■研究法	│組織ー免疫組織化学 Immunohistochemistry: IHC│　参考1/2/3

抗原-抗体反応を利用して、抗原に結合した抗体の局在部位を蛍光物質や酵素反応産物で可視化する方法。



1955年	Albert H. Coons（P 1912/7/28〜1878/11/30）による免疫染色の直説法 Direct methodの確立。蛍光色素を標識した抗体で形質細胞のIgGを検出した蛍光抗体法の確立
1966年	Paul K. NakaneとGordon Barry Pierce, Jrらによる酵素抗体法 enzyme labeled antibody methodの開発
1970年	Ludwig A. Sternbergerらによるperoxidase-anti-peroxidase；PAP法の開発
1981年	Su-Ming Hsu 許世明, Raine L & Fanger Hらによる avidin-biotylated peroxidase complex； ABC法の開発
1984年	labeled streptavidin biotynlated antibody；LSAB法
1995年	超高感度酵素標識ポリマー法など間接法を発展させた高感度染色キットが発売





原理 　免疫組織化学法は抗原-抗体反応という特異的な結合反応を利用して、目的とするタンパク質の細胞内および組織内の局在を検出する手法である。

┏直接法 求める物質に対する抗体そのもの（第一抗体）を標識する方法 ┗間接法 一次抗体に対する抗体である二次抗体を可視化する間接法がある。 　間接法ではシグナルを増強するので、高感度の検出が可能でとなる。 PAP (peroxidase-antiperoxidase)法 ABC法 　Avidin - Biotinylated enzyme Complex： アビディン−ビオチン複合体 　アビディン：卵白中に存在する分子量約 68 kDa の塩基性糖タンパク質、四つのビオチン結合部位がある。 　ビオチン：低分子ビタミン 　酵素を含めてほとんどすべてのタンパク質は数分子のビオチンと結合できるので、アビディンとビオチン標識酵素の間に巨大分子複合体 （ABC） が形成され, シグナルを増幅する。 蛍光法　---2次抗体に蛍光標識 酵素法　---2次抗体に酵素を結合させ、発色基質を沈着させる チラミド法　---高感度In situの項

免疫組織化学の成功法

• しっかり固定した組織から切片を作る。
• きれいに染色できるかどうかは、抗体にかかっている。実際使っている人にアドバイスしてもらうのが一番！
• 適切な希釈率を選択する。希釈率が高いと、バックグラウンドが高くなる。
• 洗浄は充分に！
• 移しかえの時用のガラス棒は、それぞれのステップごとに分ける。

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用意するもの

0.01M PBST Solution for diluting antibody 1次抗体 2次抗体---1次抗体を認識し、ビオチン標識された抗体 　1次抗体がウサギに免疫された抗体の場合：ビオチン化ヤギ抗ウサギIgG抗体（Vector社#BA-1000） 　1次抗体がマウスに免疫された抗体の場合：ビオチン化ウサギ抗マウスIgG抗体（Vector社#BA-2000） 抗体は、１回分ずつ分注して、冷凍しておく。 ブロッキング液 　：2次抗体抗原の動物の正常血清 (1-8%)、ブロックエース(雪印製、大日本製薬)、または1％スキムミルク(5-10%) in PBS 　膜上の蛋白吸着が起こっていない場所を、ブロッキング液で覆って、backgroundの低減、非特異的な反応の防止を行う。 ABCキット 　　Vector社 #PK-6100, VECTASTAIN Elite ABC KIT STANDARD 　　A:Avidin or streptavidin, B:Biotinylated horseradish peroxydase 　＊A液、B液は反応の30分前に調整 DAB反応液　直前に調整し、遮光して反応させる。 　　0. 02 % ,3'-Diaminobenzidine Tetrahydrochloride(Sigma)あるいは 　　0. 05% Ammonium Nickel (II) Sulfate (Sigma)を 　　0.05 M Tris-HCに入れてとかし、反応直前に 　　H2O2(0.003 % )を入れる。

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ABC法によるC-Fosと逆行性トレーサーであるFluorogold(FG)とのDouble Label

