げ込む。それはちょうど、ぼくがちょっといな い間に研究室をタバコの灰だらけにしてそのまま帰る某先輩が生み出すのと同 じ苦しみをぼくに与える。うがーっ。


・夜・

・ベンタム読書会終わり。異例の2時間半に及ぶ長丁場。こういう長いのは やはりダメ。それと、JBML(Japan Bentham Mailing List)の構想については、 明日書く(つもり)。

・昨日『インディペンデンス・デイ』 を観た。今夜は『薔薇の名前』を観る(つもり)。

・そろそろ帰る。明日も早く来る(つもり)。

(う、gooにkeihoku.htmlが読まれてる形跡がある。え〜ん、こわいよ〜)


08/04/97(Monday/lundi/Montag)

・朝・

・今朝寝ていると、セミどもがあまりにうるさいので、仕方なく早起きし て学校に来た。木が法廷に立てるんだったらセミも法廷に立てるはず。死刑死 刑死刑っ。

(う、こういうネタを今書くのはまずいか)

・自転車に乗りながら考えたが、次回の最高裁の信任投票に死刑賛成・反 対の○×もつけてみたらどうか。あるいは最高裁の裁判官のプロフィールのと ころに「わたしは死刑存置論者です」または「わたしは死刑廃止論者です」と 明記させるとか。これで死刑廃止に関する世論を明確にすることはできないだ ろうか。


・さて、今日はMLの管理の仕方を勉強をして、突如研究室に出現した『ド ラゴンヘッド』を読んで、シジウィックの翻訳に精を出すぞ。

(ああ、自由自由っ。合宿も終わって、フリードマンの訳も一応終わって、 夏期講習も終わって…しかし、いつの間にやらもう8月!時間が経つのが速すぎ るっ)

・昨夜、『薔薇の名前』を観た。不 気味な映画であった。この映画にもかなりファンがいるに違いない。


・昼前・

・MLの勉強。頭痛がする。わからん。仕方がないのでまず(サボっていた) UNIXの勉強から始める。(無駄な気もするが…)


・昼過ぎ・

・頭痛続く。果たしてMLは始められるのか。


・夕方・

・研究室の引越しの日が決まった。8日の金曜日午後一時からダンボールに 本などを詰め込む作業をするので、研究室の学生および関係者は手伝いに来て 下さい。来ない人の所有物は自動的に廃棄処分のシールがペタリと貼られます (たぶんウソ)。

・今世紀最後のマジシャン(彼の去って行った後にはタバコの灰が舞ってい る…)、3級の魔力によってベンタムML始動っ!!(これから先が心配だが)

・ホームページの準備をするからもう少し待ってね。


JBMLのページ完成。まだ文章がお かしいが(そもそもこのような文章を書くためのテンプレートが頭に入ってな い)。

・というわけで、千客万来。会員数一億三千万人を目指す。日本総ベンタ ム化。人類皆ベンタム。


・『ドラゴンヘッド』1-4巻まで。今のところは『漂流教室』の方が面白い。 今一つ主人公に感情移入できない。世代の違いのせいだろうか。(しかし『漂 流教室』を読んだのは大学に入ってからだ…)


・夜・

・つ○たさんに急襲される。臨時ロック読書会。(しかし現在、○るたさん はつまんないと言いながら『ドラゴンヘッド』を読まれている…いつになった ら勉強するんだろうか)


・ロック読書会終わり。倫語参照。 眠い。MLの会員が増えないよ〜(始めたばかりだから当り前か)。

・さあ眠い眠い眠い眠い眠い眠った。く〜。


08/05/97(Tuesday/mardi/Dienstag)

・真夜中下がり・

・う、寝てた。そいえば、暑中見舞を若干数書かなきゃいけない。もう一 眠りしてから書こうかな。


・なんかバグの多いワード97で宛名印刷。(なぜか)はがきの絶対数が足り なかったので、教授・助教授および研究室関係者には暑中見舞は来ません。あ しからず。


・あけぼの・

・そいえば、「夏はかまぼこ」なんて清少納言も言ってましたね…。ん? 「春はぼのぼの」だったっけ?

