医療の価値評価を目指すセミナー2018
「医療価値評価の胎動プログラム」
主催 | 東京大学大学院医学系研究科 医療経済政策学講座 |
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目的 | 社会と医療、経済と医療の関係(あり方)について、広い観点から学 術的な議論を進めることを主旨とする。特に、医療の価値(Value of Medicine)を探求し、得られた成果を社会全体で活用する人材の育成を目 的とする。 |
対象 | 上記趣旨に関心のある医療従事者、関連学生、 企業就業者、行政従事者など |
開催時期 | 2018年10月〜2019年3月(計17回) |
場所 | 東京大学医学部附属病院内および大学構内 |
日程 | 以下参照 |
会費 | 1名につき税込22,000円(シンポジウム参加費は別) |
参加条件 | @ 基本的に、全ての開催日程に出席を予定する方 A 事前に参加者登録した方に限る(8月31日までに申し込み) B 一定条件の参加者に、修了書の発行を予定 |
備考 | ・遠隔地(関東6県以外)の受講者はe-ラーニング環境での参加も可能です。 ・プログラムの構成は適宜変更をされる場合があります。 |
補足 | ・諸条件を満たせば、ビックデータによる実際の研究と連携したOJTプログ ラムを実施することも可能であります。 |
お問い合わせ先 | 医療価値評価の胎動プログラム事務局 電話:03-5800-9523 FAX:03-5800-8948 Mail:value-s@umin.ac.jp 〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学大学院医学系研究科医療経済政策学講座内 |
本プログラムの主旨
2017年度より、東京大学大学院医学系研究科の医療経済系の講座に関わる有志が、医療の価値評価を目指す「医療価値評価の胎動プログラム」を試行的に始めています。本プログラムの具体的な目標として、例えば、以下のような医療経済評価の研究成果を創出するのに必要となる各種知識の修得やノウハウの研鑽を行う機会の提供を標榜しつつ、当該分野のリーダーシップ人材の輩出や関連するエビデンスの蓄積の促進を目指しております。
● 医薬品の経済価値評価の例(創薬イノベーションの価値)
・ネイチャーグループ(NPG)のScientific Reports. (IF:5.228, 2017)
・Cost-Effectiveness of Administering Rituximab for Steroid-Dependent Nephrotic Syndrome and
Frequently Relapsing Nephrotic Syndrome: A Preliminary Study in Japan.
(Tomoyuki Takura, Takashi Takei, Kosaku Nitta)
● 医療機器の経済価値評価の例(重症患者の救命価値)
・日本人工臓器学会オフィシャル雑誌のJ Artif Organs. (IF:1.438, 2015)
・Preliminary report on the cost-effectiveness of ventricular assist devices.
(Tomoyuki Takura, Shunei Kyo, Minoru Ono, et al)
プログラムの詳細は、添付のセミナー構成などをご覧頂ければ幸いですが、価値評価の基本概念や臨床経済評価の理論と手法(費用対効果分析も含む)、医療技術の経済価値評価のケース(医薬品と医療機器等)、医療分野における価値評価の問題(研究倫理)などを体系的に修学することを標榜しております。また、ビッグデータ(約400 万件×6 年間)による実際の研究と連携したOJTプログラムも並走できる特徴も有しています。講師陣には、東京大学内はもとより国内著名大学、厚生労働省、医薬品医療機器総合機構、統計数理研究所の第一線でご活躍される方々を予定しております。
なお、本プログラムのご参加にあたっては、身近な問題意識などを踏まえ得つつ、事前に、検討したい論点や課題(疑問)の設定をお勧めいたします。本プログラムにおける18回の講義及びシンポジウムの受講過程、またはOJT研究の取組みの中で、是非、その解決や取っ掛かりを見つけて頂ければ有意義と推察します。
