第9部 成人脳卒中目次 |
■はじめに ■管理の到達目標 ■脳卒中の認識と救急医療サービス ■病院内での治療 ■まとめ □References |
この章では、成人の急性脳卒中の管理方法について要約し、病院外での管理から、最初の数時間の治療についてまとめている。急性虚血性脳卒中の管理についての詳しい情報は、AHA(アメリカ心臓協会)/ASA(アメリカ脳卒中協会)による急性虚血性脳卒中の管理におけるガイドラインを参照されたい9,10。
AHA ECC脳卒中ガイドラインは、脳卒中疑い患者の管理方法の到達目標アルゴリズムに示されているように、急性脳卒中患者の病院外及び救急部での初期評価と患者管理方法について焦点を合わせている(図)。NINDS(国立神経疾患脳卒中研究所)による時間的な到達目標11は、アルゴリズムの左側にそって描かれた時計と矢印により、救急部到着から任務が終了するまで分単位で表示されており、急性虚血性脳卒中の管理は時間が勝負であることを、臨床医に思い起こさせる。
以下の章では、主要な論点、新たな推奨事項、訓練の問題などに光を当てながら、脳卒中評価と管理方法についての原則的な事柄と、到達目標について要約している。その文章は、アルゴリズム中の番号のふられた枠の中の文章を参照している。
脳卒中の可能性のある臨床徴候を同定する事(Box1)は、重要である。なぜなら、線溶療法は発症から数時間以内に行わなければならないからである5,12。ほとんどの脳卒中は自宅で起こり、急性脳卒中の患者のわずか半数のみが、病院への搬送へ救急隊を使うに過ぎない13-15。その上、脳卒中患者は、しばしば自らの症状を否定したり、脳卒中では無いと正当化したりすることがある16。このことにより、救急隊への通報や治療が遅れ、有病率や死亡率が上昇する事につながる可能性がある。ハイリスクの患者ですら、脳卒中の兆候を認識し損なう16。地域社会と専門家による教育は必須であり17、その結果、線溶療法で治療される脳卒中患者の比率を上昇させることに成功した18,19。
脳卒中の兆候や症状はとらえにくいことがある。それらには、突然に顔、腕、脚、特に体の片側にくる脱力やしびれ; 突然の混乱、発語障害や理解の障害; 突然の片眼または両眼の視覚障害; 突然の歩行障害、めまい、バランス感覚を失ったり、運動の調節が効かなくなったり; 突然の原因不明の激しい頭痛 などがある。
現在のところ、急性虚血性脳卒中患者のうち 10%未満しか線溶療法の最終的な適応症例とならない。なぜなら、ほとんどが症状発症から3時間以内に受け入れ病院に到達できないからである20-24。
EMSシステムは、病院到着前の出動指令、評価、搬送における遅れを最小限にするために、教育と訓練を実施しなければならない。通信指令は脳卒中であるかも知れない患者を同定し、脳卒中の可能性のある患者に最優先で出動指令を出さなければならない。救急隊は心肺機能を補助し、脳卒中の迅速な評価を行い、症状発症の時刻を(または、患者が最後に正常であった時刻を)確定、トリアージし、患者を搬送する。そして病院到着前に受け入れ病院に通知をすることが出来なくてはならない(Box2)25-28。
救急隊は、シンシナチ病院前脳卒中スケール(CPSS)27,29-31(表1)、ロサンジェルス病院前脳卒中スクリーン(LAPSS)(表2)のような簡略化された病院外ツールを用いて、脳卒中患者を妥当な感度と特異度で同定する事ができる32,33。CPSSは、身体的検査のみに基づいている。救急隊は、顔面の下垂、腕の筋力低下、言語障害の3点の身体的所見をチェックする。救急隊員により評価されたCPSSに一つの異常が見られたとき、59%の感度と89%の特異度がある30。LAPSSでは、意識障害をきたす他の原因(痙攣や低血糖の既往歴、など)を除外診断することを必要とし、その後3つの診断カテゴリ―笑顔やしかめ面、握力、腕の筋力―のうちのどれかに左右差が無いかを同定する。LAPSSには、97%の感度と、93%の特異度がある32,33。
