除細動に関する論議救急関連メーリングリストより(2003年7月) |
ウェブ担当者:県立新居浜病院麻酔科 越智元郎
(本資料の著作権などに関する責任はすべてウェブ担当者が負います。)
目 次
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■看護師は AED 使用 OK?
ACLS(2003年7月)より
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■心静止は除細動成功?
eml-nc3(2003年7月)より
From: "長谷川正宜"
Subject: [eml-nc3: 1904] 心静止は除細動成功?
Date: Tue, 1 Jul 2003 01:06:02 +0900
豊岡しらゆり長谷川です。
教えていただきたい事があって久しぶりに出てきました。
兵庫県北部但馬地域は地域MC協議会の公式下部組織として
自主財源を持った「但馬救急研究会」を設置し 救命士を中心と
した事務局で研修会・講演会等の企画・運営をしております。
研修会として3ヶ月毎に事例研究とともに検証・プロトコールに
関する論議を行うことになりました。
この6.28に第1回研修会が開かれましたが 除細動プロトコール
を論議するうちに「心静止も除細動成功」という意見が出て
いささか論議が紛糾いたしました。
AHAガイドライン2000(日本語版)の75ページの【波形による評価】
のところで以下のように記載があるそうですが
> 「除細動」の言葉は、細動の電気的活動をうち消すことを意味し、
> 除細動は、細動の終息を意味すると理解すべきで、
> 循環を維持するメカニズムの 再開、入院、退院生存など
> 他の蘇生の結果と混同すべきではない。
・・・中略・・・
> このように通電後に無収縮やVFのない電気的活動が見られたら
> VFが終息しているから”通電成功”となる。
もし今 私が救急医として 患者搬入を受け 救命士が
「通電成功・除細動できています」と言って心静止なら
馬鹿たれーと言って蹴りを入れます。
現段階で医師の常識は「除細動成功とは自己心拍再開」です。
そのやうにG2000で定義されていても 体が馴染まない。
成功とは患者さんに益する事を指すものでないとおかしい。
G2000は現時点でのエビデンスの集大成であるにしても
聖典の如く扱うには 上記のような場合には抵抗があります。
私が既に「旧い常識」に囚われた守旧派になっているのか・・。
現在 ACLS/PTECなどでも 「心静止=除細動成功」という
事になっているのでしょうか?
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
豊岡市小田井町17-7
しらゆり診療所 内科・麻酔科・人工透析
長谷川正宜
From: 古川猛
Subject: [eml-nc3: 1909] Re: 心静止は除細動成功?
Date: Tue, 1 Jul 2003 09:39:32 +0900
長谷川@豊岡しらゆりさん、はじめまして。
古川@守口市門真市消防です。
> もし今 私が救急医として 患者搬入を受け 救命士が
> 「通電成功・除細動できています」と言って心静止なら
> 馬鹿たれーと言って蹴りを入れます。
あはは。蹴りを入れられないような活動を心がけます。
一救急隊員の意見としてお聞き下さい。
細動を取り除くと言う事に関しましては成功していましても
心拍再開していなければCPA状態に変わりは
ありませんので、私たちに出来る事は心肺蘇生等の
継続です。
感覚から言えば「あー、VF消えてしまった(;;)
ですので、除細動に成功したという気持ちにはなれません。
> 私が既に「旧い常識」に囚われた守旧派になっているのか・・。
> 現在 ACLS/PTECなどでも 「心静止=除細動成功」という
私自身は、知識として「心静止=除細動成功」と
ガイドラインにも書いてますよ、ぐらいでいいのではと
思っています。大切な事はその波形が本当に心静止である
事を見極めてその後適切な処置を行うことができる
知識と技術を高める方が大切だと思います。
最後に、除細動が成功したーと感じる時は、やはり
自己心拍が再開した時です。
守口市門真市消防組合
特別救助隊
救急 古川 猛
http://www.mkc.zaq.ne.jp/tomorrow/
Date: Tue, 1 Jul 2003 12:18:52 +0900
From: Kanna Tomoo
Subject: [eml-nc3: 1911] Re: 心静止は除細動成功?
長谷川さん@豊岡しらゆりさん
漢那@九大です。
以前、 他のML で同じ話題があったので自分の過去発言を紹介します。
|Date: Wed, 2 Oct 2002 20:41:13 +0900
|Subject: [ACLS:2518] Re: 除細動の成功とは!(定義は定義)
|かんなです。
|皆さん、レスありがとうございます。
|
|誤解があるといけないようなので、日本語訳p75 を丸写します。
|
| 波形による除細動の評価
| 除細動電流の波形による有効性の評価には、除細動と通電後のリズムの
|標準的な記述法の採用が必要で、臨床的に評価するには、除細動波形評価に
|一定の記述法を採用しなければならない。「除細動」の言葉は、細動の電気的活動を
|打ち消すことを意味し、除細動は、”通電(ショック)”とは同義語ではない。
|除細動は、細動の終息を意味すると理解すべきで、循環を維持するリズムの再開、
|入院、退院生存など他の蘇生の結果と混同すべきではない。蘇生の結果として
|起こるこれらのものは、心停止から通電までの時間屋CPRや薬物治療など、
|その他多くの処置を総合した結果として蘇生の全経過のあいだに起こっているかも
|しれない。・・・・一部略・・・
| 新しい除細動波形が発展し、院外心停止について評価されるについて評価されるに
|つれて、標準的な通電効果の定義を容認し、波形研究にあたる臨床研究者がその
|定義を適応することが必要である。ここに提唱した定義は、この必要性を満たす
|役割をする。
|
| 要は、ウツタインスタイルと同じで、ある基準をつくって、エビデンスを
| 積み上げていきましょう。そのためには、こういう定義が必要ですよ という
| 主旨ではないでしょうか?
| outcome はそういう意味で、除細動の定義とは全く無関係です。
| 臨床的には、いまだすっきりしないけどそういうことのようです。
|
| コース上での「除細動の成功」に関する具体的コメントとして、くどい言い方で
|すが、
| 「除細動に成功し、自己心拍も再開しましたね。」が適切かもしれませんね。
> この6.28に第1回研修会が開かれましたが 除細動プロトコール
>を論議するうちに「心静止も除細動成功」という意見が出て
>いささか論議が紛糾いたしました。
>
> もし今 私が救急医として 患者搬入を受け 救命士が
> 「通電成功・除細動できています」と言って心静止なら
> 馬鹿たれーと言って蹴りを入れます。
> 現段階で医師の常識は「除細動成功とは自己心拍再開」です。
> そのやうにG2000で定義されていても 体が馴染まない。
> 成功とは患者さんに益する事を指すものでないとおかしい。
>
> G2000は現時点でのエビデンスの集大成であるにしても
> 聖典の如く扱うには 上記のような場合には抵抗があります。
> 私が既に「旧い常識」に囚われた守旧派になっているのか・・。
> 現在 ACLS/PTECなどでも 「心静止=除細動成功」という
> 事になっているのでしょうか?
Date: Tue, 1 Jul 2003 12:25:38 +0900 (JST)
From: Tetsuo Hatanaka
Subject: [eml-nc3: 1912] 心静止は除細動成功?
皆さん、おはようございます。
救急救命九州研修所の畑中です。
「除細動成功」について、心情的には皆さんと全く同感です。
現場で必要なのは自己心拍があるかないか、ですよね。
ただ、除細動成功(=心静止を含む)の定義は明確にしておくことも重要だと思います。
除細動器に関する技術的な問題を議論する場合や、VF再発時のエネルギー量を決める際
などに必要だからです。
長谷川さんが引用されたように、AHAもこう書いていることですし....
> 除細動は、細動の終息を意味すると理解すべきで、
> 循環を維持するメカニズムの 再開、入院、退院生存など
> 他の蘇生の結果と混同すべきではない。
-畑中哲生
救急救命九州研修所
From: "fujimoto naoki"
Subject: [eml-nc3: 1913] Re: 心静止は除細動成功?
Date: Tue, 1 Jul 2003 13:15:14 +0900
皆さん、こんにちは。
藤本@北但消防です。
長谷川さん
> 兵庫県北部但馬地域は地域MC協議会の公式下部組織として
> 自主財源を持った「但馬救急研究会」を設置し 救命士を中心と
> した事務局で研修会・講演会等の企画・運営をしております。
> 研修会として3ヶ月毎に事例研究とともに検証・プロトコールに
> 関する論議を行うことになりました。
>
> この6.28に第1回研修会が開かれましたが 除細動プロトコール
> を論議するうちに「心静止も除細動成功」という意見が出て
> いささか論議が紛糾いたしました。
「但馬救急研究会」の事務局員として、また研修会の実行委員として
参加した者として一言・・・
私も、皆さんと同じで、除細動は細動が取り除かれたものであると、
”文字”の上での解釈としています。
しかし、救急活動上で通電ショックを実施し、心静止になったものを
「除細動できています」とは使いませんし、違和感を感じます。
使った日にゃ、蹴られても、しゃ〜ないと思います。
私達が自動解析除細動器を使用し、ボタンを押すのは、
心電図上の波形変化だけを目的にしておりません。
患者さんの心臓が再び鼓動を始め、目を開けられ、ご家族との
幸せな生活に戻られることを願いボタンを押します。
決して、私達はVF→心静止を「除細動成功!」と思っていませんので、
蹴りを入れないで下さい。
Date: Tue, 01 Jul 2003 18:22:42 +0900
Subject: [eml-nc3: 1915] Re: 心静止は除細動成功?
長谷川さん、古川さん、野田さん、皆さん、こんにちは。
P@・・消防です。
vf→asystole→除細動成功
皆さん思い思いのご意見があるようですね。
> そのようになっています。 ご存じのように除細動とは細動を起こしている心筋を
> 脱分極させる電気生理学的な行為で、心静止の状態を作り出すことによって自己の洞
> 房結節の活動を期待するものです。けっして心臓を驚かせて、洞房結節の活動を促す
> ものではありません。(まだこのことを勘違いしている医者は大勢います。)このよ
> うなことを考えるとやはり「心静止=除細動成功」とするのが妥当だろうと思います。
おっしゃるとおりだと思います。
> (以下は日本救急医学会ACLSコース企画運営特別委員としてでなく、ACLSを普及させ
> ようと活動している者としての意見です。)
>
> しかし僕も心情的には「除細動成功しました。心静止です!」と言ったり、言われ
> たりするのは納得できませんし、許容できません。「除細動成功しました。ですが心
> 静止です。」という「言い方」ではないでしょうか。
救急現場は時には修羅場と化していることも多々存在します。
公衆の面前で罵声を浴びされたり、家族の悲痛な叫びに報いようと・・・
そのような時に医療機関に電話して「除細動成功して、asystoleです。」って
いったために「蹴り」を入れられたら我々救急隊は溜まったものではありません。
ようは、その後です!asystoleになった後、しっかりとフラットラインプロトコール
を実施して疑asystoleでないことを確認し、「絶え間ない人工呼吸と心臓マッサージ」
を実施し最良の搬送を試みる事ができるか否かが評価の対象となると私は解します。
私たちの隊は勤務交代後、車内の除細動の点検を実施しながらCPA傷病者に対する
訓練を実施しております。不幸にも?私の上司も部下も救急救命士と出場する機会に
恵まれなかった職員が殆どで、ここ最近やっと活動らしきものになってきました。
他の職員に心掛けてほしい事は「絶え間ない人工呼吸と心臓マッサージ」と早期搬送
の一助です。いつも訓練の折に言っています。私たちは除細動4回実施しLMを
挿入して搬送するまで7分で実施しています。(車内活動を除く)ICも欠落し
ていませんし、当然医療機関への連絡も漏れることなく実施しております。
結論として、言葉の取違いだけで、憤慨されたり、蹴りを入れられたりなどは理解に
苦しむものです。
医療機関に到着した救急隊が額から流れる汗を拭おうともせず一所懸命心マする光景
を目にしそれでも蹴りを入れる・・・
蹴りを入れられた救急隊はケツをさすりながら、チェックパルスもせず、asystoleと
判断されたり、よし!メイロンだ!って光景を目にする機会を少なくしたいものです。
Date: Tue, 01 Jul 2003 21:25:28 +0900
From: Hidemitsu TOKUDA
Subject: [eml-nc3: 1922] Re: 心静止は除細動成功?
長谷川先生へ
> もし今 私が救急医として 患者搬入を受け 救命士が
> 「通電成功・除細動できています」と言って心静止なら
> 馬鹿たれーと言って蹴りを入れます。
> 現段階で医師の常識は「除細動成功とは自己心拍再開」です。
> そのやうにG2000で定義されていても 体が馴染まない。
> 成功とは患者さんに益する事を指すものでないとおかしい。
医師だけでなく救命士も参加しているACLS講習会を受講された上での発言でしょうか?
--
徳田秀光
From: "小笹"
Subject: [eml-nc3: 1925] Re: 心静止は除細動成功?
Date: Tue, 1 Jul 2003 21:46:12 +0900
P@・・消防さん皆さんお疲れ様です、福岡県田川地区消防の小笹と申します。
> 救急現場は時には修羅場と化していることも多々存在します。
> 公衆の面前で罵声を浴びされたり、家族の悲痛な叫びに報いようと・・・
> そのような時に医療機関に電話して「除細動成功して、asystoleです。」って
> いったために「蹴り」を入れられたら我々救急隊は溜まったものではありません。
> 結論として、言葉の取違いだけで、憤慨されたり、蹴りを入れられたりなどは理解
> に
> 苦しむものです。
> 医療機関に到着した救急隊が額から流れる汗を拭おうともせず一所懸命心マする光
> 景
> を目にしそれでも蹴りを入れる・・・
> 蹴りを入れられた救急隊はケツをさすりながら、チェックパルスもせず、
> asystoleと
> 判断されたり、良し!メイロンだ!って光景を目にする機会を少なくしたいもので
> す。
アタシもP@・・消防さんと同じ気持ちでケツをさすっています。
P@・・消防さん活字にしてくれてありがとう。
でもこの気持ちは全国の関取が多かれ少なかれみんな持っているものだと思います。
横綱も関取も4つの輪で出来た同じ土俵に乗っているんです。
横綱と関取が本気でぶつかり合って客は満足して帰っていきます。
関取が蹴られるばかりでは客は帰れないですよ。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
福岡県田川地区消防
小笹勇治 (^O^)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
Date: Tue, 01 Jul 2003 22:39:27 +0900
Subject: [eml-nc3: 1927] Re: 心静止は除細動成功?
From: Tamura Shinya
みなさま,こんばんは。田村@札幌消防です。
私は,ACLSのインストラクターでもなんでもないですが,ACLSの一受講生としての感
想を述べさせていただくならば,やはり申し送りのなかでの「成功」という表現は適
切ではないように感じました。
その理由としては,
1・
ACLSの基本理念は,社会復帰率の高いVFを早期に発見し,早期除細動しよう,その
ためにVFハンターとなり,VFを発見する,もしくは心拍再開に向けて絶え間ない
CPRと早期薬剤投与を行いVFが出現したらすぐに除細動しよう,ということでは
なかったのでは?
2・
VFから除細動によりasystoleに移行したならば,それはACLSでは細動を取り除くこ
とが出来たということであって,早期に医師の管理下におかれたならば,asystoleの
アルゴリズムにより治療が開始される,すなわち心拍が再開するかどうか,どの時点
まで治療を継続するかチームリーダーの判断を待つ状況下であるのでは?
これらにより,やはり最終目標は心拍再開であり,ACLSとは細動を取り除くためのア
ルゴリズムではないと思っていましたので,私見ではありますが,救急隊からの申し
送り内容は「VF波形で除細動によりasysytoleに移行しました」がbetterと思いま
した。
また,皆さまと同意見ですが,細動を取り除くことに成功することを申し送ること
とnegative feedbackとは別問題であると思います。
From: "fujimoto naoki"
Subject: [eml-nc3: 1928] Re: 心静止は除細動成功?
Date: Tue, 1 Jul 2003 23:29:11 +0900
皆様、こんばんは。
藤本@北但消防(兵庫)です。
小笹さん
> 横綱も関取も4つの輪で出来た同じ土俵に乗っているんです。
> 横綱と関取が本気でぶつかり合って客は満足して帰っていきます。
> 関取が蹴られるばかりでは客は帰れないですよ。
長谷川さん(”さん”呼びは辛い!)のご発言は、決して
救急救命士の除細動実施について、クレームをつけられているんでも、
批判をされているんでもありませんので、誤解無きようお願いします。
長谷川さんのご尽力が無ければ、ここ但馬のMCは何年遅れ、
救急救命士の立場の認識が何年遅れていたことか・・・
研修会でのことと、私の情報提供のマズさで、あの様に
表現されただけです。
常に、救急救命士(だけじゃなく全ての人)のために、働いて
おられます。
私は、長谷川さんに蹴られても、それは教えと思い納得出来ます。
先日の研修会に参加していた者全てが、そう思っていると
確信しています。
どうしても、そのことを伝えたかったので、発言させていただきました。
From: "長谷川正宜"
Subject: [eml-nc3: 1929] Re: 心静止は除細動成功?
Date: Tue, 1 Jul 2003 23:34:15 +0900
豊岡しらゆり長谷川です。みなさんこんばんわ。
多くの方の考えを教えていただき ありがとうございます。
野田さん
> ご存じのように除細動とは細動を起こしている心筋を
> 脱分極させる電気生理学的な行為で、心静止の状態を
> 作り出すことによって自己の洞房結節の活動を期待するものです。
・・(一部略)
> このようなことを考えるとやはり「心静止=除細動成功」
> とするのが妥当だろうと思います。・・(一部略)
>「除細動成功しました。ですが心静止です。」という「言い方」
>ではないでしょうか。
VFのままでは心筋酸素消費も多く不利ですが
自己心拍再開率は心静止よりVFの方が可能性は
ずっと高いわけで より不利な状況に陥る状況を
成功と呼びたくはない というのが真意です。
心静止=除細動’状態’ならば違和感はないですが・・。
「除細動成功しました。ですが心静止です。」なら心情として
受け入れ可能です。
> またそうお考えになる方は現場での早期除細動より
> 時間がかかってでも院内で静脈路確保し、薬剤投与し、
> 気管挿管して除細動した方がよいとお考えの方が多い
> のではないかと推測します。
MC協議会やオンライン指導医師にも とにかく早く搬送しろ
とか 3回除細動して自己心拍再開しないなら現場でもたもた
せずに早く搬送しろ(プロトコールではさらに1分のCPR後に
もう3回除細動となっていますが)と言う意見の医師もいます。
が 基本的に病院前医療としての救命士の位置付けや
早期除細動の必要性は 次第に周知されているはずです。
が 心静止=除細動成功 という言い方などは 守旧派の
医師の心情を逆撫でし 「救命士は臨牀がわかっとらん」
と受け止められる危険もあるのです。
漢那さん
> 臨床的には、いまだすっきりしないけどそういうことのようです。
おっしゃるとおりだと思います。
Pさん
> 結論として、言葉の取違いだけで、憤慨されたり、蹴りを
> 入れられたりなどは理解に苦しむものです。
今 私は救急の現場にはおりませんが 後進の指導時には
たまには蹴り・・といっても小突く程度ですが・・まあそういう
ことも許容できる関係に救急専門医と救急隊がなれればいいな・・と(^^;)。
ただ言葉の問題としては 現時点では引継ぎで「除細動成功」
と言われれば「おっそれなら社会復帰も期待できる」と思うでしょう。
が 実は心静止であったなら 現着から病着まで26分の
この地域で その期待は消し飛びます。その心情の落差は
現場に居れば 思わず蹴り・・となるだろうな ということです。
徳田さん
>医師だけでなく救命士も参加しているACLS講習会を受講された上
>での発言でしょうか?
