`You know what the scariest thing is? To not know your place in this world; to not know why you're here. That's just an awful feeling.'
---Elijah Price, in Unbreakable
祖父たちの持っていた偏見を批判するのは我々にとって容易なことである。 そうした偏見からは我々の父親自身が自由になっているのである。 これよりもずっと困難なのは、 我々自身の見解から距離をおいて、 我々の持っている信念と価値の内に潜んでいる偏見を感情に囚われることなく捜し出せるようになることである。
---ピーター・シンガー
新しい法典[トルコの新民法典]によると、 離婚した女性は--少なくとも法の上では--結婚していたときに貯めた財産の半分を 手にする権利がある。 これまで、女性は結婚前に所有していたものに対してしか権利がなかった。 離婚についての条項は、他の何にもまして、 保守主義者の怒りを買った。 議会の二つのイスラム党は、 この法は伝統的家族に対する脅威だとして激しく攻撃した。
`Turkish reform raises status of women', The Guardian Weekly (January 3-9 2002), p. 5.
`It's amazing what you can do when you don't have to look at yourself in the mirror any more.'
---Sebastian Caine, in Hollow Man
朝から風邪でほとんど動けず。薬を飲んでひたすら寝ていたおかげで、 夕方ぐらいからなんとか活動できるようになる。
水炊きと思って買ったセットは実はチャンコ鍋だった。
去年の抱負はほとんど実現しなかったが、 それに懲りずに今年の抱負。
第一に、自分一人で考えることには限界があることを知り、 常に他人と議論をするように努めること。 一人で真理に到達することはすばらしいことであるが、 独力で真理に到達できないよりは、 友人と協力して真理により近付くことができた方が どれほどよいことであるかわからない。 また、こうすることによって、独り善がりな議論をしたり、 自分勝手な言葉の用い方を避けることができるであろう。
第二に、「聞くは一瞬の恥、聞かぬは一生の恥」と言うように、 愚かな質問や、愚かな回答をすることを恐れてはならない。 愚かな事を述べて恥をかくことよりも、 間違えた意見を匡し真理に近付くことを常に優先しなければならない。
第三に、明晰判明な文章を書くこと。
第四に、新聞を読みニュースを見ることにより、 現代の動向をよく知ること。 また、情報の効率的な収集方法について絶えず気を配ること。
デジカメが見当たらない。どうも一昨日四条に行ったときに、 店に忘れてきたようだ。
某痴人を見送るために、なんと朝5時に起きて関空へ。 下宿を出発しようとして、手袋がないことにも気付く。 どうやらおれは持ち物をポロポロと落としながら歩いているらしい。
さっきやっと帰ってきた。電車で行くと関空は遠い。 ついでに駅の売店で昨日のDaily Yomiuriを買う。 この新聞を買うのは一年以上ぶり。
風邪はほぼ治まったようだ。しかし早起きで寝不足なので、 これからしばらく寝ることにする。
うわ、ジョーイ・ラモーンが`What a wonderful world'をやっているのか (もうすぐシングルがリリースされるようだ)。 この人やっぱりポップだなあ。
6時間ぐらい寝る。 起きてから昨日作った、あまり味のしないおでんを食べる。 某君からミカンをもらう。
渡辺某のCMの魅力に負け、 大晦日に買った梅酒をほぼ空けてしまう。 1:1ではきつくておいしくないので、 3:1か4:1ぐらいでお湯割りを作っている。うまい。
さて、勉強勉強。いや、その前に混沌とした部屋を大掃除する必要がある。
そういえば昨日からCNN.co.jpが無期休業になってしまった。 某君が朝日新聞の講読を打ち切ってしまったので、これも困った。 産経か読売でも取り、毎朝社説を読んで噴飯しようか。
これを見ればヘーゲル哲学がわかるというので(The Philosophers' Magazine Issue 15を参照)、 見てみた。実存主義もわかるようだ。
中年男デヴィッド・ダンは、 かつて妻のためにフットボール選手としてのキャリアを断念し、 今はしがない警備員をやっているが、 現在の人生に意味が見出せず、妻ともうまく行かず欲求不満気味。 彼は不思議なことに今まで一度も病気に罹ったことがなく、 数度の大事故からも無傷で生還している。 ある日彼は身体が極端に弱いマンガコレクターのイライジャ・プライスと知り合い、 自分がヒーローであることに気付いていく。 しかし、彼のアイデンティティの自覚が同時にイライジャの アイデンティティの自覚をも引き起こすことになる…。
