アメリカ心臓協会(AHA)の心肺蘇生法ガイドライン 2005

第4部 成人一次救命処置(BLS) の手順
(Part 4: Adult Basic Life Support)

目次
はじめに(Introduction)
はじめに2(Introduction)
心肺緊急(Cardiopulmonary Emergencies)
成人一次救命処置(BLS) の手順
除細動
特殊な蘇生状況
回復体位(Recovery Position)
異物による気道閉塞(窒息)
要約:BLS(一次救命処置)の質
参考文献


[最終更新 070328、原文へ]

■はじめに1(Introduction)

 一次救命処置(BLS)には(1)突然の心停止(sudden cardiac arrest, SCA)、心臓発作、脳卒中(stroke)および異物による気道閉塞(foreign-body airway obstruction, FBAO)の兆候を認識すること、(2)心肺蘇生(cardiopulmonary resuscitation, CPR)、そして(3)自動体外式除細動器(automated external defibrillator, AED)による 除細動の 3つが含まれる。この節では市民救助者(lay rescuers)およびヘルスケア・プロ バイダー(HCP、
訳者註)に対する一次救命処置(BLS)のガイドラインをまとめる。

訳者註:日本では確立されていない「healthcare providers」という 用語の訳は難しい。健康管理のプロフェッショナルである「健康管理者」、 「医療介護提供者」などの訳が考えられる。しかし、ここでは日本蘇生協議会(JRC)による「AHA Currents in Emergency Cardiovascular Care Volume 16 Number 4 Winter 2005-2006」の訳にならって「ヘルスケア・プロバイダー(HCP)」を用いた。


■はじめに2(Introduction)

 第3部「心肺蘇生(CPR)の概要(Overview of CPR)」で 述べられたように、突然の心停止(SCA)は米国とカナダに おける第1位の死因(a leading cause)となっている1-3。 初期心電図の分析によると(at the first analysis of heart rhythm)、院外での突然の心停止(SCA)患者の約40%が心室細動(VF) を呈している3-5。 心室細動(VF)は混沌とした速い脱分極・再分極(chaotic rapid depolarizations and repolarizations)によって特徴づけられ、 それは心臓全体を細かい振動の連続(quiver)とさせ血流を効果的に送 り出すポンプ機能を不可能にする6。 (訳者註:現在、初期心電図分析の結果として把握されているよ りも)多数の患者が、虚脱(collapse)の時点で心室細動(VF)や速い 心室細動(VT)を呈するが、最初のリズム分析をする時までに波形が 心静止(asystole)にまで悪化している可能性がある 7

 もし居合わせた市民(bystanders)が心室細動(VF)の存在している間に 即座に心肺蘇生(CPR)を始めれば、多くの突然の心停止(SCA)患者が 生存できる。しかし一度心静止(asystole)にまで悪化してしまうと、 蘇生の可能性はほとんどなくなって しまう8。 VFによる突然の心停止(VF SCA)に対する治療は居合わせた市民によって 直ちに行われる心肺蘇生(CPR)と除細動器による電気ショックである。外傷、薬 物過量、溺水、そして多く小児における心停止の機序は窒息・低酸素症 (asphyxia)である。胸骨圧迫(compressions)および人工呼吸(rescue breaths)による心肺蘇生(CPR)はこれらの傷病者を蘇生する上で極め て重要である(critical for resuscitation of these victims)。

 アメリカ心臓協会(The American Heart Association)は「救命の連鎖 (the "Chain of Survival") 」と名付けた 4つの鎖のつながりになぞら え(uses 4 links in a chain)、VFによる突然の心停止に対しては時系 列的な 4つの行動をできるだけ迅速に行うことが重要であることを図示 している(to illustrate the important time-sensitive actions for victims of VF SCA)(図1)。 4つの連携のうち 3つ、また場合によってそのすべては窒息・低酸素血症 (asphyxial)による心停止の患者にも当てはまる9。そのリンクという のは、

図1 成人における救命の連鎖

 その場に居合わせた市民(バイスタンダー)はこの「救命の連鎖」の 4つの行動(link)のうち、3つまでを行うことができる。 その場に居合わせた人が緊急性を認識し救急医療サービス(EMS)へ通報する ことにより、彼らは一次救命処置(BLS)や二次救命処置(ALS)を行え る専門家(providers)が緊急現場に駆けつけるよう計らうことができ る(they ensure that basic and advanced life support providers are dispatched to the site of the emergency.) 多くの地域では、EMSへの通報から実際にEMSの専門家が現場に到着する までの時間は 7〜8分もしくはそれ以上である24。このことは、患者が心 臓発作で倒れた(collapse)後に生存する可能性は居合わせた市民の対 応いかんによるということを意味する。

 EMS応答時間(response time)(EMSへの通報から現場到着までの時間) を短縮することで、突然の心停止(SCA)からの生存率が上昇する。し かし、その効果は応答時間が5〜6分を超えればほとんどないに等しい ものになってしまう(LOE 3)25-31。 EMSシステムは自らの心停止対応プロトコルを評価し、もしその改 善が実現可能でまた組織としての条件が整う場合には、その応答時間を 短縮するよう試みるべきである (Class I)。 それぞれのEMSシステムはVFによる突然の心停止(SCA)患者の生存退 院率を評価し、さまざまな流れを改変してゆくことの成果を記録してゆ くこと(to document the impact of changes in procedures)に役立 てるべきである(Class IIa)32-35

 心停止の患者は即時のCPR(心肺蘇生)を必要とする。CPRは量 は少ないが転帰を左右できる量の血流を、心臓と脳に供給できる。 心肺蘇生(CPR)は心室細動(VF) の時間を延長させ、電気ショックが心室 細動(VF) を停止させる(除細動する)可能性を増し心臓を効果的なリズム に戻し効果的な全身環流を再開することに寄与する。 CPRは電気ショックが心臓発作後 4分(LOE 4)36もしくは 5分 (LOE 2)37以上実施できない場合には特に重要である。 除細動はけして心臓を「再スタート」させるものではなく、心臓 を一旦「驚かせ・動きを止め("stuns" the heart)」、短時間、心室細動(VF) や他の心臓の電気的活動を止めるものである。もし心臓に機能が残っておれば、 正常ペースメーカーがその後発火し正常で効果的な心電図リ ズムを再開し、最終的には適切な血流量を供給すること になる。

 除細動が成功した後の初めの数分間は心静止か除脈であることがあり、 心臓がその機能を果たしていないかも知れない。 最近の心室細動(VF)による突然の心停止(SCA)の患者での 1研究では、 ショック60秒後にまとまりのあるリズム(an organized rhythm、訳者註) を呈する患者はわずか25〜40%に過ぎなかった。そして、除細動後に 有効な循環がある患者はさらに少ないという可能性がある38。それゆ え、除細動後、数分間は十分な環流が得られるまで、CPRが必要とされるであろう39。 市民救助者(lay rescuers)も訓練によって、自動体外式除細動器(AED)と呼ばれる コンピュータ化された機器を用いて傷病者の心リズムを解析し、心室細動(VF)または心拍数の多い心室頻拍(VT)であれ ば除細動を実施することができる。 AEDには救助者に対して聴覚的にまた視覚的に使用法を案内する仕組み がある(The AED uses audio and visual prompts to guide the rescuer.)。AEDは傷病者の心リズムを解析し、もしショックが必要な場合には救助 者にそれを知らせる。 AEDは非常に正確で、VF(またはその前兆である心拍数の多いVT)で がある時にのみ電気ショックを与える40。AEDの機能とその操作法に 関しては第5部「電気的治療:自動体外式除細動器(AED)、除細動、 カルディオバージョン及びペースメーカー」において述べる。

 時間は突然の心停止(SCA)に遭遇した時の救助者による行為が成功す るかどうかを左右する、最も重要な因子である。 幾つかの研究によって、直ちに行われるCPRが突然の心停止(SCA)の 生存率が改善し、また除細動の遅れによりそれが低下することが示さ れている。CPRを行わない時間の各 1分ごとに、目撃者されたVFによる突然の心停 止の生存率が7〜10%低下する8。 心停止の場に居合わせた市民(バイスタンダー)がCPRを行えば、この 生存率の低下はもっと緩やかになり、虚脱から除細動までの間、毎分平 均 3〜4%の低下にとどまる8,12。 CPRが目撃された突然の心停止からの生存率を 2倍8,12もしくは 3倍41に 上昇させることが、発症から除細動までの様々な時点のデータで示さ れている(Circulation. 2005;112:IV-19-IV-3442)。