・いろいろすることが頭に浮かび、パニックになりそう。じ、時間がっ(あ わあわ)。…とりあえず聖書を朗読したりする。


・朝・

・再び30分ほど寝る。某教授に起こしていただく。仕事を仰せつかる。

・曇のち大雨。

・雨の中ちょっと喫茶店へ。


・昼前・

・だ〜っ。ズブ濡れになってしまった。カサさして歩いてると雷が落ちて 来てなんか良いことひらめくかなと思ったんだけど、上を向いて歩いているう ちにサンダルと靴下はびちょびちょ。あ、靴下脱いでくればよかったんだ、と 気付いた時にはすでに遅し。ジーパンもTシャツも濡れるし、着替えはないし で、散々でした。うう、マンガと朝ごはんに目がくらんだぼくがばかだった。

・しかし。ほんとに滝のような雨。今のうちに船を作っておいた方が良い かもな。


・昼・

・雨、嘘のように止む。


・昼過ぎ・

・おく○くんが来る。続シジウィック読書会をやるつもりで来たのだが、 お○だくんがぼくの自宅に送ったメイルをぼくが読んでおらず、読書会をやる ことを知らなかっため、中止になる。うむ。なんとも気まずい。確認を怠った ○くだくんに責任がある気もするし、毎日家に帰らない不良少年こだまが悪い と言われれば、そんな気もする。やはり両方死刑か。

(ま、何にせよ、アドレスを両方知ってる人は家と学校にメイルを送る方が 確実です)

・と言ってる間に、九州からや○たさんが上陸。大雨洪水警報を引っ下げ ての御登場である。辛党用と甘党用の御土産も持って来られるというきめ細か な配慮に思わずこだまは涙した。


・夕方・

・というわけで某助○授探検隊は文学部新館8階にあるとゆー新助教授室と 新倫理学研究室を発見するために旅に出たのであった。

・隊員は3級とこだまである。裏口から侵入。こだまがカナリヤになって先 を進む。エレベータは比較的小さい。急いで8階へ。

(編集部注:ちゃんと許可はもらってあります)

・8階に着くとエレベータを転がり出て求める部屋を探す。あった!倫理学 研究室と某助教授室!向かい合わせの配置である。

・あらかじめ用意されていたカギを手にする。ちゃんと合うのだろうか?カ ギを持つ手がプルプルと震える。カチャリ。開いた!(あたりまえ)

・カギを開けるとそこには…いやいや、これ以上は書くまい。本当のこと を書いたら他の大学の学生に妬まれます。天井付の豪華なダブルベッドやそれ はそれは大きなテレビと冷蔵庫と、各社のデスクトップ、ラップトップのコン ピュータと、ビリヤードの台と麻雀セットと将棋盤と大きな熊のぬいぐるみが あるなんて、とてもとても書けません。


・生協で遅い昼ごはん。遅すぎますってば。

・これからやは○さん歓迎会があるらしい。一説では○はたさんにたかるとか。

・おそらくそのまま帰る。ではまた。


08/06/97(Wednesday/mercredi/Mittwoch)

・昼下がり・

・よく寝てから来た。JBMLについに3人目の加入者が…(わーい)。

・昨日はよほど待ち合わせ運がなかったらしく、待ち合わせ場所を間違え てしまい、やは○さん歓迎会にも参加出来なかった。迷惑をかけて済みません。

・研究室の移転は16日の土曜日とのこと。しかし荷作りの日は変更せずに 今週金曜日にします。


・水曜研究室劇場・

・読書会の予習をしていた○くだくん、や○もとさん退場。中央食堂へ。

・つ○たさん登場。こだまとロック読書会開始。

・○はた氏登場。忘れものを取りに来たそうである。「この方が(こだまの 日記に出て来る)○るたさんですか」とおっしゃりつつ退場。熊本へ。

・おく○くん再登場。○まもとさんは帰宅した様子。


・夕方・

・くら○氏登場、退場。

・ロック読書会終わり。お○だくん退場。

・kant(IBM機)が突然ハングアップしまくる。こだま「きいっ」

・お腹が減ったのでつ○たさん、こだま退場。中央食堂へ。

(第一幕終わり)