展開は割と地味で、派手なアクションシーンもないが、 物語と映像がよいのでぐいぐいと引き込む力がある。 終わりがあっけないので、 この不気味な感じで続編が出るならぜひ見たいところ (たぶんないだろうけど)。
バーベルを持ち上げるシーンや階段を転げ落ちるシーンが非常にリアルに 撮られていて息を飲む。 これよりもシックスセンスの方がおもしろいらしいから、 それも見なくてはなるまい。よくできた映画。B-。
起きたら午後になっていた。 まだ頭痛が少しするが、ひょっとしてこれは梅酒のせいなのだろうか。
「ひさしぶりに日記の整理をする」
「できればこの二週間のあいだに撮った写真もまとめて掲載するつもり」
「ん、また擬似対話型にするの」
「う〜、勉強しないと。しかし、『インビジブル』と『シックスセンス』 も見たい」
「BBC RadioがWindows Mediaでの試験期間を終えてしまい、 当面またReal Playerでしか聞けなくなった。不安定なんだよね、 これで聞くと。音質が悪くなるし、ときどき途切れちゃうし」
「ついテレビの大食い競争(UHFでやってたやつ)を手に汗を握って見てしまう」
「最近撮った写真をまとめてみた。 残念ながらあまりいい写真はない」
「それがきみの実力でしょう」
「外国で撮った写真は被写体が良かったから」
「や、やかましっ」
「あ、(setq html-helper-do-write-file-hooks t)ってやればMeadowでも タイムスタンプを更新できるんだ」
「きみはまだそういう小学生レベルのことを言ってるのか」
「いや、できないことはあきらめるという主義で…」
「それじゃ全然だめだ。Unixの世界ではought implies canではなく、 want implies can、つまり、 やりたいことはできるという信念で行動せねばならんのだ。もっと勉強せい」
「了解しました」
「NHKで宇宙開発のシリーズ(宇宙 未知への大紀行)が再放送されている。 今、火星のテラフォーミング(地球化)について説明している。 おもしろいなあ」
「火星人のきみも今のうちに火星倫理についてウェブサイトで論文を発表しといたら? 先駆的な作品として50年後ぐらいに評価されるかもよ」
「いや、ほんとに、こういう番組を見ると、 倫理学やるよりも科学者になってノーベル賞もらった方がよかったなあと思いますよ」
「だれがノーベル賞もらえるんだ、だれが」
「やっぱり、子供にはNHKしか見せちゃだめですよね。 民放見せると、 大きくなったらアイドルかコメディアンになりたいと言いだすだけでしょ」
「大食い競争に出るとかな」
「野依氏とか江崎氏とかが子供が自然科学よりも人文科学を選ぶ傾向にあると 嘆いていたが (ここ参照)、 やっぱり月旅行とか原爆とかエキサイティングな科学の発展がないとな」
「あと、SF作家ががんばるとかも重要ですよね」
「しかし、医学の発展は目覚ましいですが、医学研究者は増えているんでしょうか? かならずしもある分野の発展がその後の研究人口の増加を保証するとは 限らないんじゃないですか? むしろ自然科学の研究人口を増やすためには教育界が学生の思考を操り、 NHKが科学偏重の放送をし、 民放は科学者が電子顕微鏡を覗く姿を水着姿の女性がうっとりと 見つめているCMを流し…」
「テレビを見つつ、ボーっと生命倫理のシラバスをネットで探してみたり」
「あれっ、某大学の書類提出の〆切が今月6日になってるけど、 これって日曜じゃん。いったい何を考えてるのか」
「今日までに出せってことじゃないの、それは」
「昨夜は風呂に入ってから寝た」
「韓国に電車で旅行する夢で目が覚める。 日韓トンネルを掘れという神のおつげか。 起きたらお昼すぎだった。 とりあえずうどんを作って食べる」
「さて、某非常勤の書類を完成させねば」
「クローン羊のドリーが関節炎(arthritis)を患っているそうよ」
(see BBC NEWS: Cloned sheep Dolly has arthritis)
「もう5才半でしょ、そのぐらい当然じゃないの」
「そうよね、 この病気の原因がドリーがクローンであることと関係があるのかどうかは ちょっと難しいとこだと思うけど、 動物愛護論者はしてやったりと騒ぎたててるらしいわよ」
「なに、ドリーが関節炎? ふん、 どうせヒマな研究者がドリー相手に関節技でも試してたんじゃないのか」
「夕方、某非常勤先の書類を適当に書きあげ、速達で送る」
「どうもこの手の書類はうまく書けない。修業が必要だ」
「それから、デジカメを探しに四条へ。 先月30日に行った店二軒に寄ってみるが、 そんなものはないと言われる」
「い、陰謀だ、ビンラディンの仕業に違いない」
「失くしたのはあなたの責任でしょ。 なんでもあの人のせいにしないの」
「するといったいどこで失くしたのか。 先斗町を歩いているときに盗られた?」
