主題:院内感染対策に役立つ集計の方法
講師1:山田 幸司 先生(京都府立医科大学附属病院)
講師2:河合 示枝古 先生(株式会社 いかがく)
細菌検査結果を感染対策にどう生かすか、細菌検査を外注している状況を想定して、エクセルを用いたパソコン実習を行った。最初に外注会社から検査データをエクセル形式で受取ることから始まるが、属性(患者名、検体名など)と結果(菌名や感受性試験結果など)など必要な情報をお互いに確認することから始める。
次にデータを整理するが、便や喀痰など常在菌を含む検体結果の表現を統一(病原菌陰性・正常細菌叢か菌名の列挙)した後、ピボットテーブル機能を用いて縦横表を作成する。縦の欄には通常細菌名を、横の欄には材料名など必要な情報を選び整理する。ピボットテーブルの利点は、欄の内容を材料→科名→病棟名などと簡単に入れ替えて分析できる事である。
データ整理が一段落したら次に問題点を探す作業を行う。着目点の第一は血液培養陽性などの無菌材料から始め、第二にMRSAや緑膿菌などの院内感染原因菌、第三にカンピロバクターなどの腸炎原因菌や特定菌に注目した検索と傾向を掴むことにある。問題点が明確になったら、日時などを軸にした時間的分析、病棟や病室などを軸にした空間的分析を行い感染の広がりを把握する。最後にグラフや表に現し誰が見ても解るようにする。
問題点を明確にしたら、解決方法を見つける作業を行うが、これにはインフェクションコントロールドクター(ICD)や看護師(ICN)などと協同作業が必要になる。現状の調査、原因の検索、解決方法の模索および再発防止策の立案を経て、マニュアルの改訂や周知となる。実習では仮想データを加工して問題点を見つける作業を中心に実施した。
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