演題1:ドライケミストリーの基礎および精確性の確保
講師1:高吉 尚子 氏 (フジフイルムメディカル株式会社)
演題2:ABC検診で胃の健康度チェック
講師2:関根 和人 氏 (栄研化学株式会社)
今回はドライケミストリー、ABC検診による胃の検査についてお話いただきました。
ABC検診とは現在、日本人の消化器癌の代表でもある胃癌を対象とした検診である。胃癌の危険要因であるヘリコバクター・ピロリ感染と萎縮性胃炎を簡単に判定でき、胃癌の早期発見に有効である。ABC検診は、ピロリ菌(HP)抗体検査と萎縮性胃炎のマーカーであるペプシノゲン(PG)検査を組み合わせたものであり、HP、PGともに陰性をA群、HP陽性・PG陰性をB群、HP、PGともに陽性をC群と判定する。胃癌の発生リスクはC群、B群、A群の順に高くなる。現在胃癌の検診はX線によるバリウム検査が勧められているが、この検診を普及することで胃癌に対しハイリスクの方を対象に胃カメラ検査を実施することで胃癌の早期発見に役立つことがわかった。
ドライケミストリーは緊急検査、中小規模施設で普及している。今回はドライケミストリーの基礎ということで測定原理、試薬の特徴、分析時の注意点などをお話いただきました。
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