・夜・

・そいえば、昨日文学部新館8階の研究室を見に行ったときにも話していた のが、この新館が自殺の名所になるのではないか、ということ。

・特に30代前半のODなんかが危ないんじゃないかって話になって、

「ODは5階以上立ち入り禁止」

「ODは精神科医に証明書を発行してもらってくること(しかし一体何の証明 だ?)」

「窓に『早まらないで!明日には常勤講師採用通知が来るかも』と書いた張 り紙を貼る」

とか対策を立てた方がいいんじゃないか、ということを冗談まじりに喋っ ていた。(明日は我が身…)


・腹痛。苦しい。


・明日続シジウィック読書会とロック読書会ができるように、現在明日の 倫理学入門書読書会の参加者が提出した訳を添削中(なんだかとても偉そう)。

・ちょっと身体の調子が良くないので友達のとこへ行くかも知れない。(文 学部のトイレにはトイレットペーパーがほとんどないし…)


・夜中・

・というわけでこれからちょっと消えます。明日はなるべく早く戻って来 てシジウィックをやらなくてはならぬ。


08/07/97(Thursday/jeudi/Donnerstag)

・昼過ぎ・

・問、ヒマワリを書いた実存主義的画家の名前は?

(答はこのページの一番下にあります)


・シジウィックを少々。今日の倫理学入門書読書会の準備を少々。これか らロック読書会を少々。お腹減った。


・夕方・

・ロック読書会終わり。忙しい。


・夜・

・倫理学入門書読書会終わり。中世って難しいが面白い。次回は臨時で火 曜日にやる。ところで、研究室の荷詰めも火曜日の午後一時からになった。

・そろそろ帰る。


08/08/97(Friday/vendredi/Freitag)

・夕方・

・昼過ぎまで寝る。罪悪感。

・久しぶりにクイーンを聴きながら通学。すばらしい。

・学校に来て西部生協で田山花袋の『蒲団』を買う。3級に勧められたので。

・どこかの大学がやっている、ホームページに日記を書いている人対象の アンケートに答える。

・「あなたご自身のホームページは、どのくらいの人からリンクされてい ますか。次の中からあてはまるものをひとつだけ選んで下さい」という問に答 えることが出来なくて困る。こんなことわかるのだろうか。あまり有意義には 思えない質問ばかりだったが、はたしてすばらしい調査結果が出るのであろう か。


・ロックの『人間知性論』にある、事物の一次的性質と二次的性質の区別 の説明が難しくて大変苦しむ。なんなんだ一体。


・夜・

・夕方ベンタム読書会終わり。ちょっとご飯食べてからシジウィックをや らないと、いいかげん○くだくんに怒られます。


・ごはんを食べて戻って来るとおおた○5級がいらしている。5級も現在翻 訳で大変忙しいのだそうだ。


・ところで、「オッカムのウィリアム」という表現は大変かっこいいと思 う。(「オッカム」は地名)。なんでもう日本では「児玉 聡」のようには言わないのだろう。

・というわけで、今度から「こだま文学士」はやめて、「高槻のさとし」、 「新庄のさとし(3級)」のように呼んで下さい。ラテン名は「サトゥス・タカ トゥクス(Satus Tacatucus)」です。(うそ)


・真夜中・

・ベンタムのA Fragment on Governmentを読み始める。シジウィッ クもやらにゃあ(と、こだまは頭髪をむしった)。


08/09/97(Saturday/samedi/Sonnabend)

・真夜中・

・AI将棋の標準に勝つ。おおよろこびっ。(何をしてるのっ)


・真夜中下がり・

・が〜んっ。シジウィックやってたらもうこんな時間。寝なきゃ。


・またAI将棋の標準に勝つ。おおよろこびっ。(早く寝なさいってばっ)


・朝・

・よく寝た。朝ごはんを食べに行こうよしそうしようでは出発進行っ。


・昼・

・なんか……シジウィックの翻訳って……楽しい……ひ、ひひひひひ……

(いやいや、まだ大丈夫です。冗談だから京大病院に連絡しないように)


・昼過ぎ・

・汗臭くていやになる。別に自分のにおいはそれほど嫌いでないが(え、変?)、 他の人に「サトゥス汗くさーい」と言われるのは嫌なので、ちょっと体を拭い たりする。これだから夏は…。しかし夏が汗臭いという性質をそのまま持って いるのではないので、「汗臭い」は夏の二次的性質か。(ほんと?)