私を含め 但馬のMC協議会の委員で受講者は一人もおりません。
地域でのコース開催を模索していますが なかなか困難な状況です。
そこではG2000が共通基盤ではありませんので プロトコールや
事例の検証を通じてACLS化を進めていくしかないのですが
これまでの臨床経験となじまない用語定義が出てくると 拒否反応が
出てくるわけです。コースディレクターできるほどの医師がいれば
有無を言わさず引っ張って行けるのでしょうが・・。
地域でコース開催できれば 地域内の検証医やオンライン指導医には
野田さんのご提案のように 強制参加させることも検討しています。
搬入先病院がすべて公立病院なので多分可能です。
私がしている事は 救命士さん達が自らが主体となり企画・運営する
研究会で論議した事を MC協議会に反映し 施策レベルに載せること。
そして地域のシステムを 患者さん・介護者、行政も含めた介護・福祉・医療
関係者の連携の上に作り上げていく事です。
むやみに医師として救命士さんに「蹴り」を入れようとしておるのでは
ないことをご理解ください。
-----------------------------------------------------
長谷川正宜 haseyuri@inaker.or.jp
http://www.shirayuri-clinic.com
-----------------------------------------------------
Date: Wed, 2 Jul 2003 13:04:09 +0900
Subject: [eml-nc3: 1931] Re: 心静止は除細動成功?
From: Sonoda Hajime
田村さん、皆さまこんにちは其田@市立釧路です
田村さんwrote(一部引用);
> これらにより,やはり最終目標は心拍再開であり,ACLSとは細動を取り除くためのア
> ルゴリズムではないと思っていましたので,私見ではありますが,救急隊からの申し
> 送り内容は「VF波形で除細動によりasysytoleに移行しました」がbetterと思いま
> した。
この場合、頭に「除細動」と言う言葉がついても着かなくても「成功」と言う
言葉は現場ではふさわしくないように思います。
田村さんのご意見に賛成です。ご家族や衆目環視の中での言葉には普段から
注意が必要ですね。
論理的に正しくてもいらぬ誤解をもたれる可能性がありますから。
*********************
其田 一
市立釧路総合病院 救命救急センター
------------------------------------
From: "Yutaka Takeda"
Subject: [eml-nc3: 1938] Re: 心静止は除細動成功?
Date: Wed, 2 Jul 2003 23:23:09 +0900
皆さん、こんばんは。竹田@出雲消防です。
> G2000は現時点でのエビデンスの集大成であるにしても
> 聖典の如く扱うには 上記のような場合には抵抗があります。
> 私が既に「旧い常識」に囚われた守旧派になっているのか・・。
> 現在 ACLS/PTECなどでも 「心静止=除細動成功」という
> 事になっているのでしょうか?
長谷川さんが書かれたように「除細動成功しました。心静止です!」
と言われれば違和感をもちますね。私個人的には報告をするときは
「除細動しましたが心静止です」とか「除細動しましたがVFです」とい
う風に報告すると思います。「成功」「不成功」というのはあくまでも
データ上のことで臨床の場ではふさわしくないような気がしますね。
既にご存知だと思いますが、除細動成功の定義の不一致については
日本だけでなく G2000の審議の中でもやはり問題となっていたようです。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
AHA科学ステートメント
低エネルギー二相性波形による除細動:根拠に基づく審査過程の緊急
心血管ケアガイドラインへの応用 (1998年2月)
AHA緊急心血管ケアガイドライン委員会および基本的生命維持法・高度
心生命維持法・小児蘇生法小委員会から医療従事者に向けたステートメント
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
より
本審議のもうひとつの重要な限界も認識しなければならない。すなわち、
除細動と蘇生法成功の定義は一致していないということである。表4は、
認められる定義のばらつきを示している。
これらのばらつきは、おもにプレホスピタル環境におけるデータ収集の
現実を反映している。蘇生行為は、複数の実施者とインターベンション
そして中間の結果を伴う動的なイベントである。除細動の結果には以下
のものがある。すなわち、持続性心室細動または灌流調律への転帰、
収縮停止、あるいは無拍動性電気活動である。さらに、除細動を受けた
患者はのちに再び細動を起こし、より多数のショック通電を必要とするか
もしれない。ショック通電とその結果は、気管内挿管と薬剤の静脈内投与
をおこなうACLSの到着やCPRなど、他の多くのインターベンションを伴っ
て生じる。臨床治療データは、AEDのイベント記録データと相関させること
は難しい。”ショック通電の成功”のある一つの定義が他のよりも意味があ
る、あるいは一般的に受け入れられる、という主張は指示しがたい。
表4 ショック通電の”成功”または転帰の用語と定義のばらつき
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
転帰表現 定義
除細動成功: >5秒のVF停止(収縮停止またはPEA=VF停止)
または
初回ショック後 >30秒のVF停止
または または
3回以内のショック後 VFから系統的電気活動への転換
または (明記された時間:>5または30秒)
または
全ショック後 移送時またはAED記録終了時におけるVFから系統的電気活動への転換
または
VFからROSCへの明記された時間間隔にわたる転換
蘇生成功:
初回ショック後 移送時またはAED記録終了時におけるVFからROSCへの転換
または または
3回以内ショック後 救急部到着時ROSC
または または
全ショック後 自発循環を伴う入院
または
退院時生存
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
VF:心室細動、PEA:無拍動性電気活動、AED:体外自動除細動器、ROSC:自発循環の回復
--------------------------------------
出雲市外4町広域消防組合 出雲消防署
竹田 豊(Yutaka Takeda)
--------------------------------------
Date: Thu, 03 Jul 2003 00:48:43 +0900
Subject: [eml-nc3: 1939] Re: 心静止は除細動成功?
From: 野田 英一郎
長谷川さん、みなさん、こんばんは。野田です。
長谷川さん:
> 「除細動成功しました。ですが心静止です。」なら心情として
> 受け入れ可能です。
僕もどう言った表現がいいか悩んでいるメールを出させて頂きましたが、皆さんの
メールで医師との連絡において「成功」をいう言葉を使う必要は全くないと思い至り
ました。
しかし、除細動の効果が心静止にすることである、ということを知らない医師は問
題外です。再教育の必要ありです。
長谷川さん:
> が 基本的に病院前医療としての救命士の位置付けや
> 早期除細動の必要性は 次第に周知されているはずです。
> が 心静止=除細動成功 という言い方などは 守旧派の
> 医師の心情を逆撫でし 「救命士は臨牀がわかっとらん」
> と受け止められる危険もあるのです。
そうですね。そのためにはやはり皆さんが仰るように、「除細動で心静止に移行し
ました。」が次善の策??として受け入れられやすい表現かも…。ですが言い方では
なく、理論として「除細動成功=心静止」であることを知らない医師にとってはどっ
ちにしても救命士のケツを蹴る原因にはなりそうですが…(^_^;)
長谷川さん:
> ただ言葉の問題としては 現時点では引継ぎで「除細動成功」
> と言われれば「おっそれなら社会復帰も期待できる」と思うでしょう。
> が 実は心静止であったなら 現着から病着まで26分の
> この地域で その期待は消し飛びます。その心情の落差は
> 現場に居れば 思わず蹴り・・となるだろうな ということです。
長谷川さんの地域の実情を聞く限りは、そうなっても仕方がない実情が医師側にあり
そうです。
>
> 徳田さん
>> 医師だけでなく救命士も参加しているACLS講習会を受講された上
>> での発言でしょうか?
>
> 私を含め 但馬のMC協議会の委員で受講者は一人もおりません。
> 地域でのコース開催を模索していますが なかなか困難な状況です。
現在兵庫県内では医科大学、主要医療機関合同でACLS普及団体を立ち上げようとし
ております。よかったらそちらをご紹介致しますが…。また近隣ではACLS大阪、岡
山ACLS研究会が毎週のように講習会を開催しております。こちらのコースもご紹介で
きます。ますはコース受講が先決です。委員の主要メンバーの方のコース受講を強く
推奨します。(class1)受講もせずに、独学の方のみではコース開催は厳しいです。
(class1)
また今年度より麻酔科学会地方支部会においては、支部会開催翌日の日曜日に講習
会を開催することが決まっております。ぜひそちらを御受講ください。
長谷川さん:
> 地域でコース開催できれば 地域内の検証医やオンライン指導医には
> 野田さんのご提案のように 強制参加させることも検討しています。
> 搬入先病院がすべて公立病院なので多分可能です。
地域からの強制だけでなく、来年度から救急認定医の新規申請、更新にACLS講習会へ
の受講歴、指導歴が必須となります。循環器学会、麻酔科学会も同じ方向で動いてお
ります。検証医や指導医には何かの方が多いのでしょうか。
> 私がしている事は 救命士さん達が自らが主体となり企画・運営する
> 研究会で論議した事を MC協議会に反映し 施策レベルに載せること。
> そして地域のシステムを 患者さん・介護者、行政も含めた介護・福祉・医療
> 関係者の連携の上に作り上げていく事です。
> むやみに医師として救命士さんに「蹴り」を入れようとしておるのでは
> ないことをご理解ください。
(^_^;)それだけは長谷川さんの文面から痛いほどよく分かりますのでご安心を…。
野田 英一郎
九州大学大学院 医学研究院 麻酔蘇生学
From: "長谷川正宜"
Subject: [eml-nc3: 1947] RE 心静止は除細動成功?
Date: Fri, 4 Jul 2003 01:37:34 +0900
野田さん、竹田さん、みなさんこんばんわ。
豊岡しらゆり長谷川です。
野田さん
> 現在兵庫県内では医科大学、主要医療機関合同でACLS普及団体を
> し立ち上げようと>しております。よかったらそちらをご紹介致しますが…。
> また近隣ではACLS大阪、岡山ACLS研究会が毎週のように講習会を
> 開催しております。こちらのコースもご紹介できます。
> ますはコース受講が先決です。委員の主要メンバーの方のコース受講を
> 強く推奨します。
私も 何はさておいても 委員と地域内各搬送病院の救急担当
医師と看護師にACLS・PTECの受講機会を設けねばと思って
います。各病院にまず一つACLSチームを作り それを核に
院内に広げていく方針です。
PTECについては、兵庫県内で今年度3回の開催が予定さ
れており、西兵庫、東兵庫、北兵庫(但馬)の順と考えられて
いるようで 1月末か2月初め 誰もが但馬に来たがる蟹の時期
になりそうだとお聞きしています。
ACLSについても大阪ACLSの協力をいただき開催する方向で
数人のインストラクター(全て救命士)を窓口に根回し中です。
兵庫県でのACLS普及団体が立ち上がるのでしたら 県内の
実情をかんがみて 但馬を最優先補強地域と位置付けて
コース開催をお願いできたらと思います。
是非是非ご紹介ください。
> 検証医や指導医には何かの方が多いのでしょうか。
東京都の面積をもつ但馬は北と南に検証域が分かれていますが
北の豊岡病院にはB評価の救命救急センターがあります。
H17年に新築移転し急性期病院として救急部専任医師を置きます。
(実際の赴任がいつになるかは見通し不明ですが・・)
現在 救命センター長は整形外科業務と兼任です。この方と
麻酔科医師が検証医です。昼間はセンター長と循環器・脳外科
医師がPHSを所持しますが 夜間は内科系・外科系の当直医が
それぞれ所持する体制です。
南は250床の総合病院で 救急のチーフの外科医師と麻酔科・
循環器が検証医です。夜間は当直医が交換台・看護師を通して
連絡を受けます。
美しい山村風景をどこまで分け入っても 高齢者が住んでおられます。
携帯の不感地域もそこら中にあります。救えたはずの命・・というのは
都会と山村では初期条件が違いすぎます。その分 救命士に大きな
役割が求められます。十分に吟味検討されたプロトコールを最も必要
とするのは こうした僻地山村を守備する救命士だと思います。
竹田さん
> 既にご存知だと思いますが、除細動成功の定義の不一致については
> 日本だけでなく G2000の審議の中でもやはり問題となっていたようです。
貴重な情報ありがとうございました。「成功」という言葉にこだわるのは
あながち的外れでなかった事に安心しました。但馬にも数年おられた
松原先生が出雲で救急に尽力されてこられましたが 私はこの地で
救急の基盤を作れず現場から離れてしまいました。今は微力ながら
その罪滅ぼしとして動いております。
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長谷川正宜 haseyuri@inaker.or.jp
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■心静止は除細動成功?
tjqq(2003年7月)より
From: "Hideki Tanita"
Subject: [tjqq:00207] 但馬救急研究会第1回研修会
Date: Sun, 29 Jun 2003 15:55:18 +0900
皆さん、こんにちは。美方消防の谷田です。
但馬救急研究会第1回研修会へのご参加、ご協力ご苦労様でした。
研修会について、いろいろいと、不備、至らない点が数多くあるかと
思いますので、皆さんのご意見、ご批判をよろしくお願いします。
From: "長谷川正宜"
Subject: [tjqq:00210] RE: [tjqq:00207] 但馬救急研究会第1回研修会
Date: Mon, 30 Jun 2003 01:17:11 +0900
豊岡しらゆり長谷川です。
> 美方消防の谷田です。
> 但馬救急研究会第1回研修会へのご参加、ご協力ご苦労様でした。
> 研修会について、いろいろいと、不備、至らない点が数多くあるかと
> 思いますので、皆さんのご意見、ご批判をよろしくお願いします。
関係者の皆さん ご苦労様でした。いや ありがとうございました。
研究会が事務局の手で 自主的に動き始めたのはうれしい事です。
成果
1.救急研究会が救命士さんたちの自主研修の場として位置付けられた。
2.研修会が3ヶ月に1回に定例化され 午前中検証委員会
午後症例検討会として 症例検討では3ヶ月前の検証事例から
各消防本部1例以上の事例を 初診医・関与専門医の聞き取り
カルテチエックなど詳細に検討して 事例検討する事になりました。
この場で 疑問に気付いた指導やプロトコールに関しても
検討していく事になると思います。
3.多くの意見が出て 話し合う関係・雰囲気は出てきた気がする。
4.その場での全体化はされませんでしたが PTECやACLSの講習会の
目途が立ってきた。(金納さんのメール参照)
反省
1.「心静止も除細動状態 とG2000に記載がある」・・どこにあるんですか?
あれを契機に各医師の発言姿勢が変わりましたでしょ。
研修会は共通言語を確認する、広げていく位置付けがありますが
言葉の定義問題は 臨床経験から離れたものになっては
信頼関係を損ないます。G2000の原典としての信用も損ねます。
私自身が不勉強で そのことの背景の意味をフォローできなかった
事は 申し訳ないと思いますが 日常臨床経験から受け入れ難い事を
ポンと出されても 単なる言葉遊びのように取られる事になります。
救命士は臨床の事はわかっていない と思われかねません。
この件は 次回きちんと文脈の上で説明する必要がある と感じます。
2.結論を急がない。
救急専門医がいない現状で オンライン指示医・検証医やMC関与医師とも
これから共に勉強していこうというスタンスです。
とりわけプロトコールの問題は 提示されてそれについて調べ 問い合わせたり
して十分な検討が必要です。今回十分な資料が添付されていましたが
それだけで ではプロトコールを変えましょうとはならんのです。
また救命士の活動根拠として プロトコールは様々な場面を想定したもので
ある必要がありますが フローチャートは明快でなくてはなりません。
これらの作業は 医師のレベルアップと並行して進むものです。
その場で結論を求めないほうが 望む方向に進む気がします。
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長谷川正宜
http://www.shirayuri-clinic.com
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From: "fujimoto naoki"
Subject: [tjqq:00215] Re: [210] 但馬救急研究会第1回研修会
Date: Mon, 30 Jun 2003 16:35:49 +0900
豊岡しらゆり長谷川さん、こんにちは。
藤本@北但消防です。
> 1.「心静止も除細動状態 とG2000に記載がある」・・どこにあるんですか?
> あれを契機に各医師の発言姿勢が変わりましたでしょ。
> 研修会は共通言語を確認する、広げていく位置付けがありますが
> 言葉の定義問題は 臨床経験から離れたものになっては
> 信頼関係を損ないます。G2000の原典としての信用も損ねます。
> 私自身が不勉強で そのことの背景の意味をフォローできなかった
> 事は 申し訳ないと思いますが 日常臨床経験から受け入れ難い事を
> ポンと出されても 単なる言葉遊びのように取られる事になります。
> 救命士は臨床の事はわかっていない と思われかねません。
>
> この件は 次回きちんと文脈の上で説明する必要がある と感じます。
上記の件ですが、AHAガイドライン2000(日本語版)の
75ページの【波形による評価】のところで以下のように記載されています。
・・・前略・・・
「除細動」の言葉は、細動の電気的活動をうち消すことを意味し、
除細動は”通電(ショック)”とは同義語ではない。除細動は、
細動の終息を意味すると理解すべきで、循環を維持するメカニズムの
再開、入院、退院生存など他の蘇生の結果と混同すべきではない。
・・・中略・・・
最近のある研究では、成功した除細動ショックは、通電5秒後での
VFの消失と定義された。この通電結果の定義は、除細動波形の
評価で”除細動成功”の定義を決定するために1999年のエビデンス
評価で専門家によって妥当とされた考え方の一つである。このように
通電後に無収縮やVFのない電気的活動が見られたら、VFが
終息しているから”通電成功”となる。
・・・後略・・・
以上の記述から、「除細動は細動の終息を意味するもので
心静止も含まれる」との解釈で発言されたものと思います。
私も、洞調律から心静止に至るまでの、細動の終息を意味するものと
解釈しております。
しかし、いくつかの医学事典で【除細動】を調べてみたんですが、
「心室細動・粗動、心室性頻拍症、ないし心房細動・粗動に対し、
主としてカウンターショック法により、これら不整脈を停止させ、
洞性リズムに回復させることを言う。」
と記載されています。
ん〜、悩むところではあります・・・
From: "長谷川正宜"
Subject: [tjqq:00217] RE: [215] 但馬救急研究会第1回研修会
Date: Mon, 30 Jun 2003 20:24:24 +0900
> 藤本@北但消防です。
> 「除細動」の言葉は、細動の電気的活動をうち消すことを意味し、
> 除細動は、細動の終息を意味すると理解すべきで、
> 循環を維持するメカニズムの 再開、入院、退院生存など
> 他の蘇生の結果と混同すべきではない。
・・・中略・・・
> このように通電後に無収縮やVFのない電気的活動が見られたら
> VFが終息しているから”通電成功”となる。
もし今 私が救急医として 患者搬入を受け 救命士が
「通電成功・除細動できています」と言って心静止なら
馬鹿たれーと言って蹴りを入れます。
現段階で医師の常識は「除細動成功とは洞調律への復帰」です。
そのやうにG2000で定義されていても 体が馴染まない。
成功とは患者さんに益する事を指すものでないとおかしい。
> 参加された方から「発言できる雰囲気ではなかった。」との
> ご意見もいただきました。
まあ1回目だから・・。次第に顔も見えてくるし 話も出来て
くるようになるんだと思いますよ。1年くらいかかるでしょうけど。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
豊岡市小田井町17-7
しらゆり診療所 内科・麻酔科・人工透析
長谷川正宜
From: "fujimoto naoki"
Subject: [tjqq:00218] Re: 心静止=除細動?
