一般社団法人 京都府臨床検査技師会
TOPTOPTOPTOPTOPTOPTOPTOPTOPTOP
 
会報 理事会議事録 研修会報告
研修会報告(平成22年度)
微生物分野

10-054


日時:平成22年11月18日(19:00〜20:30;京都保健衛生専門学校)
参加人数:19人

主題:感染症診療と検査 (呼吸器感染), 検体の品質管理, グラム染色所見
講師:林 彰彦 先生(京都市立病院)

呼吸器感染症は身近にある疾患である。症例数が多く原因微生物がウイルス・細菌・真菌等広範囲で多種にわたる。市中と院内で主な原因微生物が異なり、病院毎に細菌検出種類や薬剤感受性パターンも異なる為、Local factorとして施設の特徴などデータを把握することが必要である。感染症の基本原則として、発熱やCRP・白血球の増加は非特異的である事や、重症度を理解し、問題の臓器や原因微生物を整理しておかねばならない。治療において十分量の抗菌薬投与を行い、回復のペースやパターンを予測し、経時的な変化を追いながら検査を進める。
原因病原体検索の流れでは、迅速検査として抗原検査を行い、臓器と解剖からグラム染色で起炎菌を絞り込む。そして血液培養など培養検査を実施する。感染症においては、一種類の細菌が増える事が一般的であるが、誤嚥性肺炎では、上気道の常在菌が原因となる為、複数菌種が観察される。肺炎の起炎菌検索にグラム染色が有用であるが、洗浄培養と品質評価が培養の評価を決める。抗菌薬の選択には微生物学的な原因検索は必須で、効果判定にはその所見の他に、肺に特異的なパラメータの確認を行う。
呼吸器感染症は時に致死的となり、非常に重要な領域といえる。呼吸器感染症の診断に精通することは、検査技師に必要な技量であるといえる。

平成23年03月30日報告:河合 示枝古 (株式会社 いかがく)

研修会の報告ヘ戻る
ページの先頭に戻る
〒606-8395 京都市左京区東丸太町9番地の1 マンパワービル3F  TEL・FAX:075-752-5090  MAIL:kamt-office@umin.org