・これから久しぶりにバンドの練習。どうもこのバンドは崩壊しつつある。 歯止めがかけられるか。


・夕方・

・バンドの練習にだれも来なかった。そりゃ連絡してないぼくも悪いんだ けど、しかし…。かなり落ち込む。やっぱり自我の一部なんだよなあ。どうし よ。


・夜・

・ちょっと居眠りしてからベンタムを読む。倫語更新。

・では帰る。次に来るのは月曜か火曜です。ちょっとヤボ用で…


08/11/97(Monday/lundi/Montag)

・夕方・

・久しぶりっ…ッていっても一日来なかっただけか。

・ぼくは労働者として二日間朝9時から夕方5時まで働いていました。塾の テスト監督だけどさ。

・それにしても、手渡しで給料もらうッて気分がいいねえ。働いた気がす るする。「こ、これが労働の喜びか」ッて。あ、労働の喜びッていうのはまた 違うか。しかし給料の手渡しというのはとにかく良いものである。


・さらに調子に乗って「文学のお話 」というのも始めた。ズブの素人のいい加減な読書感想文であるので、何 も期待してはいけない。

・昨日家の近くの古本屋でM.フリードマンの『政府からの自由』(西山千明 監修、土屋政雄訳、中公文庫、1991年)をたまたま買ったが、これが当たりも 当たり、大当たり。やっぱりフリードマンはすごかった、ということを実感さ せてくれる本。

(人を見るぼくの目に狂いはなかった、と自慢したいところだが、そもそも 彼がノーベル賞まで取ってる人物だったと知らなかった方が恥ずかしいかも知 れない…)

・今は最初の、米国の『プレイボーイ』という雑誌におけるインタビュー を読んでいるのだが、これがすごい。受け答えが(編集の手が加えられている だろうことを差し引いたとしても)天才的。彼の講義は圧倒的な人気を誇って いたらしいが、まさに現代のソクラテス。いや、あのいやらしいソクラテス以 上。

・とにかくもうすごいんだから。経済学の入門には最適(って他の本をよく 読んだわけではないが)。ほんとに切れ味が抜群だから、老いも若きも是非是 非読んで下さい。もう『ヴィクトリア朝の性と結婚』なんて目じゃあないっ (あ、ごめんなさい)。訳も一流で参考になりますっ。

(何を力説してんだか…けどほんとのところ、フリードマンは思ったよりは るかにぼくに今後も引続き影響を及ぼすだろうと思われる。全くすごい思想家)


・夜・

・お腹が減ったので夕ごはんを食べよう。そうしよう。(あ、もしかしたら 家に帰るかも知れないので荷物も持って行こう。そうしよう)


08/12/97(Tuesday/mardi/Dienstag)

・朝・

・あぢーっ。昨夜は暑くて寝苦しかったせいか、今日はかなり調子が悪い。

・しかしかしかし、わざわざ朝から学校に来たのは、今日から下 鴨神社で古本市(〜17日)があるからなのだっ。というわけで、急い で行って参ります。


・夕方・

・研究室の引越しの用意があらかた終わった。一息つく間もなく、次は臨 時倫理学入門書読書会。

・古本市で買った本についてはまた後ほど。(明日かな)


・夜・

・倫理学読書会が終わって、よ○むらさん、3級、つ○たさん、○くだくん と鞠小路通りのスパゲティ屋さんで夕食を食べる。

(ところで以前、ぼくは鞠小路通り(「まりこうじ」と呼ぶ)のことを大声で 「このきくこうじの…」と言って大恥を書いたことがある…)


・真夜中・

・3級の将棋のお相手をさせてもらう。2時間ぐらいかかって敗ける。もう 死ぬ。詰めの甘さが敗因であろう。3級もぼくも仕事がたくさんあるのに…

(まあ、たまには気分転換ということで…おく○くん、許してくりゃ。シジ ウィックもうちょっと待ってくりゃ)


08/13/97(Wednesday/mercredi/Mittwoch)

・真夜中過ぎ・

古本まつりで買った本。

・さあ、勉強せにゃあ。眠いけど。


・真夜中下がり・

・うっぎゃー、眠いっ。もうダメ。寝る。


・朝・

・よく寝た。ちょっと勉強した後、朝食取って古本まつりに行くことにな ろう。


・昼下がり・

・さらに古本まつりで 買った本。

・もう疲れてしまったので、も少ししたら帰って寝ようと思う。なんか全 然勉強してないんだけど…。(お○だっちに死なされるかも…)


