味覚変化は、化学療法を受けるがん患者さんの3-7割に見られる頻度の高い副作用の一つです。私は看護教員・研究者の立場で、味覚変化症状の評価や対処法の調査に携わっています。治療中の皆さまが、少しでもおいしく食べられるよう、またご家族やお友達との食事のひとときが楽しみの時間となりますよう、先輩患者さん達の工夫をはじめとした対処法についてご紹介したいと思います。また、このページをご覧頂いた皆さまからも、ご意見やアドバイスを頂きながら、より役に立つ情報を発信してゆきたいと思います!管理人:狩野(かのう)
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甘酸っぱさがポイント!
味覚変化出現時は、すし酢やトマトケチャップ、マヨネーズなどの甘酸っぱい味が美味しく感じられることが多いようです。うま味や塩味に比べて、甘味や酸味は治療の影響を受けにくいことや、食欲が低下しているときに清涼感を与えてくれることが関係しているようです。そう言えば、化学療法中の患者さんには、レモン味の炭酸飲料も大変好まれます。
味覚評価スケールCiTASを公開しました
皆様の味覚変化症状の評価にお使いいただける評価スケールCiTAS(シータス)を公開いたしました。上のボタンを押してお使いください。Excel版については、PCにダウンロードしてお使いいただくと便利です。ファイル名に日付を入れて管理すると、治療期間中の症状の変化が把握しやすくなります。回答を進めてゆくと症状のグラフ表示や、症状にあわせた対処法を見ることができます。ぜひお試しを!
群馬がん患者ミーティングからの報告
群馬がん患者ミーティングにご参加頂いたがん体験者の皆さまから、このページのために体験談をお寄せ頂いたのでいくつかご紹介いたします。
①「水が甘く、味噌汁が苦かった。何を食べてもおいしく食べられなかった。酢を利用した食べ物や、麺類(薄味)で乗り切れた。」(50代女性、悪性リンパ腫のため、R-CHOP療法を体験)②「治療開始から3-4日間が一番つらかった。二日酔いに似た症状で、においに敏感となり吐き気を催した。口が渇き、唾液が出にくい。体重が15Kg
減った。ポッカレモンや味ぽん、酢をよく使った。」(60代男性、悪性リンパ腫のため、R-CHOP療法を体験)
③「インターフェロン治療中、香が不快になり、何でもしょっぱく感じた。治療終了後、半年後に症状が改善した」(60代男性、肝臓がんを体験)
<患者・家族の立場からの医療者への意見>
「妻が乳がん治療中に味覚変化症状があったが、医療者からな特に対処法の指導はなかった」「(本日の講師など)看護師が持っている情報や研究データが医師や薬剤師と共有されておらず、患者や家族の元に届きにくい状況がある。職種間の連携向上を図ってほしい」(70代男性)
「医師は治療方法の説明後に治療選択を迫るだけで、副作用に関する説明や指導は全くない。数ヶ月前に受けた初めてのがん告知が進行がんだったので、味覚変化や食欲低下、吐き気などの副作用を抱えながら、とてもつらい毎日を送った」(50代男性、大腸がんのため、カペシタビン治療を体験)