Date: Mon, 30 Jun 2003 22:59:39 +0900
長谷川先生、こんばんは。
藤本@北但消防です。
勝手ながら、件名を変更させていただきます。
> もし今 私が救急医として 患者搬入を受け 救命士が
> 「通電成功・除細動できています」と言って心静止なら
> 馬鹿たれーと言って蹴りを入れます。
> 現段階で医師の常識は「除細動成功とは洞調律への復帰」です。
> そのやうにG2000で定義されていても 体が馴染まない。
> 成功とは患者さんに益する事を指すものでないとおかしい。
G2000での定義は、それなりのエビデンスに基づいて
定義されたものでしょうから、それを確かめる方法を
持たない私にとっては、否定も何も出来ませんので、
除細動は細動が取り除かれたものであると、”文字”の上でのみ
解釈しています。
しかし、救急活動上で通電ショックを実施し、心静止になったものを
「除細動できています」とは使いませんし、違和感を感じます。
使った日にゃ、蹴られても、しゃ〜ないと思います。
私達、救急救命士が自動解析除細動器を使用し、ボタンを
押すのは、心電図上の波形変化だけを目的にしておりません。
患者さんの心臓が再び鼓動し、目を開けられ、ご家族との
幸せな生活に戻られることを願いボタンを押します。
ですから、凄く違和感を感じています。
違和感を感じたからこそ、たった数冊ですが医学事典で
【除細動】を調べてみました。
ただ、捉え方は人それぞれ。
「G2000で定義されているんだから、通電後の心静止は
除細動できていると言えるがな!」
と言う救急救命士も現れるかもしれません。
現在、救急救命士研修所や養成所では除細動の言葉の意味を
どのように指導されているのか、どなたか知っておられませんか?
From: "Hideki Tanita"
Subject: [tjqq:00221] Re: [tjqq:00218] Re: 心静止=除細動?
Date: Tue, 1 Jul 2003 19:08:41 +0900
皆さん、こんにちは。美方消防の谷田です。
但馬救急研究会第1回研修会についての、皆さんのご意見を読み、
担当した一人として、指摘された点を反省し、今後につなげたいと思います。
・・さんが、研修会の最後に、たくさんの宿題をいただいた、と発言されま
した。私も自分なりにこの宿題に取り組み勉強したいと思います。
藤本さんのご発言
> それと、私の思っていたことですが、昨日の研修会は
> あくまでも研修会であって、MC協議会のプロトコルを
> 批判したり、変更を進言するなどの場ではないと
> 思っております。
藤本さんは、自分自身に対しての発言とのことです。
一般論として、プロトコルに対する前向きな批判、それに基づく変更の
進言については、私はいいと思います。一切の批判を禁じ、プロトコル
を聖域扱いすれば、プロトコルの進化が止まってしまうと思います。
除細動の議論について、もう一度私なりに整理してみます。
通電・除細動成功の定義に、皆さんが、これだけこだわったのは、VFが
再発した場合、以前成功した通電エネルギーで、除細動を行うからでは
ないでしょうか。
ここで仮にVFの通電後、VF以外の心静止・PEAは通電成功とすると、
VF発生
↓
200Jで通電
(通電後、救命士の使用するAEDは自動的に300Jを選択)
↓
心静止・PEAに移行
↓
その後短時間でVF再発
↓
300Jのエネルギー値を200Jに変更、自動充電
↓
200Jで通電
通電成功のエネルギー値200Jを選択すれば、300Jに比べ低エネルギー
で心筋障害も少ないと思います。
以上が通電成功の定義にこだわった理由だと理解しています。違って
いれば、指摘をお願いします。
ただ、この通電成功の定義については、私としては、いくつか疑問点が
あり、研修会でこの点について聞く予定でした。
疑問点とは、AHAガイドライン2000では次の記載があります。
(1)最初は通電でVFが終了したが、その後再発して心停止した場合は、
その後のショックは以前成功したエネルギーレベルで行う。
(2)通電後に無収縮やVFのない電気的活動が見られたら、VFが終息して
いるから、通電成功となる。
(2)は確かに通電成功の定義ですが、(1)は「その後再発して心停止し
た 場合は」とあるのは、通電でVF終了後、心拍が一旦再開(脈のある)した
が、再びVFが再発して心停止となった場合については、以前成功したエネル
ギーレベルで行う、と読めます。また、大阪ACLSテキストにも同様の記載があ
ります。
すなわち、通電でVF終了後、心静止・PEAに移行、心拍再開せず、再び
VFが再発した場合、どのエネルギー(200・300・360J)を選択するか、記載
がありません。(私の勉強不足で記載を発見できないかもしれませんが)
この場合、やはり通電に成功したエネルギーレベルで行うのでしょうか。
また、この場合、院内ではどのエネルギーレベルで通電しているのでしょ
うか。
藤本さんのご発言
> 現在、救急救命士研修所や養成所では除細動の言葉の意味を
> どのように指導されているのか、どなたか知っておられませんか?
昨年、北九州の救急救命士養成所を卒業した職員は、G2000での定義で
教育を受けているようです。当然と言えば当然ですが。
藤本さんが以前質問されていた指示の件ですが、手元に資料がなく、今しばら
くお待ちください。
藤本さん、皆さん、たくさんの宿題をひとつひとつ、検討していきませんか。
まずは除細動から。
From: "fujimoto naoki"
Subject: [tjqq:00222] Re: [221] 心静止=除細動?
Date: Tue, 1 Jul 2003 21:29:50 +0900
谷田さん、こんばんは。
藤本@北但消防です。
> > それと、私の思っていたことですが、昨日の研修会は
> > あくまでも研修会であって、MC協議会のプロトコルを
> > 批判したり、変更を進言するなどの場ではないと
> > 思っております。
>
> 藤本さんは、自分自身に対しての発言とのことです。
> 一般論として、プロトコルに対する前向きな批判、それに基づく変更の
> 進言については、私はいいと思います。一切の批判を禁じ、プロトコル
> を聖域扱いすれば、プロトコルの進化が止まってしまうと思います。
確かに、私の発表に対して、プロトコルに記載するのかと言った
話になったので、私の疑問に思っている内容の記載が
ないことを批判したり、記載してほしいと意見したわけではありませんし、
プロトコルに記載すべきもんでもないと思っています。
ですから、谷田さんの仰っていることに賛成です。
ただ、但馬救急研究会はMC協議会の下部組織として
位置づけられていますが、プロトコルを決定する場ではありませんよね。
プロトコルに対する疑問点(自分自身の理解不足も含む)を
発表し、研修会で議論し、それを協議会に上げ回答をいただくのが、
MC協議会の下部組織に位置づけられている但馬救急研究会の
在り方だと思うんですが、いかがなもんでしょ?
プロトコルを決定するのはMC協議会ですし、研修会で正式な
回答を求めようとすると、各本部の担当係長の公的な出席が
必要である思うんです。
次回開催の件もありますから、気になりますよね。
> すなわち、通電でVF終了後、心静止・PEAに移行、
> 心拍再開せず、再びVFが再発した場合、どのエネルギー
> (200・300・360J)を選択するか、記載がありません。
> (私の勉強不足で記載を発見できないかもしれませんが)
>
> この場合、やはり通電に成功したエネルギーレベルで
> 行うのでしょうか。
> また、この場合、院内ではどのエネルギーレベルで
> 通電しているのでしょうか。
G2000で定義されている「除細動は、細動の終息を意味する」を
当て嵌めて考えると、【VF→心静止・PEA】も除細動成功と
なりますから、通電に成功したエネルギーレベルで
良いと思うんですがどうなんでしょ?
G2000の定義を当て嵌めず、医学事典に記載されている
「心室細動・粗動、心室性頻拍症、ないし心房細動・粗動に対し、
主としてカウンターショック法により、これら不整脈を停止させ、
洞性リズムに回復させることを言う。」で考えると、
次に高いエネルギーレベルになるんですかねぇ?
From: "長谷川正宜"
Subject: [tjqq:00223] RE: [221] 心静止=除細動?
Date: Wed, 2 Jul 2003 00:47:37 +0900
豊岡しらゆり長谷川です。
>美方消防の谷田です。
> 一般論として、プロトコルに対する前向きな批判、それに基づく変更の
> 進言については、私はいいと思います。一切の批判を禁じ、プロトコル
> を聖域扱いすれば、プロトコルの進化が止まってしまうと思います。
そうなんです。それはそうなんですが 但馬には但馬の事情もあります。
懸案である救急専門医の不在 ということは こういうところで影響します。
椋棒さんも和又さんも地域の救急システムの改革については前向きですが
多分 今G2000の勉強中で それも日々の自分の専門で忙しくなかなか
進まない。(かくいう私も雑事に追われなかなか本を手にしてない・・(^^;))
で 医師としては自分の専門外の事で 責任者として追及されるのは
かなわん訳です。本来プロトコールは県が責任を持って提示して欲しい、
と言われるのはもっともだろうと思います。そこでとりあえず代用として
神戸市のプロトコールを借りている。それが改変されていけば それを
但馬版とするのには抵抗はないです。より良くしたいという気はある。
ただ但馬独自のものを作るには 専門でないですので やはり県に
聞いてみるなり 上部組織での了解を取らないと改変はできない。
そうした構造が背景にあるわけです。
だから文献にこう書いてある、XX先生がこう言っただけでは根拠になりませんし
G2000でさえ 厚生労働省認可・消防庁指定教本にならなければ
ただのAHA文献に過ぎないわけです。責任の所在が明確でない現時点で
G2000にこう書いてある、しかもその解釈のしようも幾つかある場合
現状のMC協議会に プロトコールを改変する能力はありません。
プロトコールのこの箇所は このような場合実施の判断に迷う。
ついてはこの件をご検討願いたい。資料はこれこれ・・。
それを県の救急業務高度化委員会で 意見を聞いて MC協議会で
こう改変したいと議決する 手順になるはずです。
だから 疑問はどんどん出してもらえばいい。資料も十分に添付して。
こう変えて欲しい方向の資料や特に他地域のプロトコールは有効でしょう。
こういう事例で ここが迷った という具体例に添えてね。
ただ こうあるべきだ こう変えてほしいというのは 今は逆効果になると
思うんです。
それは1年くらいかけてそういう事が言い合える関係を作っていこうという
目標にしてください。
> すなわち、通電でVF終了後、心静止・PEAに移行、心拍再開せず、再び
> VFが再発した場合、どのエネルギー(200・300・360J)を選択するか、記載
> がありません。
> この場合、やはり通電に成功したエネルギーレベルで行うのでしょうか。
> また、この場合、院内ではどのエネルギーレベルで通電しているのでしょうか。
だから 谷田さんがG2000の解釈に迷うところを 今但馬で聞いても
答えられる医師はいないの。おいらも解からんもん。
そういうことはeml-ncで尋ねましょう。そしてその答えをtjqqにフィードバック
してください。今はみんなで知識を共有化して 一緒に学ぼうという段階
でしょう。まずそこから地道に始めましょう。
MLではどんどん自由に意見を出してもらったらいいのです。
そして発信者の了解の下に 整理したものをHPに載せていく。
tjqq内でわからんことはeml-ncで教えてもらいながらね。
うーん まあ今おいらはそのような感じがしているんですわ。
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MLの御約束:発信者の許可なくメールを外部に持ち出さない。
長谷川正宜
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From: "長谷川正宜"
Subject: [tjqq:00227] RE: [225] 心静止=除細動?
Date: Wed, 2 Jul 2003 23:48:04 +0900
(引用部分省略)
情報ありがとうございます。やはり国が全国共通プロトコールを
策定し プロトコールに従った活動に対して 国が責任を持つ
その上で 地域実情に合わせた補足対応をしていく。
地域によってははドクターヘリを運用する。そういう方向に向かう
のだろうと期待しています。
そして救命センターに救急専従医が十分に配属され そのMC指揮の
もとで地域の足並みが揃い 全体のレベルが上がり 市民のCPR実施が
普及し 住民・介護・福祉・医療の連携が密になる。
それが望ましい姿であり そのために一つずつ積み上げる。
(引用部分省略)
・・さんにアドバイスいただく度に 初心に戻り 目指すものを
再確認し 現状を認識し 何をすべきか考えます。
地域に散在する熱意を つなげ広げ より大きなものにしていく
そのまず大きな転換点は 病院での救急担当医師と看護師の
ACLS/PTECの受講だと思います。各病院に核になるチームを
作る。私は それが今 もっとも必要な事だと思います。
(引用部分省略)
7月の25日に地域MC協議会があるようです。議題はまだ聞いて
いませんが プロトコールの話がでるようなら・・さんのご指摘を
報告します。
-----------------------------------------------------
長谷川正宜
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From: "Hideki Tanita"
Subject: [tjqq:00228] Re: [tjqq:00222] Re: [221] 心静止=除細動?
Date: Thu, 3 Jul 2003 15:26:01 +0900
藤本さん、こんにちは。美方消防の谷田です。
> ただ、但馬救急研究会はMC協議会の下部組織として
> 位置づけられていますが、プロトコルを決定する場ではありませんよね。
> プロトコルに対する疑問点(自分自身の理解不足も含む)を
> 発表し、研修会で議論し、それを協議会に上げ回答をいただくのが、
> MC協議会の下部組織に位置づけられている但馬救急研究会の
> 在り方だと思うんですが、いかがなもんでしょ?
> プロトコルを決定するのはMC協議会ですし、研修会で正式な
> 回答を求めようとすると、各本部の担当係長の公的な出席が
> 必要である思うんです。
> 次回開催の件もありますから、気になりますよね。
藤本さんの言われるとおり、但馬救急研究会は、議論の場で、
決定する場ではないと思います。ただ、議論の積み重ねが重要
だと思います。
> G2000の定義を当て嵌めず、医学事典に記載されている
> 「心室細動・粗動、心室性頻拍症、ないし心房細動・粗動に対し、
> 主としてカウンターショック法により、これら不整脈を停止させ、
> 洞性リズムに回復させることを言う。」で考えると、
> 次に高いエネルギーレベルになるんですかねぇ?
藤本さんが以前投稿されていましたが、除細動成功の定義についても
G2000でさえ、1999年のエビデンス評価で妥当とされたものであるとの
記載があります。それ以前はどのような定義であったか、知りませんが。
救急医療も日々進歩していることを考えると、やはりG2000の定義を
当てはめるのが現在のところ妥当ではないでしょうか。
From: "Hideki Tanita"
Subject: [tjqq:00229] Re: [tjqq:00225] Re: 心静止=除細動?
Date: Thu, 3 Jul 2003 19:19:08 +0900
皆さん、こんにちは。美方消防の谷田です。
以前ACLSの研修会で、1クール(200−300−360または150−150−150)の
除細動後の心電図が、除細動前の心電図と変化がなければ、2クール目の
除細動は効果がないと聞きました。
効果があるのは、1クール後、挿管して酸素化を図ったり、薬剤を投与して振
幅をより大きくしたら除細動に反応する可能性があるとのことでした。
現在救命士ができるのは酸素化です。そこで、1クール後CPRを1〜2分間
実施し、その後の心電図の前向きな変化と、病院までの搬送所要時間を
医師に報告し、オンラインによる指導・助言を受けるよう考えています。
山本五十年さんは、但馬の地域性(面積が広く人口が少ない、搬送時間が
長い、救急専従医がいない等)を考慮すると、難治性VF・VTに対し2クール
プロトコルが適しているとのことです。
1クール後CPRを1〜2分間実施し、2クール目を実施する際、その後の
心電図の変化をどのように考えたらいいのでしょうか。それとも、救急現場
ではそもそも心電図変化を考慮しなくていいのでしょうか。
例えば、搬送時間が短い現場でも、心電図の前向きな変化があれば、
2クール目を実施すべきでしょうか。それともやはり搬送を優先すべきで
しょうか。
皆さんのご教示をお願い致します。
From: "Hajime Nakano"
Subject: [tjqq:00230] Re: 223 心静止=除細動?
Date: Fri, 4 Jul 2003 13:00:00 +0900
長谷川さん、皆さん、こんにちは。中野@美方広域消防です。
ここ数日、皆さんの本MLやeml-ncでのご発言を繰り返し読んでいます。
「一人でも救命の可能性のある人を救いたい!」という思いは、どなたも同じだと思
います。
「心静止=除細動」について、同僚の救命士に問いかけたところ、彼もやはり「??」
でした。
私は、救命士になって9年、特定行為が実施できるようになって6年半ですが、この
間、除細動を実施したのは2〜3回で、この4月からは一度もCPA事案に出動してい
ません。
現場での経験が少ないからこそ、いろいろな文献を読み、いろいろなケースを想定し
ていくと、プロトコルに対する疑問点が出てくる。
だから研修会を開いて、他の救命士の判断や医師の助言を頂きたいと思いました。
長谷川さんwrote
> そうなんです。それはそうなんですが 但馬には但馬の事情もあります。
> 懸案である救急専門医の不在 ということは こういうところで影響します。
> 椋棒さんも和又さんも地域の救急システムの改革については前向きですが
> 多分 今G2000の勉強中で それも日々の自分の専門で忙しくなかなか
> 進まない。(かくいう私も雑事に追われなかなか本を手にしてない・・(^^;))
→ 長谷川さんがおっしゃる但馬の事情というのも理解できます。
私自身もAHAガイドライン2000を持っていませんし、研修会参加者のほとんどがそう
だと思います。
「包括的指示下での除細動に係る講習会」テキストの除細動プロトコルでは「除細動
成功(心拍再開)」となっていますので、皆さんのご教示がなければ「心静止=除細
動」を理解できなかったでしょう。
> だから 疑問はどんどん出してもらえばいい。資料も十分に添付して。
> こう変えて欲しい方向の資料や特に他地域のプロトコールは有効でしょう。
> こういう事例で ここが迷った という具体例に添えてね。
> ただ こうあるべきだ こう変えてほしいというのは 今は逆効果になると
> 思うんです。
> それは1年くらいかけてそういう事が言い合える関係を作っていこうという
> 目標にしてください。
→ 但馬救急研究会が第1回研修会でつまずいて、転倒してしまっては先へ進めませ
ん。
藤本さん、事務局員をもっと増やして構想を練りましょう。
医師や看護師も事務局に入ってもらっても良いかな。
*********************
中 野 肇
*********************
From: "fujimoto naoki"
Subject: [tjqq:00233] Re: [229]心静止=除細動?