08/14/97(Thursday/jeudi/Donnerstag)

・お昼・

・もうちょっと早く来るつもりだったが、寝過ごした。

・小林発作君からメイルが来ている。近々『発作ナンセンス語録30』とい う小冊子を自費出版するらしい。曰く、


  1. 武士は食わねど火の用心

  2. 花よりゴルゴ13

  3. アンズよりウメが安し


・う〜む。売れると良いが…。


・夕方・

・ロック読書会。だんだん一次的性質と二次的性質との違いが明らかになっ て来た(ような気がする)。

・業務連絡。業者の都合で、明日少し荷物を新研究室に運びたいとのこと。 一応朝からいるつもりだが…。

・ロック読書会終わり。休憩してから次は倫理学入門書読書会。うう。


08/15/97(Friday/vendredi/Freitag)

・真夜中・

・倫理学入門書読書会が終わってから、3級をはじめ皆で夕ご飯を食べに行っ た。そこで延々と議論し、その後珍しく2次会まであって再び延々と議論した。

・テーマは、約束したのに・株価−30円・権威主義・〜すべきだった・今 目の前で溺れている人がいて、泳げないのに水に入ったのが悪い、という理由 から助けないなどということがあろうか・正不正の評価の対象は意志か、結果 か、などなど。3級が詳細を書かれるかも知れない。

・死ぬほど眠いので、朝起きてからシジウィックをする。


・朝・

・当り前なんだけど、自分はまだまだ未熟だナアと痛感する。どのような 状況でも瞬時に「正しい行為」を見つけ出し、それを行なえるストアの賢人の ように成りたい。けれどもし緊急事態では判断力が鈍るのがわかっているので あれば、「こういう状況に陥ったらこういう行為をする」とあらかじめ決めて おいた方が良いのかもしれない。

・などと考えつつ朝ごはんを食べに喫茶店へ。


・昼前・

・さらにつれづれと考える。

(事実判断1)人が溺れている。ほっておけば今にも死ぬかも知れない。

(事実判断2)自分では助けられそうにない。

(事実判断3)しかし海上自衛隊に連絡すれば助けられることはわかっている。

(結論)海上自衛隊に連絡して助けてもらう。

というのが今回のぼくの推論と行動だったと思う(もちろん比喩)。


(事実判断1)人が溺れている。ほっておけば今にも死ぬかも知れない。

・この事実判断が間違えていた可能性は大いにある。この人はもしかした ら自力で泳いで助かることができたのかもしれない。ぼくが余計なお節介をし てしまったのかもしれない。

・確かにそういう可能性もあったが、しかしまた、ほっておいたら大変な ことになっていたかもしれない。「ほっておいても大丈夫だったのに」と事件 が全て終わってから後知恵で言うのは簡単であるが、実際はどうなっていたか わからない。You never know.である。「ほっておいても大丈夫だったのに」 と言われても「どうしてそうとわかるの?ほっておいて大丈夫でなかったとき はどうするの?知らん顔するの?」としかぼくには言えない。

・また、「泳げないことがわかっていて海に入る人間が悪い。自業自得。 苦しむのが当然」という意見もあろう。

・もちろん、火遊びをしてやけどをするくらいならぼくも、因果応報でも カルマでもなんでもいいが、相応の苦痛を経験すれば勉強になって良かろう、 と思う。しかし、繰り返すが、問題は火遊びをして「やけどをするくらい」で 済んでいたかどうかがその場では判断できなかった、ということである。むし ろぼくは大事を取ったのである。

・また、確かに泳げないのに海に入ったのは責められるべきである。これ からは同じ過ちを繰り返さないように相応の叱責を加えるべきかもしれない。 しかしだからといって今現に溺れている人間を助けないというのは、(ぼくに とっては)明らかにおかしい。

・たとえば、女性が現在電車で痴漢に遭っていて、彼女が痴漢の標的になっ た理由の一つが彼女の身に付けているスカートの丈のせいだったとしよう。 「彼女の場合は自業自得だ」という理由はぼくが今そこで 彼女を助けないエクスキューズにはならない。たとえそれが大きな原因だった にせよ、その場でぼくができる最善のことは、ただ傍観することではなく、な んとかして痴漢行為を止めさせる事だと思う。(もちろん、実際にできるかど うかはわからない--何もできない気もする)