図の説明:
図の説明:一側の筋力低下(右腕)
参考文献
救急隊員が脳卒中の疑いと診断したら、症状発症の時刻を確定すべきである。この時刻が、患者にとってのタイムゼロに相当する。睡眠から患者が目覚めた時に脳卒中の症状があった場合や、脳卒中の症状を呈して発見された場合には、タイムゼロは、その患者が正常の状態であった最後の時刻になる。救急隊員は、急性脳卒中治療を実施できる医療施設に迅速に搬送しなくてはならず、到着前に収容施設に通知しなくてはならない25。
救急隊員は、脳卒中の発症時刻を確定する為に、目撃者、家族、患者の介護者などを同乗させて運ぶことも考慮すべきである。病院への搬送途上で、救急隊は心肺機能を補助し、神経学的状態を観察し、メディカルコントロールにより認められていれば血糖値チェックもすべきである。
急性脳卒中の患者は、誤嚥、上気道閉塞、低換気、(稀に)神経原性肺水腫などが原因で呼吸障害に陥る危険に曝されている。低灌流と低酸素血症が組み合わさると、虚血性脳障害を悪化させ、その範囲を広げ、脳卒中の転帰をより悪化させる38。特定の脳卒中患者を対象とした小規模無作為試験(LOE2)では、高流量酸素(フェースマスク)を8時間投与したあとでは、臨床的脱落症状とMRI異常が一時的に改善することが示されているが、より大規模な準無作為化試験(LOE3)40では、低流量(3L/分)酸素を24時間すべての虚血性脳卒中患者にルーチンに投与しても何ら臨床上の効果は示されなかった。対照的に、低酸素血症の脳卒中患者群への酸素の補助的投与は、より高濃度の補助的酸素が使われる専用脳卒中ユニットで治療を受けた脳卒中患者の機能予後と生存率が改善する事を示したいくつかの研究により、間接的に支持されている。
病院外でも病院内でも、医療従事者は、低酸素血症(酸素飽和度<92%)の脳卒中患者(Class I)、または酸素飽和度がわからない患者には、補助的な酸素投与をすべきである。臨床医は、低酸素血症でない患者に酸素投与することを考慮しても良い(Class IIb)。
脳卒中センターや脳卒中ユニットの役割に関しては引き続き議論されている43。初期のエビデンス44-50が示すところによれば、脳卒中患者を指定された脳卒中センターに直ちに搬送するようにトリアージすることには優れた利点があるが(Class IIb)、病院外で脳卒中患者をルーチンにトリアージするという考え方に対しては更に厳正な評価が必要である。
各々の受け入れ病院は、自らの急性脳卒中患者の治療能力を明示すべきで、EMSシステムと地域社会にこれら情報を連絡すべきである。すべての病院が安全に線溶療法を行うのに必要な人材・資材を組織できるわけではないが、救急部のあるすべての病院では、その病院で急性脳卒中患者をどのように治療するかが記載された計画書・手順書を持つべきである。その計画書には、急性脳卒中患者の治療における医療従事者の役割、どのような患者に対してその病院で線溶療法を行なうか、いつ専門の脳卒中ユニットのある病院に転送するのが適切なのか、などが詳細に記載されているべきである(ClassIIa)。
成人を対象とした複数の無作為化臨床試験やメタ分析(LOE 1)51-54において、急性脳卒中の患者が専門の脳卒中ユニットに入院し脳卒中管理に熟練した集学的チームにより治療を受けた場合には、1年後の生存率、機能転帰、QOL(生活の質)が一貫して改善していると証明されている。合衆国以外でなされた研究報告ではあるが、急性期治療とリハビリテーションを病院内にともに備えた脳卒中ユニットでは、脳卒中治療のごく早期から転帰の改善が明らかであった。これらの結果は、合衆国における熟練した集学的チームからなる専門の脳卒中ユニットの治療成績にも当てはめられるべきである。適切な搬送時間内にそのような病院があれば、入院が必要な脳卒中患者はその病院に入院させるべきである(Class I)。