Date: Sat, 5 Jul 2003 12:39:10 +0900
谷田さん、皆さん、こんにちは。
またまた、藤本@北但消防です。
谷田さん
> 山本五十年さんは、但馬の地域性(面積が広く人口が少ない、
> 搬送時間が長い、救急専従医がいない等)を考慮すると、難治性
> VF・VTに対し2クールプロトコルが適しているとのことです。
>
> 1クール後CPRを1〜2分間実施し、2クール目を実施する際、そ
> の後の心電図の変化をどのように考えたらいいのでしょうか。そ
> れとも、救急現場ではそもそも心電図変化を考慮しなくていいの
> でしょうか。
>
> 例えば、搬送時間が短い現場でも、心電図の前向きな変化が
> あれば、2クール目を実施すべきでしょうか。それともやはり搬送
> を優先すべきでしょうか。
論点がズレてたら御免なさいです。
私の思いですが、救急現場でも心電図変化を考慮と言うか、
常に気にしておくべきだと思います。
心電図変化を無視するならば、その後の除細動実施に繋がりません。
谷田さんが書かれたように、救急隊員にとって有効な武器である
酸素と同じくらい半自動式除細動器も有効な武器ですよね。
ですから、チャンスがあれば除細動を実施すべきと思っています。
ただ、谷田さんの仰るように時間的な問題で悩むところがあります。
除細動プロトコルで
「走行中の救急車内で心電図解析及び除細動を行う場合は
アーチファクトを拾うため救急車を停車させ実施する。」
と記載されています。
心電図が病院が目前に迫っているのに救急車を停車させ、
解析及び除細動を実施と言った手順を踏んだ場合で、
除細動器が通電ショックを指示しなければ、無駄な停車時間で
あったことになります。
しかし、除細動チャンスを逃がすことにもなります。
逆に、現場出発から病院到着まで20分以上かかるような場合ですと、
怪しい(VF様の)心電図波形が出現すれば、停車→解析を行うことが
除細動チャンスを 逃さないんではないかと思います。
と言うわけで、私は除細動チャンスを逃さないためにも、
心電図波形の変化を気にしておき、「これならば!」と
判断したときには、停車させてまでも除細動を実施すべきと
思っています。
そのためにも、心電図を見極めるトレーニングを
怠らないようにしなければならないと思います。
言うのは簡単、行うのは難しい・・・ですが。
From: "長谷川正宜"
Subject: [tjqq:00234] Re: [233] 心静止=除細動?
Date: Sun, 6 Jul 2003 02:34:22 +0900
豊岡しらゆり長谷川です。
> > 1クール後CPRを1〜2分間実施し、2クール目を実施する際、そ
> > の後の心電図の変化をどのように考えたらいいのでしょうか。そ
> > れとも、救急現場ではそもそも心電図変化を考慮しなくていいの
> > でしょうか。
G2000で除細動の項目を読んでみても VFかどうかが除細動の
適応として挙げられており振幅等波形変化に言及した部分は無いような。
VFの波形変化は評価しにくいので プロトコールに載せるのは困難
だと思います。心臓そのものの電気活動以外にも多くの因子が
影響しますので VFが大きくなったと感じても それは評価せず
1クール後60-90秒CPR その後2クール目の除細動のプロトコール
に従うのが 現状では正解でしょう。
> 例えば、搬送時間が短い現場でも、心電図の前向きな変化があれば、
> 2クール目を実施すべきでしょうか。それともやはり搬送を優先すべきで
> しょうか。
2クール目を実施すべきだと思います。除細動できない限り1分間に
10%ずつ救命率は減少するのですから プロトコールで指示された
酸素化後の2クール目はやる意味があると思います。
その際に 波形変化評価を考慮する必要はなく VF/脈なしVTか
(AEDが認識するわけですが)どうかだけが重要なのだと考えます。
病院が間近な場合はどうか?ということに付いては 何分なら搬送
という基準は作れないでしょう。2クール目をやっても2-3分でしょう?
(ショックしてAEDが再解析するのに何秒かかる?・・そういえば
明日7.6に医師会のAED講習会があるのでした)。搬送するとなれば
近くても車載・運行・病着・モニター装着・DC指示で5分10分は
すぐ経過するから 現場での2クール目施行の意義があると考えます。
話は変わりますが 次回MC協議会は7.26で そこで但馬域内で
ACLS/PTECコース開催への県の支援とMC協議会の要望決議の
ようなものが出せたら良いが と思っています。全国版救急MLで
兵庫県でのACLS普及組織の立ち上げの情報がありましたが
(まだ紹介はいただいてないです・・・)但馬をとにかく早期に
やって欲しいと いろいろな筋からお願いしたいと思います。
PTECは目途がついているようなので ACLSを早くやる を
緊急の目標にしたいと思います。大坂の支援が早期にいただけるなら
それを優先したいです。近接して2回やることになっても良いと思います。
ACLSチャンネルをお持ちの方は しつこく交渉してください。
切り札の蟹は11月中旬解禁でしたよね。蟹カードも有効に使ってね。
-----------------------------------------------------
長谷川正宜
-----------------------------------------------------
From: "Hideki Tanita"
Subject: [tjqq:00233] Re: [tjqq:00234] Re: [233] 心静止=除細動?
Date: Wed, 9 Jul 2003 19:59:03 +0900
皆さん、こんばんは。美方消防の谷田です。
藤本さん、長谷川さん、返事が遅くなって申し訳ありません。
藤本さんのご発言
> 研究会の会員以外の方も、このMLに沢山参加しておられるんですが、
> その方達のご意見もいただきたいと、個人的には思うんです。
> 谷田さん、どうですか?
よろしいと思います。
> と言うわけで、私は除細動チャンスを逃さないためにも、
> 心電図波形の変化を気にしておき、「これならば!」と
> 判断したときには、停車させてまでも除細動を実施すべきと
> 思っています。
ご存知と思いますが、広島では3分以上かかる場合は、停車し、
解析→除細動と言うことらしいですね。
わかりやすいプロトコルです。
長谷川さんのご発言
> G2000で除細動の項目を読んでみても VFかどうかが除細動の
> 適応として挙げられており振幅等波形変化に言及した部分は無いような。
> VFの波形変化は評価しにくいので プロトコールに載せるのは困難
> だと思います。心臓そのものの電気活動以外にも多くの因子が
> 影響しますので VFが大きくなったと感じても それは評価せず
> 1クール後60-90秒CPR その後2クール目の除細動のプロトコール
> に従うのが 現状では正解でしょう。
>
> > 例えば、搬送時間が短い現場でも、心電図の前向きな変化があれば、
> > 2クール目を実施すべきでしょうか。それともやはり搬送を優先すべきで
> > しょうか。
>
> 2クール目を実施すべきだと思います。除細動できない限り1分間に
> 10%ずつ救命率は減少するのですから プロトコールで指示された
> 酸素化後の2クール目はやる意味があると思います。
> その際に 波形変化評価を考慮する必要はなく VF/脈なしVTか
> (AEDが認識するわけですが)どうかだけが重要なのだと考えます。
> 病院が間近な場合はどうか?ということに付いては 何分なら搬送
> という基準は作れないでしょう。2クール目をやっても2-3分でしょう?
> (ショックしてAEDが再解析するのに何秒かかる?・・そういえば
> 明日7.6に医師会のAED講習会があるのでした)。搬送するとなれば
> 近くても車載・運行・病着・モニター装着・DC指示で5分10分は
> すぐ経過するから 現場での2クール目施行の意義があると考えます。
>
長谷川さんの指摘している、VFの波形変化は評価しにくい、というのは、
私もそのとおりだと思います。また、波形変化については、G2000でも言及した
部分を私も見つけることができませんでした。
以前ACLSの研修会で、波形に変化がなければ効果ない、と言うことを聞き
ました。その具体例になるかわかりませんが、ACLSでは脈なしVTの除細動で
波形に変化がなければ、連続3回実施します。もし、波形に変化があれば、脈
を触知して、確認することになっています。
いずれにしても、波形変化を評価し、判断の根拠の一つにする、という考え
方でいいかと思います。
私は、VFの経験が少なく、実際救急現場でのVF/脈なしVTについての波形
変化の評価について、皆さんのご意見を伺えないでしょうか。
藤本さん、いかがでしょうか。
> ショックしてAEDが再解析するのに何秒かかる?
解析6秒、充電10秒(360J)が業者公表のデータです。ですから、第2回目
360J3回で約50秒程度です。
現在私の知る範囲で、現場での除細動について、
除細動3回→オンラインコントロール 大阪
除細動3回→除細動1回 愛知
除細動3回→除細動3回 広島
以上のパターンがあります。ただ、どのような根拠で回数を決めたか、
わかりません。
ただ、長谷川さんの指摘している現場での2クール目施行の意義については、
上記の除細動パターンは搬送時間のみで判断しているか、よくわかりません。
例えば、360J3回の除細動で心筋へのダメージを考慮したとか、詳細はよくわ
かりません。
この点については、なぜ各地域で相違ができ、その根拠について、更に情報
収集し、議論が必要だと思います。
どなたか、ご存知の方は、おられませんか。?
皆さんのご意見をお待ちしております。
■心静止は除細動成功?
ACLS(2003年7月)より
From: "Tetsuya Matoba"
Subject: [ACLS:3427] VF除細動後のasystole,PEAは発見時からのasystole,PEAより予後悪?
Date: Tue, 8 Jul 2003 12:48:48 +0900
九大の的場です。
Asystoleは除細動成功?に関連してちょっと引用します。
VF除細動後のasystole,PEAは発見時からのasystole,PEAより予後が悪い?
Crit Care Med. 2001 Dec;29(12):2366-70.
Outcome of out-of-hospital postcountershock asystole and pulseless
electrical activity versus primary asystole and pulseless electrical
activity.
・院外VFに対する除細動で80%はVFが止まるが、asystole,PEAを来たすことがあり、
予後はよく知られていないので調査した。
・1995-1999のretrospective study
・成人、非外傷、心源性心肺停止
・グループ1−発見時VFでDC後AsystoleかPEAへ(n=101)
・グループ2−発見時Asystole,PEA(n=140)
・Restoration of circulation (16% vs. 42% , p <.001)
・Survival to hospital admission (11% vs. 36%, p =.001)
・Survival to hospital discharge (3% vs. 10%, p =.062)
・VF除細動後のasystole,PEAは発見時からのasystole,PEAより予後が悪い
・DCによる心筋障害が悪い?
以上がAbstractですが、どなたか全文をお持ちでしたらご連絡ください。
これはnが少ないですけど、VF→Asystoleは印象どおり予後不良なのでしょうか?
どなたか日本のデータをおもちでしょうか?
ではでは。
--
的場 哲哉 (Tetsuya Matoba)
九州大学大学院医学研究院 循環器内科学
以下PubMed
------------------------------------------------------
Crit Care Med. 2001 Dec;29(12):2366-70.
Outcome of out-of-hospital postcountershock asystole and pulseless
electrical activity versus primary asystole and pulseless electrical
activity.
Niemann JT, Stratton SJ, Cruz B, Lewis RJ.
UCLA School of Medicine, the Department of Emergency Medicine, Harbor-UCLA
Medical Center, Torrance, CA, USA.
OBJECTIVE: In the prehospital setting, countershock terminates ventricular
fibrillation (VF) in about 80% of cases. However, countershock is most
commonly followed by asystole or pulseless electrical activity (PEA). The
consequences of such a countershock outcome have not been well studied. The
purpose of this investigation was to compare the outcome of prehospital VF
victims shocked into asystole or PEA with that of patients whose first
documented rhythm was asystole or PEA (primary asystole or PEA). DESIGN:
Observational, retrospective study conducted over 5 yrs (1995-1999).
SETTING: A municipal hospital with a catchment area of >200,000. PATIENTS:
Consecutive adult patients with out-of-hospital nontraumatic cardiopulmonary
arrest of cardiac origin. Patients found in VF who developed asystole or PEA
after countershocks (group 1) and patients found in asystole or PEA (primary
asystole or PEA) (group 2) were included if the reported downtime was <10
min. INTERVENTIONS: None. MEASUREMENTS AND RESULTS: Study end points
included restoration of circulation (defined as a pulse for any duration),
survival to hospital admission, and survival to hospital discharge. Ratios
were determined, 95% confidence intervals were calculated, and observed
differences were compared. For group 1 patients (n = 101), 61% of patients
had a bystander-witnessed collapse and 34% received bystander
cardiopulmonary resuscitation. For group 2 patients (n = 140), collapse was
bystander witnessed in 71% and 45% received bystander cardiopulmonary
resuscitation. These differences were not statistically significant.
Restoration of circulation was significantly more frequent in group 2 than
group 1 (42% vs. 16%, p <.001) as was survival to hospital admission (36%
vs. 11%, p =.001). Survival to hospital discharge was greater in group 2
patients, but the difference failed to achieve statistical significance (10%
vs. 3%, p =.062). CONCLUSIONS: Countershock of prolonged VF followed by a
nonperfusing rhythm has a worse prognosis than primary asystole or PEA and
may be related to myocardial electrical injury.
Date: Wed, 09 Jul 2003 13:10:12 +0900
From: Koichi Tanigawa
Subject: [ACLS:3429] Re: VF 除細動後の asystole,PEA は発見時からの asystole,PEA より予後悪?
谷川@広大救急です。
以下のご質問について、ウツタインプロジェクト広島(代表者;広島大学救急医学
山野上敬夫)の調査結果からの抜粋を紹介します。
対象;1998年9月から2001年6月までに目撃されたVFに対して救命士によりDCショック
が行われた71症例
結果;
病院到着時ECG(生存退院数)
ROSC 7(5)
VF 27(5)
Asystole 34(0)
PEA 3(0)
対象;1998年9月から2001年12月までに目撃された心停止でAsys,PEA(生存退院数)
Asystole 143(0)
PEA 69(3)
両者の統計学的比較は行っていません。
また、院外発生VFに関する全国後ろ向き調査の結果も紹介します。(Resuscitation
2000, 45;83-90)
対象;救命士によりDCショックが行われたVF614例
病院到着時心電図(生存退院数);
PGR(脈の触れるリズム);112名(34名)
VF; 191名( 6名)
PEA; 32名( 1名)
Asystole; 219名( 0名)
ご参考まで。
広島大学 救急医学
谷川攻一
(ウェブ担当者註:本資料のデータはACLSへのご投稿後に投稿者ご自身で修正を加え
られたものです。こちらのデータを優先してください。)
Date: Wed, 09 Jul 2003 13:41:54 +0900
Subject: [ACLS:3430] Re: VF 除細動後のasystole,PEAは発見時からのasystole,PEAより予後悪?
From: 野田 英一郎
野田です。
> 九大の的場です。
>
> Asystoleは除細動成功?に関連してちょっと引用します。
>
(中略)
> 以上がAbstractですが、どなたか全文をお持ちでしたらご連絡ください。
九大医学図書館の電子ジャーナルからダウンロード可能です。
--
野田 英一郎
九州大学大学院 医学研究院 麻酔蘇生学
Date: Tue, 1 Jul 2003 12:22:32 +0900
From: Kanna Tomoo
Subject: [ACLS:3386] 看護師は AED 使用 OK?
漢那です。
国内での看護師によるAED 使用に関して、質問がありましたので
一部転送です。
LEVEL1?.
今年の2月27日の衆議院委員会で看護師OK かのような記載がありました。
今年の夏にPAD 実現に向けて大きな動きがあるかもしれません!
LABEL2A?
この件につきましては、慶応の堀先生が7月号の救急・集中治療P728では
『厚生労働省の解釈は「医師の指示が有れば」電気的除細動の施行には
問題無しとしており、また医師の指示には事前指示(standing order)
としての電気的除細動を含めることが可能である』と書かれておられます。
ちなみに私の拙稿ものってますんで、よければ読んでみてください。
○もともとの厚生労働省の見解というものに関してご存じの方、
教えて下さい!
おそらく、救命士の包括的除細動を認めたのと関連させて出てきた話題だと
思いますが・・・
LAVEL2B?
・保健師助産師看護師法
http://www.houko.com/00/01/S23/203.HTM
第37条をお読み下さい。緊急的な場合の処置は違法とは書いてません。
包括的にOK と理解してよさそうに思います。
事前教育があれば、全く問題なしと個人的には考えております。
From: "Kyoji Kimura"
Subject: [ACLS:3387] AEDは誰が教えるの?
Date: Tue, 1 Jul 2003 14:32:06 +0900
皆さん、こんにちは。
木村@桐生広域消防です。
漢那先生のacls:3386の看護師はAED使用OK?に関連しております。
下記の厚生労働省の通知文を見てみますと。
航空機内の除細動いう例示の法律的な解釈を狭義では「航空機内においては・・
当該行為は医師又は医師の指示を受けた看護婦若しくは救急救命士により行われ
ることが原則であると解されるもの・・」となりますが、広義では日本国内にお
いて、AEDを使うことが出来るのは医師又は医師の指示を受けた看護師若しくは
救急救命士により行われることが原則であるという解釈になると思います。
現行では一般市民はAEDの使用が許されておりません。
ただ、航空機内だけは、客室乗務員が条件つき?で許されています。
学会等の発表でJALのDrが発表されたのはJALではハワイのAHA研修で社内のイン
ストラクターを養成し訓練しているとのことでした。
また、ANAではMFAジャパンが教育をされているとのことです。
では、日本国内でJALとANAに限らず、このAEDを訓練するのに資格が必要と思い
ますか?
一般論として、客室乗務員のように条件付(緊急避難?)でその処置が認められ
る者の教育は日本ではその処置をおこなう事が出来る医師がおこなうべきであ
り、あるいは、その医師の指示を受けた看護師もしくは救急救命士資格を有する
もの(法律で実施可能な資格)が行なうべきことと考えるのが大勢を占めるので
はないかという意見です。
日本国内においては、医師、看護師、救急救命士資格を有することがあって然る
べきではないかという意見です。
また、一方では既に海外ではAEDはBLSの範囲であるから国内医療資格など要らな
い、AEDに精通していれば民間の資格(AHA、MFA、NSC等のインストラクター資
格)で十分であるとの見解もあるかと思います。
AED訓練をしてAEDは緊急避難という解釈もどうなのでしょう?
