脳死・臓器移植に関する基礎資料

2005年の動き


2005年11月8日
臓器移植法施行(1997)から今年9月末までに死亡した人で、脳死での臓器提供をカードやシールで意思表示し日本臓器移植ネットワークに連絡があったのは626人いたが、実際に脳死での提供に至ったのは6%(38人)にすぎないことが明らかになる。
「脳死臓器提供、実現は6% カード所持死亡は1000件超す」『共同通信』(詳細な情報はこちら。)
2005年10月17日
臓器移植の意思表示カードやシールを持っていて病気やけがなどで亡くなった人が、97年の臓器移植法施行後、1000人を超えたことが、日本臓器移植ネットワークの調査により明らかになる。
「臓器移植意思表示カード、死後の連絡1千件超す」『朝日新聞』10月18日(詳細な情報はこちら。)
2005年9月30日
日本医科大付属第二病院(川崎市)で昨年5月に心臓や肺などを5人に提供した男性患者の脳死判定が、無呼吸テストなどについて厚生労働省の指針に基づかずに行われたことが、厚労省の検証会議で明らかになる。
「脳死判定:日医大第2病院が違反行為 厚労省、初の行政指導へ」『毎日新聞』10月1日
「日本医科大、脳死判定で指針違反 断層撮影検査など省く」『朝日新聞』10月1日
「日本医大第二病院、法的脳死判定マニュアルに違反」『読売新聞』10月1日
2005年9月12日
悪性脳腫瘍のため脳死になった米バージニア州の女性が8月2日に帝王切開で出産した女児が、ワシントンの病院で心不全のため死亡する。
「脳死:母から誕生の女児、死亡--米ワシントン」『毎日新聞』9月14日
2005年9月6日
「はい!センセイ:’05衆院選/3 臓器移植法」『毎日新聞』
2005年8月24日
厚生労働省が、脳死判定・臓器提供への意思を、インターネットや携帯電話を使って表示できるシステムを来夏から始めることを決める。
臓器提供意思表示 ネット登録可能に」『読売新聞』
2005年8月8日
脳死での死亡宣告を、脳死で臓器を提供する場合に限って認めている現行の臓器移植法について、2種類の改正案が衆院に議員立法で提出される。(同日、衆議院が解散されたため廃案。)
「臓器移植法:改正2案を衆院提出」『毎日新聞』
2005年8月4日
脳死判定の前提条件の強化などを盛り込んだ臓器移植法改正案の要綱を金田誠一衆院議員(民主)らがまとめ、同議員が代表を務める「脳死を人の死としない議員連盟」に報告。議連が、この要綱に基づいて法案作りを進めることで合意する。
「臓器移植法改正案:議員連盟、要綱基に法案作りへ」『毎日新聞』
2005年8月3日
脳死状態で女の子を出産した女性、生命維持装置を外されて心臓死の状態となり死亡する。
「脳死出産:米国の26歳母親死亡 生命維持装置切られ」『毎日新聞』
「脳死で出産の女性、死亡 生命維持装置外し」『CNN.co.jp』
2005年8月2日
法的脳死判定の要件を厳しくし、生体移植についても新たにルールを定める臓器移植法改正案の要綱を、金田誠一衆院議員(民主)らがまとめる。
与党議員がまとめた臓器移植法改正の2法案について、自民党が総務会で国会提出を正式に承認する。
「臓器移植法改正、野党議員が要綱 脳死判定要件厳しく」『朝日新聞』
妊娠早期に脳腫瘍(しゅよう)のため脳死と診断された米バージニア州の女性が女児を出産する。
「脳死:がんの女性、女児出産 転移との競争に勝った--米国・バージニアの26歳」『毎日新聞』8月4日
「脳死状態3カ月の女性が女児出産 米の病院」『朝日新聞』8月3日
2005年7月22日
与党議員がまとめた臓器移植法改正の2法案について、自民党が総務会で国会提出を正式に承認する。
「自民党改正2案を正式承認 移植法「今国会提出へ」」『共同通信』
2005年7月16日
[解説]親族優先移植」『読売新聞』
2005年7月14日