救急部では最終的な診断と治療までの遅れを最小限度にするためにプロトコルが使用されるべきである28。到達目標として、救急部職員は脳卒中が疑われる患者の評価を救急部到着から10分以内になすべきである(Box 3)。一般的な治療に含まれるものとしては、気道、呼吸、循環の評価および補助と、基準となるバイタルサインの評価などがある。われわれは、救急部において低酸素血症の患者には酸素を投与すること(Class I)、また低酸素血症のない患者にも酸素投与を考慮すること(Class IIb)を推奨する。
静脈路を確保、確認して、基本的な検査(血算、凝固検査、血糖など)用の血液検体を採取しなさい。低血糖は直ちに治療する。救急部の医師は、神経学的スクリーニング評価を行い、緊急頭部CTを指示し、脳卒中チームを呼び出すか、脳卒中専門家に対診(consult)する準備をする。
12誘導心電図は、CTに優先させるほどではないが、塞栓症性脳卒中の原因となるような最近の急性心筋梗塞や不整脈(例えば心房細動)を同定できるかも知れない。患者の血行動態が安定している時には、それ以外の不整脈;徐脈、心房性あるいは心室性期外収縮、房室伝導障害やブロックなど;の治療は必須ではない55。心房細動や致死性(生命を脅かす)不整脈を検出するために急性虚血性脳卒中の患者の初期評価の間、心電図のモニターが推奨されることは一般的に合意されている。
脳卒中チーム、その他の専門家、または遠隔地の脳卒中専門家の援助を仰げるような救急医は、患者の病歴を検討して、症状の発症時刻を同定しなさい(Box 4)56-58。患者が最後に正常な状態であった時刻を確定する為には、病院外の救急隊、目撃者、家族などと面談する必要があるかもしれない。神経学的検査は、NIH脳卒中スケール(NIHSS)かカナダ神経スケール(CNS)を含めて行われる(ASAのウェブサイト参照:www.strokeassociation.org)。
脳卒中患者における高血圧の管理は議論のあるところである。線溶療法の適応となる患者では、しかしながら、潜在的な出血の危険性を減らすために血圧の管理が必要である。血圧以外の点で tPA治療の適応である患者が高血圧であった場合には、脳卒中治療者は収縮期血圧を 185mmHg未満に、拡張期血圧を110mmHg未満に下げるよう努めてもよい。脳卒中の発症から tPAによる有効な治療までの最大限の時間間隔は限定されているので、これらのレベル(即ち、収縮期血圧>185mmHg、拡張期血圧>110mmHg)以上の高血圧が持続する大部分の患者には経静脈的 tPA治療を行なうことが出来ない(表4)9,10。
理想的には、CTは救急部へ患者が到着してから25分以内に撮影され、救急部到着から45分以内に読影されるべきである(Box)。脳卒中が疑われる患者の緊急CTやMRI画像は、これらの画像診断に精通した医師により直ちに読影されるべきである59,60。虚血性脳卒中の初期の数時間の間は、非造影CTでは脳虚血の所見が描出されないかもしれない。CTで出血の兆候を認めない場合には、その患者は線溶療法の適合者となる可能性がある(Box 6, 8)。
CTで出血が認められれば、その患者は線溶療法の適合者にはならない。神経内科医または脳外科医に対診し、また適切な治療が必要な場合には転送を考慮する(Box 7)。
当初のCTで出血が認められず、その他の理由で線溶療法の適合者とならない患者には、嚥下障害に対するスクリーニング(下記参照)後に、経直腸的または経口的にアスピリン投与(Box9)を考慮する。可能な場合は、注意深く観察するために脳卒中ユニットに入院させる(Box 11)。アスピリン投与は時間限定的な治療手段ではないが、その患者が線溶療法の適合者でないのなら、救急部においてアスピリンを投与することは適切である。