多様なチェンジ・ドライバーが顕在化する昨今の医療・介護分野を背景に、本プログラムのそれぞれのコンテンツを自然体で楽しみつつも、今後のご活動の中で、参加によって得られた成果利用の最大化を志向して頂ければ幸いです。
平成30 年6 月吉日 プログラム責任者 田倉智之(東京大学大学院医学系研究科医療経済政策学)
プログラムの内容と講師(2018年度予定)
1.医療・介護を取り巻く社会経済の動向
(1) 保険政策: 金光一瑛先生(厚生労働省:予定)
(2) 薬事政策: 方眞美、小野昭子先生(医薬品医療機器総合機構)
(3) 社会経済政策総論(財政論等、公共制度論含む): 森田朗先生(津田塾大学)
2.医療分野における価値評価の基本概念
(1) 行動経済学: 友野典男先生(明治大学)
(2) 価格理論(効用理論等含む): 田倉智之先生(東京大学:医)
(3) QOL分析: 下妻晃二郎先生(立命館大学)
(4) 費用分析: 荒井耕先生(一橋大学)
(5) 価値予測: 砂川伸幸先生(京都大学)
3.医療の経済価値評価の理論と手法
(1) ビックデータ解析法(事例紹介を含む): 城大佑先生(東京大学:医)
(2) 医療統計学(研究デザイン論を含む): 笹渕裕介先生(自治医科大学)
(3) モデリング手法(ベイズ統計等も交え): 伊庭幸人先生(統計数理研究所)
(4) 費用対効果分析: 鎌江伊三夫先生(東京大学:公)
(5) ソフトウェア応用1(基本): 畠慎一郎先生(アドバンスト・アナリティクス株式会社)
4.医療分野における経済評価のケース(医療政策と医療技術)
(1) 事例1(医療技術:分子標的薬等): 武井卓先生
(東京都健康長寿医療センター:予定) 等
(2) 事例2(医療技術:埋込デバイス等): 田倉智之先生(東京大学:医)等
(3) ソフトウェア応用2:統計ソフトを用いたハンズオン実習
@コースA:マルコフモデル/モンテカルロシミュレーションによるHTAの実際
AコースB:価格推計(各種ポートフォリオ)におけるリアルオプション等の実際
5.医療分野における価値評価の問題(留意事項と必要条件)
(1) 討論1(意思決定): 秋野公造先生(参議院議員)、南学正臣先生(東京大学:医)
(2) 討論2(倫理と振興): 黒木登志夫先生(日本学術振興会)
6.シンポジウム
・総合討論:プログラムの成果報告も兼ねて最後にシンポジウムを開催する
プログラムスケジュール表(講義内容)
講義 番号 |
テーマ構成 | 概要 | 講師 (敬称略) |
日程・会場 |
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オリエンテーション:10月3日(水)18時45分〜19時30分 会場;東京大学医学部2号館 1階 小講堂 | ||||
1.医療・介護を取り巻く社会経済の動向 | ||||
1 | (1) 保険政策 | わが国の保険行政(医療材料系)について概観し、今後の方向を読み解く | 田村 圭 (厚生労働省) |
10月12日(金) 18時00分 会場;東京大学医学部1号館1階 講堂 |
2 | (2) 薬事政策 | 国内外の薬事政策(医療材料系)について俯瞰し、今後の動向を占う | 方 眞美、小野昭子(医薬品医療機器総合機構) | 10月19日(金) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
3 | (3) 社会経済政策総論(財政論等、公共制度論含む) | わが国の実体経済を背景に、医療政策の論点や社会保障政策の潮流を解説する | 森田 朗 (津田塾大学) |
10月24日(水) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
2.医療分野における価値評価の基本概念 | ||||
4 | (1) 行動経済学 | 内外のケースを紹介しつつ、行動経済学の概念や基本理論を解説する | 友野 典男 (明治大学) |
11月9日(金) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
5 | (2) 価格理論 (効用理論等含む) |
効用水準や選択行動、価格形成の理論を概観し、医療における価格のあり方を論じる | 田倉 智之 (東京大学:医) |
11月14日(水) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
6 | (3) QOL分析 | 患者アウトカム評価の動向を踏まえ、健康関連QOLの測定や分析を解説する | 下妻 晃二郎 (立命館大学) |