 一般市民による除細動プログラム(public access defibrillation program)と 初期応答者によるAEDを用いた除細動のプログラム(first-responder AED program) (訳者註:「program」=「行動計画」)は バイスタンダーによるCPRと早期の除細動を受けて生存する突然の心停 止傷病者の数を増加させ、院外発生の突然の心停止(SCA)からの生存 率の改善に寄与する可能性がある43。 これらのプログラムには、緊急性を認識し、通報してEMSを起動し、 CPRを行い、AEDを使用することについて訓練され、必要機器を携行し た救助者による組織立ったまた十分に練習を積んだ対応(response) が必要である43。 空港内19、機内29,21およびカジノ22における市民救助者によるAEDプ ログラムや警察官による初期応答者プログラムは、虚脱後直ちにバイ スタンダーによるCPRを開始し 3〜5分以内に除細動を行うことで、院 外で目撃されたVFによる突然の心停止(SCA)患者の生存率を49〜75% 19-23まで上昇させている。 しかしながらこうした高い生存率は、除細動器までの時間を短縮でき ないプログラムにおいては達成できない可能性がある47-49


■心肺緊急(Cardiopulmonary Emergencies)

心肺緊急時における救急医療サービス(EMS)の派遣
(Cardiopulmonary Emergencies Emergency Medical Dispatch)

 EMS(救急医療サービス)の派遣はEMS対応の中で非常に重要な要素の一つで ある50-53。 通信指令(dispatchers)は、通報者に対して心肺蘇生(CPR)に関する、 EMSが到着するまでの電話指導(prearrival telephone CPR instructions) を実施することができるように、適切な訓練を受けるべきである (Class IIa)10,54-57。 (複数の)観察研究(LOE 4)51,58と 1つの無作為試験(LOE 2)57 は通信指令による電話指導により、心停止の場に居合わせた市民(バイスタンダー) がCPRを行う可能性が高まることを示している。 しかし(この)EMS到着の前に行われる指導が突然の心停止(SCA)からの生存率 を上げるかどうかは明かではない58,59

 口頭指導(telephone CPR instructions)担当の通信指令が、小児や 窒息・低酸素症(asphyxial cause)によって心停止(例えば溺水)が 発症した可能性の高い成人の患者に対応するバイスタンダーに指導す る場合、まず救助呼吸、次いで胸骨圧迫の指示をすること。 それ以外(例えば突然の心停止(SCA)など)のケースでは、胸骨圧迫 のみについて口頭指導をするのがよいだろう(Class IIb)。 EMSシステムの質の改善プログラムは通信指令が個々の通報者に対してど のような口頭指導をしたか、定期的に見直すべきである(Class IIa)。

 通信指令がバイスタンダーに傷病者の呼吸があるか確かめるように依頼 した時、バイスタンダーが時々みられるあえぎ様呼吸を(occasional gasps)をみて、 患者が呼吸をしていると誤認することが少なくない(often misinterpret)。 この間違った情報は心停止患者へ心肺蘇生(CPR)が開始されないこと につながりかねない(LOE 5)60。 通信指令によるCPR口頭指導プログラムにおいては、バイスタンダーが心 停止傷病者にみられる時折の喘ぎ(occasional gasps)を見分けること を助け、その結果このような傷病者にバイスタンダーCPRが行われやすく なるような方策を開発してゆくべきであろる。

急性冠動脈症候群(Acute Coronary Syndromes)

 冠動脈疾患(Coronary heart disease)は今も継続して米国の死因の 首位となっており、120万人の急性心筋梗塞(AMI)患者と50万人を超 える死者を生んでいる61。 およそ52%の急性心筋梗塞(AMI)による死者が院外で発生しており、 そのほとんどのが発症から 4時間以内のものである62,63

 急性心筋梗塞(AMI)の発見、診断、治療を早期に行えば、心臓への障 害を最小限にして転帰を改善することができる64,65が、もし治療が発 症数時間内に始められるならそれはさらに有効なものになる66,67。 急性冠動脈症候群(ACS)の危険がある患者やその家族は急性冠動脈症 候群(ACS)の症状を認識できるように教えられるべきである。またその際 に家庭医に連絡したり、自ら運転して病院まで行くのではなく、すぐ にEMSへ通報をするべきである。 急性冠動脈症候群(ACS)の古典的な症状は胸部不快感(chest discomfort)であるが、上半身の他の部分の不快感や、息切れ、発汗、 嘔気やふらふら感などの症状を来たすこともある。 急性心筋梗塞(AMI)の症状は15分以上続くのが特徴である。急性冠動脈症 候群(ACS)の非典型的症状は老齢者や女性、また糖尿病の患者におい てより一般的に認められる68-71

 急性冠動脈症候群(ACS)の転帰を改善するためには、全ての通信指令 (dispatchers)や 救急隊E(EMS providers)が急性冠動脈症候群 (ACS)の症状を認識できるように訓練すべきである。 救急隊(providers)は、急性冠動脈症候群が発症したと認識 (determine)し、患者の状態を安定させ、(搬送中における収容先への) 事前通報(prearrival notification)をし、そして適切な医療施設へ搬 送できるように訓練されなければならない。

 救急隊は気道確保や酸素投与ができ(Class IIb)、またアスピリンやニ トログリセリンの投与もできる。 もし患者がアスピリンを服用しておらず、アスピリンに対するアレルギ ーの既往がなければ 160〜325mgのアスピリンを噛んで服用させ(Class I)、 収容先の病院にそのことを搬送中の段階で連絡するべきである72-75。 救急隊が12誘導心電図を記録し、記録そのものかその所見を収容先の病 院へ通報できるように、訓練し機器整備しなくてはならない(Class IIa)。 このトピックに関する詳細は第8部「急性冠動脈症候群(ACS)の患者の 安定化」で述べられている。

脳卒中(Stroke)

 脳卒中は米国において3番目の死因であり、重篤で長期にわたる障害 (disability)を起こすもっとも多い原因である61。 線溶療法(fibrinolytic therapy)が発症から時を置かずに(within the first hours of the onset)開始された場合、神経学的な傷害が 軽度ですみ、そのような処置を施された急性虚血性脳疾患患者の転帰 (outcome)は改善する76-78。 しかしながら、「治療にとってタイミングの良い時期(The window of opportunity)」はごく限られている。 効果的な治療を実現するためには、脳卒中の症状の早期発見と、迅速 なEMSへの通報、迅速な救急隊派遣、急性脳卒中対応(acute stroke care)が可能な病院への迅速な搬送、収容施設への搬送中の通報 (prearrival notification)、即時に開始される連携のよい (organized)病院診療、適切な評価と検査、そして適応となる患者に 早急に線溶療法を行うことが必要である79,80

 脳卒中(stroke)の危険性のある患者とその家族は脳卒中の兆候と症状 を認識し、それらのいずれかを見つけた際にはできるだけ早くEMSへの 通報できるように、学んでおくべきである。 それらの兆候・症状の一つは顔面や腕、足の突然のしびれ感や筋力低下 で、特に一側性に顕れやすい。また突然の意識混濁、言語や理解の障害、 突発性の一側性もしくは両側性の視力障害、歩行障害、めまい、平衡機 能障害(loss of balance)や共調運動の障害、そして原因不明の頭痛な どがある81,82

 (このような患者では)通信指令が脳卒中を疑い直ちに救急隊を出動 させることができるよう、訓練が必要である。派遣される救急隊は院 外での脳卒中評価ができなければならない(LOE 3 to 5; Class IIa) 84-87。 また、患者が最後に正常な状態だった時間を確定し、ABC(気 道・呼吸・循環)を確保し、受け入れ先病院へ脳血管障害の可能性の ある患者を搬送中であることを知らせ、また患者を病態のより重症度 を判断し脳卒中ユニットのある施設に搬送すること(triaging the patient to a facility with a stroke unit)ができなければならな い(LOE 5 to 8; Class IIb)88-91。 患者家族が搬送の際に患者に同行し、症状の発症などの時刻などに関 して病院に情報を提供することが有用であるかもしれない。 もし医療管理システム(medical control)の指示があれば、救急隊 は搬送中の血糖レベルを確認し、神経学的機能の変調の原因として低 血糖がないことを除外したり、低血糖の場合には糖の投与を行うべき である。

 脳卒中患者が病院の救急部門(the emergency department, ED)に到着 した時、そこでの医療ケアの目標は、初期評価を10分以内に、CT撮影と その読影は25分以内に行い、適応のある患者には線溶療法がED到着から 60分以内かつ発症から3時間以内に投与されるように、無駄をなくし合理 化された評価(to streamline evaluation)を行うことである。 これに付随する脳卒中スケールを用いた評価と脳卒中の管理などに関す るさらなる情報は第9部「成人脳卒中」に示さ れている。


■成人一次救命処置(BLS) の手順

 BLSのステップは一連の評価と行動からなり、それはBLSアル ゴリズムに描かれている(図2)。 このアルゴリズムの意図はBLSのステップを論理的かつ簡潔に示して、 これを学習しやすく、記憶しやすく、また実行しやすくすることであ る。 以下の節のボックス番号は成人BLSヘルスケアプロバイダーアルゴリズムの ボックス番号に対応している。