法律の専門家ではありませんのでよくわかりませんが・・・
予測していない事象に対することが緊急避難と思うのですが、予測できる事象
(例えば医師が飛行機に常に搭乗していないということが通常)に対し訓練をつ
むということは、一般市民が実施する善意でおこなう応急手当の範疇ではないと
思うのです。
日本国内ではAEDを使用するのが法律的に限定されてる以上、訓練を実施してそ
れをおこなうことに対してはgood samaritan lawではなく業務としての責任が課
せられると思います。
risk managementとしてAEDを含めBLSを履修していることに他ならないのです。
ですから、それを教育するのには日本国内の医療有資格者が教育をするのが妥当
であるといわれる所以ではないかと思われます。
加えて、ビジネスとしての金銭契約があると思いますので、当然、訓練をおこな
う側の何がしかの責任も生じるのではないかと思います。
一般市民と企業のrisk managmentを同列に考えると少し話が混乱するかと思いま
すが、企業のrisk managmentとしておこなうAEDを含めたBLSのインストラクター
資格は日本では既に独自に企業が判断しておこなっています。
後戻りをするわけにはいかないでしょうから、日本におけるAED教育の位置付け
の整合性をとるのが難しくなるかもしれません。
日本におけるPAD(Public Access to Defibrillation)を広めるにはどうした
らよいのでしょうか?
なし崩し的に何でもグレーゾーンだからというのも如何なものでしょう。
結果としてAEDの数が増えればよいということではないような気がいたします。
先達した企業のルールを摸倣することにより一般市民もAEDの使用もできるとい
うルールを既成概念とした錯覚に陥る恐れがあるということです。
最も、厚生労働省の意図がそこにあるのでしたら話しは別ですね。
PADをおこなっている地域のそこに到達するまでのプロセスを学び、日本型の実
践をしないとPADは定着していかないし、実効性も無いのではないかと考えられ
ます。
秩序、ルールを作ることが結果的に早道なのは経験的に私達は学習しておりま
す。
日本におけるPADを推進するのは法的にその処置が許されていることが必要かと
思います。
誤解なされないように発言しておきますが、PADの構築はメディカルコントロー
ルが構築されたなかで、国民の共通認識があってこそ出来るものと考えておりま
す。
また、JAL、ANAのAED訓練はAHA、MFAが基本によるものということだけで詳細を
知りませんので、AEDの教育は医師、看護師、救急救命士等の国内資格を有する
かどうかは解かりません。
一般論としての素朴な疑問ですので特定の企業を対象としたものではありませ
ん。
ではPAD、日本ではAEDは誰が教えるの?
そして、使えるのは誰?
〜〜〜〜〜〜〜〜
桐生広域消防本部
木村恭二 ruo119@beige.ocn.ne.jp
=======
厚生労働省HPから
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/~hourei/cgi-bin/t_docframe.cgi?MODE=tsuchi&DMODE=CONTENTS&SMODE=NORMAL&KEYWORD=&EFSNO=1134
○航空機に搭載する除細動器の使用について(回答)〔保健婦助産婦看護婦法〕
(平成13年12月18日)
(医政医発第123号)
(定期航空協会理事長あて厚生労働省医政局医事課長通知)
2001年12月12日付け定航協第51号にて照会のあった標記の件については、貴見の
とおりと思料する。
○航空機に搭載する除細動器の使用について
(平成13年12月12日)
(定航協第51号)
(厚生労働省医政局医事課課長あて定期航空協会理事長通知)
拝啓、時下益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素より当協会および会員各社の事業に関しまして、格別のご高配を賜り、厚く
御礼申し上げます。
さて、近年、心肺蘇生時における除細動の有用性が広く認識されるようになり、
欧米をはじめとした諸外国の航空会社では、除細動器の搭載が急速に進みまし
た。わが国におきましても、この10月より一部路線において除細動器の搭載が始
まっております。
機内における除細動器の使用は、医師による適切な判断に基づいて行うことが原
則であるものの、欧米の航空会社では、医師の援助が得られない場合、人命上の
見地から訓練を受けた客室乗務員による除細動器の使用が緊急の行為として認め
られております。
わが国においても緊急やむを得ない場合については、客室乗務員による除細動器
の使用が不可避と考えておりますが、このような行為が医師法ならびに保健婦助
産婦看護婦法に抵触しないかどうか疑義が生じております。
つきましては、下記の質問に対して、ご回答くださいますようお願い申し上げま
す。
敬具
記
航空機内で、乗客が心停止状態に陥った場合において、除細動器による除細動を
行う必要が生じる場面が想定されるところ、当該行為は医師又は医師の指示を受
けた看護婦若しくは救急救命士により行われることが原則であると解されるもの
の、ドクターコールを実施してもなお医師等による速やかな対応を得ることが困
難な場合等においては、客室乗務員が緊急やむを得ない措置として当該行為を
行っても、医師法第17条違反又は保健婦助産婦看護婦法第31条違反を構成しない
と考えるが如何。
以上
========
○航空機に搭載する除細動器の使用について(回答)〔医師法〕
(平成13年12月18日)
(医政医発第123号)
同文
========
Date: Wed, 02 Jul 2003 11:26:14 +0900
Subject: [ACLS:3391] Re: 看護師にAED使用はOK?& AEDは誰が教えるの?
From: 野田 英一郎
みなさん、こんにちは。野田です。
http://catherine.myhab.net/chunou/etc5.html
看護師はAED使用OK?に関しては上記のHPに厚生省健康政策局指導課の回答があり、そ
の中に救命士の特定行為を看護師が行うことについての一文があります。これを読む
限りAED使用は可能と考えられます。具体的に記述を見つけることはできませんが、
今回の救命しに対する包括的指示への変更を受けて、院内でメディカルコントロール
と看護師教育が行き届いていれば、具体的指示なしでも看護師のAED使用は可能と考
えられます。
(客室乗務員含め一般市民に)誰が指導するか?ということに関してはつい先日、
救急医療メーリングリストeml-nc3でもディスカッションになりましたが、看護師教
育、救命士教育がそれぞれの資格を有するもの、さらには医師により行われているこ
とを考えると、民間人が客室乗務員に指導していると考えられる、
> ANAではMFAジャパンが教育をされている
ということは受け入れがたいものがありました。プログラムさえきちんと整備されて
いれば、だれが指導してもよいのか?
分かってはいるものの、なにか釈然としないものが救急医療メーリングリス
トeml-nc3でのディスカッションで残りました。
> 予測していない事象に対することが緊急避難と思うのですが、予測できる事象
> (例えば医師が飛行機に常に搭乗していないということが通常)に対し訓練をつ
> むということは、一般市民が実施する善意でおこなう応急手当の範疇ではないと
> 思うのです。
これは違うような気がします。BLS講習会はどうなりますか?(講習会には医者だ
けでなく医療従事者という意味での「メディカルディレクター」が必要だとは思いま
すが…。)
> 日本国内ではAEDを使用するのが法律的に限定されてる以上、訓練を実施してそ
> れをおこなうことに対してはgood samaritan lawではなく業務としての責任が課
> せられると思います。
これも違うと思います。医業、またはその補助行為がおもな業務でない(医療従事
者ではない)客室乗務員には適応されないと思います。(good samaritan lawの保護
を受けていると思います。)
> risk managementとしてAEDを含めBLSを履修していることに他ならないのです。
> ですから、それを教育するのには日本国内の医療有資格者が教育をするのが妥当
> であるといわれる所以ではないかと思われます。
そこなんですよね。善意で講習会に自主参加しているのではなく、組織が業務の一
環としてAED講習を義務づけている。(しかしこれも行政や法律による強制ではなく、
会社にとっては善意。)
一番混乱させているのは業務として特定行為(AED使用)を行う救命士、看護師に
はより上位の行為のできる医療者による強力な教育体制と教育義務を強いていて、同
じことを善意で行う客室乗務員にはそれより遙かに短い時間で、国としても教育の義
務(どこで、だれに教育を受けるのかという)を強いずに使用を許可している、とい
う点にもあると思います。
アメリカの場合はAEDの使用をBLSのレベルに引き下げているため、一般人の使用も
可能と(言ってみればなし崩しに)されました。現在の日本では医療従事者だけでな
く、一般人にとっても、「AEDは医療行為」という概念(=医者にしかできない)を
壊すことはできないのではないでしょうか。(BLSも普及していませんので…。)
> 日本におけるPAD(Public Access to Defibrillation)を広めるにはどうした
> らよいのでしょうか?
(中略)
> 日本におけるPADを推進するのは法的にその処置が許されていることが必要かと
> 思います。
僕もそう思います。上述したように「AEDは医療行為」という概念を壊すことが先
決ですが、日本人の心情的にも法的に許されているから堂々とできるという部分もあ
るのかなと思います。
> 誤解なされないように発言しておきますが、PADの構築はメディカルコントロー
> ルが構築されたなかで、国民の共通認識があってこそ出来るものと考えておりま
> す。
これは絶対必要ですよね。だれもがBLSを行える状況もあわせて築き上げていく必
要があると思います。
> ではPAD、日本ではAEDは誰が教えるの?
> そして、使えるのは誰?
答えは出せません…。個人的には現時点では医師でなければならないと思いますが、
医師でなくても教えられる体制を作っていく必要があるとも思います(講習会でのコー
スメディカルディレクターのようなものは必要)。当然誰もが使えるようになるのが
理想です。(たとえ訓練を受けていなくても…←あくまでも理想)
--
野田 英一郎
九州大学大学院 医学研究院 麻酔蘇生学
From: "Kyoji Kimura"
Subject: [ACLS:3398] Re: 看護師にAED使用はOK?& AEDは誰が教えるの?
Date: Thu, 3 Jul 2003 17:37:05 +0900
皆さん、こんにちは。
木村@桐生広域消防です。
野田先生、ご教示ありがとうございます。
「AEDは医療行為」という概念からの呪縛からぬけられません。
明らかな過失が認められることは論外ですが、一般的に禁止されている行為(AEDを
使用するということ)を例外的に認められたのにも関わらず、AEDの使用の可否、使
用方法等が免責保護を受けるのは日本人的な発想(感情)ではおかしいと思うという
ことです。
使用場所が限定され、医療行為であるAEDの使用が自由意志であった場合、使用され
なかった傷病者は「運が悪かった」ということだけではすまないだろうということで
す。
AEDを使用できるということと、AEDの使用に際しての免責とは違うと思います。
AEDを企業の善意ということも視点を変えてみると、AEDの搭載は企業の営業上の「安
全」という戦略であり、企業の存亡に関わるものと思います。
話が横にそれました。
AEDは医療行為というなかで、法律の特例でその使用が許されるなら、その責任は義
務として生じなければ医療の質とは何を持って保たれるのかという疑問が生じます。
時代とともに半自動式除細動器の使用方法に一喜一憂した救急救命士の特別な感情な
のかもしれません。
〜〜〜〜〜〜〜
桐生広域消防本部
木村 恭二 ruo119@beige.ocn.ne.jp
Date: Thu, 03 Jul 2003 18:46:48 +0900
Subject: [ACLS:3399] むむむ。
From: "YAMAHATA, Yoshihiro"
お疲れさまです。山畑@飯塚です!
1点情報です。
・日本医師会は医師会員に対してACLS(2次救命処置)講習を行うことを表明しま
した。
6月9日に開催された日本医師会の都道府県医師会救急災害医療担当理事連絡協
議会で、羽生田俊常任理事は、医師を対象とした生涯教育の一環としてACLSの講
習会開催を計画中と述べました。標準的カリキュラムについては救急災害医療対
策委員会で検討中とのことでした。
むむむ。
******************
山畑 佳篤 YAMAHATA, Yoshihiro
麻生飯塚病院 救急部 ASO Iizuka Hp.
******************
Date: Thu, 03 Jul 2003 23:35:46 +0900
Subject: [ACLS:3401] Re: 看護師にAED使用はOK?& AEDは誰が教えるの?
皆さん、こんにちは。
・・@・・です。
ちょっと横道にずれるかも知れませんが、現在当院でAED講習を担当しており
ますので、当施設での現状を書きます。長文です。
当院にはこの春、結構な数のAEDが導入され、現在教育・啓蒙のまっただ中です。
導入にあたり倫理委員会に院内PADについて諮問しましたが、法律家がわざわざ
違法行為を認めるはずもなく、検討事案に「該当せず」という回答でした。
野田先生の見解のように、院内でのMCが効いていればいいのかな?と思っていた
ので、残念な結果でした。
とういうことで、病院として看護師や技師などに「AED使用を使って下さい」とは
言えません。結果的に「緊急避難」と言う逃げ道を利用して講習会等で医師以外の
職種を説得?するようにしています。
以下は当院で使用している資料(小生が作りました)の一部です。
_____________________________________
日本国内での一般人によるAED使用に関する現在の考え方
フライトアテンダントのAED使用は、飛行機内に医師が同乗していない場合に
限り、「緊急避難」として認められたものです。刑法37条の定める緊急避難とは
「自己又は他人の生命、身体、自由又は財産に対する現在の危難を避けるため、
やむを得ずにした行為は、これによって生じた害が避けようとした害の程度を
超えなかった場合に限り、罰しない。ただし、その程度を超えた行為は、情状
により、その刑を減軽し、又は免除することができる。 」というものです。
AEDについて考えた場合、避けようとした害=心肺停止なわけですから、AED
によって仮に傷病者に何らかの害が生じたとしても、その程度が心肺停止を上
回ることは考えられません。とすれば、例え飛行機内でなくとも一刻を争う救命
の現場で、迅速な除細動の必要性とAEDの使用法を知っている者(トレーニング
を受けた者が望ましい)が「緊急避難」としてAEDを使用しても法的に罰せられ
ることはないと推察されます(事例がないのであくまで推察です)。
以上は筆者の個人的な見解ですが、概ね受け入れられる見解と思います。
_____________________________________
「概ね受け入れられる見解」と思っているのは私だけではないと思うのですが・・・
現在の状況では看護師がAEDを使用しなくてもなんら問題は生じません。
ですから傷病者には運・不運が生じるかも知れず、医療の質も保たれるとは思え
ません。今は法やシステムが確立する前に、「なんとか助けたい」という思いで
AEDを使ってくれる人を増やしているといったところでしょうか。
ちなみに講習会はいまのところ任意参加にしているので医師の参加が少なく、
そこからまず何とかしなくてはと頭を悩ませているところです。
Date: Fri, 4 Jul 2003 22:10:04 +0900
From: mkikuchi
Subject: [ACLS:3414] Re: 看護師にAED使用はOK?&AEDは誰が教えるの?
菊地研@岩手医科大学です。
看護師のAED使用はOK?についてです。
ディーブイエックスジャパン株式会社に、厚生労働省医政局医事課・看護課が回答した文書
を見せてもらいました。それによると、医療施設内での看護師による自動体外式除細動器の
使用については法律違反でないとの回答でした。
具体的には、
「1.医師の立会いのもと、医師の指示を受けて看護師が自動体外式除細動器を使用すること
は可能でしょうか。
2.医師の立会いが不可能な場合、電話等で医師の指示を受けた看護師が自動体外式除細動器
を使用することは可能でしょうか。
3.医師の立会い、電話連絡も不可能な場合、院内の責任者が定めた緊急対応指示書による包
括的指示にて看護師が自動体外式除細動器を使用することは可能でしょうか。」
という質問に対して、厚生労働省医政局医事課・看護課は以下のように回答しています。
「照会された1から3までの場合において看護師が自動体外式除細動器を使用することは、医
師法第17条または保健師助産師看護師法第37条に違反しないものと考える。」
ディーブイエックスジャパン株式会社が平成15年5月6日に照会したことに対して、厚生労働
省医政局医事課・看護課は平成15年6月30日に回答しています。
医療施設内では看護師もAEDの使用はOKということが確定しました。
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
岩手医科大学救急医学・高度救命救急センター
菊地 研(きくち みがく)
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
■
看護師は AED 使用 OK?
shikoku-acls(2003年7月)より
Date: Mon, 30 Jun 2003 23:30:43 +0900
Subject: [shikoku-acls:1248] AED と看護師
From: "tahara.n"
こんばんは,田原@県病院です.BLS+AEDのブースで受講生から質問がありました.
“AEDは院内で看護師も使用していいのか?”
それに対して
“普通の除細動器は医師の指示があれば可能であるので,AEDに関してもそうであろ
うと考えられる.緊急避難的処置ということで法律的に罰せられる事はないであろう”
と答えました.しかし今一つ自信がなかったので,他のインストラクターの意見を聞
いて詳しい事を連絡します,と答えて,そのままにしてました.(スミマセン)
で,皆さんに質問なのですが
1.上記の答えでよかったか.
2.看護師が使用できる具体的な証拠,記載した文書等はあるのか.
3.AEDも医師の指示が必要で,指示なしに万が一使用した場合は,何らかの罰則を受
ける可能性があるのか.
4.現在病院にAEDが設置してある施設は,看護師の使用も視野に入れているのか.
(AED使用に際しての講習,教育はどうされているのか)
みなさんの御意見を聞いた上で,質問された御本人に伝えたいと考えています.よろ
しくお願いします.
Date: Wed, 2 Jul 2003 13:52:57 +0900
Subject: [shikoku-acls:1251] Re: AED と看護師
From: 吉川 圭
皆さん、こんにちは。
坂出市立病院の吉川 圭です。
わたしも、田原先生と同じように説明しています。
法的根拠には自信はないのですが・・・・
多少ピンぼけかも知れませんが、以下はAEDを、航空機の客室乗務員が使えるようになったときの、厚生労働省から発表された通知です。
〔保健婦助産婦看護婦法〕(平成13年12月18日)(医政医発第123号)
航空機内で、乗客が心停止状態に陥った場合において、除細動器による除細動を行う必要が生じる場面が想定されるところ、当該行為は医師又は医師の指示を
受けた看護婦若しくは救急救命士により行われることが原則であると解されるものの、ドクターコールを実施してもなお医師等による速やかな対応を得ること
が困難な場合等においては、客室乗務員が緊急やむを得ない措置として当該行為を行っても、医師法第17条違反又は保健婦助産婦看護婦法第31条違反を構
成しないと考える
ここには「当該行為は医師又は医師の指示を受けた看護婦若しくは救急救命士により行われることが原則」とありますので、少なくとも看護師がAEDを緊急
避難的に使うことには許される行為と思います。医師の指示があれば、全く問題は無いわけなのですが、漢那先生のメールにもあったとおり、事前の指示やト
レーニングを行っていれば、その場での直接の指示が無くても可能なのでは?と考えます。(この辺はやっぱり自信がない・・・・)
AEDに関する、公式の厚生労働省の文章は以下のものしか知りません。
他のものがあったら、お教えください。
○航空機に搭載する除細動器の使用について(回答)〔医師法〕
(平成13年12月18日)(医政医発第123号)
(定期航空協会理事長あて厚生労働省医政局医事課長通知)
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/~hourei/cgi-bin/
t_docframe.cgi?MODE=tsuchi&DMODE=CONTENTS&SMODE=NORMAL&KEYWORD=&EFSNO=80
4
○航空機に搭載する除細動器の使用について(回答)〔保健婦助産婦看護婦法〕
(平成13年12月18日)(医政医発第123号)
(定期航空協会理事長あて厚生労働省医政局医事課長通知)
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/~hourei/cgi-bin/
t_docframe.cgi?MODE=tsuchi&DMODE=CONTENTS&SMODE=NORMAL&KEYWORD=&EFSNO=11
34
<<<<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>>>>>
吉川 圭
坂出市立病院 内科
<<<<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>>>>>
■
VF/VTは1番多いのか?