11月16日(金) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
7 | (4) 費用分析 | 医療分野における費用の概念と構造、その解析手法や留意点(機会費用等)を共有する | 荒井 耕 (一橋大学) |
12月5日(水) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
8 | (5) 価値予測 | 医療事業等の付加価値の予測・決定に応用されてきた、DCF/リアルオプション法の最新の理論・手法を論じる | 砂川 伸幸 (京都大学) |
12月12日(水) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
3.医療の経済価値評価の理論と手法 | ||||
9 | (1) ビッグデータ解析法(事例紹介を含む) | ビッグデータを活用した医学研究の意義と今後の方向性について事例を交え解説する | 城 大佑 (東京大学:医) |
12月14日(金) 18時00分 会場;東京大学医学部1号館1階 講堂 |
10 | (2) 医学統計学(研究デザイン論を含む) | 臨床研究のデザイン検討に関わる知識と最新の統計手法を解説する | 笹渕 裕介 (自治医科大学) |
12月21日(金) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
11 | (3) モデリング手法(ベイズ統計等も交え) | マルコフ連鎖やモンテカルロ法等のシミュレーション技術に関する基本理論を学ぶ | 伊庭 幸人 (統計数理研究所) |
1月9日(水) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
12 | (4) ソフトウェア応用1(基本) | SPSS等を用いた解析アプローチについてケーススタディを行う(多変量解析、傾向スコア、意思決定樹等) | 畠 慎一郎 (アドバンスト・アナリティクス株式会社) |
1月11日(金) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
13 | (5) 費用対効果分析 | 費用対効果分析の基礎(国際GL)と最新の手法を各種の留意事項とともに解説する | 鎌江 伊三夫 (東京大学:公) | 1月18日(金) |
4.医療分野における経済評価のケース(医療政策と医療技術) | ||||
14 | (1) 事例1 (医療技術:分子標的薬等) | 医薬品及び医療機器の経済価値評価(費用対効果含む)の評価事例を解説する | 武井卓 (東京都健康長寿医療センター) |
1月25日(金) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
15 | (2) 事例2(医療技術:埋込デバイス等) | 医薬品及び医療機器の経済価値評価(費用対効果含む)の評価事例を解説する | 田倉 智之 (東京大学:医)、許 俊鋭(東京都健康長寿医療センター) |
2月6日(水) 18時00分 会場;東京大学医学部1号館1階 講堂 |
16 | (3) ソフトウェア応用2(統計ソフトを用いたハンズオン実習) | サンプルデータでモデル計算(例:マルコフ・モンテカルロ、リアル・オプション)の実際を学ぶ | 小寺 聡(東京大学:医) | 2月8日(金) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
5.医療分野における価値評価の問題(留意事項と必要条件) | ||||
17 | (1) 討論1 (意思決定) |
エビデンスに基づく治療戦略、政策の意思決定に関する議論を行う | 秋野 公造(参議院議員)、南学 正臣(東京大学:医) | 2月14日(木) 18時00分 会場;東京大学医学部教育研究棟 14階鉄門記念講堂 |
18 | (2) 討論2 (倫理と振興) |
倫理観に基づく研究推進やイノベーションのあり方について議論する | 黒木 登志夫 (日本学術振興会) |
3月1日(金) 18時00分 会場;東京大学医学部2号館1階 小講堂 |
6.シンポジウム ポスター 申込書 | ||||
・総合討論 | プログラムの成果報告も兼ねて最後にシンポジウムを開催する | − | (予定)3月9日(土) 9時00分 会場;ベルサー八重洲 Room B+C |