CTで出血が認められないのなら、依然として急性虚血性脳卒中である可能性がある。医師は、経静脈的線溶療法の適応基準と除外基準(表3)を検討して、(NIHSSやCNSを含んだ)神経学的検査法を繰り返し行うべきである。神経学的徴候が自然に消失(機能が急速に正常な方向に改善)したり、ほとんど最低限の異常のレベルにとどまるときは、線溶治療薬の投与(fibrinolytic administration)は推奨されない(Box6) 10。
tPA使用可とする前に以下のすべての項目をチェックしなければならない。
注意:以下のチェックリストには急性虚血性脳卒中に関して(線溶療法の)FDAに承認された適応と禁忌
を示す。急性虚血性脳卒中に精通した医師はこのリストを修正してよい。
適応基準(Inclusion Criteria)(以下の全項目が「はい」であること)
相対的禁忌/注意点
1つ以上の相対的禁忌があっても、リスク/利益比を慎重に評価して線溶療法の
実施が許容される場合があることを最近の知見は示唆している。
(しかし)以下の相対的禁忌項目のいずれかに該当する場合には、tPA投与の是非を慎重に検討しなければならない。
その患者が引き続き線溶療法の適合者である場合には(Box 8)、医師は患者や可能であれば家族と治療の危険性と予測される有効性について話し合うべきである(Box10) 。この話し合い後に患者/家族が線溶療法を開始することを選択した場合に、患者に tPAを投与し脳卒中治療のクリニカルパス(下記参照)を始める(begin the stroke pathway of care)ことになる。抗凝固剤も抗血小板剤も tPA投与後24時間は投与されてはならず、通常その投与禁止は、24時間後の追跡 CTで出血が見られないときまで続けられる。
いくつかの研究(LOE1)5,12,61では、tPA1が症状発症から3時間以内に急性虚血性脳卒中の成人患者に投与された場合に、良好から最良の機能転帰となる可能性が高いことが示されている。tPAがNINDSプロトコルの適応基準と治療計画に厳密に従った脳卒中プロトコルをもつ病院の医師により投与されたとき、このような成績が得られる。これらの成果は、引続く1年間の追跡調査64、NINDSデータの再解析65、メタ分析(LOE1)66により支持されてきた。成人における前向き無作為化研究(LOE1)5,12,65,67でのエビデンスは、より早く治療が開始されればより有効性が高い可能性も示している。(一方、)多くの医師たちは、NINDS試験に欠陥があることを強調してきた68,69。しかし、独
立した研究者グループによる NINDSの元データの追加的な分析結果により、各治療群における脳卒中
の基本的重症度の不均一性を補正しても tPA治療群の転帰がより良好なことが立証され70、その成績
の正当性が確認された65。
NINDS適合基準に適合した急性虚血性脳卒中患者への経静脈的tPA投与は、はっきり定義づ
けられたプロトコル、精通したチーム、かつ施設での参加という状況下にある医師たちによりなされ
るときに、推奨される(Class I)。急性脳卒中治療の経験がより少ない、また施設ぐるみで取
り組んでいない病院では、NINDS試験における地域病院と三次病院の双方で報告されている優れ
た転帰を再現することは困難であることに注目することは重要である71,72。すべての遅延を避け、かつ患者を可能な限り迅速に治療することには、強固なエビデンスが存在する。プロトコル遵守に失敗すると、合併症、特に症候性頭蓋内出血の危険が増大する71,73。
地域病院においても、質的改善に焦点を当てた脳卒中プログラムを実行すると、NINDS試験の
成績に匹敵する転帰が報告されてきた61,74,75。クリーブランドクリニック方式
(the Cleveland Clinic system)での経験は、教
訓的である71,75。質向上プログラムにより、9つの地域病院が tPA治療プロトコルをより遵守す
るようになった結果、症候性の頭蓋内出血率は、13.4%から 6.4%まで低下した75。