「部屋のどっかに転がってるんじゃないの、どうせ」
「いや、何度も探してみたけど、今回は出てこなかった。 仕方ないから明日市バスの落し物相談所に訊いてみて、 なかったら新しいのを買おう」
「まあ、そろそろ買い換えどきだったからね。 ちょっとイカれかけてたし」
「またまた、くやしいくせにむりやり合理化して。 新品同然の充電池も入ってたのに」
「そ、そうだった…。やっぱりビンラディンの陰謀だ」
「だから、人のせいにしないの」
「それから喧噪の四条をあとにし、 下宿近くの某スタバで今日のDaily Yomiuriを読む。 講読しようかな、この新聞」
「ついでに買物を済ませ、下宿に戻って夕食を作る。 トマトとガーリックのスパゲティ、トマトとモッツァレラのチーズ、 ブロッコリ。ブロッコリは煮すぎてボロボロになった。難しい」
「ちょっと予算をオーバーしてない?」
「野菜が高いから、ほんとに。 ブロッコリ一つ200円というのはいったいどーいうことだ。 責任者出せ」
「こ、これこそ陰謀だ」
「日本の農家には悪いけど、ちゃんと自由化してほしいわよね、 農産物。日本も早くASEANと自由貿易協定結んでちょうだい。 AFTA加盟賛成。自由競争万歳」
「けど、ヨーロッパやアメリカやアジアにおけるこの地域協力の動きと、 かつてのブロック経済ってどう違うの?」
「そりゃあ違うでしょう。違うよ。ぜんぜん違う」
「だからどう違うの」
「違うったら違う。おれじゃない。おれじゃない。おれは無実だ」
「い、陰謀だ」
「陰謀じゃなくて、ごまかしじゃないの」
「2000年に結婚したのは約80万組。離婚はほぼ29万組」
「もうちょっとがんばれば半分だな。たしか米国はそのくらいだったろう」
「生まれた子供の数は120万弱。どんどん減ってるようだ。 あれ、おれの世代(1993年から1995年に成人した第二ベビーブーマー世代)は 学生数がまだ多かったので、 この世代が繁殖期に入ったらすこしは増えるはずなんだけど」
「もう繁殖し終えたんじゃないの、あなたの世代は。 もう生物としての役目を終えたんじゃないの」
「いや、おれはまだこれから…」
「もう遅い遅い。今ごろみんな産卵のために川を遡っているころよ」
「死亡者数は100万人弱。暗記のためにくりかえすと、 結婚数は80万、離婚数は30万弱、子供は120万弱、死亡者は100万弱」
「ついでに、ガンの死亡者は30万だそうよ」
「接続中です...」
「ん、何おまえ? Real Playerか?」
「接続中です...」
「だから何だっての」
「いつまで経っても接続中です...」
「何か読みたくなり、先日原宿の某ブックオフで買った筒井康隆の 『わたしのグランパ』を読む」
「接続中です...」
「非常に読みやすく美しい日本語で書いてある小説。 孫娘と町の人びとの幸せのためには自分の命を捧げることも厭わない、 肝の座り、小粋で、謎の多い老人を描いた短編」
「でも、スチームバギーならその必要はありません」
「話の展開は非常によくできていておもしろいんだけど、 ちょっとおじいさんの徳が高すぎるというのがあれだな。 神さまみたいで愛敬がないというか」
「なんか、『青春の門』を思い出しました」
「浮気したヤクザの娼婦がコンクリの壁に顔を押しつけられたまま 十数メートル引きずりまわされるというくだり、ほんとに痛そうだった」
「それで何がいいたいの、この小説は」
「現代の日本社会にはこんな大人が必要だっていうことじゃないの」
「大人たちが自分のことばかり考えて住んでいる町のことを考えないから、 子供たちもヤクザもはびこってダメになっちゃうんだってことかな」
「大人は勇気を持って子供やヤクザに対面しろ、ということか」
「あと、夫はちゃんと妻の性欲を満たせ、とか」
「父がダメなんだよね。 団塊の世代の父がダメだから超人的な祖父がなんとかしてやる。 けど、最後まで父は祖父の偉大さを理解できず、 孫娘が祖父の遺志を継ぐ。これからは女性の時代だと。そういうことかな」
「なに、その説教くさい読み方は」
「ちょっとした寓話だよね、この物語は。いろいろな意味が読みとれる」
「というわけで、評価はB。よくできた短編」
「小説を読みながら、 ついでにテレビでやっていた『グランブルー』もついでに見た。 イルカ男の物語。いつのまにか終わっていた」
「電話で起こされる。眠かったがせっかくなので起きてシャワー、朝食」
「ちょっと喫茶店でも行って勉強してくるか」
「豚細胞の表面にあるアルファ1ガラクトスという糖を取り除ければ、 豚の臓器を人間に移植できるそうだ」
「人びとの偏見も取り除かないと、異種間移植はできないでしょ」
「異種間移植はゼノトランスプラント(xenotransplant)と言います。 ゼノは異種とか外部とかいう意味で、今流行りの言葉はxenophobia、 つまり外国人嫌い。ドイツや英米で流行っているとされる病気です」
「ヘイトクライム、はんた〜い」
「はんた〜い」