・やはり、やくざにからまれる人が悪いとか、交通事故に遭う人間が悪い、 レイプされるのが悪い、というのは強者の論理だと思う。(もちろん「これか ら強くなれ」というのは常に正当だが、しかしそれを理由にして「今現在弱者 である人間を自分は助けなくてよい」という判断を出すことは正しいとは言え ないのではないか)


(事実判断2)自分では助けられそうにない。

・この事実判断が今回一番悔やまれるところであり、しかし一方では身の ほどとその場の状況を良く把握した正しい判断だったのかも知れない、と思う ところでもある。

・が、次回同じことが起きたときはもう少し自分で何とかできるように頑 張ってみようと思う。


(事実判断3)しかし海上自衛隊に連絡すれば助けられることはわかってい る。

・この判断も3級、○くだくん、つ○たさん達には超不評で、「なんでより によって海上自衛隊に連絡するの?自衛隊はそんなことするためにあるんとちゃ うで。自衛隊は全く無関係でそんなの助ける義務あらへんもん」と非難go go!だったものである。

・確かに自衛隊には大変な迷惑をかけた。非常に申し訳ないと思っている。 (ただし本当に「義務がない」のかどうかは今後良く考えてみたいが---ぼくと しては「もし現在義務でなければ、これから義務にするべきだ」と思う)

・しかし「自分には溺れている人を助けられない」と判断した上で、さあ それならどうする、と考えた場合、今回の状況ではやはり自衛隊に頼むのが最 善だったと思う。ぼくの考えるかぎり、自衛隊以外には、それと同じぐらいの 敏速さで助けられる人は他にはいなかったのだ。

(「敏速である必要があったのか」と言われるとちょっと答えに詰まるが…。 しかしすでに話が長引いていたし、ぼくも含めて皆てっとり早い解決を望んで いた。また、諸般の事情により、警察のお世話になってもおそらく解決できな いことが予想されたのだ)


(結論)海上自衛隊に連絡して助けてもらう。

・そこでぼくはこの結論に至って、実際に自衛隊に連絡して溺れている人 を助けてもらった。自衛隊に多大な迷惑をかけたにせよ、決して円満解決、 Everybody's happy.ではなかったにせよ(もはやそれは不可能だったと思う)、 とりあえずそれで一応解決したのである。

・しかし結果良ければ全て良しとはとても言えない。いや、正確に言えば、 溺れている人が助かったという意味での結果は良かったのだが、それ以外の結 果(たとえば自衛隊に迷惑がかかったとか、ぼくの株価が30円下がったとか)は 決して良くなかったのだ。ぼくにとってはかなりのマイナスだったかも知れな い。

」(また、今回溺れていた人がこの事件を通してちゃんと学習したかどうか、 というのも結果に入るのであり、もし「誰にも助けられずに、もっと痛い目に 遭っていた方がよく学習できた」のならば、これもあまり良い結果とは言えな いわけだ)

・そこでぼくの反省としては、「自分の力量としてはかなりよくやったと 思うが、他人に頼らずもう少し自分でやってみるべきだった」。次の機会には 今回の反省を生かしたいと思う。あ、玉虫色の結論がでちゃった。


・昼過ぎ・

・なぜか本日引越しが完了してしまった。明日来ても何もすることがない ので各人注意されたし。○くだくん、『はじめの一歩』を研究室にぜひ持って 来られたし。


・昼下がり・

・ご飯を食べながら満田拓也の『MAJOR』を3巻まで読む。野球少年の成長 記マンガ。別に野球はそれほど好きではないが大変面白い。この漫画が賞を取 るのはよくわかる。


・夜・

・ベンタム読書会終わり。今日はもうずいぶんつかれた。そろそろ帰るか。


・と思ったが、将棋などをものしてしまい、帰れなくなってしまった。ちょっと晩ごはんを。


キルケゴッホ

(え、まただめっ?み、三日もかけて考えたのにっ)


Satoshi Kodama
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Last modified: Fri Jan 22 07:15:35 JST 1999