NINDS治療プロトコルの違反と、症候性脳内出血や死亡には相関がある62。ドイツでは、急性虚血性脳卒中にtPAを投与した後、年間5名以下の治療しかしていない病院では死亡率が増加した。このことは確実にプロトコルを遵守するには臨床経験が重要な要素であることを示唆している63。地域病院に専任の脳卒中チームを加えると、線溶療法で治療を受ける急性脳卒中患者の数が増加
し、その結果優秀な臨床成績を実現することができる76。これらの事実から、施設ぐるみで取り組む
ことが、至適な患者予後を保証するのに重要であることが示された。2つの成人の前向き無作為化研
究とひとつのメタ分析77,78、そして付加的な症例シリーズ79-86からのエビデンスでは、経動脈的tPA治療により転帰が改善したことが示された。そこで、標準的な経静脈的線溶療法の適応でない急
性虚血性脳卒中の患者には、症状の発症から始めの数時間以内に、利用できる資源と専門的知識をも
つ医療センターで経動脈的線溶療法を行うことを考慮しても良いかもしれない(Class IIb)。
(なお、)tPAの経動脈的投与はいまだアメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を受けていない。
血圧や神経学的状態をモニターし、適応があれば高血圧の治療をするなど、患者を注意深く観察
(Box 11)するために、(利用できるなら)脳卒中ユニットに入院させる(表4)。患
者の神経学的状態が悪化した場合には、脳浮腫や出血が悪化の原因であるかどうかを決定するために
緊急CTを指示し、可能ならその治療をする。
脳卒中管理の追加事項として、気道の補助、酸素化、換気、栄養管理がある。必要に応じて、正常
体液量を維持するために約75〜100mL/時の生理的食塩水を投与する。抗痙攣剤の予防的投与
は推奨されないが、急性の痙攣の治療後に、続発する痙攣の予防のために抗痙攣剤を投与することは
推奨される98。患者の頭蓋内圧亢進症状(の有無)を監視する。出血の潜在的危険を低下させるため、血圧を持続的にコントロールする必要がある(表4参照)。すべての脳卒中患者では、経口的に投与す
る前に嚥下障害の有無を調べるべきである。簡便なベッドサイドでのスクリーニング検査の方法とし
ては、患者にコップから水を少しずつ飲んでもらうということがある。困難なく飲み下しできた場
合には、大量にがぶがぶと飲んでもらう。30秒以内に咳漱や誤嚥の兆候がなければ、言語療法士が正
式に評価するまでの間、濃厚流動食を摂取させても安全である。薬剤はアップルソースやジャムに混
ぜて投与できる。嚥下試験で失敗した患者に対しては、アスピリンのような薬剤を経直腸的に投与することができるし、または、適切に行えれば、静注、筋注、皮下注してもよい。
体温管理
体温を摂氏37.5℃以下に下げなさい。急性脳虚血の状況で高体温が合併すると、有病率、死亡率が
上昇する99-102。意図的低体温は、脳卒中発作の後では、神経保護作用を発揮できる103-111。低体
温療法は、心室細動(VF)による急性心停止から蘇生後の患者の生存率や機能的予後を改善すること
が示されている(LOE1112,LOE2113)。しかし、ヒトにおける比較試験では、急性虚血性脳卒中に対して有効であることは示されていない。いくつかの小規模な人を対象とした予備試験や、動物モデル
においては、急性虚血性脳卒中に対する低体温療法(33℃から36℃)は比較的安全で実行可能である
ことが示されている(LOE 3〜5)106,109,110。動物において全脳虚血の場合でも局所脳虚血の場合でも、低体温療法の効果は有望と考えられている111が、33℃以下に冷却すると、低血圧、不整脈、心不全、肺炎、血小板減少症、復温時のリバウンド頭蓋内圧亢進などの合併症が増加するようである104,105,107,108,111。進行中の意図的低体温療法の大規模臨床試験により、急性脳虚血における低体温の意義の理解が深まりそうである。急性虚血性脳卒中の治療における、低体温療法利用の推奨や、反対には、不十分な科学的なエビデンスしかない(Class Indeterminate)。