「市バスの事務所に電話して問い合わせてみましたけど、 やっぱりカメラの届出は出てないそうです」
「どこかで失敬されたんだろ。あきらめて新しいのを買いな」
「そうですね、お金に余裕ができたら、前回のよりも少し高性能なのを買います」
「朝、英字新聞を買いに出かけると、 あてにしていた近くの某ファミリーマートがつぶれている。 しかたないので20分ほど自転車で近所をうろついた末、 下宿から10分ほどのところにある別の某ファミマを見つけ、 そこでDaily Yomiuriを入手する」
「定期講読すれば?」
「現在、某君と前向きに検討中です」
「それから某スタバに行き、新聞を読む。 『倹約するためには某スタバなんかに行っちゃだめだ』という記事を、 カフェラテをすすりながら楽しく読む」
「その主張を真面目に受けとるなら、 カフェラテをすすることはできないはずよ」
「あ、ヘア読まないと」
「新聞を読むとお昼を過ぎていたので、 下宿に戻りスパゲティを作って食べる。 眠いので昼寝をしよう」
「ほんとぐうたらね、あなたは。 某君の修論草稿を読まないといけないでしょう」
「今日中に読みます。ぜったい。あとマッキーも読みます」
「思い切り寝てしまう。気付いたら9時」
「某仙人が しゃべり場について、 いたいけなコドモを搾取する番組だということを語られている。 たまたまテレビをつけたらやっていたので見てみたが、 『人は平等って本当ですか?』という題目だったので、 おもしろく見た」
「差別がある現実は変えようがないから、自分が変わるしかないっていう ストア派みたいな意見が多いのが印象的だった」
「道徳も法も若者にはいかんともしがたいっていう悲観的な世界観だよね」
「現実的っていうんじゃないの、それ。あんたは理想しか見えてないから。 安楽椅子の哲学者」
「たしかに、真剣に語る子供たちを見せ物にしてるという感じもあるな」
「いや、そんなにひどくないんじゃないの。 民放だったらもっとお笑いにしちゃうわけでしょ。 あ、お前なに泣いてんの、みなさん泣いてるよこいつアハハハ歯、みたいな」
「あんなの学級会でやればいいじゃんっていうけど、 見本を示すという意味もあるんじゃないの。 学校だけでやることは、学校くさいと敬遠されるでしょ。 テレビでやることによって、 ああいう風にしゃべることはカッコ悪いことじゃないんだってことを 示す働きがあるかも」
「だったら、テーマ曲に忌野清志郎はないんじゃないかな」
「お、おれのどこが悪いんだ」
「あ、すいません。悪いというつもりはないんですけど、 議論することがインだということを示すのに忌野清志郎や尾崎豊はどうなのかな、 と言いたかったのです」
「差別だ差別だ」
「もちろんぼくはお二人のどちらも好きですよ」
「若いアイドルが一般に搾取されているというのは賛成。 モーニング娘。はマルクスかフェミニズムを勉強して蜂起する必要があると思う。 全国のアイドルたちよ、団結せよ」
「いや、あたしアイドルですが、あなたの言ってること、 よくわかんないんですけど。あたしチヤホヤされて幸せだし。 かっこいい彼もいるし、いつも眠いけど、お金もたくさんもらってるし。 お金持ちの実業家と結婚すれば、アイドルやめたあとも幸せに暮らせると思う。 あたしは食い物なんかにはされてないわよ」
「いや、きみはそう思っていても、 実は搾取されていて人間性から疎外されているというのが フェミニズムの主張であり…」
「そんなこと言うのは、アイドルになれないあなたのヒガミじゃないの。 ルサンチマンよね」
「というわけで、次回のしゃべり場の議題は『モーニング娘。は搾取されているか』 でお願いします」
「う〜ん、新聞を読んだら終わってしまう一日って…」
「そういえば、12月の中旬に手に入れたCD」
「テレビを見たりマッキーを読んだりしているとあっという間に 夜明けになってしまう。もう寝よう」
「そろそろ読書会の準備もしないと」
「あ〜、なんでもうこんな時間なんだ。もっと時間を大切に使わないと」
「時間、金、水、ガス、電気、みんな節約しなさい」
「ひっ。起きたらもうこんな時間」
「昨日のDaily YoumiuriにあったChicago Tribuneの記事(`A Nation Alone')はおもしろい。米国の外と内での米国観の違いをアンケート調査をもとに 論じた記事で、 米国の記事にしては自己批判的、内省的なのでおもしろく読んだ」
「どんなことが書いてあるの」
「それによると、 米国人の多数は米国が世界的に人気のある理由を、 『米国が世界の国々に善行をなしているから』と考えているのに対し、 非米国人はそのような理由から米国を尊敬しているわけではなく、 主に『科学技術が進んでいるから』という理由からだそうだ」
「まあ、科学技術が進む背景には、 自由主義と民主主義の徹底という要因があるわけだけどね」
