主題:循環器領域におけるバイオマーカーの活用
講師:横山 知子 氏 (シーメンスヘルスケア・ダイアグノスティクス株式会社)
講演では、心不全及び急性心筋梗塞の生化学マーカーと心筋梗塞の早期診断に有用な高感度トロポニンIについての内容であった。
心不全のマーカーであるBNP及びNT-proBNPは人口の高齢化に伴い、年々依頼件数が増加し、心不全の診断、重症度、予後、治療効果を把握するためは重要な検査となっている。
また、高感度トロポニンTは欧州心臓学会、米国心臓学会が推奨している「健常者の99パーセンタイル値におけるCVが10%以下」という試薬であり、微量の心筋トロポニンIを検出し、微小な心筋細胞の障害を捉えることができる。従来であれば、心筋梗塞発症後3〜4時間以上でなければ検出不可能であったが、高感度試薬では特異性も高く早期に検出するこができ、心筋梗塞の超急性期診断が可能となる。
今回の講演では、検体検査に携わる技師のみならず、生理検査に従事されている方にも興味がある内容であったと思われる。
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