超党派議員でつくる生命倫理研究議員連盟が、自民、公明両党の有志議員により今国会へ提出が予定されている2つの臓器移植法改正案を検討する。
「臓器移植法改正案:自公が検討も、対応は次回に持ち越し」『毎日新聞』7月14日
臓器移植法改正2案を了承」『読売新聞』7月14日
2005年7月9日
妊娠早期に脳腫瘍(しゅよう)のため脳死と診断された女性に出産をさせるため、夫が人工呼吸器装着の継続を決断する。
「脳死:がんの女性、出産へ 子宮転移前に…寄付続々--米国」『毎日新聞』7月9日
2005年7月2日
「脳死移植」推進派が8割…読売世論調査」『読売新聞』
2005年6月20日
「闘論:臓器移植法、二つの改正案 河野太郎氏/斉藤鉄夫氏」『毎日新聞』
2005年6月11日
臓器移植で起きる拒絶反応を、免疫抑制剤を使わずに3年以上抑えることに、順天堂大医学部の奥村康教授(免疫学)らのグループが、サルの実験で成功する。 「免疫抑制剤なしの腎臓移植、サルで成功…順大」『読売新聞』
2005年5月31日
移植関係学会合同委員会(世話人・高久史麿自治医大学長)が、脳死肺移植を実施できる施設として新たに千葉大、独協医大、長崎大、福岡大の4大学病院を認定する。
「臓器移植:肺移植施設に4大学病院を追加認定」『毎日新聞』
「脳死肺移植の実施4施設を追加、計8施設に」『読売新聞』
2005年5月20日
臓器移植法改正を目指す与党議員の検討会が、改正案2案を公表する。
「拒否の意思、15歳未満でも 移植法改正案2案を公表告」『共同通信』
「臓器移植法:与党から改正2案」『毎日新聞』5月21日
「「脳死は人の死」で対立 臓器移植法、改正案一本化断念」『朝日新聞』5月21日
「臓器移植法 対立2改正案提出へ」『読売新聞』5月21日
国内の小児救急の医療現場で、主治医が臨床的に脳死状態と診断した後も、1カ月以上心臓が動き続けた子どもの「長期脳死」の事例を、杉本健郎・日本小児神経学会理事が同学会で発表する。
「「脳死状態」診断の小児、半年後自発呼吸の例も」『朝日新聞』5月21日
2005年5月17日
アラン・シューモン米カリフォルニア大ロサンゼルス校教授(小児神経内科)が東京都内で講演し、4歳で脳死と診断された後、20年心臓が動いた男性患者について報告する。
「脳死後20年間心臓動いた例 米医師が報告」『朝日新聞』2005年5月18日
2005年5月11日
与党有志議員による検討会メンバーの斉藤鉄夫衆院議員が、脳死での臓器提供の意思表示ができる年齢を、現行の15歳以上から12歳以上に引き下げる法案の提出を目指す考えを明らかにする。
「提供12歳以上に引き下げ 臓器移植で公明議員が対案」『共同通信』
「臓器提供の意思表示年齢「12歳以上」案、提出の意向」『読売新聞』2005年5月12日
2005年4月30日
臓器移植法/生前の意思は動かせない 」『神戸新聞』「社説」
2005年4月28日
自民、公明両党の有志議員でつくる検討会が、臓器の家族への優先提供と意思表示の年齢下限を、改正案に盛り込むことを決めるが、「脳死はすべて人の死」とする点については意見がまとまらなかった。
「家族への優先提供を容認 臓器移植法改正で検討会」『共同通信』
「臓器移植法:「脳死は人の死」最終改正案、合意せず--自民、公明検討会」『毎日新聞』
「移植臓器の優先提供、親子と配偶者のみ」『読売新聞』
2005年4月27日
「臓器移植法 本人同意は欠かせない」『東京新聞』「社説」
2005年4月24日
「臓器移植法改正 国民の理解得る努力を」『京都新聞』「社説」
2005年4月23日
生命倫理の国民的論議を 」『沖縄タイムス』「社説」
2005年4月22日
「[解説]「脳死」拒否権」『読売新聞』
2005年4月21日
自民、公明両党の有志議員が、東京都内で臓器移植法改正案に関する検討会を開き、家族の同意を同法に基づく脳死判定・死亡宣告の条件とすることを決める。