「一方、なぜ米国が嫌われるのかについては、 米国人の7割が米国のイスラエル支持を理由にあげ、 9割近くが米国の覇権に対する憤概だとしているのに対し、 非米国人、とくにヨーロッパ人が挙げた一番の理由は、 米国主導のグローバル経済が富者をますます富者に、 貧者をますます貧者にしているというものだったそうだ」
「ふ〜ん、そうなの。 おれは米国の文化的な一方通行主義が原因なのかと思ってたよ」
「この記事は、 この米国と内と外での意見の違いをまずよく考える必要があり、 もっと外国の意見に耳を貸さなければいけないと締め括っています」
「Chicago Tribune、なかなかいいじゃないの」
「日文研の井上章一によると、 日本のプロ野球12球団のうち、複数のsの発音を誤って用いているのは、 現在ではタイガースだけだそうだ (Tigers fans proud of team's 'incorrect' name)」
「タイガーズじゃないとおかしいもんね」
「むかしは松竹ロビンスとか阪急ブレーブスとかもあったそうだけど」
「井上氏は『理性的存在となる年齢』に達して以来40年近く 阪神を応援してきたそうで、この間違いもむしろ誇りに思うべきことだ と主張している。『このことはすばらしいことだと思う。 プロ野球の世界で阪神タイガースだけが、 英語の下手な日本人の誇りと魂を代表している』そうだ」
「ものは言いようですな」
「夜、あっという間に夜」
「ちょっと大学に行き、某君に某コメントを手渡したあと、 喫茶店に寄りたい誘惑を振り切って帰宅。買物したけど」
「金ないんだよね、今。かなりやばい。けど、下宿でぼんやり新聞読むよりは、 やっぱ喫茶店で集中して読んだ方がいいね」
「Daily Yomiuri、本気で講読しようかなあ」
「離婚したてのケイト・ウィンズレットの、仮定法過去完了のラブソング」
あたしはもうひとりぼっち
胸の中には重い気持ち
消えさってくれそうにない
頭の中では過去を振り返ってばかり
出会ったときから終わりのことまで
あなたの心を変えたのは何だったのかしらと
がんばってみたけど
あきらめなくちゃならなかった
でも一つの問いが今も心をかきみだす
あなたを手放さなかったらどうなってたかしら
むかしのあなたに戻ってくれてたかしら
あたしが留まっていたなら
あなたが努力していたなら
時間を遡ることができたなら
だけど答えは永遠に知られないでしょうね
道はたくさんあり
喜びにいたる道も
悲しみにいたる道もある
誰だって道を迷うもの
もしあたしが道をひきかえして
一からやりなおそうって言ったら
あなたはうなずいてやりなおしてくれるかしら
こうしておけばよかったって考えたりする?
あたしがあなたのそばを離れなければよかったって思う?
あなたを手放さなかったらどうなってたかしら
むかしのあなたに戻ってくれてたかしら
あたしが留まっていたなら
あなたが努力していたなら
時間を遡ることができたなら
だけど答えは永遠に知られないでしょうね
時間を取り戻せたなら
やりなおせるならあなたはあたしのものになってくれる?
だってがんばってみたけど
あきらめなくちゃならなかったから
でも一つの問いが今も心をかきみだす
あなたを手放さなかったらどうなってたかしら
むかしのあなたに戻ってくれてたかしら
あたしが留まっていたなら
あなたが努力していたなら
時間を遡ることができたなら
だけど答えは永遠に知られないでしょうね
答えは永遠に知られないでしょう
Sung by Kate Winslet (Written by Steve Mac/Wayne Hector)
「いや、すべて因果的に決定されてるから土台無理なんだよ」
「なによあなた、ロマンがないわね」
「夜は水炊き。明日は魚を買ってきて入れよう」
「ACADEMIC RESOURCE GUIDEのメールマガジンを講読しはじめる。 なかなか役に立つ。 が苦心 がんばれというサイトがあることを知る」
「来年出す人はこれでも見てがんばってください。とか言って」
「何をエラそうに。し、し寝」
「君もまぐまぐでメルマガ作ってみたら? 倫理学批評雑誌。危ないやつを」
「いいですね。ちょっと考えてみます」
「明日でデヴィッドボウイも55才だそうだ」
「あれ、英辞郎で調べると『焦点を当てる』という表現が出てくるな。 ずっと誤用だと思っていたが、そうでもないのか」
「焦点は合わせるものです。焦点は絞るものです。焦点は外れるものです。 焦点はぼやけるものです。焦点を当てるはおかしいです。き、きい」
「いや、それでもいいんだけど、 『焦点を当てる』に代わる良い表現がなかなかないんだよね。 『照明を当てる』という表現はあまり通用してないし」
「ひさしぶりにコタツで寝てしまった。大汗をかく」
「まだ寝たりん。ふとんで寝るぞ」
「と思ってふとんで寝たら、またお昼すぎまで寝てしまう。堕落」
「シャワーを浴び、新聞を買ってから歯医者に行く。 歯茎をもっとマッサージするようにと言われる。 レントゲン撮られる。来週に左下の親不知を抜くことになる。 神経が近いのでことによると下唇の感覚が麻痺するかもなどと 怖いことを言われる。大丈夫か。憂鬱」