ACLS(2003年7月)より
] Re: 3334 VF/VT は1番多いのか?
From: Genro Ochi
Date: Sun, 15 Jun 2003 22:53:39 +0900
Subject: [ACLS:3327] VF/VTのコンセンサス(VF/VTは1番多いのか?)
メーリングリスト acls-trainingの皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智
元郎です。
6月29日(日)の第3回讃岐ACLSコースに備えて、指導内容の確認(コン
センサスづくり)の作業が行われています。多くの項目については今年3
月の「愛媛ACLSコースのコンセンサス」が下敷きになっています。
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/acls/consensus-n3-ehime.doc
(「ACLSの仲間ホームページ」より、非公開)
今回わたしは「VF/VT指導のコンセンサス」において、VF/VTの重要性を
説明する導入部分について意見を述べさせていただきました。さらに、本
MLの皆様のご意見もお伺いしたいと思い、要点を転載させていただきます。
――――――――――――――・――――――――――――――
From: Genro Ochi
Date: Sun, 15 Jun 2003 09:50:01 +0900
Subj: [shikoku-acls:1179] Re: 1178 VF/VTのコンセンサス(VF/VTは1番多いのか?)
(前略)
「愛媛ACLSコースのコンセンサス」より
|(2)解説
| 目撃された突然の心停止の初期心電図は VFが最も多いです。成人の
|心停止からの生存者の 85-95%はVF/pulseless VTによるものです。VF/pulseless
|VTの対する最も有効な治療は除細動です。
→ VF/VTへの対処(除細動など)がなぜ重要なのかという導入ですね。
・目撃された突然の心停止の中で<最も多い>心電図波形だから
・<最もよく治療に反応>し、社会復帰が期待できる心電図波形だから
の2つの理由があります。
しかし「目撃された突然の心停止の中で<最も多い>」のでしょうか。
・心電図判定の時期は―発症時の波形 or 最初に記録した波形?
・(データの多い)欧米人 or 日本人
*欧米人では
・ホルター心電図による連続記録中の心停止発症例での分析で VF/VT
が発症時に最も多い波形である(>=80%)。
・ウツタイン様式で記載した初期心電図では、目撃された心停止の
50%以上が VF/VT である。
*日本人では
・VF/VTは発症時の心電図波形の中で1番多いか?
ホルター心電図による連続記録中の心停止発症例を分析した、信
頼できるデータはないのでは?
・ウツタイン様式で記載した初期心電図では、VF/VTは目撃された
心停止の 20%〜40%程度しか占めていないのではないか。
(AEDが普及しておらず、また救急隊員が心電図をとるまでの所要
時間が欧米の都市部よりやや長い日本では "見かけ上" VF/VT が
少なくなっている可能性はあるが・・)
越智の結論
・VF/VTへの対処(除細動など)が重要である1番の理由は<最もよく治
療に反応>し、社会復帰が期待できる心電図波形だから。
*心停止からの生存者の 85-95%はVF/pulseless VTによる―このデー
タは日本人でも使えると思います。
・2番目の理由として、目撃された突然の心停止例でにおいてかなりの比
率を占める心電図波形だから。
*欧米では目撃された突然の心停止例で最も多い心電図波形とされてい
ます(ある統計では発症時の80%以上、最初に記録した心電図(初期
心電図)の50%以上)。日本人においては VF/VTの占める比率は欧米
よりも低いと言われています。
――――――――――――――
【VF/VTのコンセンサス(越智修正案)】
VF/VT
(1)到達目標
1. VFハンターになる ★2
2. 絶えまない心マと換気 ★3
3. 安全に除細動をかけられる
★VF/VTを見逃さないことを強調する
(2)解説
VF/pulseless VTへの対処が重要である理由は、VF/VTが最もよく治療に
反応し、社会復帰を期待できる心電図波形だからです。心停止からの生存
退院者の80%以上が初期心電図として VF/VTを呈するとされており、VF/VT
への対処は心肺停止患者の救命率を向上させる鍵であると考えられます。
しかも、VF/VTは目撃された突然の心停止例においてしばしば認められる心
電図波形であり、このことからもVF/VTへの対処はACLSのポイントであると
言えましょう。
[註]VF/VTの頻度
欧米では目撃された心停止患者で初期心電図が VF/VTを呈する患者
は50%以上を占め、特に発症直後には80%以上がVF/VTを呈すると言わ
れています。日本人では初期心電図が VF/VTを呈する目撃心停止例は
20〜40%程度とされていますが、AEDの普及や救急隊活動の改善によ
って発症から心電図記録までの時間が短縮されれば、VF/VTの占める
比率はもっと高くなるものと考えられます。
――――――――――――――・――――――――――――――
以上、皆様のご意見をお聞かせ下さい。
(コンセンサスの文章もまわりくどいので添削をお願い致します。)
----
Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
Date: Mon, 16 Jun 2003 01:15:13 +0900
Subject: [ACLS:3328] Re: VF/VT のコンセンサス(VF/VTは1番多いのか?)
From: "小林 正直@大阪医大"
こんにちは。小林正直@高槻ACLSコース@大阪医科大学附属病院救急医療部@one of
ACLS大阪 MLお世話係です。
いかに早く心電図を付けるかで変わってくるかとは思いますが,大阪ではVF/VTは多
くはありません。
大阪心肺蘇生に関する統計基準検討委員会のデータ(2000年5月-2001年4月)
人 口 N=8,800,000
心停止事例 N= 5,072
蘇生施行事例 N= 4,858 (96.5%)
心原性 N= 2,536 (52.2%)
目撃された心停止 N= 966 (38.0%)
VF/無脈性VT N= 153 (15.8%)
心静止 N= 621 (64.1%)
その他 N= 176 (18.2%)
ちなみに VF/無脈性VTの一年生存は 21 (13.7%)でした。
めざせ,意識がないという指令で枕元に心電計,除細動器,酸素,BVM(ポケットマ
スクでも良いと思います)。
=======================================================================
小林 正直
大阪医科大学附属病院救急医療部
救急医療部home page; http://www.osaka-med.ac.jp/deps/emm/index.htm
Date: Mon, 16 Jun 2003 02:19:05 +0900
From: 遠藤 彰
Subject: [ACLS:3330] Re: VF/VT のコンセンサス(VF/VTは1番多いのか?)
小林先生、越智先生、みなさん、こんにちは
遠藤彰@岡山県新見市です。
まず皆さんに質問があります。
広める会のハンドブック(8.42版21p)には
『心肺停止の極初期心電図波形の70%は心室細動』
と書いてありますが、引用はG2000からなんでしょうか?
(ずぼらなもので自分で調べれてません。すみません。)
また、極・・・と書いてあるのがポイントかなぁ。
極・・・と書くからには70%は推測値かな?
だからわざわざコース中に断りをいれるほどでも無いかな?
と思うのですが、如何でしょうか。
小林先生、いつも詳細なデーターの御提示有り難うございます。
先ほどのメールについて2点ほど質問があります。所要時間のことです。
ちなみに先生は、極・・・とはどの程度の時間経過を意味すると思われますか?
on Mon, 16 Jun 2003 01:15:13 +0900, "小林 正直@大阪医大" wrote
>大阪心肺蘇生に関する統計基準検討委員会のデータ(2000年5月-2001年4月)
>
>人 口 N=8,800,000
>心停止事例 N= 5,072
>蘇生施行事例 N= 4,858 (96.5%)
>心原性 N= 2,536 (52.2%)
>目撃された心停止 N= 966 (38.0%)
>VF/無脈性VT N= 153 (15.8%)
この15.8%は VF /無脈性VTのN÷目撃された心停止のNだと思いますが、
心停止発生から心電図確認までの平均(所用)時間はどのくらいでしょうか?
>心静止 N= 621 (64.1%)
>その他 N= 176 (18.2%)
>
> ちなみにVF /無脈性VTの一年生存は21 (13.7%)でした。
心停止発生から除細動までの平均(所用)時間はどのくらいでしょうか?
宜しくお願いいたします。
-------------------------------------------
遠藤 彰
-------------------------------------------
Date: Mon, 16 Jun 2003 10:47:31 +0900
From: Kanna Tomoo
Subject: [ACLS:3334] Re: VF/VT のコンセンサス( VF/VT は1番多いのか?)
越智先生
漢那です。
ご相談も含め、・・
先生に以前web 化したいとご希望のあった
合同研究班報告書「自動体外式・・・検討報告」には、
ホルターの国内研究結果が少し紹介されています。
症例数は少ないのですが・・・・。
「本邦では1990 年の杉本らによるホルター心電図・・、
97年のホルター心電図研究会で・・計71 例が報告された。
・基礎疾患
陳旧性心筋梗塞 17%
狭心症 24%
拡張型心筋症 14%
弁膜症、QT 延長症候群 6%
・突然死の瞬間の心電図所見
VF 70%、徐脈性不整脈 30%
VF 70% のうち、
単形性VT からの移行 15%
多形性VT からの移行 45%
Torsades de pointes 10%
・直接の死因
不整脈死 73% (VF 63% 徐脈10%)
VF 70
・虚血性心疾患 29例では
直接の死因が不整脈死 20 例
単形性VT からVF移行 15例
多形性VT からVF移行 4例
徐脈 1例
合同ということなので、私と越智先生で上の先生方のご協力を仰ぎ、
麻酔科学会HP にでもWEB 化してくださるように依頼しましょうか。
From: Genro Ochi
Date: Mon, 16 Jun 2003 15:56:27 +0900
Subject: [ACLS:3340] Re: 3334 VF/VT は1番多いのか?(日本でも1番多いと示唆するデータ)
漢那先生、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。いつも勉強さ
せていただいています。
〇
Kanna Tomoo さんは書きました(ACLS:3334):
> 先生に以前web 化したいとご希望のあった
> 合同研究班報告書「自動体外式・・・検討報告」には、
> ホルターの国内研究結果が少し紹介されています。
>症例数は少ないのですが・・・・。
>
> 「本邦では1990 年の杉本らによるホルター心電図・・、
> 97年のホルター心電図研究会で・・計71 例が報告された。
(中略)
>・突然死の瞬間の心電図所見
> VF 70%、徐脈性不整脈 30%
→ わが国でも「心停止発症直後の心電図所見はVF/VTが1番多い」こと
をうかがわせるデータですね。調査規模は大きなものではありません
が・・
〇
> 合同ということなので、私と越智先生で上の先生方のご協力を仰ぎ、
> 麻酔科学会HP にでもWEB 化してくださるように依頼しましょうか。
→ この論文はぜひ広く読まれるようにしていただきたいと存じます。
それでは引き続き宜しくお願いいたします。
----
Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
From: "Yutaka Takeda"
Subject: [ACLS:3341] Re: VF/VT のコンセンサス(VF/VTは1番多いのか?)
Date: Mon, 16 Jun 2003 16:17:00 +0900
皆さん、こんにちは。竹田@出雲消防です。
【小林先生】
> いかに早く心電図を付けるかで変わってくるかとは思いますが,大阪ではVF/VTは多
> くはありません。
私もその辺が気になっていまして、平成13年に心電図を付けるタイミングについて全国で
ウツタインを集計している消防本部80施設にアンケート調査しました。結果ですが以下の
とおりでした。
・初期心電図を「現場」で確認している消防機関は34(45.9%)
・「救急車内収容後」確認している消防機関が15(20.3%)
・「統一されていない」消防機関は23(31.1%)
ウツタインを集計している本部でこうですから全国的に見るとかなりのVF/VTが見逃されて
いるのではないかと・・・
--------------------------------------
出雲市外4町広域消防組合 出雲消防署
竹田 豊(Yutaka Takeda)
--------------------------------------
From: Genro Ochi
Date: Mon, 16 Jun 2003 16:54:33 +0900
Subject: [ACLS:3342] Re: 3341 VF/VTは1番多いのか?(患者の枕元で心電図を確認しない救急隊)
竹田さん、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。
心停止患者での心電図記録に関して貴重なデータをご紹介いただき、有
難うございました。
〇
「救急車内収容後」確認としていた消防本部では、医師に心電図伝送を
して指示を受けた後に除細動を行う形になっていました。そのため、心室
細動を検出する率が低くなり、さらに自動除細動器を作動させても振幅が
小さくなっており、除細動の適応とならない・・ということがあったと思
います。
*関連ウェブ
・雑感・愛媛のプレホスピタルケア ―心電図伝送問題への懸念―
越智元郎、愛媛県医師会報 通巻第798号, p.16-17, 2003
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/03/n3-densou.htm
・救急救命士の AED使用と心電図伝送問題
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/02/def-mc4.htm
〇
竹田さんや救急隊員の皆様にここで質問です。
「現場」で心電図を確認する場合と「救急車内収容後」に心電図を確認
場合とで、どの位の時間差が生じますか?
どうぞ宜しくお願いいたします。
Yutaka Takeda さんは書きました(ACLS:3341):
>> いかに早く心電図を付けるかで変わってくるかとは思いますが,大阪ではVF/VTは多
>> くはありません。
>
>私もその辺が気になっていまして、平成13年に心電図を付けるタイミングについて全国で
>ウツタインを集計している消防本部80施設にアンケート調査しました。結果ですが以下の
>とおりでした。
>
>・初期心電図を「現場」で確認している消防機関は34(45.9%)
>・「救急車内収容後」確認している消防機関が15(20.3%)
>・「統一されていない」消防機関は23(31.1%)
>
>ウツタインを集計している本部でこうですから全国的に見るとかなりのVF/VTが見逃されて
>いるのではないかと・・・
----
Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
From: "Yutaka Takeda"
Subject: [ACLS:3343] Re: 3341 VF/VTは1番多いのか?(患者の枕元で心電図を確認しない救急隊)
Date: Mon, 16 Jun 2003 18:35:07 +0900
越智先生、皆さん、再びの竹田@出雲消防です。
> 竹田さんや救急隊員の皆様にここで質問です。
>
> 「現場」で心電図を確認する場合と「救急車内収容後」に心電図を確認
> 場合とで、どの位の時間差が生じますか?
以前、現場活動時間を調べたことがあるのですが、心肺停止患者の場合
救命士が活動する以前はだいたい5分前後でしたが、救命士活動開始後は
平均で10分から12分へとだんだん伸びる傾向にありました。
「現場活動時間」 : 救急車 現場到着時刻〜現場出発時刻
(出雲の場合は病院選定時間はほとんどありませんので
患者救急車内収容時刻≒現場出発時刻です)
平成5年 5分30秒
平成6年 4分48秒
平成7年 6分30秒
平成8年 10分25秒 救命士活動開始
平成9年 12分07秒
最近の現場活動時間は自宅なものでわかりません。m(__)m
これらから「現場」で心電図を確認する場合と「救急車内収容後」の時間差を
推定すると救急車から患者枕元まで平均1分として、だいたい10〜11分という
ところでしょうかね。
これじゃ〜 「救急車内収容後」に心電図を確認したらVF/VTも消えますわね。
> ・初期心電図を「現場」で確認している消防機関は34(45.9%)
> ・「救急車内収容後」確認している消防機関が15(20.3%)
> ・「統一されていない」消防機関は23(31.1%)
>
> ウツタインを集計している本部でこうですから全国的に見るとかなりのVF/VTが見逃されて
> いるのではないかと・・・
初期心電図を「現場」で確認している消防機関もありますが、これも実際にはどうだか・・・?
うちも以前は、明らかなCPAならもって行っていたでしょうけど、入電内容が突然の
意識消失だけでは救命士の考えにより持って行っていたり、もって行っていなかったり。
そこで昨年、除細動器を現場に持ち込むキーワードを決めプロトコルに載せました。その後
は、外傷以外のほとんどのCPA患者が患者の枕元で心電図をとっています。ただ、一度だけ
プロトコル違反がありましたが、幸いに機関員の足が速かったので早期除細動(ん〜この場合
も早期でいいのかな?)により社会復帰できました。この時の救命士もやっぱりプロトコルに従
わないといけなかったと反省しておりました。
除細動器をもって行く条件もプロトコルに載せた方がいいようです。・・・プロトコルに載せないと
できないのも情けないですがね。
--------------------------------------
出雲市外4町広域消防組合 出雲消防署
竹田 豊(Yutaka Takeda)
--------------------------------------
Date: Mon, 16 Jun 2003 19:16:13 +0900
From: "石見 拓"
Subject: [ACLS:3344] Re: 3334 VF/VT は1番多いのか?(日本でも1番多いと示唆するデータ)
漢那先生、越智先生、みなさん、こんにちは。
阪大石見です。
下記、とても興味があります。
>Kanna Tomoo さんは書きました(ACLS:3334):
>> 先生に以前web 化したいとご希望のあった
>> 合同研究班報告書「自動体外式・・・検討報告」には、
>> ホルターの国内研究結果が少し紹介されています。
>>症例数は少ないのですが・・・・。
>>
>> 「本邦では1990 年の杉本らによるホルター心電図・・、
>> 97年のホルター心電図研究会で・・計71 例が報告された。
>(中略)
>>・突然死の瞬間の心電図所見
>> VF 70%、徐脈性不整脈 30%
>
> → わが国でも「心停止発症直後の心電図所見はVF/VTが1番多い」こと
> をうかがわせるデータですね。調査規模は大きなものではありません
> が・・
この報告書はどうしたら、手に入れられるのでしょうか?
教えていただけますか??
Date: Mon, 16 Jun 2003 19:16:14 +0900
From: "石見 拓"
Subject: [ACLS:3345] Re: VF/VT のコンセンサス(VF/VT は1番多いのか?)
遠藤先生、みなさん、こんにちは。
阪大石見です。
>広める会のハンドブック(8.42版21p)には
>『心肺停止の極初期心電図波形の70%は心室細動』
>と書いてありますが、引用はG2000からなんでしょうか?
自分も今手元にG2000とか、文献がないので、あいまいですが、上記初期心電図がVFで
ある割合は、
欧米の報告では、60〜70%というのがいくつかあったと思います。
少なくても50%くらいとの報告が多いです。
(いずれも病院外心停止での報告)
>>人 口 N=8,800,000
>>心停止事例 N= 5,072
>>蘇生施行事例 N= 4,858 (96.5%)
>>心原性 N= 2,536 (52.2%)
>>目撃された心停止 N= 966 (38.0%)
>>VF/無脈性VT N= 153 (15.8%)
>この15.8%は VF /無脈性VTのN÷目撃された心停止のNだと思いますが、
>心停止発生から心電図確認までの平均(所用)時間はどのくらいでしょうか?
