主題1:分子標的治療におけるバイオマーカー
講師1:柿本 篤志 氏 (株式会社エスアールエル 遺伝子・染色体解析センター 特殊遺伝子課)
主題2:免疫染色コンペ報告、解説
講師2:三宅 秀一 技師 (京都市立病院)
演題1では、最近増えてきている分子標的治療についてのお話をいただいた。遺伝子検査とはどういう検査か、分子標的治療薬とはどういう物かなど基礎的な話からしていただき、実際の肺癌、大腸癌における解析についての話をしていただいた。また、遺伝子検査には病理検査や、細胞診検査で提出された材料からがん細胞を確認して遺伝子解析に回す事が多く、その検査材料の取り扱いの注意点についても話をいただいた。これから個別化医療が普及していく中で、治療薬の選択の部分で病理・細胞部門の役割がますます重要になってくると考えられる。今後もこのような知識、技術の修得をしていくように努力したい。
演題2では治療薬選択に重要な意味を持つHER2の免疫染色について、参加希望をいただいた13施設にて免疫染色コンペを行ったので、その報告及び解説をしていただいた。今回は13施設、14標本での検討だったが、おおむね良好な染色結果となった。検査試薬やキットは主に3社に分かれ、手技も用手法、自動染色装置と分かれていたが大きな差はなかった。参加者からも陽性コントロールの立て方などの意見をもらい、皆でディスカッションでき大変有意義であった。今後もできれば精度管理の時を利用するなどして定期的に免疫染色の精度管理を行いたいと思う。
|