「ちょっと早く行ったら、受付のお姉さんに『まだですよ』と言われる。 わかってるってば。 歯医者に来た理由を問われ『親不知を抜いてほしいんですが』と答えると、 『えっ、今日ですか?』と驚かれる。誰も今日だって言ってないだろうが」
「何怒ってるの」
「いや、なんというか、プロらしくない相手の反応に…。 女医の先生はなかなかいい先生だったんだけど」
「そういう人とうまく会話する方法を学ばないとね。 世の中、人間のできてる人ばかりじゃないから」
「きみが人のこと言えるかってーの」
「世代間倫理を遂行中」
「なにそれ」
「いやなに、後輩の論文にケチを付けてるの。 昔おれも同じことを先輩にやってもらったんで…」
「先輩の洞察力はすごかったよなあ。 きみも勉強だと思ってちゃんと見てやれよ」
「了解了解」
「事務から、某科研費で電話機は買えないという知らせが来た。 やばい。あの電話機けっこう高かったんだよなあ」
「その分本が買えるじゃん」
「それよりも、他に買ったものも私費で払えと言われると、 ちょっと今は困る。本棚とか…」
「電話機は電話機を研究してないかぎり科研費では買えないんだって」
「だったら急いで某千葉大資料集に書く論文の題目を変更してもらって、 『電話機を家族で使用するときの倫理』とかにしたら?」
「あ、それ名案! とか言って。そんなの無理だってば」
「後輩の論文草稿を見終わり、水炊きを作って食べる。 今日はタラ(鱈)入り。ひさしぶりに包丁で肉を切った」
「さて、これから何をしようか。読書会の準備だな」
「もう眠くなってきたけど」
「何を言ってるんだ。新聞もまだ全部読んでないし。勉強しろ」
「某しゃべり場の 『人は平等って本当ですか?』 の掲示板。 若者の考えが聞けて参考になる」
「ミルの勉強。バーリンの論文を読んだり」
「あれ、この論文、よく考えたら、 去年の法哲学の授業のときに読んで発表してるじゃないか。すっかり忘れてた」
「勉強勉強勉強。読むべき本は腐るほどたくさんあるんだから、 遊んでないで勉強勉強」
「腐るんだったら君に所有権はない。わたしによこしたまえ」
「いや、腐らないです」
「このごろ、何時に寝てもお昼の2時に目が覚めてしまう。 病気だ」
「ふとんの居心地が良すぎるんじゃないの」
「某名誉教授はかつて、何時に寝ても朝の5時に目が覚めるって言ってたよね」
「あの先生はいつも居眠りしてたから」
「というか、年でしょ」
「違うっつーの。あの先生はナポレオンのような偉大な人だから、 ほとんど寝なくても充実した活動ができたんだって。ちゃんと見習えよ」
「穏当な意見が出てきたところで、これにて閉会」
「昼下がりに大学に行き、雑用。博士課程年次報告を出そうと事務に行くと、 『それは明日明後日やねえ』と受けとりを断われる。う〜む」
「さ、勉強勉強」
「クローズアップ現代、バスの規制緩和について。勉強になる」
「国谷さんでしょ」
「国谷さんです」
「何それ」
「新聞を読んでいたらもうこんな時間」
「1ドル132円、1ポンド191円…。旅行するのが嫌になってきたな」
「今日はビデオを借りてきたから映画見よう」
「某シラバス書きに頭を痛めたり」
「心理的スリラーだっけ、そういう分野の映画。 子供が死人を見れるというような話」
「ホラーでしょ、これ。一人で見るのめっちゃ恐かった。 トイレに行くのも。うちの下宿は、どこにいても白い息が出るし」
「最後のオチを別にすれば、B級のホラー映画だよね。 あの驚きで傑作ということになるんだろうか。 たしかに子役はうまいけど、なんてことない映画じゃない?」
「いや、オチまでよく計算されてるとこがすごいんでしょ」
「しかし、だからどうだという気もする。 そんなに奥の深い映画か?」
「そんなこと言って。びっくりしたくせに」
「いや、びっくりしたけど。 たしかに『アンブレイカブル』と良く似てる。構成もよく似てる。 どっちがおもしろいかと言うと、『アンブレイカブル』だったと思う。 この映画はC+かなあ」
「しかし、 ブルース・ウィリスが自分の状態に最後の最後まで気付かないのは変だよなあ。 ふつう、ずっと妻に無視されてたら気付くと思うけど」
「そこらへんは不思議なところなんでしょ」
「今日は昨日より1時間早起きした。というか、電話で起こされたんだけど」
「勉強しろ」
「英国からの郵便物がいくつか届かないので、 近くの郵便局にちょっと尋ねに行ってみた」
「ロンドンの寮にいるころから、メイルのトラブルが多くて嫌になります。 ほんと、郵便物がまともに届かないというのは頭が痛いですよ」
「しかし、郵便局の方では普通郵便に関してはその地域の配達人に訊いてみる ぐらいで他にはたいしたことはできないようです。 それでも担当の人が親身に調べてくれたので、まあありがたいことでしたが」
「もっと文句言わんとあかんがな。顔が青くなるまで」
