改訂第2版
日本SIDS学会診断基準検討委員会
2006年10月発表
1995年に乳幼児突然死症候群(Sudden Infant Death Syndrome;SIDS)の研究会(現:日本SIDS学会)の発足とともにSIDS症例検討会が全国規模で開催されるようになり、その中でSIDSに対する基本的な考え方や分類において各専門家の間にも共通の認識が乏しく、日本全国でSIDSにかかわる医療関係者にSIDSの診断・理解・解釈に関して相当の隔たりがあることが推察された。そこで、臨床・病理・法医といった異なる分野の専門家が症例検討委員会において共通症例の討議を重ねながらできあがったものが、この「手引き」である。
この手引きは、SIDSがなんらかの病因を有する疾患であるにもかかわらず、形態学的に診断に結びつく(pathognomonic)所見が認められない、という立場で作成されている。SIDSに対して一定の見解を設定することで、SIDSならびに乳幼児の突然死の症例の調査・研究の推進および症例の統一的な見解の一助となることを目指している。
現場で診断する医師が、法医や病理の医師と議論・検討する際に用いられれば幸いと考えている。ただし、現段階では個々の医師の診断や鑑定を拘束するものではない。
SIDSは死亡例の剖検診断が原則であるところから、この手引きは基本的には病理診断を中心として記載されている。
なお、本改訂版は「乳幼児突然死症例・診断の手引き」(2001年版)を改訂したものであり、その改訂の要点は、次の2点である。
- SIDSの診断には剖検が必須であり、剖検を行わないものを「SIDS」または「SIDSの疑い」と診断してはいけない。
- SIDSの発症年齢を原則として1歳未満とする。
(SIDS診断の手引き「はじめに」より抜粋)
診断の手引き第2版 全文
※Macintoch ユーザーの方へ:上記をクリックするとコンピュータがフリーズする場合があります。その場合は、PDFファイルを直接ブラウザで開くのではなく、 contorolキーを押しながらクリックして「リンクをディスクにダウンロード」を選択しますとデスクトップ上にPDFがダウンロードできます。