まず、	C-Fosの免疫組織化学	の後、	FGの免疫組織化学
発色法としてDAB法（褐色）とニッケルによるDAB増感法（黒）、TMB法（紫）などで区別する。

(	内因性ペルオキシダーゼの除去 　30 min ↓	0.5 % H2O2 in PBS
1.	ブロッキング 　4℃ overnight（or 室温で1時間） 　---抗体の非特異的結合を抑える ↓　Rinse---0.01M PBST 　　　室温、10-30min×3回	0.01M PBST 200 ml Normal Goat Serum 6ml
2.	Incubated with primary antibody 　4℃ overnight - 72h ↓　Rinse---0.01M PBST 　　　室温、10-30min×3回	anti-Fos antiserum (500-)10,000倍 Solution for diluting antibody
3.	Incubated with secondary antibody 　室温、2時間 ↓　Rinse---0.01M PBST 　　室温、10-30min×3回	Biotinylated IgG Goat anti-rabbit serum (200-)500倍 Solution for diluting antibody
4.	ABC response 　室温、2時間（or 4℃ overnight） ↓　Rinse---0.01M PBST 　　　室温10-30min×3回 ↓　Incubate---0.05M Tris-HCl (pH7.6)　 　　　室温　10分	200倍 A液 5μl 200倍 B液 5μl 0.01M PBST 1 ml
5.	Treated DAB/H2O2/Tris-HCL＋ニッケル 　室温、10min 発色具合を見計らいながら反応時間を決める ↓　Rinse---0.01M PBST 　　　室温10-30min×3回	0.05％ DAB 25 mg 0.05％ ニッケルアンモニウム 1000 mg 　 0.05MTris-HCl (pH7.6) 500 ml 0.03% 30% H2O2 5μl
6.	Incubated with primary antibody 　4℃ 72h ↓　Rinse---0.01M PBST 　　　室温、10-30min×3回	anti-FG antiserum 10,000倍 Solution for diluting antibody
7.	Incubated with secondary antibody 　室温、2時間 ↓　Rinse---0.01M PBST 　　室温、10-30min×3回	Biotinylated IgG Goat anti-rabbit serum 600倍 Solution for diluting antibody
8.	ABC response 　室温、2時間（or 4℃ overnight） ↓　Rinse---0.01M PBST 　　　室温10-30min×3回 ↓　Incubate---0.05M Tris-HCl (pH7.6)　 　　　室温　10分	200倍 A液 5μl 200倍 B液 5μl 0.01M PBST 1 ml
9.	Treated DAB/H2O2/Tris-HC ーニッケル 　室温、10min 発色具合を見計らいながら反応時間を決める ↓　Rinse---0.01M PBST 　　　室温10-30min×3回	0.05％ DAB 25 mg 　 0.05MTris-HCl (pH7.6) 500 ml 0.03% 30% H2O2 5μl

蛍光法によるC-FosとセロトニンとのDouble Label 　蛍光法の場合は、２つの抗体を一度に反応させることができる。

1.	ブロッキング Antigen expose 　4℃ overnight	0.1M PBST 　 アジ化ナトリウム
2.	Incubated with primary antibody 　4℃、48h - ↓　Rinse---0.01M PBST 　　　室温、10-30min×3回	anti-rabit Fos antiserum (10-)倍 anti-rat 5HT antiserum (CHEMICON) (100-)倍 PBST
3.	Incubated with secondary antibody 　4℃、48h r 室温 2時間 ↓　Rinse---0.01M PBST 　　室温、10-30min×3回	Goat anti rabit IgG FITC（Fluorescein, 緑） 500倍 anti rat IgG TRITC（Rhodamin, 赤） 500倍 PBST
4.	グリセリンで封入（マニキュアでカバーグラスを固定） 　松浪　SUPPER-FROST APS-コート付　シラン
5.	共焦点レーザー顕微鏡などで研鏡

参考

• 免疫組織化学の原理
• 免疫組織化学法(東大・核内情報研究分野)
• 三重免疫組織化学染色法―共焦点レーザー走査顕微鏡を用いて―（滋賀医大　新井良八先生

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