「まあ、仕方ないです。 今後は郵便物は届くのが奇跡だと考えることにします」
「大学に行き、年次報告を提出。こないだの関倫の論文を提出しておいた」
「新しい学生証も発行を頼んでおいた。来週か再来週になるとのこと」
「まだもらってなかったのか」
「以前くれと言ったら、写真がいると言われて、そのままになってたんですよ。 こないだようやく証明写真を撮ったから、ようやく」
「たまっていた科研費の書類も少し出しておいた。 年度末なので今後は同時請求にしてくれとのこと」
「某研究室はあまりに殺伐としているので、 なんかBGMでもかけた方がいいんじゃないのかな」
「しかし、どんな曲をかけるかでケンカになるでしょう」
「むむむ。じゃあ穏当に某イズミヤか某CGCグループのテーマソングとかは?」
「気が狂うっちゅうの」
「それから某ルネに行き、CDを一枚購入。最近出たアバのベスト。 英国ではまた再評価の声が高まっている様子」
「それから某スーパーに行きカレーの材料を買い、 下宿に戻る。下宿に戻ると、 なんとThe Philosophers' Magazineの第17号が届いていた」
「これがいつまで経ってもこないので郵便局に行ったんですけどね。 不思議ですね。 Amazon.co.ukに注文してからすでに一ヶ月以上待っている 『フォールティ・タワーズ』のDVDも早く来てくれるといいんですけど」
「呪われてるんじゃないの」
「さて、そんなこと言ってないで、勉強勉強。新聞も読まないと。 ああ、本当に勉強しないと。こんなぬるま湯な生活をしていたら、 頭が溶けないまでも、ちっとも前進しない。本を読まないと。 みんなと議論しないと。読書会の準備をしないと。 あ、読書会の準備がプライオリティだった」
「カレー食べる。シーフード・ナス・カレー」
「NHK、日本を動かした15人。東条英機って、 GHQに捕えられる前に自殺を図ってたのか。 しかし、米国の医学の力によって一命をとりとめ、 無事極東裁判で裁かれ死刑で殺されたのだった」
「明治維新の話を聞くたびに暗くなるよなあ。 ああやって若者が世界を動かす時代って、ふたたび来るんだろうか」
「なんか教育が間違えてるんだよなあ。骨抜きにされてるというか。 ミルやトクヴィルが言うように、 民主主義社会では人間が平均化されすぎていて見渡すかぎり凡人しかいない」
「というか、なぜ君や君の友達がそういう人間じゃないのか、 その原因を考えてみるべきなんじゃないの。もうすぐ28才にもなって、 まだ名を成してないって、情ないと思わないの?」
「いいんだ、おれ小市民だし。イチローじゃないし」
「そんな情ないこと言ってないで、がんばりなさい」
「The Philosophers' Magazineからメイルがあり、 雑誌の到着が遅れたおわびに、 20号までは無料にしてくれるというメイルがあった。 英国人にしてはなかなか話のわかる人々だ」
「ウィリアム・ジェファソン・クリントンがエッセイを書いている」
「だれ、そのウィリアム某って?」
「ビル・クリントン大統領のこと。 たいしたことを書いてないんだけど、 彼によれば、現在の世界が相互に依存していることを示す顕著な例は、
「なるほど。3番目と6番目はどこらへんが世界の相互依存の例なのかわからんが」
「とにかく、テロを含めこうした相互依存がもたらす害悪は、 先進国が後進国と協力して撲滅していかないとならないそうだ (`Struggle for soul of 21st century', The Daily Yomiuri, 09/Jan/2001)」
「なるほど。倫理学者たるもの、それぞれの問題に一家言持たねばならんな」
「倫理学者じゃなくても、世界に関心がある人なら、 一家言も二家言も持たないといけませんよ」
「一日中ぼーっと新聞を読んでた気がするな、今日は」
「だめだだめだだめだ。何をするにももっと集中してやらないと。時間の無駄」
「映画観よう、映画。それからシンガーとバーリンを読もう」
「主人公は、 研究仲間のみなから尊敬されつつも敬遠されている天才マッドサイエンティスト (ケヴィン・ベーコン)。 動物実験によって生物を透明化する方法を発見したあと、 自らが実験台になって透明化する。 しかし、元に戻れなくなり、実験が失敗したことを知った彼は、 証拠隠滅のために研究仲間を殺すことを決めたのだった、てな話」
「倫理学的におもしろいかなと思ったけど、 今いち深みがない。 登場人物も脇役はあまり特徴づけのないままさっさと死んでしまったし。 マッドサイエンティストの描き方もお決まりのパターンでつまらない。 ネタはいいし、CGを駆使した映像もおもしろいけど、 つっこみが足りないので、平凡なハリウッド映画に終わってしまっている。 評価はC」
「おれなら、ヒロインも透明にして、片方は不道徳になるが、 片方は思い留まって道徳的であることを選ぶってなストーリーにすると思うな。 男か女のどちらが不道徳になるのかが問題だ」