「移植法改正案:「脳死」家族の同意必要 自公検討会」『毎日新聞』
2005年4月19日
臓器提供者の増加を目指す臓器移植法の改正をめぐり、与党内で最大の争点となっていた脳死判定の実施について、「家族が拒否できる」とする方向で決着が図られる見通しとなる。
「脳死判定に家族拒否権、臓器移植法改正へ前進…与党修正案」『読売新聞』2005年4月20日
2005年4月14日
「[解説]脳死は死か」『読売新聞』
「「脳死は死」論議再燃」『朝日新聞』「時時刻刻」
2005年4月13日
「[脳死臓器移植]「『命のリレー』の議論を深めよう」」『読売新聞』「社説」
脳死での臓器提供者が同じ日に2人出た2004年2月、肝臓を移植する対象者として、阪大病院に入院中の患者2人が選ばれたが、同病院がスタッフ不足などを理由に1人の移植手術を見送っていたことが分かる。
「臓器移植:肝臓提供同日2件、1件の手術辞退 大阪大病院」『毎日新聞』
「同日の脳死2件、肝臓1つは使えず…体制不備・脂肪肝」『読売新聞』2005年4月14日
2005年4月12日
米カリフォルニア州で、インターネットでドナー登録できる制度が始まる。
「ドナー:ネット登録制度スタート 米カリフォルニア州」」『毎日新聞』
2005年4月9日
「移植法改正案 ドナーカード普及が先決だ」『毎日新聞』「社説」
2005年4月7日
与党の臓器移植検討会において国立成育医療センターの奥山真紀子・こころの診療部長が、15歳未満の小児の死亡者の10~20%は虐待死の疑いがあるとの試算を報告し、疑いがある場合は臓器摘出の対象から除外すべきだと指摘する。
「臓器移植:虐待死は摘出の対象外に 医療専門家が指摘」『毎日新聞』2005年4月7日
2005年4月6日
臓器移植の推進を目的に「脳死は人の死」と一律に定義したうえ、本人の事前の意思がなくても遺族の同意だけで臓器提供を可能とする内容の臓器移植法改正案が明らかになる。
「臓器移植法:「脳死は人の死」一律に定義 改正案判明」『毎日新聞』2005年4月7日
「クローズアップ2005:臓器移植法改正案 賛否「死の定義拡大」」『毎日新聞』2005年4月7日
2005年4月5日
与党の臓器移植検討会が、脳死を一律に人の死と定めて遺族の同意だけで脳死臓器提供を認める臓器移植法改正案について、市民団体などから意見を聴く。
「臓器移植法改正:市民団体などからヒアリング 与党検討会」『毎日新聞』
2005年4月1日
日本小児科学会が、脳死移植における臓器提供の意思表示に関し、中学に入学した12歳以上の子供の自己決定権を条件付きで容認する見解をHP上で示す。見解はこちら
「臓器提供意思表示「12歳以上」を容認…小児科学会」『読売新聞』2005年4月5日
2005年3月29日
レビット米厚生長官が、米国で臓器移植手術を受けた人が昨年1年間で約2万7000人と、史上最多を記録したと発表する。
「米の臓器移植、史上最多の年間2万7千件」『朝日新聞』2005年3月31日
2005年3月21日
2004年11月20日に臓器移植法に基づく心臓移植手術を受けた40歳代の男性患者が、肺炎のために死亡する。
「脳死心臓移植:40歳代男性患者が肺炎で死亡 2例目」『毎日新聞』2005年3月22日
「心臓移植男性死亡…阪大病院」『読売新聞』2005年3月23日
2005年3月18日
日本臓器移植ネットワークが、02年12月30日に岐阜市内の病院に入院していた男性から提供された国内23例目の脳死臓器移植で、腎臓移植患者の選択手順にミスがあったと発表する。ネットワークによる発表はこちら
「脳死移植:腎臓移植患者の選択手順にミス」『毎日新聞』
「患者選定の手順ミス…移植ネット」『読売新聞』2005年3月19日
2005年3月17日
「15歳未満の提供の是非」「本人の意思と家族の同意」等めぐり 公明 作業チームで慎重に検討」『公明新聞』
2005年3月12日
