一般社団法人 京都府臨床検査技師会
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会報 理事会議事録 研修会報告
研修会報告(平成22年度)
微生物分野

10-071


日時:平成23年02月17日(19:00〜20:30;京都保健衛生専門学校)
参加人数:24人

主題:肺炎と尿中抗原迅速検査, 尿中抗原検出キット Binax NOW レジオネラ・ 肺炎球菌
講師:原 哲郎 先生(インバネス・メディカル・ジャパン(株)学術サポート室)

日本呼吸器学会から「成人市中肺炎ガイドライン」および「成人院内肺炎ガイドライン」が出されている。その中には重症度を判定するための指標や、治療の目安、検査の目安が示されている。検査では品質管理、グラム染色、培養検査、迅速検査などが取りあげられている。検査技師として尿中抗原検査の原理と判定に関する注意を理解しておくことが必要である。
市販されている尿中抗原免疫クロマト法による検査には肺炎球菌とレジオネラがあるが、インフルエンザ菌や髄膜炎菌などの抗原も尿中から検出されることが報告されている。レジオネラと肺炎球菌は、それぞれ尿中に排出されたレジオネラニューモフィラ血清型1のリポ多糖体(LPS)および肺炎球菌莢膜多糖体(pneumococcal surface protein A)を検出する。
尿中の抗原が検出感度以上に達するまでの時期は発症後3日目以降とされている。抗原は尿中に数日から数ヶ月に渡って排出されることもある。抗菌薬が投与されている患者検体を用いても検査可能である。治療効果の判定には使用できない。尿中肺炎球菌抗原はStreptococcus mitis, S. oralisと交差反応が起こる。腎移植後にウサギ抗体含有薬剤による拒絶反応の予防治療を受けている患者は偽陽性を生じる恐れがある。肺炎球菌ワクチン接種者は偽陽性が生じる場合があり、接種後5日間は検査できない。

平成23年03月30日報告:小森 敏明 (京都府立医科大学附属病院)

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