 感染防護器具など、CPRの訓練や実行の安全面については第3部で論じられる。 救助者は傷病者に近づく前に、現場が安全か確認しなければならない。 市民救助者は絶対的に必要な時のみ(例えば、延焼中の建物のような危険 区域に傷病者がいる時)外傷傷病者を移動させるべき(move trauma victims)である。

反応の確認 (Box 1)

 救助者はひとたび現場の安全を確認したなら、(続いて)傷病者の反 応を調べる。 反応を調べるために、傷病者の肩を軽くたたき、「大丈夫ですか」と尋ねる。 傷病者が反応しても、負傷していたり救急隊の援助が必要であれば、 傷病者から離れ、119番通報をする。 できるだけ素早く(傷病者のもとへ)戻り、傷病者の状態を頻回に再チェックする。

119番通報 (Box 2)

 救助者が1人で反応のない成人 (すなわち、 体動や刺激に対する反応 がない)、を発見した場合、救助者は救急医療システムに通報(119番 通報)し、(利用可能なら)AEDを手に入れて傷病者の所に戻り、CPR を行い、適応があれば除細動をする。 救助者が2人以上おれば 1人はCPRを開始し、もう1人は119番通報して AEDを持ってくる。 もし緊急事態が医療対応システムの確立された施設内で発生した場合は、 119番通報の代わりにそのシステムに通報する。

 ヘルスケアプロバイダーは、心停止の原因として最も疑わし  いものに合わせて一連の救命活動を変更してもよい(may tailor the sequence of rescue actions)92。 ヘルスケアプロバイダーが 1人で成人や小児の突然の虚脱を目撃した 時は、心原性(心停止)の可能性が高い。ヘルスケアプロバイダーは119番通報し、 AEDを手に入れ、傷病者のところに戻り、CPRを行い、AEDを使用する。 ヘルスケアプロバイダーが 1人で溺水や窒息による(呼吸が原因の)心 停止が疑われる傷病者を救助する時は、(傷病者の)年齢にかかわらず 5サイクル(約2分間)のCPRを行い、その後に傷病者から離れて119番通報をする。

 119番通報する際(when phoning 911 for help)、救助者は発生場所、 何が起こったのか、傷病者の人数と状態、処置内容などについての通 信指令の質問に答えられるように準備しておく。 通報者は通信指令から電話を切れ(hang up)という指示があった時 のみ電話を切るべきであり、その後で傷病者の所にもどりCPRを行い必要 ならば除細動をする。

気道の開放と呼吸の確認

 CPRに備え、傷病者を硬く平らなものの上に(place the victim on a hard surface、訳者註)仰臥位にする。 もし反応のない傷病者の顔が下向き(腹臥位)であれば、仰臥位(顔が上向 き)になるように傷病者を回転する。 高度気道確保 (例えば、気管チュープ、ラリンジアルマスクエアウェイ(LMA)、 または気管食道コンビチューブ(Combitube)による)済みの 入院患者を仰臥位にできない場合(例、脊椎手術中)、ヘルスケアプロ バイダーは傷病者が腹臥位のままCPRを試みてもよい。以下を参照のこと。

訳者註: 「surface」は「表面」の意味であるが、「平らな面」というニュアンスもあると考えられる。

気道の開放: 市民救助者

 市民救助者は外傷性と非外傷性のどちらの傷病者 に対しても、頭部後屈あご先挙上法で気道を開放すべきである(Class IIa)。 下顎挙上はもはや市民救助者には推奨されない。それは学ぶにも実行 するにも難しく、しばしば有効に気道を開放できず、また脊椎の動揺 の原因にもなり得るからである(Class IIb)。

気道の開放: ヘルスケアプロバイダー

 ヘルスケアプロバイダーは頭部後屈あご先挙上法を、明らかな頭部または 頚部外傷のない傷病者に用いるべきである。 頭部後屈あご先挙上法は意識のない、筋弛緩薬が投与された(paralyzed) ボランティア成人での研究で開発されたものであり、心停止の傷病者で の研究はないが、臨床的93そしてX線学的なエビデンス(LOE 3)94,95 と症例報告(LOE 5)96により有用であることが示されている。

 鈍的外傷患者の約2%に脊髄損傷が起こるが、頭部顔面の受傷97、Glasgow Coma Scale 8未満98のどちらかまたは両方97,99がある場合、そのリスクは 3倍になる。 もしヘルスケアプロバイダーが頚髄損傷を疑う場合は、頭部の伸展をせず に(without head extension)下顎挙上法で気道を開通させる(Class IIb) 96。 気道の開放と適切な換気を行うことはCPRの中でも優先されるので、もし下 顎挙上法で気道が開放されなければ、頭部後屈あご先挙上法を行う。

  脊髄損傷が疑われる傷病者に対しては、脊柱固定具(immobilization devices) を使用するよりも用手的に脊椎動揺を防止する(Class IIb)100,101。 用手脊椎固定はより安全であり、脊柱固定具は患者の気道開通性を妨 げる恐れがある(LOE 3〜4)102-104。 頚椎カラーはCPR中の気道管理の障害となり得る(LOE 4)102。また頭部外傷 を負った傷病者の頭蓋内圧上昇の原因となることがある(LOE 4〜5; Class IIb)105-108。 しかし、搬送中には脊椎固定具が必要である。

呼吸の確認

 気道の開通を維持しながら、呼吸を見て、聞いて、感じる。 市民救助者が正常な呼吸があると確信できなかった時、またヘルスケア プロバイダーが10秒以内に十分な呼吸を認めなかった時には2回の人工 呼吸をする(以下を参照)。 もし市民救助者が人工呼吸をしたくなかったり実施できない場合は、 胸骨圧迫を開始する (Class IIa)。

 市民救助者に限らず医療の専門家にとっても、反応のない傷病者が正常 な呼吸をしているかどうか正確に判断できないことがある(LOE 7)109- 111。その理由として、反応のない傷病者では気道が閉塞する(the airway is not open)こと112、突然の心停止後の数分間に時おり見られるあえぎ呼吸を適切な呼吸と 混同してしまうことがある。 時おりのあえぎ呼吸は有効な呼吸ではない。 時おりのあえぎ呼吸は呼吸停止として扱い(Class I)、人工呼吸をする。 CPRの訓練では時おりのあえぎ呼吸の認識法を強調するべきであり、救助者には 反応のない傷病者が時おりのあえぎ呼吸(occasional gasps)を呈している場合には、人工呼吸をしてCPRの処置を進める ように指導するべきである(Class IIa)。

救助呼吸をする(Give Rescue Breaths) (Boxes 4 and 5A)

 胸部挙上を視認できる換気量での救助呼吸を、1回に 1秒かけて人工呼吸を 2回行う。 吸気に 1秒かけ胸部挙上を視認できる換気量で行う人工呼吸は、口対口 人工呼吸、バッグマスク換気、高度気道確保時の人工呼吸など、CPR中の全 ての換気方法で、また 酸素投与の有無にかかわらず推奨され適用される(Class IIa)。

 CPR中の換気の目的は適切な酸素化を維持することであるが、これを達成 するための一回換気量や呼吸数、吸気酸素濃度の至適な条件についてわかって いない。一般的な推奨事項として、以下のことが挙げられる。

  1. VFによる突然の心停止における最初の数分間は、人工呼吸はおそらく胸骨圧迫ほど重要ではない113。なぜなら、心停止後最初の数分間は血液中の酸素レベルは高い状態が続いているからである。心停止の早期においては、心筋と脳の酸素供給は血液中の酸素欠乏よりも血流量(心拍出量)の減少により規定されている。CPR中、血流は胸骨圧迫によって 生じる。 救助者は確実に、有効な胸骨圧迫を行い(下記参照)、どのような形であれ胸骨圧迫 の中断は最小限にとどめなければならない

  2. 遷延したVF突然心停止の傷病者では血液中の酸素が消費されているので、換気と圧迫の両方が重要である。 心停止時には低酸素となっている小児や溺水傷病者のような、窒息性心停止傷病者(victims of asphyxial arrest)においても、換気と圧迫の両方が重要である。

  3. CPR中は肺血流が大幅に(substantially)減少しているので、正常よりも少ない一回換気量と呼吸数で、適切な換気−血流比 を維持することができる114。 救助者は過換気(多すぎる呼吸数または過剰な換気量)を避けるべきである。 過剰な換気は不要であるのみならず有害である。それは胸腔内圧を 上昇させ、心臓への静脈還流を減少させ、そして心拍出量と生存率を 低下させるからである 115

  4. 過大な換気量または強すぎる換気を避ける。 このような換気は必要でないし、胃の膨満とそれに伴う合併症をきた す恐れがある116

 ガイドライン2000117では様々な一回換気量、呼吸数、呼吸の時間間隔を推奨された。しかし、救助者が吸気にかかる時間の0.5秒を区別できるとか、口対口人工呼吸やバッグマスク換気で一回換気量を判断できると予想することは非現実的である。そのため、今回のガイドラインでは心停止中の人工呼吸法として以下のように単純な推奨をする。