上記、小林先生が示してくれたのは、ウツタイン大阪プロジェクト開始3年目のデータです。
大阪のデータでは、3年間、目撃のある心原性心停止におけるVFの割合は、20%弱で変化が
ありません。
むしろやや減少傾向です。
>心停止発生から除細動までの平均(所用)時間はどのくらいでしょうか?
これが、大阪のデータでは分かりません。
覚知から除細動までの時間は最初の2年は中央値で15分、今手元にないのですが、確か3年目
は11分か12分まで短縮されています。
虚脱から覚知までは中央値で3分です。
去年からモニター装着時刻も記録項目に加えたので、いずれこれもわかるようになります。
安田さんが示されたように、大阪でも現場に除細動器を持っていっていない等の理由で、モ
ニター診断が遅れ、VFが見かけ上減っているという可能性は十分あると思います。
日本人にVFの頻度が少ないことは事実だと思うのですが、目撃のある心原性心停止の中のVF
の割合は欧米とそんなに変わらないほうが自然じゃないのかなーといつも疑問に思っていま
す。
・・先生が示してくれたホルターの結果はとても興味があります。。。
それと、最初VFだったとして、その後段々ふり幅が小さくなって、心静止になっていく時間
経過がでている文献があったら教えてください。
このホルターの文献に書いてあるかな?
以前、一度みなさんにうかがって、G2000に参考文献が載っていると教えていただいたと思う
のですが、見つけられませんでした。
G2000のAEDの項に数分でAsysへという記載のところに参考文献がでていたのですが、その参
考文献にはあんまりちゃんとした記載がなかったような。。。
石見 拓
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-15
大阪大学医学部附属病院総合診療部
Date: Tue, 17 Jun 2003 13:24:20 +0900
From: Kanna Tomoo
Subject: [ACLS:3351] ホルター心電図による検討の文献について
石見先生、武田先生@東京慈恵医大、みなさん
どうも漢那です。
タイトル変更しました。
At 19:16 +0900 03.6.16, 石見 拓 wrote:
>この報告書はどうしたら、手に入れられるのでしょうか?
>教えていただけますか??
循環器の先生方は?、下記からダウンロードできるのではないでしょうか?
>Subject: Re: [ACLS:3268] Re: 3267 日本麻酔科学会 AED 講習会(ウェブ資料作
>成しました)
>Date: Thu, 5 Jun 2003 17:07:48 +0900
>→ 合同研究会参加学会は、
> 日本循環器学会、日本心臓病学会、日本心電学会、日本心臓ぺーシング学会
> 日本救急医学会、日本麻酔科学会です。
> http://els.nii.ac.jp/dsearch_j.php3?in+ncid=AA00690731>
>からダウンロードできるようですが、有料なのかもしれません。
>(あるいは、単に私のマックの問題)
>ただ、すごくいい報告書だと思います。
>越智先生あるいは皆さんには、お手数かけますが、もし時間があれば有料なのか
>無料なのかトライしてみていただけませんか。
>有料の場合は確認の画面表示が出るそうです。
ちなみに上記報告書の引用(元の出典)は
・八木繁、佐藤忠一、杉本恒明、他:
ホルター心電図記録中の急死例(車両財団助成研究)Excerpta Medica,1991
・松田直樹、笠貫宏、他:
ホルター心電図記録中の突然死例の検討ーホルター心電図研究会アンケート調査に
もとづいてー、心電図 1998;suppl 1:28
となっております。
う〜〜ん、みたこともない雑誌だーっ、下記は学会誌なんでしょうね。
Date: Tue, 17 Jun 2003 13:44:24 +0900
From: "石見 拓"
Subject: [ACLS:3352] Re: 3334 VF/VT は1番多いのか?
・・先生
下記ありがとうございました。
ちなみに、阪大にAED設置の具体的予定はまだありません。。。
阪大 石見
-----以下原文-----
件名 : [ACLS:3350] Re: 3334 VF/VT は1番多いのか?
Date: Tue, 17 Jun 2003 15:18:01 +0900
Subject: [ACLS:3354] Re: 3334 VF/VT は1番多いのか?
From: "小林 正直@大阪医大"
・・先生,漢那先生,石見先生,えんP先生
こんにちは。小林正直@高槻ACLSコース@大阪医科大学附属病院救急医療部@one of
ACLS大阪 MLお世話係です。
VF/VT は1番多いのか?
・・先生,漢那先生の御指導で日循誌を読みました。日本でも突然心停止になった時
はVF/VT が1番多いということなんですね?これは知りませんでしたので,多いに参
考になりました。
えんP先生のご質問に小林がもたもたしていましたら石見先生がお答え下さいました。
要は早く心電図診断を行えばVF/VTの率が上がり救命率が上がると解釈していいんで
しょうね?以前から日本人にVF/VTが少ないのはなぜか?心電図波形が遅いからか?
それは判らないとされていたような気がしますが,あながちそうじゃなさそうですね。
それなら,やりがいがあります。データの向上を目指してという行動目標がたちます
ね。
=======================================================================
小林 正直
大阪医科大学附属病院救急医療部
From: Genro Ochi
Date: Tue, 17 Jun 2003 18:16:47 +0900
Subject: [ACLS:3355] Re: 3351 ホルター心電図による検討の文献について
漢那先生、石見先生、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。
ご紹介いただきました以下の論文は「Circulation J」のウェブ
http://els.nii.ac.jp/dsearch_j.php3?in+ncid=AA00690731
にはまだ収載されていません。収載済みの他の論文にあたってみまし
たが、会員でない私にはテキストを取り出すことはできませんでした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
2001-2002年度合同研究班報告:循環器病の診断と治療に関するガイドライ
ン;自動体外式除細動器(AED)検討委員会報告書 日本における非医師へのA
ED 導入実施に向けた検討報告.Circulation J.66 Suppl IV:1419-1436,2002
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
結局この報告書は公開ウェブには掲載されていないと判断します。も
し委員会の許可が得られ、いずれかの学会ホームページなどに掲載して
いただけるととても助かるのですが。
Kanna Tomoo さんは書きました(ACLS:3351):
(引用部分省略)
----
Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
From: "Tetsuya Matoba"
Subject: [ACLS:3358] Re: ホルター心電図による検討の文献について
Date: Wed, 18 Jun 2003 21:12:46 +0900
皆さんお疲れ様です。
九大循環器内科の的場です。
AED検討委員会報告書は、日循の学会誌のsupplementとしてpublishされています。PDF
ファイルは日本循環器学会ホームページからダウンロードできますが、現在のところ
会員のみのようです。ガイドラインについては公開すべきと思いますので、何らかの
形で学会に意見を上げて見ます。
--
的場 哲哉 (Tetsuya Matoba)
九州大学大学院医学研究院 循環器内科学
From: Genro Ochi
Date: Wed, 18 Jun 2003 22:44:49 +0900
Subject: [ACLS:3359] Re: 3358 ホルター心電図による検討の文献について
九大循環器内科 的場先生、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎で
す。今後ともよろしくお願い申し上げます。
ACLSインストラクターのためのメーリングリストacls-trainingのメンバ
ーで本報告書を勉強させていただくことはかないませんでしょうか。パス
ワードを要するウェブ資料として収載させていただく形です。もし可能で
したら日本循環器学会の関係者にお願いしてみて下さいませんでしょうか。
ご検討よろしくお願い申し上げます。
・・さんは書きました(ACLS:3358):
(引用部分省略)
----
Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
Date: Wed, 18 Jun 2003 23:20:16 +0900
From: Kanna Tomoo
Subject: [ACLS:3360] Re: 3358 ホルター心電図による検討の文献について
越智先生、皆様へ
漢那@九州大学大学院災害救急医学です。
先程、麻酔科学会の救急医療対策部会の
皆様、同事務局に下記のような相談メールを送付したところです。
>Date: Wed, 18 Jun 2003 22:32:29 +0900
>日本麻酔科学会救急医療対策専門部会 関係者の皆様へ
>
>漢那@九州大学大学院医学研究院災害救急医学 です。
>・・・・
>2.
> 別途、ACLS がらみでご相談です。
> 皆さんの賛同がえられるのであれば、部会として
> 以下の報告書を麻酔科学会のHP に掲載できないものでしょうか?
>
>○2001-2002年度合同研究班報告:循環器病の診断と治療に関するガイドライ
>ン;自動体外式除細動器(AED)検討委員会報告書 日本における非医師への
>AED 導入実施に向けた検討報告.・・・・
>*合同研究会参加学会
>日本循環器学会、日本心臓病学会、日本心電学会、日本心臓ぺーシング電気生理学会
>日本救急医学会、日本麻酔科学会
う〜ん、しかし、よく考えると、これも所詮麻酔科学会会員限定でしょうね、おそら
く。
From: Genro Ochi
Date: Sat, 12 Jul 2003 07:20:36 +0900
Subject: [ACLS:3434] ホルター心電図記録中の突然死データ
県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。
本メーリングリストと四国ACLSの話題「VF/VTのコンセンサス(VF/VTは
1番多いのか?)」を以下のウェブ資料としてまとめさせていただいてい
ます。
――――――――――――――
VF/VTは1番多いのか?(救急関連メーリングリストより)
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/03/n7-def1.htm#c
――――――――――――――
このほど追加情報として、わが国 唯一のホルター心電図記録中の致死
的不整脈データに関する資料を掲載しました。
・松田直樹、笠貫宏、他:ホルター心電図記録中の突然死例の検討―ホル
ター心電図研究会アンケート調査にもとづいて―、心電図 1998;suppl
1:28
上のデータは上記に抄録が掲載されているだけで、原著論文にはまとめ
ておられないそうです。著者がスライドファイル(3枚)をご提供下さり、
ウェブ収載についてもご了承下さいましたので、以下に収載してみました。
有益な資料だと思いますので、皆様ぜひご参照下さい。
――――――――――――――
「ホルター心電図記録中の突然死例」
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/03/n7-holter/
――――――――――――――
それでは皆様、また。
■VF/VTは1番多いのか?
shikoku-acls(2003年7月)より
From: Genro Ochi
Date: Sun, 15 Jun 2003 09:50:01 +0900
Subject: [shikoku-acls:1179] Re: 1178 VF/VTのコンセンサス(VF/VTは1番多いのか?)
津島先生、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。
「VF/VTのコンセンサス」に関してひとこと書かせていただきます。
今回問題にするのは・・先生のご提案による以下の記載(愛媛コンセン
サス)です。時間がなければこのまま収載していただいても構いませんが・・
|(2)解説
| 目撃された突然の心停止の初期心電図は VFが最も多いです。成人の
|心停止からの生存者の 85-95%はVF/pulseless VTによるものです。VF/pulseless
|VTの対する最も有効な治療は除細動です。
→ VF/VTへの対処(除細動など)がなぜ重要なのかという導入ですね。
・目撃された突然の心停止の中で<最も多い>心電図波形だから
・<最もよく治療に反応>し、社会復帰が期待できる心電図波形だから
の2つの理由があります。
しかし「目撃された突然の心停止の中で<最も多い>」のでしょうか。
・心電図判定の時期は―発症時の波形 or 最初に記録した波形?
・(データの多い)欧米人 or 日本人
*欧米人では
・ホルター心電図による連続記録中の心停止発症例での分析で VF/VT
が発症時に最も多い波形である(>=80%)。
・ウツタイン様式で記載した初期心電図では、目撃された心停止の
50%以上が VF/VT である。
*日本人では
・VF/VTは発症時の心電図波形の中で1番多いか?
ホルター心電図による連続記録中の心停止発症例を分析した信頼で
きるデータはないのでは?
・ウツタイン様式で記載した初期心電図では、VF/VTは目撃された心
停止の20%〜30%程度に過ぎないのではないのか。
(AEDが普及しておらず、また救急隊員が心電図をとるまでの所要
時間が欧米の都市部よりやや短い日本では "見かけ上" VF/VT が
少なくなっている可能性はあるが・・)
越智の結論
・VF/VTへの対処(除細動など)が重要である1番の理由は<最もよく治
療に反応>し、社会復帰が期待できる心電図波形だから。
*心停止からの生存者の 85-95%はVF/pulseless VTによる―このデー
タは日本人でも使えると思います。
・2番目の理由として、目撃された突然の心停止例でにおいてかなりの比
率を占める心電図波形だから。
*欧米では目撃された突然の心停止例で最も多い心電図波形とされてい
ます(ある統計では発症時の80%以上、最初に記録した心電図(初期
心電図)の50%以上)。日本人においては VF/VTの占める比率は欧米
よりも低いと言われています。
津島先生や・・先生、そして皆様のご意見はいかがでしょうか。
TSUSHIMA さんは書きました(shikoku-acls:1178):
>VF/VTコンセンサスも,愛媛のものでいいと思います。
>一応,VT/VFの部分を添付しておきます。
>
>オリジナル参照「ACLSの仲間ホームページ」
>http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/acls/
>(パスワードが必要です)
----
Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
Date: Sun, 15 Jun 2003 12:53:29 +0900
Subject: [shikoku-acls:1180] Re: VF/VTのコンセンサス(VF/VTは1番多いのか?)
From: TSUSHIMA
越智元郎先生,こんにちは
いつも詳細なご検討に感心します。
> *日本人では
> ・VF/VTは発症時の心電図波形の中で1番多いか?
> ホルター心電図による連続記録中の心停止発症例を分析した信頼で
> きるデータはないのでは?
当院ではVFが断然多いので違和感ないのですが,
確かに,日本人のデータがないですよね〜。
「生存退院率が1分遅れる毎に7〜10%減少する」とかも,いえ,
ガイドライン2000の記述すべてにいえることですが。
本当は,大阪のようにコンセンサスカンファが必要なんでしょうね。
各コースの度にコンセンサスを新たにアップし,それに対して
discussionが必要となるのは,私などには厳しいものがあります。
(越智先生と同年代ながら,毎日の臨床,雑用でお疲れモード)
MLにおける最近の挿管確認の大?議論も,ROMするだけでも大変でした。
越智先生の結論でも,私は結構ですが。
> 越智の結論
> ・VF/VTへの対処(除細動など)が重要である1番の理由は<最もよく治
> 療に反応>し、社会復帰が期待できる心電図波形だから。
> *心停止からの生存者の 85-95%はVF/pulseless VTによる―このデー
> タは日本人でも使えると思います。
>
> ・2番目の理由として、目撃された突然の心停止例でにおいてかなりの比
> 率を占める心電図波形だから。
> *欧米では目撃された突然の心停止例で最も多い心電図波形とされてい
> ます(ある統計では発症時の80%以上、最初に記録した心電図(初期
> 心電図)の50%以上)。日本人においては VF/VTの占める比率は欧米
> よりも低いと言われています。
津島義正
From: Genro Ochi
Date: Sun, 15 Jun 2003 22:03:34 +0900
Subject: [shikoku-acls:1181] Re: 1180 VF/VTのコンセンサス(VF/VTは1番多いのか?)
津島先生、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。
四国地方でACLS普及にたずさわる人々の指導内容に関する考え方はかなり
すり合わせがなされてきたと思います。セミナーごとに毎回、コンセンサス
を全面的に詳細に確認しあう必要はなく、新しい知見を反映させたり、新た
に生じた疑問を出し合うのでよいと思います。
私は・・先生のすばらしいコンセンサス案(愛媛セミナー)を読ませてい
ただいたとき、「VF/VTは本当に1番多いのか?」という疑問が頭をかすめた
のですが、言葉にまとまるまでに半年かかりました。このような形で皆様の
ご意見を問うのも悪いことではないと思います。
とりあえずご担当の津島先生のご賛同がありましたので、越智修正案で文
面を書いてみます(本メールの最後に付けます)。この件については acls-
trainingなどでも意見を出してみますね。
TSUSHIMA さんは書きました(shikoku-acls:1180):
>本当は,大阪のようにコンセンサスカンファが必要なんでしょうね。
>各コースの度にコンセンサスを新たにアップし,それに対して
>discussionが必要となるのは,私などには厳しいものがあります。
>(越智先生と同年代ながら,毎日の臨床,雑用でお疲れモード)
>MLにおける最近の挿管確認の大?議論も,ROMするだけでも大変でした。
>
>越智先生の結論でも,私は結構ですが。
――――――――――――――
【VF/VTのコンセンサス(越智修正案)】
VF/VT
(1)到達目標
1. VFハンターになる ★2
2. 絶えまない心マと換気 ★3
3. 安全に除細動をかけられる
★VF/VTを見逃さないことを強調する
(2)解説
VF/pulseless VTへの対処が重要である理由は、VF/VTが最もよく治療に
反応し、社会復帰を期待できる心電図波形だからです。心停止からの生存
退院者の80%以上が初期心電図として VF/VTを呈するとされており、VF/VT
への対処は心肺停止患者の救命率を向上させる鍵であると考えられます。
しかも、VF/VTは目撃された突然の心停止例においてしばしば認められる心
電図波形であり、このことからもVF/VTへの対処はACLSのポイントであると
言えましょう。
[註]VF/VTの頻度
欧米では目撃された心停止患者で初期心電図が VF/VTを呈する患者
は50%以上を占め、特に発症直後には80%以上がVF/VTを呈すると言わ
れています。日本人では初期心電図が VF/VTを呈する目撃心停止例は
20〜40%程度とされていますが、AEDの普及や救急隊活動の改善によ
って発症から心電図記録までの時間が短縮されれば、VF/VTの占める
比率はもっと高くなるものと考えられます。
――――――――――――――
津島先生をはじめ皆様のご意見をお聞かせ下さい。
----
Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
Date: Sun, 15 Jun 2003 22:53:32 +0900
Subject: [shikoku-acls:1183] 「VF/VTは1番多いのか?」とコンセンサスの作り方について
From: 吉川 圭
越智先生、・・先生、津島先生、皆さんこんばんは。
坂出市立病院の吉川です。
「VF/VTは、本当に一番多いのか?」についてですが・・・・
越智先生のメールを読ませていただいて気づいたのですが、この文章「目撃された突然の心停止の
初期心電図はVFが最も多いです。」の文章をコンセンサスに最初に入れたのは、僕ではないかと思
うのです。(おそらく、昨年の岡山コースの時に作成したものと思います)
この、コンセンサスを作成するに当たっては、G2000を参考にさせていただいております。(Part 4;
the Automated External Defibrillator, Principle of Early Defibrillationの部分)しかし、日
本人のデータに関しては、私も調べているわけではなく、わかりません。心カテ中などに突然意識
を消失す る患者は多くがVf/VTですので、あまり深く考えていませんでした。しかし、アメリカに
比し、虚血性心疾患の発生が少ない日本人でこの原則が当てはま るかどうか? とも思います。
越智先生の案がより、エビデンスに即したものと思います。
(後略)
<<<<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>>>>>
吉川 圭
坂出市立病院 内科
<<<<<<<<<<<<<>>>>>>>>>>>>>>
Date: Mon, 16 Jun 2003 21:45:15 +0900
Subject: [shikoku-acls:1188] Re: 1180 VF/VTのコンセンサス(VF/VTは1番多いのか?)
