演題1:慢性肝炎の経過観察と肝細胞癌の診療における血清マーカーの役割
(ヒアルロン酸とαフェトプロテイン L3分画)
講師1:西原 裕子 氏 (和光純薬工業株式会社)
演題2:バリデーション試薬の活用
講師2:荒井 正治 氏 (和光純薬工業株式会社)
慢性肝炎の経過観察と肝細胞癌の診療における血清マーカーの役割ということで、ヒアルロン酸とαフェトプロテインL3分画のお話をしていただきました。ヒアルロン酸は線維芽細胞や肝細胞で作られ、臨床的には慢性肝炎から肝硬変への移行期での肝線維化の指標として血中濃度が測定される。肝硬変やアルコール性肝炎で高値となり急性肝炎などの他の肝疾患ではあまり高値とならない。αフェトプロテインは肝細胞癌の腫瘍マーカーとして普及しているが非肝癌の患者でも高値となることがある。AFPをレンズマメレクチン(Lens
culinaris agglutinin; LCA)を用いた親和電気泳動において分離すると、3分画にわかれ肝癌患者のAFPはL3分画が多くなる。このAFP-L3分画比率を測定することで肝細胞癌と肝良性疾患との鑑別診断、肝細胞癌の早期診断、および治療後の予後管理に有用となる。
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