「けど、二人が透明になって互いに闘い合った場合、 何も見えなくておもしろくないんじゃない?」
「う〜む、なるほど。そういえば、ホラー度も低かったな」
「時間の無駄してないで、勉強しろってば」
「いや、映画を観るのも勉強のうちです。人生、これすべて勉強なり」
「なにをたわごとを」
「生命倫理学の勉強。自己決定権、パターナリズムなどを少々。 バーリン読めず。やばい」
「朝、某用事でJR京都駅に行ってきた。 ついでに某ソフマップでコンピュータを見てくる」
「やっぱり次はIBMのB5ノートにエッジですかね」
「IBMにこだわる必要あるのかな。SOTECとか安いし。CASIOとかも」
「う〜ん、やっぱりIBMはデザインがいいし、信用できそうだし」
「ブランド志向だなあ。もっと冒険しろよ。それに、 s30のデザインってそんなによくないんじゃない?」
「B5以下のノートはちょっと使えませんね。 VAIOでモニタもキーボードも小人用みたいなのがありましたけど、 あんなのどうやって使うんでしょう」
「下宿に戻ってきてから、 英数字キーボードを外してノートのキーボードを使うことに決める」
「ちょっとね、この英数字キーボード、メカニカルタッチで良かったんだけど、 AとUが出にくくなっててね、しんどいの。最近はひどくって、 腕を高く持ち上げてキーの50センチ上から気合いを込めて垂直に打ち下ろさないと 認識しなくなってたんだよね。いちいち『えいやっ』って叫ぶのもたいへんだからね、 AとUを打つために」
「そんなおおげさな」
「1863年の今日、ロンドンで地下鉄が走り出したようだ。 はじめはパディントンからファリンドン通りまで」
「ちょっと昼寝をしようと思ったが就寝に失敗する」
「なんだそれ」
「腹が減ったので昨日のごはんの残りを温めてカレーを食う」
「一晩経ったカレーは、なぜか非常においしい。もぐもぐもぐ」
「ごはんが炊けてないのでお腹一杯になるくらい食べれないのが残念」
「『ら』を抜くな。食べれないじゃなくて食べられないだ」
「ドイツで修業中の某君がユーロのコインを送ってくれる。 これまたなんとも憎らしい配慮。感謝感激する」
「そんなに彼が憎いの?」
「いや、そうじゃなくて。日本語を勉強しなさいよ、きみ」
「渋谷でクリムト展をやっているらしい。 渋谷のあとは松江に行ってしまうそうだ」
「正確にはウィーン分離派展ね」
「あ、某用事で今月中旬に東京に行けば、これも見れるな」
「しかし、いかんせん金が…。今銀行の口座を調べたら、 足が震えるくらいお金が入ってなかった」
「金ぐらいなんとかしろ。這ってでも行け」
「う〜ん、実存主義をちゃんと勉強したい…」
「不誠実な生き方してるからな、君は。 サルトルに足腰を鍛えてもらえ」
「実存主義やるんだったら現象学もやらんとな」
「実存主義やるんだったらマルクスも勉強せんとな」
「クローズアップ現代、おもしろいなあ。今日はPR会社の実態について」
「国谷さんでしょ」
「国谷さんに決まってますよ」
「だから、なんですか、それは」
「東欧の貧しい女性がだまされて西欧で風俗産業で働かされるという問題があるが、 これのアジア版は、 南西部の貧しい中国人女性がバンコクなどに売り飛ばされるというもののようだ (`Growing trade in Chinese women feeds Asia sex industry', The Daily Yomiuri, 10/Jan/2002)」
「ひ、ひどい。女性の人権が蹂躙されている」
「タイの風俗産業のもうけは一年に200億ドル、つまり2兆を超えるそうだ」
「ひ、ひどい。女性の人格が無視されている」
「必要なのは教育だよ、教育」
「教育教育って、どんな教育なの? 性教育か? 倫理学? フェミニズム?」
「ひ、ひどい…」
「ひどいひどいって言ってないで、何かしろよ」
「関連サイト: Human Rights in China」
「話は変わるが、今日はロッドスチュワートの57才の誕生日らしい」
「そんなことはどうでもいいから、中国の女性を助ける算段を考えろ」
「いや、そんなことを言っても、安楽椅子の哲学者には何にもできないわけで」
「あ〜、だめだだめだ、そんなこと言ってたらおしまいだ。NGOに参加しろ。今すぐ」
「前向きに考えますので、ちょっと時間を下さい」
「何が時間だ。こ、この堕落した日本人が。コタツに入って半纏を着て、 インターネットでラジオを聴きながら恵まれた生活しやがって。 こ、この、しし、死ね。 きさまにはお腹がすかしたまま寝るやつの気持ちさえわからんだろう」
「い、いや、ちょっとはわかる気が」
「わかるかっ」
「あれ、上のネタは今日のDaily YomiuriのCalvin and Hobbesのパクリじゃん。 だめだよ、知的所有権を侵害したら」
「あ、ごめんごめん」
「く、くだらないこと言ってないで、真剣に考えろっ」
「ふたたびカレーを食べる。ごはんを一気に一合半食べてしまった」
「ちょっとホッブズについて勉強」