立正佼成会が、臓器移植法改正案について慎重な対応を求める提言を自民党と民主党に提出する。
「臓器移植:立正佼成会、改正案について提言」『毎日新聞』
2005年3月10日
35例目の脳死移植で、京都大病院で肺移植を受けた50代男性が、手術から約8時間半後に呼吸循環不全のため死亡する。
「臓器移植:50代男性、脳死移植直後に死亡 肺の手術が難航--京大病院」『毎日新聞』
「京大病院で脳死肺移植受けた男性、8時間半後に死亡」『読売新聞』
2005年3月7日
国立循環器病センター(大阪府吹田市)で2001年1月に心臓移植手術を受けた同府内の50代の男性患者が、敗血症によるショックのため同センターで死亡する。
「脳死心臓移植:手術から4年余、男性患者が敗血症で死亡」『毎日新聞』
2005年3月5日
脳死での臓器移植のあり方を市民の立場で考える「市民参加研究会」が、「提供者本人の意思表示は必要」とする提案をまとめる。
「脳死移植:「提供者本人の意思表示必要」 市民団体が提案」『毎日新聞』
2005年3月1日
自民、公明両党が、与党政策責任者会議で、家族の同意があれば15歳未満の脳死患者による臓器提供を認める臓器移植法改正案を今国会に提出する方針で一致する。
「15歳未満の臓器提供容認=脳死移植で今国会に改正案提出へ-与党」『時事通信』
2005年2月28日
「急増?脳死移植 2月、初の月3例/背景に「柔軟解釈」適用と寒さ」『産経新聞』
2005年2月27日
米本昌平「臓器移植法改の改正 生きた提供者 保護必要」『毎日新聞』「時代の風」
2005年2月23日
「臓器移植法改正案/法案提出に積極、慎重の議論交錯 「小児の脳死判定や意思判断能力を慎重に見定めるべきだ」―。」『Japan Medicine』
2005年2月15日
横浜市南区の横浜市立大市民総合医療センターに入院中の50代の女性が、臓器移植法に基づき脳死と判定された。女性のカードは、これまでは記載不備と判定されていたが、昨年12月の運用基準の緩和を受けて「提供は可能」と判断された。
「脳死臓器移植:横浜で33例目 「記載不備」で初の提供」『毎日新聞』
「34例目の脳死判定、意思表示の柔軟解釈、初めて適用」『朝日新聞』
自民党の脳死・生命倫理及び臓器移植調査会(佐藤泰三会長)が、15歳未満の脳死での臓器提供を可能にする臓器移植法改正案を、議員立法として開会中の通常国会に提出する方針でほぼ合意する。
「15歳未満も臓器提供…移植法改正案、今国会提出へ」『読売新聞』
2005年2月7日
英国に約1か月滞在していた男性が、BSE(牛海綿状脳症)感染牛を食べて発症するとされる「変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)」へ感染していたことを受け、厚生労働省は、献血と同様、英国に1980年以降、通算1か月以上滞在した人からの臓器や骨髄、角膜の提供を当面中止することを決める。
「英滞在1か月以上、臓器などの提供を当面中止」『読売新聞』2005年2月8日
2005年2月3日
自民党が、年齢を問わず家族の同意があれば提供できるとする臓器移植法改正案を、議員立法で今国会に提出する方針を固める。
「家族同意で臓器提供、自民が移植法改正案提出へ」『読売新聞』2005年2月3日
2005年2月2日
脳死になった小児からの臓器提供を認める場合の条件を検討している日本小児科学会(衛藤義勝会長)が、虐待を見抜ける医療スタッフの育成や、病院から独立した公的な虐待監視チームの必要性を訴える提言を公表する。
「脳死臓器提供、虐待受けた子は除外 小児科学会が提言」『朝日新聞』
2005年1月5日
自民、公明両党が、本人があらかじめ書面などで拒否していない限り、家族の同意だけで臓器提供を可能とする臓器移植法改正案を議員立法で通常国会に提出する方針を固める。
「臓器移植法:自公、改正案提出へ 家族同意で提供可能」『毎日新聞』2005年1月6日