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■管理の到達目標
Goals for Management of Patients With Suspected Stroke Algorithm(原図) ■脳卒中の認識と救急医療サービス
(The Cincinnati Prehospital Stroke Scale, CPSS)
顔面下垂
(患者に歯を見せさせるか、微笑まさせて)
・左図―正常。
・右図―右側の顔面下垂を伴う脳卒中患者。
上肢下垂
(閉眼の上、両腕を10秒間真っ直ぐ伸ばさせる)
(他の所見、例えば患側の手の回内運動(pronator drift)がおこるかどうかも参考にする)
発語異常
(傷病者に「you can’t teach an old dog new tricks」と言わせる)
判定:上記 3徴候のうち、1つ以上の該当する場合、脳卒中の可能性は 72%
(Los Angeles Prehospital Stroke Screen, LAPSS)
項目1〜6がすべて「はい」か「不明」である場合、病院到着前に脳卒中患者
の可能性があることを連絡する。いずれかの項目が「いいえ」となった場合、
適切なプロトコルに沿って対処する。判定:脳卒中患者の 93%は LAPSSス
コア陽性となるだろう(感度=93%)、また LAPSSスコア陽性患者の 97%は脳
卒中であろう(特異度=97%)。 LAPSSスコアが陽性でなくとも脳卒中の可能性が
ある
ことに注意する。
1.年齢 >45歳 □ □ □ 2.痙れんまたはてんかんの既往なし □ □ □ 3.症状の持続 <24時間 □ □ □ 4.車イス利用または寝たきりでない □ □ □ 5.血糖値が 60〜400 □ □ □ 6.以下の 3検査で非対象性あり(一側性の異常) □ □ □
左右対照 右側が弱い 左側が弱い 表情(微笑) □ □下垂 □下垂 握力 □ □弱いあ □なしあ □弱いあ □なしあ 上肢下垂 □ □徐々に □直ちに □徐々に □直ちに
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脳卒中認識の標準的な訓練により、パラメディックは 61〜66%の感度で脳卒中患者を同定できる31,34,35。脳卒中評価ツールを使う訓練を行なった後には、脳卒中患者を同定する感度は、87%から97%に向上する(LOE3〜5)33,36,37。それゆえ、すべてのパラメディクと救急隊員(EMT-basic)は、CPSS、LAPSSといった有効性が認められた簡略版の病院外スクリーニングツールを使って脳卒中を認識する訓練を行なうべきである(Class IIa)。 ■病院内での治療
急性虚血性脳卒中における tPAの使用
除外基準(Exclusion Criteria)(ここに「禁忌」を追加記入)
□はい 明かな神経学的欠損(a measurable neurologic deficit)を認め虚血性脳卒中と臨床診断されている。
□はい 発症時刻(患者が正常であったことが確認された最後の時刻)が確定されていて、治療開始まで 180分
(3時間)未満。
□いいえ CTが正常であっても、くも膜下出血を示唆する臨床症状がある。
□いいえ CTで複数の脳葉にまたがる硬塞像(multilobar infarction)(大脳半球の 1/3を超える低吸収域)
□いいえ 頭蓋内出血の既往がある。
□いいえ コントロール不能の高血圧がある:
・・・・・・・・・治療開始時に繰り返し測定しても収縮期圧>185mmHgまたは拡張期圧>110mmHgが持続。
□いいえ 動静脈奇形、脳腫瘍、動脈瘤などの頭蓋内病変の存在。
□いいえ 脳卒中発症時に痙攣が目撃された。
□いいえ 止血できていない内出血または急性の外傷(骨折)がある。
□いいえ 急性の出血傾向がある。例えば(以下の 3項目以外の条件でも)、
・・・・・・・・・・血小板数<100,000/mm3
・・・・・・・・・・48時間以内にヘパリンを使用し、aPTTが施設の正常値を超える
・・・・・・・・・・抗菌薬(ワーファリンナトリウムなど)を使用中で国際標準化比(INR)>1.7または PT>15秒
□いいえ 3カ月以内の頭蓋内または脊髄の手術、重篤な頭部外傷、脳卒中の既往がある。
□いいえ 7日以内に圧迫止血できない部位の動脈穿刺をした。
*経口抗凝固薬やヘパリンを最近使用していない患者では、凝固系検査の結果が
出る前に線溶療法を開始してよいが、INR>1.7または部分トロンボプラスチン時間
が施設の正常値より延長している場合には投与を中止すべきである。
すべての薬剤と同様、線溶治療薬(fibrinolytics)にも潜在的に副作用がある。医師は、除外基準に合致しないことを確認し、患者に対する危険性と有効性とを考慮し、予測される全ての合併症を監視し治療する準備をしなければならない。
経静脈的 tPA治療の重大な合併症は、症候性の頭蓋内出血である。この合併症は、NINDS試験5において治療された312人の患者の 6.4%に起こり、カナダの 60カ所の中核病院では 1,135人の患者の 4.6%に起こっている61。
一般臨床で tPAを急性期虚血性脳卒中に非盲検的に使用した 15の出版された症例シリーズのメタ分析では、
治療を受けた 2,639人の患者の症候性出血率は 5.2%であった62。
その他の合併症としては、口や舌の血管浮腫(患者の約 1.5%におこる)、
急性低血圧、全身性出血がある。ひとつの大規模前向き登録では、全身性の重大な出血はま
れ(0.4%)であり、一方、たいていの場合に急性期血管撮影のための鼡径部の穿刺部位から
の出血を生じる61,63。
血圧レベル(mmHg) 治療 線溶療法の対象とならないもの 収縮期圧≦220
または
拡張期圧≦120
収縮期圧>220
または
拡張期圧
121〜140
10分ごとに繰り返し、または 1回投与量を倍にしてもよい(300 mgまで)
または
反応をみながら 5分ごとに 2.5 mg/hずつ増量(最大 15 mg/h)。
血圧を 10〜15%下げることを目標とする。線溶療法の対象となるもの
〇前処置として 収縮期圧>185
または
拡張期圧>110
〇療法中/療法後 1)血圧測定
2)
拡張期圧>1403)
収縮期圧>230
または
収縮期圧
121〜140
10分ごとに繰り返し、または 1回投与量を倍にしてもよい(300 mgまで)
あるいは Labetalolの初期量の後、2〜8 mg/分で持続静注。
または
反応をみながら 5分ごとに 2.5 mg/hずつ増量(最大 15 mg/h)。
labetalolで血圧コントロール不能の場合はニトロプルシドナトリウムの投与を考慮する。4)
収縮期圧
180〜230
または
収縮期圧
105〜120
10〜20分ごとに繰り返し、または 1回投与量を倍にしてもよい(300 mgまで)
あるいは Labetalolの初期量の後、2〜8 mg/分で持続静注。
急性虚血性脳卒中の患者においては、高血糖があると血糖値が正常である場合と比べて臨床的転帰
がより不良となる87-94が、積極的に血糖値をコントロールすることにより臨床的転帰が改善するという直接的なエビデンスは存在しない95,96。脳卒中以外の重症な患者においては、高血糖に対するインスリン療法は生存率を改善するというエビデンスが存在する(脳卒中に対してはLOE7)97。この理由により、血糖値が10mmol/L(200mg/dL)以上であった時には、急性虚血性脳卒中患者の血糖値を下げるために、静注または皮下注でインスリンを投与することを考慮してもよい(Class IIb)。■まとめ