 麻酔下の成人(正常血流の)の研究は 8〜10mL/kgの一回換気量で正常の酸素化と炭酸ガス除去が維持されることを示唆している。CPR中の心拍出量はおおよそ正常の25〜33%であり118、そのため肺からの酸素摂取や肺への炭酸ガス運搬はどちらも減少している119。結果として、CPR中は小さな分時換気量(正常以下の一回換気量や呼吸数)で有効な酸素化と換気が維持される120-123。成人のCPR中は500〜600mL(6〜7 mL/kg)以下で十分とすべきである(Class IIa)。救助者は一回換気量を推定することは出来ないが、この指針は自動搬送用人工呼吸器の設定や人体モデル製作業者の参考には有用である。

 バッグマスクで人工呼吸をするときは、成人用呼吸バッグ(容量が1〜2L)を使用すること。小児用バッグは成人には一回換気量が不十分となる124,125

 吸気時には胸の上昇が見えるだけの十分な量で換気する(LOE 6, 7; Class IIa)。1編の観察研究によると、訓練されたBLS救助者は、挿管され筋弛緩された成人患者に約400mLの一回換気量で換気した時、胸部の挙上が「適切」と判断することができた114。しかしながら、高度気道確保(例えば、気管チューブ、気管食道コンビチューブ、LMAによる)がされていない傷病者の胸部挙上にはどうしても、より大きな量が必要となりそうである。そこで、我々は一回換気量として500〜600mLを推奨するが、胸部が挙上するだけの量で換気を行うことを強調する(Class IIa)。窒息や不整脈のいずれが原因でも、心停止の患者には、同じ一回換気量を用いるのは妥当である(Class IIb)。

 最近の人体模型では一回換気量が約700〜1000mLに達し たときに胸部挙上が目に見える。 現実的な練習をさせるには、一回換気量が500〜600mLで胸部の挙上が見 えるように人体模型の仕様設定をするべきである114。 自動式および機械式の人工呼吸器についてはこの章の最後の部分で簡単に、そして第6部の「CPRの技術と器具」で論じられる。

 胃の膨満は高度気道確保をせずに換気する時にしばしば起きる。これにより逆流や誤嚥を起こしたり、横隔膜を上昇させて肺の動きを制限し呼吸系のコンプライアンス減少をきたす117。食道内圧が下部食道の括約部の開放圧を超えると換気の度に空気が胃内に入る。 近位の気道内圧が高い(high proximal airway pressure)ほど114、 そして食道下部括約部の開放圧が低いほど126、胃の膨満のリスク が高くなる。 短い吸気時間、大きな一回換気量、高い最大吸気圧、不完全な気道開放、肺コンプライアンスの減少が 圧力(訳者註:近位の気道内圧) 増大の原因となる127。胃の膨満とその合併症の可能性を最小にするために、高度気道確保の有無にかかわらず、患者に対する各吸気には 1秒かけ、一回換気量は胸の挙上を視認できる量とする(deliver a tidal volume that is sufficient to produce a visible chest rise)(Class IIa)。 しかし、胸郭挙上を視認できる一回換気量を超えて、またはそれ以上 の力を加えて、換気してはならない。

口対口救助呼吸法

 口対口救助呼吸により傷病者に酸素が投与され換気がされる128。 口対口救助呼吸をするには、傷病者 の気道を開通させ、鼻をつまみ、空気が 漏れないように救助者の口で傷病者の口をしっかりとシールする。1呼吸に 1秒かけるが、 通常の呼吸(深呼吸ではない)で行う、そして 1秒かけて 2回目の救助 呼吸を行う(Class IIb)。 深呼吸でなく通常の呼吸をすることで、救助者はめまいをしたり、くらくら せずにすむ。 もっとも頻繁に見られる換気困難の原因は気道の開通が不適切なことであり112、初回の救助呼吸でもし傷病者の胸が上がらなければ、頭部後屈あご先 挙上法を行い、2回目の救助呼吸を行う120,121

口対バリアー器具呼吸法

 口対口人工呼吸は安全129とされているが、ヘルスケアプロバイダー 130-132や市民救助者の中には口対口救助呼吸をすることを躊躇し、 バリアー器具の使用を選ぶ人がいるかもしれない。 バリアー器具は感染症伝播のリスクを減少させないかも知れないし129、 また器具の中には(訳者註:使い方によっては)換気の空気抵抗を増加 させるものもある133,134。 バリアー器具を使用するとしても、救助呼吸の開始が遅れてはならない(do not delay rescue breathing)。

 2つのタイプのバリアー器具、つまり、フェースシールドとフェースマスクがある。 フェース シールドは透明なプラスチックまたはシリコン製のシートで、傷病 者と救助者の直接的な接触を少なくするが、シールドの救助者側の汚染 (contamination)を防止できるものではない135-137

 応需義務のある救助者(a rescuer with a duty to respond)はフェースシールドを口対口人工呼吸の 単なる代用としてのみ使うべきである(use a face shield only as a substitute for mouth-to-mouth breathing)。 このような救助者は準備でき次第、フェースマスクまたはバッグマス ク人工呼吸に移行すべきである137。 口対マスク呼吸に使用するマスクには、救助者の呼気は患者に入るが患者からの呼気 は救助者の方に行かないような、一方向弁が装着されるべきである137

 マスクのうちあるものには酸素投与のための接続口(inlet)が付いている。 酸素を準備できれば、ヘルスケアプロバイダーは少なくとも10〜12L/分の流量で投与すべきである。

口対鼻および口対気管切開孔人工呼吸法

 傷病者の口を介した人工呼吸が不可能な場合(例えば、口に重度の損傷があ る)や開口できない時、傷病者が水中にいる時、口対口の密着が困難な時 には口対鼻人工呼吸が推奨される(Class IIa)。 1つのケースシリーズ(a case series)によれば、 成人に対する口対鼻人工呼吸は実行可能であり、安 全かつ有用である(LOE 5) 138

 気管切開してある傷病者に救助呼吸が必要となった場合は、口対気管切開孔 救助呼吸を行う。 円形の小児用フェースマスクで気管切開孔を しっかりシールするのも代用法として妥当である(Class IIb)。 文献上、口対気管切開孔人工呼吸の安全性、有効性または実行可能性に関するエビ デンスはない。 喉頭摘出患者 に小児用フェースマスクを用いたところ、標準の フェースマスク(訳者註)よりも密閉性が 良かったということを示した報告が1篇ある(LOE 4)139

訳者註:原文では「a pediatric face mask created a better peristomal seal than a standard ventilation bag」となっており、 原文忠実には「標準の呼吸バッグよりも密閉性が良かった」と訳する べきところである。しかし、参考文献139をみると「the Laerdal pediatric mask」と「the Ambu mask(standard type)」との比較であ り、「小児用マスクの方が標準マスクよりも密着性が良かった」と訳 するのが適切と考えられた。

バッグマスク人工呼吸法

 救助者は空気または酸素を用いてバッグマスク人工呼吸をすることができる。 バッグマスク器具は高度気道確保なしに陽圧換気をするこ とが可能である。そのために(and therefore)胃の膨満とそ のことによる合併症をきたす可能性がある(上記参照)。 バッグマスク器具を使用する場合は、1回の送気には 1秒間かけ、 胸が挙上するのが見える程度の一回換気量で換気する (provide sufficient tidal volume to cause visible chest rise)。

バッグマスク装置

 バッグマスク器具は以下の条件を満たすべきである140。すなわち、閉塞トラブルのない入口弁、 圧力逃がし弁(pressure relief valve)が無いかまたはバイパスすることもできる圧力逃し弁 、標準の15mm/22mm口径の接続口、高濃度酸素投与を可能とするためのリザ ーバ、異物で閉塞せず 30 L/分の酸素流量に対しても閉塞することのな い(will not jam)非再呼吸式呼気弁、通常の環境ばかりでなく極端な環境温度でも十分に機能 すること、などである。

 マスクは胃内容物の逆流が分かるように透明な材質で作られるべきである。 口と鼻を覆い、顔をしっかり密閉できるようにすべきである。 マスクは酸素インサフレーション用のインレットに接続でき (訳者註)、 標準15mm/22mmコネクターを有し、また成人用 1種類と小 児用の数種類のサイズを用意できなくてはならない。

訳者註:原文は「Masks should be fitted with an oxygen (insufflation) inlet, have a standard 15-mm/22-mm connector」と なっており、このような性質を有するものは酸素接続口と標準15mm/22 mmコネクターの両者を有する「ポケットマスク」のようなタイプとなる。 事実、参考文献141の結論は「Our results suggest that mouth-to-mask ventilation with supplemental oxygen enrichment is the most efficient technique for non-invasive airway management.」となって おり、このようなタイプのマスクを用いた口対マスク人工呼吸を推奨している。

バッグマスク人工呼吸

 バッグマスク人工呼吸は訓練を要する手技であり、的確にできるようになるに はかなりの練習を必要とする(requires considerable practice for competency) 142,143。 救助者が1人でバッグマスク器具を使う場合、下顎挙上して気道を開通さ せ、同時に患者の顔にマスクをしっかりと押しあて、バッグを揉む(squeeze) ことができなければならない。 救助者はさらに 1呼吸ごとに胸が上がることをしっかり見て確認する。

 バッグマスク人工呼吸は訓練と経験をつんだ2名の救助者で行われると最も効 果的にできる。 1名の救助者は気道を開通させてマスクを顔に密着させ、もう1人がバッグを揉む(squeeze the bag)。 どちらの救助者とも胸が上がるのを確認する142-144

 救助者は成人用バッグ(1〜2 L)を使用し、挙上するのが見 える程度に胸を膨らませるのに十分な一回換気量 (a tidal volume sufficient to achieve visible chest rise)で換気する。 もし気道が開通し、漏れがなければ(すなわち、顔とマスクの間がうまく密 閉されている)、1リットルの成人用バッグでは 1/2〜2/3を、 2リットルの成人用バッグでは 1/3を送り出す(squeeze)と十分な一回換気量となる。 患者に高 度気道確保がされていない間は、救助者は30回の胸骨圧迫と2回の 人工呼吸のサイクルを行うべきである。 救助者は胸骨圧迫の合間に人工呼吸を行い、1回の送気には 1秒をかける (Class IIa)。

 ヘルスケアプロバイダーは可能ならば(訳者註:空気呼吸でなく) 酸素を投与すべき(should use supplementary oxygen)である (O2>40%、最低でも 10〜12 L/分の流量) 。 理想的には、100%酸素の投与が可能となるように、酸素リザーバをバックに接続する。

 多くの地域で(メディカルコントロールによる個別の許可によ り)今日、ラリンジアルマスク(LMA)145,146や食道・気管コンビチュ ーブ147-149のような高度気道確保器具が一次救命処置の範疇に入ってい る(are currently within the scope of BLS practice)。 これらの器具は十分訓練され、その器具を使用した経験 が豊富なヘルスケアプロバイダーにとっては、バッグマスクの代用として 受け入れることができるであろう(Class IIb)。 これらの器具がバッグマスクよりも多少なりとも複雑で 使用しにくいのかどうか(any more or less complicated)はっきりとはし ていない。いずれにせよバッグマスクもそれぞれの 高度気道確保器具も、安全かつ効果的に使用するには訓練が必要で ある。

高度気道確保時の人工呼吸法

 CPRで傷病者に高度気道確保器具が挿入されたならば、2名の救助者はCPRサイ クル(すなわち、人工呼吸のための胸骨圧迫の中断)は採用しない。 その時点からは(instead)、胸骨圧迫担当の救助者(the compressing rescuer)は呼吸のための中断をすることなく、毎分100回 の速度で胸骨圧迫を連続的に行う。 呼吸担当の救助者(the rescuer delivering ventilation)の方は 毎分 8〜10回の人工呼吸を行う。 救助者が 2人のときは、胸骨圧迫担当者が疲労したり 胸骨圧迫の質や速さが悪化することのないように、約2分毎に胸骨圧 迫と人工呼吸の役割を交代する。 救助者が多数いるなら、胸骨圧迫担当を約2分毎に順に交代(rotate the compressor role)する。

 救助者は過剰な換気を避けるために、推奨される呼吸数を守り、一回換気量は胸が 上がる程度にとどめる(Class IIa)115。 1編の(動物による)外挿法による研究(translational research study) は、CPR中における毎分12回以上の呼吸が胸腔内圧の上昇をきたし、胸骨圧迫 時の心臓への静脈還流を阻害することを示した 115。 静脈還流の減少は胸骨圧迫中の 心拍出量の減少を招き、冠血流と脳血流の低下をきたす150,151。 救助者が呼吸数を毎分 8〜10回に保ち、過剰な換気 を避けることは救命を左右する重要事項(critically important) である115,150

搬送用自動人工呼吸器と手動トリガー流量制限式蘇生器

 搬送用自動人工呼吸器(ATV)は、脈拍があり高度気道確保器具が挿入されて いる成人患者には、病院内外いずれにおいても有用な換気法である(Class IIa)。 高度気道確保器具が挿入されていない成人心停止患者には、換気量が呼気終末 陽圧(PEEP)なしの流量コントロール・タイムサイクル方式で調節されるならば、ATVが有用かもしれない。

 手動でトリガーされる酸素駆動・流量制限式蘇生器は、CPR中の高度気道確保 器具が挿入されていない患者のマスク換気法として考慮されてもよい。 これらの器具の詳細については第6部を参照のこと。

輪状軟骨圧迫法

 傷病者の輪状軟骨に圧を加えると、気管を後方に押して食道 を頚椎との間で圧迫することになり、胃の膨満を防ぎ逆流と誤嚥のリ スクを減少させることができる152,153。 輪状軟骨圧迫法を行うには通常、胸骨圧迫や換気担当ではない 3人目の救助 者が必要となる。 輪状軟骨圧迫法は傷病者が深昏睡 (すなわち、咳や嘔吐反射がない) の時 にのみ行うべきである。

脈拍の確認方法
(ヘルスケアプロバイダー用) (Box 5)

 市民救助者は脈拍のない傷病者のうちの10%に対して脈のないことを認識でき ない (心停止に対する低い感度)。他方脈拍のある傷病者の40%に対しては 脈拍のあることを検知(detect a pulse)できない(低い特異度)。 ECCガイドライン2000117では脈拍の確認が市民救助者の訓練から削除さ れ、ヘルスケアプロバイダーの訓練でも強調されることはなくなった。 しかし、呼吸、咳、体動の確認が、循環を検知することに関してより優れてい るかどうかについてのエビデンスはない154。 訓練が容易になるように、市民救助者には反応のない傷病者が呼吸をしていな ければ、心停止だとみなすように指導されることになる。

 ヘルスケアプロバイダーもまた、脈拍の確認に時間がかかりすぎるかも知れず109,155、かつ脈拍の有無を判断するのが困難かも知れない。ヘルスケアプロバイダーは脈拍の確認に10秒以上かけるべきではない (Class IIa)。も し10秒以内に脈拍をはっきりと触れなければ、胸骨圧迫を行う(以下参照)。

胸骨圧迫なしの救助呼吸法
(ヘルスケアプロバイダーのみ-Box 5A)

 もし自己心拍 (すなわち、触知可能な脈拍)のある成人傷病者が人工呼吸を必 要とする場合、毎分10〜12回、または 5〜6秒 に約1回の割合で救助呼吸を行う(Class IIb)。 各呼吸は高度気道確保の有無にかかわらず1秒かけて、 目で見て胸が上がるのがわかる換気量で行う (should cause visible chest rise)。

 救助呼吸している間は約2分毎に脈拍を再確認する (Class IIa)が、そのこと に10秒以上かけてはならない。

胸骨圧迫法 (Box 6)

 胸骨圧迫法とは胸骨の下半分にリズムカルに圧をかける方法である。 このような圧迫は胸腔内圧を上昇さ せることと直接心臓を圧迫することで血流を生み出す。 胸骨圧迫を適切に行えば収縮期血圧は60〜80mmHgにまで上がるが、拡張期血 圧は低く118、頚動脈の平均動脈圧が40mmHgを超えることはほと んどない 118

 胸骨圧迫で発生する血流はわずかではあるが、脳と心筋にとって最低限の酸素と基質を供給する。 VFによる突然の心停止(VF SCA)の傷病者では、胸骨圧迫をすることによっ て電気ショック(すなわち、除細動)の成功の可能性を高める。 胸骨圧迫は最初のショックが虚脱後4分以上経過して行われる場合に特に重要である 36,37,156

 胸骨圧迫の生理学、圧迫速度を変化させることによる影響、胸骨圧迫と呼吸の 比率、(胸骨圧迫の)圧迫時間比(duty cycle:胸郭が元に戻るのに要する時 間に対する胸骨圧迫時間の比率(%))についての情報の大部分は動物モデル に由来している。 しかし、2005 Consensus Conference157で、研究者達は胸骨圧迫について 以下のような結論に達した(reached several conclusions)。

  1. CPR中の血流を生み出すためには、"有効な"胸骨圧迫が必須である (Class I)。

  2. "有効な"胸骨圧迫を行うためには"強く押し、速く押す"べきである。 成人の胸郭を毎分約100回の速さ(rate)で、1.5 〜2インチ(約 4〜5cm)の 深さまで圧迫する。 各圧迫の後に胸郭が完全に元に戻る(recoil completely) ようにし、圧迫時間と力を緩める時間をほぼ同じにする。

  3. 胸骨圧迫の中断を最小限にする。

  4. 生存率と神経学的転帰の観点から、換気と胸骨圧迫の最良の組 み合わせがどのようなやり方であるかを定義し、また胸骨圧迫と換気の 至適比率について明らかにするためには、さらなる研究が必要である。

手技(Technique)

 胸骨圧迫の効果を最大限にするために、 傷病者を固く平らなもの(例、バックボードや床)の上に 仰臥位とし158、救助者は傷病者の胸の横にひざまづく 159。1人の救助者で行う頭越しのCPR(over-the-head CPR、OTHCPR)と2人で行う馬乗りCPR (straddle CPR) の安全性と有効性は不明であるが、これらの手 技は狭い空間では有用かもしれない(LOE 6)159,160。"CPR対応用 (CPR-friendly) "脱気可能マットレスについて研究されてきたが、 胸骨圧迫に十分適した床面とはなっていない(LOE 6) 161,162

 救助者は傷病者の乳頭の間で胸部の中心(中間)で胸骨の下半分を圧迫するべきである163。 救助者は一方の手のかかと(the heel of the hand)を乳 頭の間の胸部の中心(中央)の胸骨の上に置き、 もう片方の手のかかとを最 初の手の上に置き、両手が重なりかつ平行となるようにする(LOE 6; Class IIa)163-165

 胸骨が約1.5〜2インチ(約4〜5cm)沈むように圧迫し、次いで胸郭が元の位 置に戻るように圧迫を緩める(allow the chest to return to its normal position)。 胸郭を完全に戻らせること(complete chest recoil)により 心臓への静脈還流がなされる。このことは効果的にCPRを行うために必要 で、訓練においても強調されるべきである(Class IIb) 166,167。 圧迫に要する時間と胸郭の「もどり」のための時間、すなわち弛緩時間 (chest recoil/relaxation time)は、ほぼ等しくするべきである 168-171。 院外172や院内173での胸骨圧迫に関する研究によると、 胸骨圧迫の40%で圧迫時の胸の沈み方が不十分であった。 救助者は確実に良い胸骨圧迫ができるように練 習すべきであり、そして疲労で胸骨圧迫の強さと速度が不十分にならないように、胸骨圧迫担当者は 数分毎に交代すべきである(後述)。

 単一の至適胸骨圧迫速度を決定するためのヒトでのエビデンスは不足している。 動物174とヒト175,176での研究は、毎分80回の胸骨圧迫速度で、CPR中に 最も多い(optimal)順方向の血流が得られることを支持している。 われわれは毎分約100回の速度で胸骨圧迫することを推奨する(Class IIa)。

 2編のヒトの観察研究172,173は、胸骨圧迫の中断がよくあることを示している。 ヘルスケア プロバイダーCPRにおけるこれらの研究では、全心 停止時間のうちの24〜49%の間、胸骨圧迫がされていなかった。

 動物モデルによると、胸骨圧迫の中断は冠動脈灌流圧の低下に関係し、 中断が頻回であったり長引いたりすればするほど、平均冠灌 流圧が低下した。 3編の動物研究では、胸骨圧迫の中断が頻回であったり遷延したりするに 従い、自己心拍再開(ROSC)率は低下、生存率も低下し、そして蘇生後心機能 も低下した(LOE 6) 113,174,178,179。 いくつかの動物研究では、胸骨圧迫の中断を最小とするか全く中断しないこと で、標準的CPRより生存率が上昇することを示唆している(LOE 6) 151,179-181。 今回のガイドラインでは、 全ての救助者が脈拍のチェック、リズム解析やそ の他の活動のための胸骨圧迫の中断を最小限にすることを推奨する(Class IIa)。

 市民救助者はAEDが到着するまで、傷病者が動き出すまで、あるいは 救急隊(EMS personnel)がCPRを引き継ぐまでCPRを継続すべきである (Class IIa)。 今後は市民救助者は循環のサインや反応を調べるために (to check for signs of circulation or response)、胸骨圧迫を中断す るべきではない。ヘルスケアプロバイダーは胸骨圧迫の中断を可能な限り少なく するべきである。そして、高度気道確保器具挿入や除細動器の使用のよ うな特別な処置の場合を除き、胸骨圧迫の中断を10秒以内にとどめる よう努める(try to limit interruptions to no longer than 10 seconds) べきである (Class IIa)。

 患者が危険な環境にいるか、あるいは外傷患者で外科的処置が必要な場合を除 き、CPR実施中に患者を移動させないことを強く推奨する。 CPRは患者が発見された場所で実施される方が質が良く(CPR is better)、 また中断も少ない。

 各圧迫後は胸壁が完全に戻るようにする(allow the chest wall to recoil completely)。 ヒト166とブタ167での研究によると、胸壁の戻りが不完全で あることが多く、これは救助者が疲労した時にはとりわけ顕著であっ た182。 BLS実施中には(during BLS CPR)、不完全な戻りは胸腔内圧を上昇させ、冠および脳灌流の減少をもたらす (decreased coronary perfusion, and decreased cerebral perfusion)(LOE 6) 167。 CPRの指導では胸骨の圧迫と圧迫の間に胸郭が完全に元に戻るようにすること の重要性を強調するべきである 166

 マネキンを使っての研究168そして動物での研究170,183 は胸骨圧迫時間比(duty cycle) (1サイクル中の圧迫時間の部分)が20〜50 %の場合、胸骨圧迫速度が毎分130〜150回まで(訳者註)に増加する につれて、冠灌流、脳灌流ともに増加することを示唆している (LOE 6)170,183。 胸骨圧迫時間比(duty cycle)は実行の容易さから、50%とすることが推奨さ れている168

訳者註: 文献170は圧迫回数60回/分と150回/分とで比較し、一方で他の文献 183は圧迫回数60回/分と120回/分とで比較している。とすれば原文の 「as the chest compression rate increases up to 130 to 150 compressions per minute (LOE 6).170,183」は「up to 120 to 150」 であるべきであり、訳もまた「胸骨圧迫速度が毎分120〜150回まで」と なるのが本来であろう。

 救助者の疲労によって圧迫速度と圧迫の深さが不十分となる可能性がある。 救助者は5分間の胸骨圧迫をしても疲労のあることを否定するかもしれない が、(訳者註:実際のところ) 1分間のCPRの後には明らかな疲労が見られ、胸骨圧迫は浅くなる(LOE 6) 182。 2名以上の救助者がいれば、およそ2分毎(あるいは30:2の圧迫と換気を5サイ クルした後)に胸骨圧迫を交代することは妥当である。 この交代は、必ず5秒以内に行われるようにするべき(every effort should be made to) である(Class IIb)。(なお)もし2名の救助者が患者の両側に位置すると、1名の救助者は2分毎に「圧迫 担当(working compressor)の交代に備えて、(訳者註:その場で)待つことができる。

 以前は頚動脈や大腿動脈で脈を触れることができれは、胸骨圧迫の力が適切だ と判断された。 しかし、CPR中には有効な 動脈血流が無くても静脈の拍動を触れることがある110,184。 現在のエビデンスは、推奨される胸骨圧迫の力と圧迫時間を守り、胸骨圧迫速 度が毎分約100回に保たれる時に最もよい血流が得られることを示唆している 170

胸骨圧迫と換気の比率

 胸骨圧迫と換気の比は30:2が推奨されているが、今後このガイドラインに対する 一層 の検証が必要とされる(Class IIa) 150,151,180,185-187。 乳児と小児(第11部:小児一次救命処置を参照)、2名の救助者の 場合は15:2の比が用いられるべきである(Class IIb)。

この30:2の比は明確なエビデンスによるというよりは、専門家の間のコンセンサスに基いている。 これは胸骨圧迫の回数を増し、過換気となりにくくするとともに、換気のための胸骨圧迫 の中断を最小限にし、かつ教育やスキル保持のための指導を単純化するため に立案された。 マネキンでの研究では、30:2の胸骨圧迫と換気の比率は15:2に比べ、救助者 がより疲れる可能性があることを示唆している 182。 高度気道確保器具が挿入された、あるいは挿入されていない患 者において、患者の生存率と神経学的転帰の観点から、CPR中の胸骨圧迫 と換気の最良の組み合わせがどのようなものかを定義し、胸骨圧迫と換 気の最良の比率を明確にするにはさらに研究が必要である。

 ひとたび高度な器具による気道確保がなされれば、2名の 救助者はもはやCPRのサイクル(すなわち換気をする間の胸骨圧迫の中断)は行わない。 そして(instead)、胸骨圧迫者は換気のための中断をせず、毎 分約100回の速度で胸骨圧迫を連続して行う。 換気担当者の方は毎分8〜10回の人工呼吸を行う。 2人の救助者は、胸骨圧迫担当者が疲労して胸骨圧迫の質と速度が悪くならないように、 約2分毎に胸骨圧迫と人工呼吸の役割を交代するべきである。 救助者が多数いれば、胸骨圧迫担当をおよそ2分毎に回す (rotate the compressor role about every 2 minutes)べきである。

 圧迫速度は圧迫のスピードのことを意味し、実際に行われる毎分の圧迫回数を 意味するのではない。 毎分行われる実際の胸骨圧迫の回数は、一つは胸骨圧迫速度によって、 もう一つは気道確保、人工呼吸の実施やAEDのリズム解析のための中断の 時間によって左右される 185,188。救助者は胸骨圧迫に際して、これらの中断が最小限となるように全力をつくす べきである。 院外における1編の研究では、救助者は間歇的には毎分100〜121回の圧迫速度を達成した が、1分あたりの平均胸骨圧迫回数は頻回の中断のために毎分64回にとどまった172

CPR 指導(プロンプト)器具(CPR Prompts)

 2編の成人研究172,173によると、院外院内どちらにおいても、 プロンプトなしのCPRでは胸骨圧迫速度が頻回に不適切なものとなる。 ヒト176,189、動物190,191およびマネキン192-196 を用いた研究では、CPRプロンプト器具が用いられると、院外でも院内でも呼気終 末CO2値および/またはCPRの質に関して一貫した改善が見られた。 CPRプロンプト器具は院外設定でも院内設定でも有用である可能性がある(Class IIb)。

胸骨圧迫のみのCPR(Compression-Only CPR)

 成人の心停止に対して換気なしの胸骨圧迫法を行った場合の 転帰は、CPRなしの場合より有意に優れている113,197- 20。 調査によると、市民救助者132,202だけでなくヘルスケアプロ バイダー130-132も、見知らぬ心停止傷病者に対して口対口人工呼吸を 実行することには消極的であった。

 市民救助者による成人心停止傷病者への処置の観察研究によると、生存率はCPR無しより は胸骨圧迫のみの方が優れていたが、最も良かったのは胸骨圧迫と換気(の両方)を行っ た場合であった(LOE 3203; 4204)。 いくつかの動物研究(LOE 6)113,197-200,205,206が、そして臨床的なエビデンス207 から推定(extrapolate)された知見が、心室細動による突然の心停止成人に対 するCPRの最初の5分間は救助呼吸が必須ではないことを示唆する。 (訳者註:一方で)気道が開通していれば、時折みられる喘ぎ呼吸と受動的な胸郭のもどりも多 少の換気になると思われる186,187,199。 さらに、少ない分時換気量でもCPR中ならば、換気−血流比を正常に保つには 十分であるかも知れない208,209

 最良のCPRの方法は胸骨圧迫と換気の組み合わせであるけれども、一般市民に 対しては救助呼吸が実施できなかったり、気が進まなかった場合は、胸骨圧迫 のみのCPRを行うように奨励すべきである(Class IIa)。

胸骨圧迫法の代替手段

 CPRの代替的な手技や器具については第6部も参照のこと。

「咳」CPR法

 「咳」CPRは傷病者に反応のない時は役に立たない210-215ので、市民救助者のCPRでは役に立たない。 いわゆる咳CPRは意識があってモニターされている患者がVFやVTとなった時に ついてのみ報告されている216。 (訳者註:この方法に関する))追加情報については第6部を参照のこと。

腹臥位 CPR(Prone CPR)

 患者を仰臥位にできない時、特に入院患者で高度気道確保器具が挿入されてい る場合は、救助者は患者を腹臥位にしたままでのCPRも考慮してもよい (LOE 5; Class IIb)。 6症例を含む1編のクロ スオーバー試験(LOE 3)217と3編の症例報告は、仰臥 位でCPRを受けた患者(LOE 5)218-220と比較して、入院し挿管されて腹臥位の ままCPRされた患者の方が血圧が高かったことを報告している。 (合計)22例の挿管された入院患者について調べた6編のシリ ーズ症例報告は、このうち腹臥位でCPRを受けた10例が生存退院したと 報告している(LOE 5)219,220

図2.医療従事者による成人BLSアルゴリズム

点線で囲まれたボックスは医療従事者による手順を示し、一般市民は対象外 である。


■除細動
(Defibrillation (Boxes 8, 9, 10) )

 すべてのBLS実施者は除細動を行えるように訓練されていなければならない。心室細動は目撃され た、非外傷性の突然の心停止の成人にみられる最もよくある調律だからである。 これらの傷病者にとって、生存率は、バイスタンダーによる心肺蘇生が直ちに施され、除細動が 3〜5分以内に実施された場合に最も高い。

 迅速な除細動は、目撃された突然の心停止のような、発症直後の心室細動 (VF of short duration)では第一選択の治療法である (Class I)。

 遷延した心室細動心停止(prolonged VF SCA)に対する除 細動の前の心肺蘇生の効果は、ほぼ明確である。 ある前後比較研究(LOE 3)と無作為試験(LOE 2)では、救急隊 (EMS)が指令から 436〜537分以上経て 到着した場合、除細動の前の短時間(1〜3分)の心肺蘇生により、院外で起こったVF/VT 患者の心拍再開(ROSC)率と生存率が 改善した。 しかし、院外で起こった成人のVF/VT患者を対象にした他の無作為試験では、 除細動前の心肺蘇生は、心拍再開(ROSC)率もしくは生存 率を改善しなかった(LOE 2)。

 従って、救助者はEMS従事者に目撃されなかった成人の院 外心停止患者に対し、一定時間のCPR(Period of CPR)(例えば、約5サ イクルもしくは2分間)を調律の確認と除細動を試みる前に行ってもよい(Class IIb)。 市民救助者のAEDプログラム(AEDが設置され利用できる)があ る状況で、また院内環境であったり救急隊員(the EMS rescuer)が倒れるところを目撃し た場合には、救助者は AEDが入手でき次第それを使用するべきである (Class IIa)。 除細動については第5章 電気的治療法で詳述されている。


■特殊な蘇生状況
(Special Resuscitation Situations)

溺水

 溺水による死亡は防止できる。 溺水の結果持続した低酸素状態の持続時間と重症度が 唯一のまた最も重要な転帰決定因子である。 救助者は反応のない溺水傷病者(an unresponsive submersion victim) が水から引き上げられ次第、 心肺蘇生(特に救助呼吸)を実施するべきである(クラスIIa)。 ヘルスケア・プロバイダーが 1人だけで、どういう年齢であれ 溺水傷病者を救助する場合は、EMSシステムを始動するために傷病者か ら離れる前に、5サイクル(およそ 2分間)の心肺蘇生を行うべきである。

 水中での口対口人工呼吸は、訓練された救助者によって施行された場合は 有用かもしれない(may be helpful)(LOE 5; クラスIIb)。 胸骨圧迫は、水中で実行することが難しく、有効でないかも知れず、また 救助者と傷病者双方に害を引き起こしかねない222,223。 水が閉塞性異物として作用するという科学的根拠はない。 溺水傷病者に対して、FBAOを取り除く処置は推奨されない。 なぜなら、そのような処置は必要なものではなく、一方で 身体の損傷(injury)、嘔吐、誤嚥を引き起こし、心肺蘇生の開始を遅 れさせる可能性がある224からである。

 救助者は最もすばやく実施できる方法で溺水傷病者を水から 引き上げ、できるだけ早く蘇生を開始するべきである(クラスIIa)。 創傷やアルコール中毒(alcohol intoxication)の明らか な臨床サインがあったり、飛び込み、ウォーター・スライド使用、もしく は外傷の病歴のある傷病者に対してのみ、「潜在的頚髄損傷」として頚胸椎の安定 とできれば固定を行って治療されるべきである225-231

低体温

 ヘルスケア・プロバイダーは反応のない低体温傷病者におい て30〜45秒間かけて呼吸と脈を評価し、呼吸停止や心停止または高度 徐脈がないか確認する。これは、低体温の程度に応じて心拍数や呼吸 が著しく遅いかも知れないからである。 傷病者が呼吸をしていなければ、直ちに救助呼吸を開始する。

 傷病者に脈拍がなかったならば、即座に胸骨圧迫を始める。 また、復温を待たずに心肺蘇生を開始すること。 一層の熱損失を防ぐために、傷病者の濡れた衣服を脱がせ、傷病者を風、熱、 または寒さから隔離もしくは保護する。そして、できれば、傷病者を暖かく、 加湿された酸素で換気する。

 粗暴な身体の移動は避けながら、できるだけ早く、傷病者を病院に搬送する。 救急隊員は、VFが検出されたら正常体温の心停止傷病者に使用 されるのと同じ手順(protocols)でショックを実行すべきである(第10部(4) 低体温を参照のこと)。

 心停止状態の低体温患者に対しては、上級のプロバイダー(advanced care providers)によって評価 されるまで、蘇生努力を続ける。 院外設定では、積極的加温が可能になるまでは、受動的加温を行う(クラ ス未確定)。


■回復体位(Recovery Position)

 回復体位は正常な呼吸(Class IIb)と循環を有する反応の ない成人傷病者でとられる。 これは患者の気道を維持し(maintain a patent airway)、気道閉塞や誤嚥の危険を減らすための体位である。 傷病者は下側の腕を体の前に出すようにして横向きにされる。

 回復体位にはいくつかの方法があり、それぞれに有利な点がある。(また) どの傷病にとっても完璧な回復体位というものはない232,233。 取るべき体位とは、安定していてほぼ側臥位に近く、頭部が体幹にぶら下がるようになっていて (with the head dependent、訳者註)、 呼吸の妨げとなる胸部へのへの圧力がない状態である。 健康なボランティアによる研究で、体の下の方にある 上肢を前方に置いた場合その上肢の血管や神経が圧迫されると報告されて いる234,235が、傷病者をこの体位に回転しやすい点がそのリス クを上回っている。 正常ボランティアにおける研究236で、 脊髄損傷とわかっているかその疑いのある傷病者に対しては、体の下になる上肢を頭側に 伸展させ、その上肢の上に頭を乗せるように回転させ、一方両下肢は屈曲 させるようにすることが可能であると示されている(LOE 7;Class IIb)236,237

訳者註(余談):「dependent」は ラテン語 dpendere(d-下へ+pendere ぶら下がる)から来ているという。 この文では「頭部が体幹にぶら下が っている状態」ということになりそうだ。脊髄損傷が疑われる傷病者を 側臥位にする(ログロール)する場合、脊柱(頭頂・頚椎から尾骨まで) が一直線になるように頭部などを支えねばならない。上記のような回復 体位においては、頭部が胸椎から尾骨までを結ぶ線より下に垂れた状態 になり、頭部は下側になる腕の肩・上腕や上側になる腕の手の部分で支 えられる態勢となるだろう。この意味で、脊髄損傷が疑われる傷病者を 体位変換して回復体位にすることも、その姿勢で維持することも、脊髄 保護の観点からは好ましくないと言えるだろう。


■異物による気道閉塞(窒息)
(Foreign-Body Airway Obstruction (Choking))

 異物による気道閉塞(以下、FBAO)による死は少ない が、予防できる死因である238。 報告された成人FBAOの症例のほとんどは、(気道に)詰まった 食物(impacted food)によって、食事中におこる。 乳児や小児では(most reported episodes of choking in infants and children) 食事中あるいは遊んでいる時に起こり、その時両親または保育担当者(childcare providers) が傍にいる。 それ故に窒息が目撃されるのが常であり、たいていは患者に意 識がある間に救助者が助けに入る(intervenes)。

異物による気道閉塞の認識
(Recognition of Foreign-Body Airway Obstruction)

 異物による気道閉塞の認識が好結果(successful outcome)の鍵となるので、 失神あるいは心臓発作、痙攣、そしてその他の突発性呼吸 困難・チアノーゼ・意識消失が起こるかもしれない状況とこの緊急事態 とを区別することが重要である。

 異物は中等度あるいは重症の気道閉塞のどちらをも起こ しうる。救助者は窒息患者に重症の気道閉塞のサインがあるなら救助活動をする (intervene)べきである。 これら(signs of severe airway obstruction)には、無声咳嗽(silent cough)、 チアノーゼ、会話あるいは呼吸ができないというような換気不良と呼吸困難 の増悪のサインがある。 患者は自分の頸(訳者註:前頚部の「のど」のあたり)をわ しづかみするが、これは窒息の世界共通のサイン(the universal choking sign)である。 直ちに「息が詰まったのですか?」と尋 ねる。傷病者が声を出さずに(without speaking)うなづいて「はい」と示す場合、 傷病者が重症の気道閉塞を来したことが分かる。

異物による気道閉塞の解除
(Relief of Foreign-Body Airway Obstruction)

 FBAO傷病者が重篤な 気道閉塞(FBAO)のサインを示した時、救助者は閉塞を解除するために直ちに行動しなければならない。 中等度の閉塞が存在し、傷病者が力強く咳き込んでいる場合、 その自発的咳嗽と呼吸努力を妨げてはならない。 重篤な閉塞(obstruction)のサインが生じた 場合のみ閉塞を解除するよう試みる。 重篤な閉塞のサインとは、咳嗽が無声となり、呼吸困難が増 悪し吸気性喘鳴(stridor)を伴うか傷病者が反応しなくなるなどである。 患者が呼吸困難におちいった場合は、直ちに救急医療サービス(EMS)へ 通報する(activate the EMS system)。 救助者が 2人以上いる場合、1人が窒息状態の傷病者を救助する(attend to、
訳者註)間に、 もう 1人は 911(訳者註:日本では119番)に電話をする。 べきである。

訳者註(余談): 辞書によると「attend to 人」は「 (職務として)(人の)世話[看護]をする」 という意味の自動詞で、他動詞(前置詞なし)の同じ意味より <一時的な要素が強まることが多い>とあった。

 窒息に関する臨床データは主として後向き研究で挿 話風(anecdotal)である。 重症FBAOで反応がある成人と小児(>1歳)に対し、症例報告では背部叩打(back blows or "slaps")239-241と腹部圧迫239,240,242-247、胸 部圧迫239,248が実施可能(feasible)かつ有効であることが示されている。 症例報告(LOE 5)242,249,250と299の窒息エピソードをまとめた、 大規模な1編のケースシリーズ(LOE 5)239によると、 気道閉塞の約50%は 1種類の手技 では解除されなかった。 背部叩打、腹部圧迫、胸骨圧迫を組み合わせた時に 成功率が上昇したとされている。

 胸骨圧迫と背部叩打、腹部圧迫は意識のある成人と小児(>1歳)の 重症FBAOを解除する上で実施可能かつ有 効(feasible and effective)であるが、訓練 を簡単にするために閉塞が解除 されるまで腹部圧迫を直ちに(in rapid sequence)行うことを推奨 する(Class IIb)。 腹部圧迫が有効でない場合、救助者は胸骨圧迫を考慮しても良い(Class IIb)。 圧迫が傷害を引き起こすかもしれないので、腹部圧迫が乳児 (<1歳)には推奨されないことを知っておくのは重要である。

 胸骨圧迫は救助者が両手を患者の腹部に回せないような肥満患者に 実施すべきである(Class 未確定)。窒息患者が妊娠後期にある場合、救助者は腹部圧迫の代わりに胸骨圧迫を 実施しなければならない (Class 未確定)。 腹部圧迫は傷害をひき起こ251-272、腹部圧迫で治療されたFBAO患者 は傷害を伴うかどうか医師の診察を受けるように促すべきである (Class IIb)。  疫学データ238によると、 発見時に患者の意識があった時と意 識がなかった場合とでFBAOの死亡率に差はない。 しかし、心停止または無反応が予想外の(unsuspected)FBAOによってひき 起こされる可能性は低いと考えられる238

 FBAOの成人患者が反応しなくなった場合、救助者はその場で患者を注意 深く地面に寝かせ、直ちにEMSへ通報してからCPRを開始する。 死体での気道を確保する手技についての 1つの無作為 試験273と麻酔を施行されたボランティアでの 2つの前向き研究274,275によ ると、腹部圧迫よりも胸骨圧迫の方が、気道異物を排除するの に必要なより強い気道内圧を作り出すことができた(LOE 7)。 CPR中に気道を開く度に、 救助者は患者の口腔内異物を探して除去するべきである。 (その際)単に口腔内を見るだけにとどめ、換気を試み30回の 胸骨圧迫へ進むまでの時間を増やすべきではない。

 医療従事者は、反応のない患者の気道を塞いでいる固形物が見えた時のみフィン ガースィープ法(finger sweep)を実施するべきである(Class 未確定)。 気道を閉塞するもの(visible airway obstruction)が見えな い時に、気道をきれいにする(clear an airway)ためにフィンガースウ ィープ法をルーチン(routine)に行うことについて評価した研究はない。 過去のガイドラインでのフィンガースウィープ法の推奨は、気道閉塞を 解除するのに役立つと示唆した逸話的 (anecdotal)報告に基いていた 240,250,251。 しかし 4つの症例報告によると患者276,277または救助者95,96に有害で あった(LOE 7)。


■要約:BLS(一次救命処置)の質
(Summary: The Quality of BLS)

 心停止の現場において、ヘルスケアプロバイダーや市民救助者に よって施されるCPRの質を向上させるために、手技が改良され なければならない(Class IIa)。 これ(訳者註:改良するべき蘇生の技術)には、教育や訓練、 医生物学的な機器(biomedical devices)による補助またはフィ−ド バック、機械的CPR、電気的モニターなどが含まれる。 血行力学に影響を及ぼすものとして知られているCPRの成分 (components)は、換気回数と換気時間、胸 骨圧迫の深さ、圧迫の速さと回数、完全な胸 部の戻り、そして手を離している時間である。

 専門的なCPRを提供するシステムにおいては、心停止の現場で 施される(訳者註:胸骨圧迫などの狭義の)CPRの質の監視(monitoring)、 それ以外の蘇生処置の経過における評価基準(例えば、初期リズム、居 合わせた人によるCPR(の有無)、応答時間など)、そして患者が退院 するまでの転帰指標などの、持続的な質向上のプロセスが遂行されるべ きである。 この科学的な根拠は提供される CPRの質を最大限にするために 役立てられる(use)べきである(Class 未確定)。


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