From: TSUSHIMA
越智先生こんにちは
先生の問題提起で,
ACLSのMLで早速この問題が討論され,興味ある意見も出されており,
皆さんの関心が高いことがわかりますね。
もちろん,ICD植込み手術をしている私も大変興味があります。
> 【VF/VTのコンセンサス(越智修正案)】
私自身が案を書き直す作業をできず恐縮です。
本当にありがとうございます(正直なところ)。
ところで,以下の表現ですが,
> しかも、VF/VTは目撃された突然の心停止例においてしばしば認められる心
> 電図波形であり、
なるほど,適切なのでしょうが,インパクトに欠ける感じ。
いっそのこと,
「ガイドライン2000では
目撃された突然の心停止の初期心電図は VFが最も多い」
を残して,その後に[註]ってのはどうなんでしょうか。
> [註]VF/VTの頻度
> 欧米では目撃された心停止患者で初期心電図が VF/VTを呈する患者
> は50%以上を占め、特に発症直後には80%以上がVF/VTを呈すると言わ
> れています。日本人では初期心電図が VF/VTを呈する目撃心停止例は
> 20〜40%程度とされていますが、AEDの普及や救急隊活動の改善によ
> って発症から心電図記録までの時間が短縮されれば、VF/VTの占める
> 比率はもっと高くなるものと考えられます。
津島義正
心臓病センター榊原病院 心臓血管外科
From: Genro Ochi
Date: Mon, 16 Jun 2003 22:31:08 +0900
Subject: [shikoku-acls:1191] Re: 1188 VF/VTのコンセンサス(VF/VTは1番多いのか?)
津島先生、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。
私も越智修正案の文面ではインパクトがないと感じていました。
「ガイドライン2000によると目撃された突然の心停止の初期心電図は
VFが最も多い」を残して,その後に[註]
に1票! です。
TSUSHIMA さんは書きました(shikoku-acls:1188):
>ところで,以下の表現ですが,
>> しかも、VF/VTは目撃された突然の心停止例においてしばしば認められる心
>> 電図波形であり、
>なるほど,適切なのでしょうが,インパクトに欠ける感じ。
>
>いっそのこと,
>「ガイドライン2000では
>目撃された突然の心停止の初期心電図は VFが最も多い」
>を残して,その後に[註]ってのはどうなんでしょうか。
----
Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
Date: Tue, 17 Jun 2003 11:26:22 +0900
Subject: [shikoku-acls:1196] コンセンサス、現在までのまとめ
From: 伊藤 辰哉
みなさん、こんにちは。高松日赤の伊藤です。
第三回讃岐ACLSのコンセンサスも出そろったようです。
みなさんのコンセンサスを読ませていただき、気がついたこと、追加したいことを追
記してみました。6月1日には徳島でコースが行われ、この高松コースで、四国内だ
けでも7回目になります。特別な追加事項はないと思いますが、これで問題ないよう
でしたら決定として、当日までにみなさんにお配りしたいと思います。
確認ですが、当日各ブースには3月に行われた愛媛コースとほぼ同様のポスターを用
意いたします。
今週いっぱいコンセンサスを討論していただき、当日(前日)に最終版をお渡しした
いと考えております。
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伊藤辰哉
高松赤十字病院救急部
From: Genro Ochi
Date: Tue, 17 Jun 2003 12:45:25 +0900
Subject: [shikoku-acls:1197] Re: 1196 コンセンサス、現在までのまとめ(VF/VTの頻度に関するコメントの挿入箇所)
伊藤先生、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。
伊藤 辰哉 さんは書きました:
>第三回讃岐ACLSのコンセンサスも出そろったようです。
>みなさんのコンセンサスを読ませていただき、気がついたこと、追加したいことを追
>記してみました。6月1日には徳島でコースが行われ、この高松コースで、四国内だ
>けでも7回目になります。特別な追加事項はないと思いますが、これで問題ないよう
>でしたら決定として、当日までにみなさんにお配りしたいと思います。
私から提案させていただきました「VF/VTの頻度」に関する記載について、
少し追加させて下さい。
伊藤先生の「コンセンサスのまとめ(案)」では、「モニター」の項に
「VF/VTの頻度」に関する記載を入れてくださいましたが、私は「モニター」
の項ではこれまで通り、VF/VTが最も救命率が高いという簡潔な記載だけで
よいと思います。「VF/VTの頻度」に関する記載は「Primary ABCD、静脈路
確保について」の次の章の「VF/VT」の所に入れてくださいませんでしょう
か。
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【モニター】
(1)モニターを操作し、速やかに波形を出すようにできること
(今回はモニター付き除細動器はフクダ電子が入ると思います。バッテリーが
搭載されているかも、要確認です)
手順:
・まずは電源を入れる。
・つぎに電極を貼る。覚え方は?・・・『あ・き・みちゃん』
電源を入れてからモニターに波形が映しだされるまでかなりのタイ
ムラグがあります。電源を入れてから電極を貼りましょう。
・電極を貼る場所の確認。
(2)モニターの確認時は必ず脈を触れる。→脈の確認を徹底してください!!
★ Treat the patient. Not the Monitor
循環の確認をする際にモニターを見るようにしましょう。モニターを見
るときに脈(循環)の確認ではありません。
★循環のサインの確認(頸動脈の脈の確認を含む)とモニタ?確認が1セッ
トになっているという考え方です。
(3)5つの質問を使って波形を読む。(順番は自由に)
・脈拍の決定 -遅すぎ?早すぎ?普通?
・リズム分析1-整か、不整か?
・リズム分析2-P波はあるか?
・リズム分析3-QRS幅は広いか?狭いか?
・ リズム分析4-P波とQRSの関係は?
(4)致死的不整脈を認識する。
VF/Pulseless VT、Asystole、PEA→心停止は心静止だけではないことを
強調しましょう!モニター波形重視で、PEAに気づかない医療従事者は多
いです!
(5)波形ごとの説明・・・除細動が必要かどうか(波形でアルゴリズムが分かれる)
1. VF/pulselessVT
・治療は除細動!200J-300J-360J(3連続ショック時はパドルは当て
たまま、チェックパルス不要)。波形が変わったらチェックパルス。
・早期除細動の意味→Asystole や.PEAに比べて救命率が高い。1分以内に
除細動ができれば生存退院率が90%以上。逆に1分遅れるごとに7?10%
ずつ下がる。
|越智元郎先生のコメントより
|
|ガイドライン2000では目撃された突然の心停止の初期心電図は VFが最も多い
|[註]VF/VTの頻度
| 欧米では目撃された心停止患者で初期心電図が VF/VTを呈する患者
| は50%以上を占め、特に発症直後には80%以上がVF/VTを呈すると言
| われています。日本人では初期心電図が VF/VTを呈する目撃心停止例は
| 20?40%程度とされていますが、AEDの普及や救急隊活動の改善によ
| って発症から心電図記録までの時間が短縮されれば、VF/VTの占める
| 比率はもっと高くなるものと考えられます。
→ 上記10行は削除(越智案)
2. Asystole
・★チェックパルス。リード、カンド、ユウドウ。本当にAsystole ?
(以下、省略させていただきます)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【Primary ABCDとは】
(中略)
【静脈路確保について】
(中略)
「VF/VT」
(1)到達目標
1. VFハンターになる ★2
2. 絶えまない心マと換気 ★3
2. 安全に除細動をかけられる
★VF/VTを見逃さないことを強調する
|(2)解説
|目撃された突然の心停止の初期心電図は VFが最も多いです。成人の心停
|止からの生存者の 85-95%はVF/pulseless VTによるものです。VF/pulseless
|VTの対する最も有効な治療は除細動です。除細動が1分間遅れるごとに、
|除細動の成功率は 7〜10%ずつ低下します。除細動が心停止後1分以内に
|行われれば救命率は90%と非常に高率であると報告されています。ですか
|ら、成人における突然の心停止では、VF/pulseless VTがあるものと考え
|ましょう。そして一刻も早く除細動をかけましょう。除細動は気管挿管、
|静脈路確保、薬剤投与より優先します。VFハンターになることがこのブー
|スの目標です
→ 上の10行を以下のようにご変更下さい(越智案)
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(2)解説
VF/pulseless VTへの対処が重要である理由は、VF/VTが最もよく治療に
反応し、社会復帰を期待できる心電図波形だからです。しかも、ガイドラ
イン2000によると、VF/VTは目撃された突然の心停止の初期心電図として最
も多いのです。それゆえ VF/VTへの対処は心肺停止患者の救命率を向上さ
せる鍵であると考えられます。
[註]VF/VTの頻度
・心停止からの生存退院者の80%以上が初期心電図として VF/VTを呈
すると言われています。
・欧米では目撃された心停止患者の初期心電図の中で VF/VTは50%以
上を占め、特に発症直後には70%以上を占めています。これに対し
日本人では、初期心電図が VF/VTを呈する目撃心停止例は20〜40%
程度とされています。AEDの普及や救急隊活動の改善によって発症か
ら心電図記録までの時間が短縮されれば、わが国でも VF/VTの占め
る比率はもっと高くなるものと考えられます。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
(3)お約束
(以下、省略)
以上、ご検討宜しくお願いいたします。
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Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
Date: Tue, 17 Jun 2003 14:47:01 +0900
Subject: [shikoku-acls:1198] Re: 1196 コンセンサス、現在までのまとめ(VF/VTの頻度に関するコメントの挿入箇所)
From: 伊藤 辰哉
越智先生、みなさん、高松の伊藤です。
越智元郎先生の提案はわたしも少し悩んだ部分です。
<VFハンター>ということを強調するには、除細動のスキルステーションに当たるモ
ニターブースで話をするべきだし、別に、VF/VTの項目があるからそちらでもいいと
も思います。わたしがモニターブースを担当するときは、救命率の話はしますし、ま
た、VF/VTでもやっぱりその話題にも触れています。大事な点は何度強調してもよい
と思うのですが、コンセンサスとしてまとめるとなると、重複してしますと間延びし
た印象になってしまいます。
モニター/VFブースのブース長、・・先生、津島先生いかがですか?
循環器内科の立場から吉川先生どうでしょうか?
みなさん、どうお考えでしょうか?
ご意見お待ちしております。
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伊藤辰哉
高松赤十字病院救急部
Date: Tue, 17 Jun 2003 22:21:17 +0900
Subject: [shikoku-acls:1201] Re: 1196 コンセンサス、現在までのまとめ(VF/VTの頻度)
From: 吉川 圭
伊藤先生、みなさん、こんばんわ。
吉川です。
私は、
ACLSコースの中でもっとも大事なポイントは「VF/VTを診たら一瞬たりとも無駄にせず除細動を
かける」事を受講生に伝える事だと思っています(極 論すればですよ)
これができなかったために、辛い目にあった人は多いと思います。
ですから私は、モニターブースでも、早期除細動の重要性を説明することにしています。
それが簡単に伝えることができて、蘇生率を高めるためにもっとも有意義な事と思っています。
On 2003.6.17, at 14:47 Asia/Tokyo, 伊藤 辰哉 wrote:
> 越智元郎先生の提案はわたしも少し悩んだ部分です。
> <VFハンター>ということを強調するには、除細動のスキルステーションに当たるモ
> ニターブースで話をするべきだし、別に、VF/VTの項目があるからそちらでもいいと
> も思います。わたしがモニターブースを担当するときは、救命率の話はしますし、ま
> た、VF/VTでもやっぱりその話題にも触れています。大事な点は何度強調してもよい
> と思うのですが、コンセンサスとしてまとめるとなると、重複してしますと間延びし
> た印象になってしまいます。
> モニター/VFブースのブース長、福田先生、津島先生いかがですか?
> 循環器内科の立場から吉川先生どうでしょうか?
> みなさん、どうお考えでしょうか?
> ご意見お待ちしております。
********************************
吉川 圭
坂出市立病院
********************************
From: Genro Ochi
Date: Thu, 19 Jun 2003 12:54:10 +0900
Subject: [shikoku-acls:1203] Re: 1201 コンセンサス、現在までのまとめ(VF/VTの頻度)
伊藤先生、吉川先生、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎です。
モニターブースと VF/VTブースの両方で VF/VTへの対処(早期除細動)
の重要性について話すという方針に賛成致します。コンセンサス文書に
もそれなりに整理して文章化して下されば私は異存ございません。
私の今回の提案は以下のものです。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
これまでのコンセンサス
「VF/VTへの対処(早期除細動)の重要性の根拠」はイ+ロ
(第1にイ、第2にロ)
イ.VF/VTが目撃された心停止例で最も多い心電図パターンだから
ロ.生存退院できる心停止例はほとんど初期心電図が VF/VTだから
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
越智の提案
――――――――――――――
1)欧米人に比べ日本人では VF/VTの頻度が低く、「1番多い」との根拠
はまだない。
・ウツタイン様式を用いた研究では大体一致しており、20-40%程度。
・ホルター心電図を用いた研究は日本人のデータはほとんどない。
*2001-2002年度合同研究班報告:循環器病の診断と治療に関するガイ
ドライン;自動体外式除細動器(AED)検討委員会報告書 では70例
における検討ながら VF/VTが一番多い。
2)一方、生存退院した心肺停止例のほとんどが、初期心電図がVF/VTで早期
除細動できた例である ことは日本でも明か。
それゆえVF/VTへの対処(早期除細動)の重要性の根拠は VF/VTが治療に
最も反応しやすい心肺停止患者の心電図波形であり、これへの不適切な対処
の結果 患者を失えば preventable deathとみなされることを1番に上げた
い。
――――――――――――――
でございます。繰り返しになりますが、書かせていただきました。コンセン
サス文書にどのように反映させるかは、遠藤先生や伊藤先生、吉川先生に一
任致します。
吉川 圭 さんは書きました(shikoku-acls:1201):
>ACLSコースの中でもっとも大事なポイントは「VF/VTを診たら一瞬たりとも
無駄にせず除細動をかける」事を受講生に伝える事だと思っています(極
>論すればですよ)
>これができなかったために、辛い目にあった人は多いと思います。
>
>ですから私は、モニターブースでも、早期除細動の重要性を説明することにしています。
>それが簡単に伝えることができて、蘇生率を高めるためにもっとも有意義な事と思っています。
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Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
Date: Thu, 19 Jun 2003 13:32:56 +0900
Subject: [shikoku-acls:1204] Re: 1201 コンセンサス、現在までのまとめ(VF/VTの頻度)
From: yasuhito mikawa
こんにちは。越智先生、讃岐のみなさん。
御川安仁@岡大麻酔です。
(中略)
早期除細動の重要性をコースの中で繰り返し強調することには大賛成です。
モニター、VF/VTのセクションでは必ずしゃべり、他のブースでも一言、二言喋るの
も構わないと思います。
それから、先の越智先生の提案に賛成です。インストが知っておくべきこととして資
料に加えましょう。
しかし、コースで実際に喋るのはこれまでどおりで良いんじゃないでしょうか?
下の「これまでのコンセンサス」+「生存退院率の話し(7−10%/分の話し)」
で充分だと思いますが。いかがでしょうか?
喋りすぎるのは余計にわかりづらくなるので、「単純明快!!」で行くのがよいと思
います。
どうでしょうか?
Date: Thu, 19 Jun 2003 13:41:26 +0900
Subject: [shikoku-acls:1205] 追加
From: yasuhito mikawa
御川です。
先ほど、言い忘れていましたが、「G2000では、、こう言われています。」「欧米で
は、、、です。」程度の言葉を付け加えればより親切か?
「日本ではどうなの?」と質問されれば時間のある時に答えればいいと思います。
G2000自体、またACLSコース自体、まだ日本の実状にあわせたコースではありません。
よって、G2000どおり、欧米のデータに会わせた説明でも構わないと思うのですが。。
無理に日本のデータを持ち出して、説明しようとすると、すべてにおいて調査し直さ
ないといけないし(これからすればいいのですが)、コースで喋る内容自体に無理が
生じます。
これまでどおり+少し「G2000では、、、」くらいの言葉を添えて話すのでいかがで
しょうか?
Date: Tue, 24 Jun 2003 06:55:50 +0900
Subject: [shikoku-acls:1210] Re:1208 第三回讃岐ACLSコースコンセンサス
From: Genro Ochi
高知赤十字病院 伊藤先生、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越智元郎
です。いよいよですね!
〇
VF/VTの重要性をどう伝えるかについてはモニターブースと VF/VTブー
スの両方で話すというご方針に異存はございません。
ACLSにおいてVF/VTが重要である理由として、
・G2000によれば(目撃された)突然の心停止(SCA)の中で "最も多い"
心電図波形であること。
・VT/VTは生存退院につなぐことのできる典型的な心電図波形であること。
ということですね。
日本でも VF/VTが "最も多い"? という質問があった場合には「諸説
ありますが、あとで説明させてください」という形でブースの合間にゆ
っくり情報提供する形にしたらよいですね。
(中略)
伊藤 辰哉 さんは書きました(shikoku-acls:1208):
>今回のコンセンサスも数日前に流したものを基本とします。VF/VTに関しましては、
>モニターブースにて最初に
>
>ガイドライン2000では目撃された突然の心停止の初期心電図は VFが最も多い
>
>と紹介していただき、その詳しい話に関しては、午後のVF/VTブースでしていただく
>ことにします。ただ、当然、その根拠についてはモニターで話していただいて構いま
>せん。コンセンサスの資料の中では、VF/VTブースで詳しく話す形にさせていただい
>ています。
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Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
From: Genro Ochi
Date: Sat, 12 Jul 2003 07:00:59 +0900
Subject: [shikoku-acls:1274] ホルター心電図記録中の突然死データ
心臓病センター榊原病院 津島先生、皆様、県立新居浜病院麻酔科 越
智元郎です。
「VF/VTのコンセンサス(VF/VTは1番多いのか?)」の話題で、わが国
唯一のホルター心電図記録中の致死的不整脈データとして、以下の研究が
紹介されましたね。
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松田直樹、笠貫宏、他:ホルター心電図記録中の突然死例の検討―ホルタ
ー心電図研究会アンケート調査にもとづいて―、心電図 1998;suppl 1:28
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このほど津島先生が著者に連絡を取ってくださった所、このデータは上
記に抄録が掲載されているだけで、原著論文にはまとめておられないよう
です。
著者がスライドファイル(3枚)をご提供下さり、ウェブ収載について
もご了承下さいましたので、以下に収載してみました。有益な資料だと思
いますので、皆様ぜひご参照下さい。
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「ホルター心電図記録中の突然死例」
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/03/n7-holter/
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津島先生、ご協力有難うございました。
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Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp