厚生労働省「救急救命士による適切な気道確保に関する研究」班(第2回会議、2002年3月5日)
註:
研究によっては、「結果的に挿管されていた症例」と「結果的に挿管
なしの症例」とに単純に分類しただけのものもあります。この場合、
「挿管を企てたが失敗した症例」は「結果的に挿管なしの症例」に
(不当にも)分類されていると考えられます。研究によっては、これ
らを厳密に分類したものもあります。
From: 古関勝昭(救急隊員)
Subject: [niigata.1654] Re: [niigata.1653] 有用性示す文献なし
Date: Sun, 10 Mar 2002 09:17:14 +0900
三条消防@古関です。
どのような比較か理解していませんので、間違った認識は多々あると思っています。
その上で・・・
心肺停止には「心マのみ」よりは「人工呼吸を併用したほうが良い」は常識であると
認識しています。
では人工呼吸を有効に行うための気道確保はどのようにすべきか?
ここが問題。
> 畑中哲生研究員(救急救命九州研修所教授)は3月5日の第2回班会議で、気
> 管内挿管の有用性について複数の文献を検証した結果、「傾向として、気
> 管内挿管が生存率をあげるというエビデンスはない」との見解を示した。
この複数の文献がどのような検証の結果かは知りません。
その上での発言はあまりにも乱暴だと思っていますので、聞き流して頂ければ幸いで
す。
生存率をあげるものは何でしょう?
心肺蘇生のひとつである人工呼吸を行うための気道確保に関して言えば、
気道確保(人工呼吸)の根拠は酸素化であると思います。
病院内は「静」、救急現場は「動」と考えます。
酸素化を行う手法には手術室(院内)と救急現場では当然異なると思うのですが・・・。
病院内も患者一人一人に適切な気道確保を行うものと思いますが、救急現場はそれ以
上の臨機応変な対応が求められることが多いと思っています。
もっと端的に言えば、「生存率」とまではいかないが、その前段である酸素化の気道
確保に関しては多種多様な現場を考慮すると、多種多様な(最も適切な手法)方法が
あって良いのではないかと思ってしまいます。
ほんじゃ、そのように対応するためには・・・こうしよう!では?
> 畑中研究員がこの日示したGauscheの論文によると、気管内挿管と他の
> 気道確保方法による生存率を比べたオッズ値(1を上回ると気管内挿管の
> 方が有用)は呼吸停止例で0.27、虐待事例で0.07と有意に低く、マスク換
> 気による気道確保の方が生存率が高いことが示された。心肺停止事例でも
> 有意差はないものの、オッズ値は0.96と1を下回った。
でもこれって、患者によって様々だと思ってしまうんですけど。
結局症例で統計を取るには、非常に難しいのでは?と思ってしまいます。
とすれば、削除方式?で色々な場合のマイナス部分を削って、「この場合の症例にお
いては、最も有効と思われる残った気道確保が気管挿管だった」があっても良いので
はないかと思ってしまいます。
それを行うためには、今更言う必要もありませんが・・・。
誤解のないように、私は現段階では挿管を肯定もしませんし否定もしません。
でも劣勢?に応援したくなるのは性でしょうか?
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古関 勝昭(katsuaki koseki) 三条地域消防署下田分署
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Date: Mon, 11 Mar 2002 12:33:50 +0900
From: B(医師)
Subject: [eml-nc2: 1106] Re: 耳式体温計
(中略)
なお、私は[eml-nc2: 1092] 「Re: 裏話」で
> 人の命を扱うからには、難しいことはわからないなどとうそぶかないで
> 欲しい。それは医学知識だけではなく、法や倫理も同じです。
と述べましたが、これは・・さんの [eml-nc2: 1088] 「Re: 耳式体温計」
で表現された
> 難しいことは抜きにして(抜きにしないと書けない^^;)、、
とのご発言に対するものではありません。
(中略)
救急救命士の気管内挿管や特定行為の範囲について、そして歯科医師の医科
研修において、法や倫理、目前の患者の利益と将来の潜在的な患者の利益などを
考える際に、難しいことはわからない、と言わずに、本音をぶつけ合うことで
考えを深めていきたいと考えたものです。
From: 畑中哲生(医師)
Date: Mon, 11 Mar 2002 12:47:00 +0900 (JST)
Subject: [eml-nc2: 1107] クローズアップ現代
市川さん、みなさん、こんにちは。
ELSTA九州の畑中です。
At 09:14 午前 02/03/07 +0900, 市川さん wrote:
> 平澤先生のエビデンスがないは事実と思いますが、実際に
> はたして気管内挿管で蘇生率に有意差はないは理解しますが、
> では逆にコンビや、EOA、WBなどのように法律で許可されている
> ものを使用した場合と使用しなかった場合で有意差がでるかと疑問に
> 思います。
>
> 日本の現状の心停止状態を現場で初めて確認して(それまで何分かかっているか)
> 気道確保(なにで行っても)、換気を行っても器具による差、器具を使用した
> しないでの差は出ないのではないかと感じています。
おっしゃるとおりだと思います。
全ての論文を網羅できたわけではありませんが、ほとんどの研究は、
各換気方法の効果を気管挿管と比較しております。その意味で、気管
挿管はまさにゴールデンスタンダードである(あった)わけです。
残念ながら、世の中にはエビデンスのない医療行為がたくさんあり
ます。これらを放棄すれば、何も手が出せなくなってしまうのが現
実です。従って、G2000策定の方法論でも謳われたように、過去、
慣習的に行って来た行為については、明らかにこれを否定する
逆エヴィデンスが存在しない限り、その行為を既得権的に容認する
という、現実的な妥協が必要です。ですから、日本では、すでに使
用しているコンビチューブなどと、将来の課題である気管挿管とは、
別枠で考える必要があると思います。
そもそも、気管挿管は病院前においても絶対的な「是」である、と
いう前提でことが進んできたわけです。ところが、最近になって、
その「是」に陰りが差しはじめたということが、事態を複雑にして
います。
> 正にウツタインで、層別をしっかりして年齢、発症から処置開始までなどの
> 母集団の選別を行って、気管内挿管、コンビ、バッグマスクだけなどの
> 有意差をレトロでもいいですから検討すべきと思います。
私は、先月に召集された、気管挿管に関する厚労省の班会議に参加する機会
を得ました。先日、その2回目の班会議があり、その場でも報告いたしまし
たが、「気管挿管は生存率を上げないようだ」という推定は、「以下の条件
の下で」という前提を付記して捉える必要があります。
1.その研究に参画したパラメディックが受けた教育レベルの施行者が行う
2.その研究で対象となった患者の病態に関して
3.現場→病院までの搬送時間は数分程度
従って、当然ですが、上記の結論は、「気管挿管は無意味である」と結論
しているわけではありません。が、いずれにせよ、「気管挿管はやらない
よりやった方が良いに決まっている」という論調は否定されるべきです。
仮に、気管挿管を救命士の業務範囲に含めることを検討するとすれば、
1. どの程度の教育レベルを要求するのか
2. どのような病態の患者を対象とするのか
3. どのような地理的条件(搬送時間)の地域を対象とするのか
を事前に考慮した上で、慎重に進めねばなりません。
上記3点は、いずれも現時点では不明です。
1.の教育レベルを上げれば上げるほど、気管挿管が有益とでる可能性が
高まりますが、逆に、必要経費は増加します。
2.病態を絞れば絞るほど、気管挿管の医学的正当性は高まります(気管
挿管をしなければ救命できる見込みがゼロである、という病態も存在す
るだろうと思います。)が、逆に、病態を絞れば、救命士が気管挿管を
経験する確率が低下します。これは、救命士の技術レベルの維持を困難
にします。また、病態を絞れば、気管挿管の恩恵にあずかる患者の絶対
数が減りますから、気管挿管の経済効果は低下します。
最終的には、その効果と費用などを推定した上で、それらを天秤にかけ、
試行的業務拡大をすることの是非を議論しなければなりません。
ただし、気管挿管に救命率を何倍にも上げるような魔法の力があるとは
思えませんから、その有用性を検出するには、かなり鋭敏な研究方法が
必要になります。おそらく、後ろ向き研究では、雑音が大きすぎて、有
用性(仮にあったとしても)を検出するのは困難だと思います。やはり、
前向きの無作為化試験が必要でしょう。
その意味では、一部のマスコミによる「気管挿管は良いに決まっている」
というような洗脳は非常に迷惑です。無作為化試験を行うには、医療従
事者と市民の双方が、「気管挿管の是非は未だ不明である」ということ
を理解する必要があります。市民が、「気管挿管=絶対的に是」と誤認
すれば、無作為化試験を行うのは不可能です。
(現在の米国は、これに近い状況にあります。)
「気管挿管が有用であるというエビデンスはない」という一つの結論を、
非建設的と思われる方もおられるかもしれませんが、私はそうは思いま
せん。まずは、「気管挿管=絶対的に是」という認識を改め、「吉か凶
かわからぬ」という前提に立つことが重要です。
気管挿管崇拝論も、気管挿管絶対反対論も、どちらも不要です。
「何もわからない」という認識こそが大切な第一歩です。
その意味で、「エビデンスなし」は非常に建設的な情報だと思います。
厚労省の班会議という場で、この情報を提供する一助となれたことを、
私は誇りに思います。
-畑中哲生
救急救命九州研修所
From: 畑中哲生(医師)
Date: Mon, 11 Mar 2002 13:35:44 +0900 (JST)
Subject: [eml-nc2: 1108] 気管挿管に関する文献調査
皆さん、こんにちは。
ELSTA九州の畑中です。
厚労省の気管挿管に関する班会議で、表題の調査を担当いたしましたので、
その結果の概略を以下に引用いたします。
MEDLINEで検索した260編ほどの文献のうち、患者転帰を指標として気管挿
管の効果を検討した論文のまとめです。
ご参考にまで。
********お断り1*****************
改行の関係で、以下の表が無意味な記号の羅列になっている可能性があります。
その節はご容赦ください。
********************************
********お断り2****************
論文の書誌などを含む更に詳細な表をExcelで準備しました。
ご希望の方にはメールでお送りいたします。
個人メールでご連絡くださいませ。
*******************************
なお、
Level:調査方法の分類で、RCT→1or2、前向き研究→3など、
数値が大きくなるほど「不確かな研究」です。
効果: (−) →気管挿管は有意に生存率を下げる
(±)→有意差なし
(+) →気管挿管は有意に生存率を上げる
Odds:病院前気管挿管によって生存率が何倍になるか、です。
例えば「Odds比=0.41」とは、気管挿管をすると生存率が
低下する(0.41倍になる)ことを示唆しています。
気管挿管に関する文献調査
報告:畑中哲生研究員(救急救命九州研修所教授)
Author Yr Level end point 効果 Odds 対象年齢 対象疾患 対照の気道 Adams 97 4 生存退院 - 0.41
(0.34-050)All 要CPR BVM? Aijian 89 4 生存退院 ± 0.48
(0.03-8.32)<19 yr 非外傷性CPA BVM Cooper 01 4 軽度機能障害 ± 3.46
(0.79-15.2)"Child" 重症頭部外傷 BVM 生存 ± 1.02
(0.66-1.57)Copass 84 5 生存(退院) N/A N/A All 要CPRの外傷 BVM Eckstein 00 4 生存 - 0.19(*)
(Matching後)All 重症外傷 BVM Garner 01 4 GOS ± NS on M.Variate All 鈍的外傷&GCS<8 BVM? Gausche 00 1 生存退院 ± 0.82
(0.61-1.11)<12 yr 要呼吸管理 BVM 生存退院 ± 0.96
(0.53-1.73)CPA 生存退院 - 0.07
(0.01-0.58)虐待 生存退院 - 0.27
(0.11-0.69)呼吸停止 軽度機能障害 - 0.13
(0.02-0.76)誤嚥 Geehr 85 3 生存退院 ± 1.69
(0.36-7.86)All 非外傷性CPA EGTA Goldenberg 86 4 生存退院 ± 0.91
(0.42-1.99)All CPA EOA Goldenberg 86-2 2 生存退院 ± 0.84
(0.34-2.10)身長>150cm CPA EGTA Hankins 93 4 入院 ± 1.34
(0.89-2.01) 成人 CPA EOA/EGTA Michael 85 7 生存 ± 1.0
(0.48-2.08)成人 ? EOA/EGTA Mitchell 97 5 生存退院 ± 0.57
(0.21-1.58)>15 yr 心原性CPA EMT-P vs. EMT-D Murray 00 4 生存退院 ± 0.44
(0.18-1.10)All 重症頭部外傷 BVM - 0.24(*) - 0.19
(0.13-0.30)Winchell 97 4 生存退院 + 1.62
(1.25-2.09)All 重症頭部外傷 BVM? 生存帰宅 ± 1.01
(0.80-1.29)-----------------以上です------------------------------
From: 福井道彦(医師)
Subject: [eml-nc2: 1123] 病院前のエヴィデンス
Date: Mon, 11 Mar 2002 23:22:23 +0900
福井:大津市民病院です。
二三、喫緊の課題が発生してROMにさえなれていない状況です。
3/9、救急医学会近畿地方会がありました。抄録が職場にあるため記憶違いがありま
したら参加された方からの追加修正お願いします。
明日は当直でメール流せないので、地方会で感じたことを書きます。
地方会の会長は、兵庫医大丸川教授でありJRCのメンバーです。G2000の問題点を整理
するとの企画が盛り込まれていました。日医山本教授の基調講演の後、日赤、消防、
救急医がシンポジストとしてG2000に関するズレを確認し修正する趣向。
山本、丸川両氏は、JRCへの意見・批判を地方会からの意見としてJRCに上げることを
明言され今後の取組みへの意欲も十分でした。両氏ともEBMに基づいた科学的な検討
の重要性を強調されていました。
私は、会場からの発言として「JRCはG2000の字句を云々するのに止まらず、日本のエ
ヴィデンスを得るために、病院前業務に関してどのような手順で科学的検討を行うか
を示して欲しい」旨お願いしました。
丸川会長は、
1.日本には病院前業務に関するRCT(無作為試験)などエヴィデンスレベルの高
いデータが皆無であること。
2.日本全体の問題としてこれら社会医学が低調であること。
3.G2000の鵜呑みにならないために、日本の実情に関するデータが必要であること。
などをJRCに地方会の意見として持っていくと話されました。
われわれは、AED使用者の拡大、救命士業務の拡大等がどのように検討されるのか注
目しています。それらに、JRCは大きな役割を果たすのでしょう。JRCはG2000のEBM
ルールを賞賛しています。では、JRCは何のエヴィデンスをもって日本の病院前の問
題に関して「推進」「現状維持」「縮小」を判断するのでしょうか。
丸川氏が指摘するとおり、日本にはエヴィデンスレヴェルの高いデータは皆無と理解
します。今必要なのは、判断そのものではなく、判断に必要となるエヴィデンスを得
るための手順の確立だと感じます。丸川氏等、JRCメンバーのご努力に期待したいと
思います。
「クローズアップ現代」が話題になっていますが、酒田市消防の取組みが「病院前業
務研究」として実施できなかった日本の状況こそ問題だと感じます。現場の止むにや
まれぬモラルハザードを世論(マスコミ)が支持して、それを根拠に業務が変わると
したらそれはEBMからはかけ離れた状況です。
病院前に問題が生じたとき、それを判断するためのエヴィデンスを得る取組みが柔軟
に検討できるシステムの構築は、JRC任せなんでしょうか?MC通して地域でやってい
けるんでしょうかね?
From: 中村利仁(医師)
Date: Tue, 12 Mar 2002 00:01:04 +0900
Subject: [eml-nc2: 1125] Re: 病院前のエヴィデンス
福井:大津市民病院さん、こんばんは。
中村@町立中標津外科(4月からは東北大医療管理学)です。
> 「クローズアップ現代」が話題になっていますが、酒田市消防の取組みが「病院前業
> 務研究」として実施できなかった日本の状況こそ問題だと感じます。現場の止むにや
> まれぬモラルハザードを世論(マスコミ)が支持して、それを根拠に業務が変わると
> したらそれはEBMからはかけ離れた状況です。
> 病院前に問題が生じたとき、それを判断するためのエヴィデンスを得る取組みが柔軟
> に検討できるシステムの構築は、JRC任せなんでしょうか?MC通して地域でやってい
> けるんでしょうかね?
救急救命士に関する現状としては、JRC、地域MC、いずれの組織も法手続上ほぼ
不可能です。
厚生労働省医政局医事課は、ひとつの医療行為が、国民の福祉の向上に効果的であ
るかどうかを責任を持って探求する以前に、法文上、違法行為に相当するか否かの解
釈を行なうことに全力を挙げています。
そのなかで、何人たりとも、医師法第一七条に触れる可能性がある行為を、救急救
命士に強制する訳には行きません。
医師が救急救命士の代りに同様の行為を行なう場合は、その研究の妥当性には、つ
ねに疑問符がついて廻ることになります。
ただ、器具を使った気道確保については、日米とも、典型的なQWERTY key
board問題(ベータとVHSでもいいですが)に堕してしまっているようで、むしろ
特定行為の限定が解除された時こそ、日本の地域MCの、あるいは一種幸福な出発に
なるのではないかと考えます。…みなさん、きっと忙しくなりますね。
第三者としては、早々の結論を楽しみにさせて頂きます。
絶望するには早過ぎるのではありませんか?
--
Toshihito"rijin"Nakamura MD 中村 利仁
From: 福井道彦(医師)
Subject: [eml-nc2: 1129] Re: 病院前のエヴィデンス
Date: Tue, 12 Mar 2002 07:31:30 +0900
中村@町立中標津外科(4月からは東北大医療管理学)さん、
Subject: [eml-nc2: 1125] でのご指摘ありがとうございます。
福井:大津市民病院です。
> 救急救命士に関する現状としては、JRC、地域MC、いずれの組織も法手続上ほぼ
> 不可能です。
> 厚生労働省医政局医事課は、ひとつの医療行為が、国民の福祉の向上に効果的であ
> るかどうかを責任を持って探求する以前に、法文上、違法行為に相当するか否かの解
> 釈を行なうことに全力を挙げています。
>
> そのなかで、何人たりとも、医師法第一七条に触れる可能性がある行為を、救急救
> 命士に強制する訳には行きません。
>
> 医師が救急救命士の代りに同様の行為を行なう場合は、その研究の妥当性には、つ
> ねに疑問符がついて廻ることになります。
⇒これでは、「打ち首覚悟で申し上げます」とか「腐敗した圧制に苦しむ人民を救う
べく蜂起した」といった、江戸時代や戦前日本と何も変わりないという気がするんで
す。直訴・クーデターにしか社会システムの根本的な浄化能力が無い。それを、
「情」で世論が後押しをする。やっぱりおかしいと思います。まあ、依然としてJRC
に過剰な期待はダメというのは確認しました。
ここの突破口は、やっぱり国会・代議士ですかね?
> ただ、器具を使った気道確保については、日米とも、典型的なQWERTY key
> board問題(ベータとVHSでもいいですが)に堕してしまっているようで、むしろ
> 特定行為の限定が解除された時こそ、日本の地域MCの、あるいは一種幸福な出発に
> なるのではないかと考えます。…みなさん、きっと忙しくなりますね。
> 第三者としては、早々の結論を楽しみにさせて頂きます。
⇒日本はいつまで第三者でいないといけないのかを考えてしまう私です。日本は永遠
の第三者で決して当事者に入れてもらえません。なんか半端で・・・
> 絶望するには早過ぎるのではありませんか?
⇒かなりアナーキーな気分が醸成されています。
Date: Tue, 12 Mar 2002 21:18:35 +0900
From: 最所(医師)
Subject: [eml-nc2: 1146] クローズアップ現代を見て思ったこと
みなさんこんにちは
最所@救急救命九州研修所です。
少々古い話題にはなります。クローズアップ現代は、放送当日に見ていたのです
が、見終わってから全体の構図が頭の中で整理がよくできました。
結論としては、3つの部門に責任が有ろうと理解しました。
1.消防署の消防長、違反行為をした救急救命士
2.二次医療圏の病院の医師
3.日本救急医学会
1.消防署
プレホスピタルケアにおける教育に関与している関係上、現場の苦悩はよく理解
できます。しかし、法規を犯してやることなのかあまりにも考えが短絡過ぎると
思います。「やったことに悔いはない。」との発言がありましたが、本当にそう
思うなら、懲戒免職になることや懲役になることを覚悟していたのでしょうか?
僕には、きっと廻りの誰かが助けてくれるという発言にしか聞こえませんでし
た。消防職員として採用されるときに宣誓書を書くはずです。法律を遵守すると
いう項目もあるはずなのですが、どの様なつもりでその行為に及んだのか理解に
苦しみます。もし住民のニーズがあったことだし、感謝されたとしても私から見
るとそこは無法地帯としか感じられないのです。歯科医師の病院研修で裁判にな
るくらいなら、今回の問題がなぜ裁判にならないのか不思議でたまりません。
2.二次病院
あまりにも救急救命士のことを知らなさすぎると感じました。救急救命士制度を
よく理解し、救急救命士が育った背景や消防署そのものをよく理解すれば、間違
った指導はなされなかったであろうと思います。いい加減な理解が、救急救命士
を誤った方向に導くことになってしまったという責任があるはずです。まあ、何
処の病院であっても院内のことに眼が奪われ、院外のことは二の次になってしま
うのはやむを得ないとは思いますが、法律に抵触することをさせてしまったとい
うのは非常にまずかったし、ペナルティーを受けるべきだと思います。
3.日本救急医学会
救急医学会は、救急救命士制度を設立するときに、色々尽力を尽くしたことはよ
く理解しているつもりです。しかし、その後の展開はさっぱりでした。平成10年
3月にようやく病院内実習検討委員会が「救急救命士病院実習ガイドライン」を
作成した以外にプレホスピタルケアを推進させる行動をとっていません。救急医
学会は、救急医学という学問の向上や医学会における救急医学会のポジションを
何とか確保するということに多くの努力を費やしていたというのが会員である私
の意見です。プレホスピタルケアにはちっとも目を向けなかった事が今回の事件
に繋がっていると思います。結局救急医学会は、総会における看護師部門も救急
隊部門も廃止してしまいました。プレホスピタルケアとホスピタルケアのつなが
りやMCの問題を議論したり、新しい方向性を示すのは、臨床救急医学会でよろし
いのでしょうか?
結局、二次医療圏における病院と消防とのつながりが不十分であったというこ
と、また中央からのメディカルコントロールが全くなかったということが問題の
本質といえるでしょう。
僕は、初めてメディカルコントロールの話を聞い他時には、なるほどわかりやす
いシステムで、「質の保障」という言葉に惹かれました。しかし、先日の救急シ
ンポでもメディカルコントロールについての講演を再度聞き直しましたが、疑問
点が浮かんでいます。
メディカルコントロールという概念を持ったメディカルディレクターが、消防側
をオーバーサイトするということに何の疑問も持たないのですが、メディカルデ
ィレクターは、病院側もオーバーサイトして病院前から病院内医療について救急
医療の質が保証されているかという検証や指示病院が正しい指示、指導、教育を
行っているかを検証しなくてはならないと思うのですが、このことには全く触れ
られることがありません。今回の事件などを振り返ってみると一番大切なのは、
メディカルコントロールという概念によって医師側がコントロールされなくては
ならないということではないでしょうか?ここに救急医学会がやるべき事が隠さ
れていると感じます。僕には、これが解決されない限りメディカルコントロール
がその地域で確立しているとはいえないと思います。
From: 羽柴正夫(医師)
Date: Thu, 14 Mar 2002 19:38:05 +0900
From: 羽柴 正夫
From: 鈴木 全(医師)
Subject: [niigata.1671] Re: 有用性示す文献なし
Date: Thu, 14 Mar 2002 22:49:57 +0900
鈴木全@新潟県立吉田病院です。
羽柴先生、ご無沙汰しております。
みなさま、こんばんは
長文です。何を当たり前のことを・・・とお思いになるかもしれませんが、
ご容赦ください。
2002年03月14日22時27分ころ
"羽柴 正夫"さんから、いただいた
"[niigata.1670] Re: 有用性示す文献なし" より引用いたします
> メディカルコントロールが言われて久しいと思いますが,この界隈
> 新潟県での対応はどうなのでしょう.気管内挿管による気道確保が
> 救命率の向上に,与って力がある,という結論を導いてみたいもの
> です.
新潟県全体のメディカルコントロールについては、概説できるほどの
知識は持ち合わせておりませんが、〇〇でのメディカルコントロール、
〇〇での・・・、〇〇での・・・というのは少しわかったような
気がします。
もちろん、内容は地域によって様々、充実の具合も違っているわけ
ですが、これらの地区では、医師と救急隊を結ぶラインが非常に
細かったように思います。指示という点だけでなく、講習会、
勉強会という点においても・・・です。
その問題と、気管内挿管の問題をいっしょくたに議論することは
できないと思います。平行して話し合うべき問題ではありますが・・・。
気管内挿管の有用性がevidenceがある、ないという議論は、文字通りの
意味であれば、救急医療を充実させるという意味では、全く意味を
持たないものと思います。非常に、安定した場所で処置を行うことが
でき、その後の移動も考えないならば、どのような方法をとっても、
気道確保を確実に行うことができると考えます。(もちろん、嘔吐、気道の
不完全閉塞、もしくは狭窄など、いろいろなケースはあるでしょう。
しかし、そのようなケースは、それほど多くないであろうと思います。)
救急隊の方の熟練したバッグマスク換気で十分であるとも思います。
ですから、どんなに時間をかけても、労力を費やしても、そこに有用性が
あるという結論は出てこないと思うのです。
しかし、やはり、確実性、移動などのことを考えると、やはりバッグマスク
ではなく、気管内挿管、またはEOAでの気管内挿管は必須といえます。
とくに、移動、処置のスピードを考えたときに、気管内挿管が最適である
ことは周知の事実であるといってもいいでしょう。先ほど書きましたように、
嘔吐などの状況では、気管内挿管の確実性は絶大です。(先日、吉田での
救命士の方々と飲み会でもその思いを強くしました。)
つまり、気管内挿管が、EOAに比べて有用であるかどうか・・・ではなく、
現場においてどれだけ重要であるかを知らしめるstudyが必要であると
思います。このようなstudyを行うのは、その内容からいっても、容易な
ことではないでしょうけれど、そんなstudyを誰かやってくれないかなーと
いう受け身では話は進まないと思います。
このようなstudyを、日本で、あるいは地域で、医師と救急隊、そのほかの
スタッフが共同して行い、結果を残すことができればすばらしいなと
思います。私の、今後の課題でもあります。
気管内挿管問題は、メディカルコントロールのほんの一部でしかありません。
私見ですが、気管内挿管が許可されることによってのみでは、救命率の
大幅な向上は得られないと思っています。しかし、救急救命士の施行する
ことができる手技の幅が広くなることで、状況に応じての選択の幅が広がって
いきます。救急救命士に求められるのは、手技ができるのはもちろん、その
手技の中から状況に応じ適切な手技を選択する(「しない」という選択を
含めてです。)ことのできる余裕を持つことだと思います。
メディカルコントロールという大きな課題を解決に向けるのは、本当に大変な
ことですね。私もメディカルディレクターたりえる能力を身につけるべく精進
しております。
それでは失礼いたします。
From: 西岡和男(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 1186] 今夜のニュースステーション
Date: Thu, 14 Mar 2002 23:04:16 +0900
西岡@熊本消防です
今日の国会で、坂口厚生労働大臣が救急救命士の挿管にたいして
前向きの回答をしたという話題でした。
坂口大臣
「挿管が救命に効果があるということであれば、法律改正も・・・」
その後・・各党の質問者は、どうして処置拡大をすすめないのか?という
ニュアンスの質問シーン。
「前向きに・・・・」
というような組み立てでありました。
うーん、報道の内容だけに振り回されたりしないようにしたいものだ・・・
と思いながら、ここには書き込んでしまっている私でございます。
まずは、メディカルコントロールを前向きに・・・と答えてほしい
From: 佐藤克範(救急隊員)
Subject: [niigata.1672] 救命士法改正?
Date: Thu, 14 Mar 2002 23:19:08 +0900
佐藤@新発田消防です。
皆さん、こんばんは。
「救命士の気管内挿管、条件付き容認へ」
14日の参院予算委員会で「救命士の挿管問題」に関して、
各委員からの質疑(ニュースでは2人?民主と自由?)で、坂口厚生労働大臣
(医師有資格者)は限定的に認める考えを明らかにしたとのこと。
なお、総務大臣は前向きに検討してほしいと厚生労働省に要望の答弁。
詳しくは明日の新聞かな?
読売オンライン
http://www.yomiuri.co.jp/
社会面を参考にどうぞ。
それでは。
「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「
佐藤克範
中条消防署(新発田地域広域消防)
」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」
From: 生垣 正(医師)
Date: Thu, 14 Mar 2002 23:38:54 +0900
Subject: [eml-nc2: 1189] Re: 気管挿管に関する文献調査
生垣@砺波です:
畑中さんのコメント,お仕事にはいつも敬服しております。
じっくり考え込まざるを得なくなります。しんどく,かつ楽しいです。
さて,
[1107] クローズアップ現代,と[1108] 気管挿管に関する文献調査
について
いろいろ,わからないことを教えて下さい。
> ただし、気管挿管に救命率を何倍にも上げるような魔法の力があるとは
> 思えませんから、その有用性を検出するには、かなり鋭敏な研究方法が
> 必要になります。おそらく、後ろ向き研究では、雑音が大きすぎて、有
> 用性(仮にあったとしても)を検出するのは困難だと思います。やはり、
> 前向きの無作為化試験が必要でしょう。
>
> その意味では、一部のマスコミによる「気管挿管は良いに決まっている」
> というような洗脳は非常に迷惑です。無作為化試験を行うには、医療従
> 事者と市民の双方が、「気管挿管の是非は未だ不明である」ということ
> を理解する必要があります。市民が、「気管挿管=絶対的に是」と誤認
> すれば、無作為化試験を行うのは不可能です。
> (現在の米国は、これに近い状況にあります。)
>
> 「気管挿管が有用であるというエビデンスはない」という一つの結論を、
> 非建設的と思われる方もおられるかもしれませんが、私はそうは思いま
> せん。まずは、「気管挿管=絶対的に是」という認識を改め、「吉か凶
> かわからぬ」という前提に立つことが重要です。
> 気管挿管崇拝論も、気管挿管絶対反対論も、どちらも不要です。
> 「何もわからない」という認識こそが大切な第一歩です。
→おっしゃることに,ナルホドと思いました。
しかし,そこから次にわからなくなったのです。
「気管挿管が有用であるか否かというエビデンス」をそもそも得ることが
可能なのだろうか?と。
心肺停止に対しては,気道を確保し,外的に肺に空気(酸素)を送り込み,
心臓のポンプ作用を外的に働かせるようにし,
しかも,多くの場合はこれにとどまらず,除細動,静脈路の確保と薬剤投与
などの一連の治療を行い,その全体が1セットになります。
その中の一つの気道確保に関しての有用性,を求めようとすること自体
可能なものでしょうか?
さらに
気道確保の手段として,「用手的」「気管挿管」「コンビチューブ」
「LM」などの比較のエビデンスを求めることが可能でしょうか?
CPAの原因,CPAから一次救命処置,二次救命処置の開始時間,治療
の内容,患者自体の年齢や病歴などの要因,こうしたことがすべて
end pointに関係してくるでしょうから,「気道確保の手段」だけの
エビデンスを求めることは無理なように思うのですが...。
患者の要因に関しては,症例数を多くすれば,解決つくでしょうが
他はどうでしょうか,条件を揃えることが可能でしょうか?
単純な私は,どうしても次のように考えてしまうのです。
CPAに対しては,一次救命処置が必要。
その中で病院前では,気道確保は,基本は「用手的」ではあるが,
それで対処できないことが間違いなくある。従って,器具を使った
気道確保のoptionが絶対必要である。
それには,現在のところ気管チューブ,コンビチューブ,LMなどがある。
救急救命士は,少なくともその中の一つは義務として技術習得する必要が
ある。
と。
そこで,このoptionの習得は,私は,研修所だけではなく実習病院でも
実習できるものであるべきでは,と考えるわけです。
結果として,「気管チューブ」かな,とだんだん傾きかけているのです。
> Odds:病院前気管挿管によって生存率が何倍になるか、です。
> 例えば「Odds比=0.41」とは、気管挿管をすると生存率が
> 低下する(0.41倍になる)ことを示唆しています。
→
「気管挿管をすると生存率が低下する」ということは,私にもその危険性
の経験から充分考えられることだと思います。
しかし,今考えなければならないのは,気道確保のoptionがどうしても
必要であるということです。
そして,どのoptionも一定の危険性を持っているということです。
そういう観点にたって,その危険性をできるだけ少なくする方法はない
のか?という検討のような気がするのです。
「気管挿管をすると生存率が低下する」というのは,絶対的真理では
ないでしょう。
「気管挿管をすると生存率が上昇する」可能性を秘めているのではない
でしょうか?
**
それから,以上とは少し違う話題で別メールにすべきかもしれませんが,
関連あるので,ここで述べます。
私は,使ったことがないので,本当のことはわからないのですが,
最近のシミュレーターは随分進歩してきているのではないでしょうか?
研修・実習にはこのシミュレーターをどんどん使うように(具体的には
ちょうど高規格救急車のように各消防本部に導入),してはどうなので
しょうか?
昨年暮れの病院実習には,患者さんに同意を求めてやりましたが,実際
の患者さんを練習台にするのは,どうも気が引けます。
患者さんへの実習は,できれば,それまでの技術研修の成果の発表として
やれるようになればよいなと感じております。
(これは,救命士ばかりではありません。看護師や医師の研修についても
同じです)
こうしたことを含め,研修を如何に充実したものにするかがもっとも
重要な問題のような気がするのです。
***************************
生垣 正 Ikegaki Sei
***************************
From: 鈴木 全(医師)
Subject: [eml-nc2: 1191] Re: 今夜のニュースステーション
Date: Fri, 15 Mar 2002 00:06:26 +0900
鈴木全@新潟県立吉田病院です。
西岡さん、みなさん、こんばんは。
私は、この報道を見ていないのですが・・・
2002年03月15日00時03分ころ
"西岡 和男"さんから、いただいた
"[eml-nc2: 1186] 今夜のニュースステーション" より引用いたします
> 今日の国会で、坂口厚生労働大臣が救急救命士の挿管にたいして
> 前向きの回答をしたという話題でした。
・・・中略・・・
> 「前向きに・・・・」
まず、報道の内容は、喜ばしいことと思います。これにより、救命士の
処置範囲が拡大すれば、大きな前進と評価できるでしょう。
しかし、坂口厚生労働大臣が、どれほどのことを理解したうえで、そんな
重大な発言をしたのか?とても、十分な考察を加えた人の行動とは
思えないのですが・・・
> まずは、メディカルコントロールを前向きに・・・と答えてほしい
その通りです。
From: 佐藤克範(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 1193] Re:今夜のニュースステーション
Date: Fri, 15 Mar 2002 01:29:15 +0900
佐藤@新発田消防です。
西岡さん、皆さん、こんばんは。
西岡さん:wrote
Sent: Thursday, March 14, 2002 11:04 PM
Subject: [eml-nc2: 1186] 今夜のニュースステーション
> 今日の国会で、坂口厚生労働大臣が救急救命士の挿管にたいして
> 前向きの回答をしたという話題でした。
>
> 坂口大臣
> 「挿管が救命に効果があるということであれば、法律改正も・・・」
>
> その後・・各党の質問者は、どうして処置拡大をすすめないのか?という
> ニュアンスの質問シーン。
>
> 「前向きに・・・・」
(以下省略)
参議院での予算委員会で、坂口厚生労働大臣の「救命士の
気管内挿管問題」に関しての答弁ですが、
参議院インターネット審議中継
http://online.sangiin.go.jp/cgi-bin/online.cgi
過去の審議中継、3月14日の予算委員会をRealPlayerで
(映像・音声)見れます。
http://online.sangiin.go.jp/cgi-bin/online.cgi?s=02/03/14
3月14日予算委員会(要RealPlayer)
なお、予算委員会の時間トータルは8時間...ですが、
「救命士の挿管問題」は民主党今井議員の関連質疑で、
スタートから4時間20分経過した頃からですので、
RealPlayerの再生クリップの位置(スライドバー)をその経過時分頃に
送って見て聞いて下さい。(途中再生はきついが...)
また、別議員からの質疑もあったかもしれませんが...
確認できたのは今のところここのみです。
救急救命士の気道確保器具は厚生労働大臣の指定する器具を定めた件の
旧厚生省告示ですので、救命士法改正の云々は除細動の具体的指示の
質疑に関連した答弁であったかと思います。
前向きに...の答弁は、気管内挿管をしなければならない条件の
検討をやっている...MCも絡んで...検証...
それでは。
「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「
佐藤克範
新潟県北蒲原郡中条町新和町2番24号
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From: 鈴木 全(医師)
Subject: [eml-nc2: 1190] Re: 気管挿管に関する文献調査
Date: Fri, 15 Mar 2002 00:01:35 +0900
鈴木全@新潟県立吉田病院です。
生垣さん、畑中さん、みなさんこんばんは
2002年03月14日23時49分ころ
"IkegakiSei"さんから、いただいた
"[eml-nc2: 1189] Re: 気管挿管に関する文献調査" より引用いたします
> 生垣@砺波です:
> 畑中さんのコメント,お仕事にはいつも敬服しております。
> じっくり考え込まざるを得なくなります。しんどく,かつ楽しいです。
同感です。
> > 「気管挿管が有用であるというエビデンスはない」という一つの結論を、
> > 非建設的と思われる方もおられるかもしれませんが、私はそうは思いま
> > せん。まずは、「気管挿管=絶対的に是」という認識を改め、「吉か凶
> > かわからぬ」という前提に立つことが重要です。
> > 気管挿管崇拝論も、気管挿管絶対反対論も、どちらも不要です。
> > 「何もわからない」という認識こそが大切な第一歩です。
その通りであると思います。
> →おっしゃることに,ナルホドと思いました。
> しかし,そこから次にわからなくなったのです。
> 「気管挿管が有用であるか否かというエビデンス」をそもそも得ることが
> 可能なのだろうか?と。
「気管内挿管が吉か凶かわからぬ」という前提の元、optionとしての
気管内挿管の技術を救命士が行使しうる環境が必要なのだと思います。
気管内挿管の有用性のevidenceがある、ないという議論を、"文字通りの
意味において"したところで、「気管内挿管は他のair wayと比較して
より有効な気道確保の方法である」という結論は導けないのではないかと
思いますし、その結論を出すために、躍起になる必要もないのではな
いかと思います。
以下に、他のMLに送ったmailの一部を引用いたします。一部改変して
あります。
メディカルコントロールと気管内挿管に関する話題についてです。
----------------------------------------------------------------
長文です。何を当たり前のことを・・・とお思いになるかもしれませんが、
ご容赦ください。
・・・中略・・・
非常に、安定した場所で処置を行うことが
でき、その後の移動も考えないならば、どのような方法をとっても、
気道確保を確実に行うことができると考えます。(もちろん、嘔吐、気道の
不完全閉塞、もしくは狭窄など、いろいろなケースはあるでしょう。
しかし、そのようなケースは、それほど多くないであろうと思います。)
救急隊の方の熟練したバッグマスク換気で十分であるとも思います。
ですから、どんなに時間をかけても、労力を費やしても、そこに有用性が
あるという結論は出てこないと思うのです。
しかし、やはり、確実性、移動などのことを考えると、やはりバッグマスク
ではなく、気管内挿管、またはEOAでの気管内挿管は必須といえます。
とくに、移動、処置のスピードを考えたときに、気管内挿管が最適である
ことは周知の事実であるといってもいいでしょう。先ほど書きましたように、
嘔吐などの状況では、気管内挿管の確実性は絶大です。(先日、吉田での
救命士の方々と飲み会でもその思いを強くしました。)
つまり、気管内挿管が、EOAに比べて有用であるかどうか・・・ではなく、
もし、するのであれば、現場においてどれだけ重要であるかに関する
studyが必要であると思います。このようなstudyを行うのは、その内容から
いっても、容易なことではないでしょうけれど、そんなstudyを誰かやって
くれないかなーという受け身では話は進まないと思います。
このようなstudyを、日本で、あるいは地域で、医師と救急隊、そのほかの
スタッフが共同して行い、結果を残すことができればすばらしいなと
思います。私の、今後の課題でもあります。
気管内挿管問題は、メディカルコントロールのほんの一部でしかありません。
私見ですが、気管内挿管が許可されることによってのみでは、救命率の
大幅な向上は得られないと思っています。しかし、救急救命士の施行する
ことができる手技の幅が広くなることで、状況に応じての選択の幅が広がって
いきます。救急救命士に求められるのは、手技ができるのはもちろん、その
手技の中から状況に応じ適切な手技を選択する(「しない」という選択を
含めてです。)ことのできる余裕を持つことだと思います。
----------------------------------------------------------------
以上です。長文失礼いたしました。
From: 中村利仁(医師)
Date: Fri, 15 Mar 2002 04:02:51 +0900
Subject: [eml-nc2: 1194] Re: 気管挿管に関する文献調査
鈴木さん、生垣さん、畑中さん、みなさん、こんばんは。
中村@町立中標津外科(4月からは東北大医療管理学)です。
データの統計学的検討については、自分は今のところ素人ですので、コメントする
立場ではなかったのですが、dicision makingに話題が降りて来ましたので、参加さ
せて下さい。
まず、みなさん、御自身がメディカル・ディレクターであったとして、優劣が明ら
かでないいくつかの選択枝があったなら、どのようにプロトコールに採用するのか、
その手続きを考えて下さい。
…よろしいですか? 御自分なりの答えを用意して下さい。
〜 〜 〜 〜 〜
(鈴木さん)
> 「気管内挿管が吉か凶かわからぬ」という前提の元、optionとしての
> 気管内挿管の技術を救命士が行使しうる環境が必要なのだと思います。
いくつかの戦略があったとして、その取捨選択を行う時、まず考えて頂きたいのは、
それらの戦略が、互いに独立しているのか、排他的であるのか、ということです。
互いに独立した戦略とは、ひとつの戦略を採用しても、同時に他の戦略をも採用で
きることを言います。対して排他的とは、ひとつの戦略を採用することによって、自
動的に他の戦略が棄却されることを言います。
器具による換気を例に考えるなら、マスク、LMA、WB、挿管チューブ…etcは、
一人の患者さんについては、排他的戦略であるように見えます。必ずどれかを選択す
る必要があります。
が、アルゴリズムやプロトコールのようなdicision treeを考えた時には、どれか
一つでも、二つでも、全部でも、プロトコールに残すことはできるわけです。従って、
実は独立した戦略であると言うことができます。
もちろん、これは理想状況で、私達が限定された資源=予算などを使用している以
上、独立戦略の中からいくつかを棄却することを迫られることはあります。
その際に注意すべきなのは、棄却された戦略でしか対応できない状況が起きる場合
があるのか否かということです。全くのお手上げ状況が生じないでしょうか?
挿管チューブでしか生存をはかることができない患者さんがあったとしたら、挿管
チューブを排除するということは、その患者さんは必ず死ぬということを意味します。
逆に、挿管しか認めないということであれば、挿管不可能の方は死ぬしかありませ
ん。
資源は集中によって効率性が上がりますが、しばしば、冗長性を確保することが重
要な局面も出現します。これを過剰適応の防止と呼びます。
> 気管内挿管の有用性のevidenceがある、ないという議論を、"文字通りの
> 意味において"したところで、「気管内挿管は他のair wayと比較して
> より有効な気道確保の方法である」という結論は導けないのではないかと
> 思いますし、その結論を出すために、躍起になる必要もないのではな
> いかと思います。
資源が極めて希少であれば、一見独立した戦略であるにも関らず、そのうち一つの
戦略しか採択できないという排他性が生じる不幸に見舞われることもあります。
そうでないのなら、どういう状況でどの戦略を採用するのが適切であるのか
をresearchすることが、プロトコールにとってはより重要になります。
以上、自分が正解であると言って譲らないつもりはありません。
みなさんのお考えはいかがでしたか?
〜 〜 〜 〜 〜
(鈴木さん)
> 嘔吐などの状況では、気管内挿管の確実性は絶大です。(先日、・・での
> 救命士の方々と飲み会でもその思いを強くしました。)
…おそろしい飲み会ですね。
> つまり、気管内挿管が、EOAに比べて有用であるかどうか・・・ではなく、
> もし、するのであれば、現場においてどれだけ重要であるかに関する
> studyが必要であると思います。このようなstudyを行うのは、その内容から
> いっても、容易なことではないでしょうけれど、そんなstudyを誰かやって
> くれないかなーという受け身では話は進まないと思います。
付言させて頂くなら、ひとまずはスタンダードを決めることにはなるであろうと思
います。…自分なら、人口密集地=搬送時間が短い地域ではマスク、過疎地では(い
ろいろな理由から)挿管にすると思います。何らかの理由でスタンダードから外れた
場合について、工夫していくことでしょう。…当然、違うスタンダードがあってもい
いと思います。重要なのは、データを集積し、公開して、定期的に見直しをすること
の方です。
> 私見ですが、気管内挿管が許可されることによってのみでは、救命率の
> 大幅な向上は得られないと思っています。しかし、救急救命士の施行する
> ことができる手技の幅が広くなることで、状況に応じての選択の幅が広がって
> いきます。救急救命士に求められるのは、手技ができるのはもちろん、その
> 手技の中から状況に応じ適切な手技を選択する(「しない」という選択を
> 含めてです。)ことのできる余裕を持つことだと思います。
おっしゃる通りですね。
-- Toshihito"rijin"Nakamura MD 中村 利仁
From: Q(救急隊員)
Subject: [aml.18507] 救急救命士も気管内挿管OK
Date: Fri, 15 Mar 2002 07:33:11 +0900
Q@・・消防です。
本日6:41分にこのような記事が出ました。
ご覧になって下さい。
救急救命士も気管内挿管OK 厚労省、大臣告示改正へ
http://www.asahi.com/national/update/0315/004.html
Date: Fri, 15 Mar 2002 07:41:10 +0900
From: 石森文朗(診療放射線技師)
Subject: [ibarakiems.1877] Re: 救急救命士も気管内挿管OK
私もこの記事を見つけまして、ここに流そうかと
目論んでましたが、先を越されてしまったようです(笑)。
この記事でひっかかるのが、ここの部分。
>患者が心肺停止状態で、医師からの指導が受けられるときなどに限定する。
なんで、こんな余計な限定を入れるんでしょうね。
一歩前進ということで喜ぶべきことなのでしょうが。
石森文朗@聖麗メモリアル病院
From: 市川高夫(救急隊員)
Date: Fri, 15 Mar 2002 07:43:40 +0900
Subject: [niigata.1674] Re: 救命士法改正?
On Thu, 14 Mar 2002 23:19:08 +0900
Mr.or Ms. "sakatsu" wrote:
> 「救命士の気管内挿管、条件付き容認へ」
>
> 14日の参院予算委員会で「救命士の挿管問題」に関して、
> 各委員からの質疑(ニュースでは2人?民主と自由?)で、坂口厚生労働大臣
> (医師有資格者)は限定的に認める考えを明らかにしたとのこと。
>
> なお、総務大臣は前向きに検討してほしいと厚生労働省に要望の答弁。
私にとってはいい情報です。
けっこう敷居が高い条件になってもやむを得ないと思います。
それが、今後の病院研修や各教育機関での教育レベルや内容に
反映されればいいと思いますし、できない地域では市民から
何が不足していてその地域ではできないのかの自治体や
医師会への働きかけへと良い方向へいくきっかけになると
考えます。
---------------------------------------------
市川高夫 済生会新潟第二病院 麻酔科
From: 市川高夫(救急隊員)
Date: Fri, 15 Mar 2002 08:12:12 +0900
Subject: [niigata.1675] Re: 有用性示す文献なし
On Thu, 14 Mar 2002 22:49:57 +0900
Mr.or Ms. Jun Suzuki wrote:
> 新潟県全体のメディカルコントロールについては、概説できるほどの
> 知識は持ち合わせておりませんが、長岡でのメディカルコントロール、
> 〇〇での・・・、〇〇での・・・というのは少しわかったような
> 気がします。
>
> もちろん、内容は地域によって様々、充実の具合も違っているわけ
> ですが、これらの地区では、医師と救急隊を結ぶラインが非常に
> 細かったように思います。指示という点だけでなく、講習会、
> 勉強会という点においても・・・です。
当初長岡でまがりなりに関った経緯から考えると、やはり医師の働きかけ
医師の意識がその地域の救急の熱意にもろ、反映すると思います。
当時の長岡が恵まれていたのは(昭和56,7年頃)、お亡くなりになって
しまわれた和田外科部長(当時)が積極的に救急対応に力を入れられたことと
考えています。(彼が生きていて新潟全体の救急をいえるようになって
くれていたらもう少し新潟も変われる可能性があったかもしれないと
思っています)
当時新潟では専門病院群構想という交通外傷はどこどこ(長岡地区では日赤)、
心疾患関係はどこどこ(同じく立川)、小児はどこどこ(同じく中央)という
様に上中下越で専門にみる病院を決めて救急をやっていたんです。
その方法では全身疾患をみるという場面からは程遠く(これが全国的な
救命センターとして昭和44年頃から他の都道府県では作られていた)、
和田先生が県や、国と掛け合って日赤に県内初の救命センターを
認可してもらったわけです(これが昭和57年)。
国からは新潟はこれからですかと、イヤミをいわれたと和田先生から
聞いています。
この時麻酔科医も必須ということで、私が一人だけの麻酔科医として
日赤にいきました。
日赤が動くと中央、立川も一緒にまけないようについて来ました。
3病院と消防との話し合いも定期的に開かれました。
和田先生は消防に、こまれば日赤に連れてこいと言い続けていまして、
それからの長岡での電話での受入先選定はほぼ一発の電話で98%程度
決っていたと思います(もちろん心疾患の立川の働きもありました)。
そのころから消防から教育についてのお願いもあり、数回消防の建物で
基礎の代謝から、ショックやその他の病気の病理などを講義もしましたね。
消防からの働きかけもあり、病院内での研修も定期的に行われるようになり、
かつ高校(長岡高校)での医師数名と消防署員3名での一学年400名程度を
一度に(7グループに分け)救命講習を5年以上(何年続いたんでしたっけ?)
行っていました。
救急の熱意を変えるのは救急隊からという秋田の例もありますが、どちら
からでもいいと思います。
救命士でも医師でも、もちろん数ヶ月で一緒になります。
どちらがかけてもうまく機能しないと思います。
数百例で一例の気管内挿管必須例くらいしか気管内挿管の適応は
ないかもしれません。
(個人的には中枢疾患でなく、外傷の一部と、若い成人の心疾患による
心停止例を想定しています)
これが限定付きでも行える可能性があるとすると、病院研修や学ぶ姿勢にも
自ずとさらに専門家としての責任と向上するべき姿勢が求められます。
この方の効果が好ましいと考えています。
おそらく指示なし除細動も限定付きでもいいから認可されて欲しいと
思います。
鈴木先生もこれから行く地域でよき指導者になられてください。
私の時代はもう終わりに近づいています。
ポスト○○先生、ポスト市川の新しい広く新潟県全体を見てくれる
救急に明るい、親しみのある、救命士と一緒に歩ける医師を新潟県で
探して欲しいと思います。
---------------------------------------------
市川高夫 済生会新潟第二病院 麻酔科
From: 上杉雅文(医師)
Date: Fri, 15 Mar 2002 08:33:22 +0900
Subject: [ibarakiems.1880] Re: Re: 救急救命士も気管内挿管OK
茨城EMSのみなさん
高萩協同上杉です
救命士の気管内挿管が認められる方向ということ、よろこばしいとおもいます。
私の意見は、石森さん@聖麗メモリアルさんと少しことなるので、ここに述べさせて
いただきます。
「患者が心肺停止状態で、医師からの指導が受けられるときなどに限定する。」
に関してですが、救急の現場のようにCRITICALな判断を必要とするところでは、やは
り、BACK UPのアドバイザーを確保する事がのぞましいとおもいます。急いでいれば、
なおさらと思います。
大切なことは、救命士の相談に乗れる医師の養成(自分自身もまだ不十分と思います)、
救命士の研修体制の整備と思います。
みなさんの御考えはいかがでしょうか。
From: 北原(救急隊員)
Subject: [aml.18509] Re: 救急救命士も気管内挿管OK
Date: Fri, 15 Mar 2002 09:53:00 +0900
Q@・・消防さん、初めまして。皆さん!おはようございます。
北原@高遠消防です。
私も、今朝のニュースで挿管Okを聞きました。
今後、法的整備や各実施基準などの整備が進められるのでしょうが、私のように田
舎の山の中で救急件数が少ないところでも、住民の方々にすれば出来て当然とみら
れるようになっていくのではないのでしょうか?とても不安です。
ましてや、病院との研修問題や消防側の救急に対する理解度の低から、いくら自分
らの研修を高めようとしても、真意が伝わっていかず悔しい思いで日々を過ごさざ
るを得ないところがまだまだあると思います。もっと計画的に研修をうけてまた、
業務に対するフィードバックも受けられるようにしたいのですが・・・・・。
消防庁ももっと取り組みについての研究を行い、田舎と都市部との違いを理解し、
消防という組織への指導を考えて欲しいと思います。自分たちだけが努力をしてみ
ても、しかるべき動きというものになっていかないのが組織だと思います。そこを
じっとお願いしながら我慢していても後回しになるのはやむを得いないものなので
しょうか。厚生労働省側の動きに田舎も連動できるように考えて欲しいところで
す。
自分らでも、迷いながら上司に働きかけをしてもいるのですが、大半は「救急のこ
とは、わからないから!」と取り合って貰えない実情もあるのです。
皆さんの所は、如何でしょうか?改正によって不安はないでしょうか?ご意見をお
聞きしたいと思います。
From: 鈴木 全(医師)
Subject: [eml-nc2: 1201] Re: 気管挿管に関する文献調査
Date: Fri, 15 Mar 2002 10:13:51 +0900
鈴木全@新潟県立吉田病院です。
中村さん、みなさん、おはようございます。
中村さん、貴重なご意見をありがとうございました!これを機にじっくり
考えていきたいと思います。よろしくご教示ください。
2002年03月15日10時04分ころ
""Toshihito\"rijin\"Nakamura MD 中村 利仁さんから、いただいた
"[eml-nc2: 1194] Re: 気管挿管に関する文献調査" より引用いたします
> 資源は集中によって効率性が上がりますが、しばしば、冗長性を確保することが重
> 要な局面も出現します。これを過剰適応の防止と呼びます。
> 資源が極めて希少であれば、一見独立した戦略であるにも関らず、そのうち一つの
> 戦略しか採択できないという排他性が生じる不幸に見舞われることもあります。
>
> そうでないのなら、どういう状況でどの戦略を採用するのが適切であるのか
> をresearchすることが、プロトコールにとってはより重要になります。
今は、手術前ということで、時間がありませんので(^-^ゞじっくり考える
時間はないのですが、私がいいたかったことが要領よくまとまっていると
感じます。
私のmailから、それが読みとれなかったとしたら、私の文章の稚拙さ
ゆえと考えます。
> > 嘔吐などの状況では、気管内挿管の確実性は絶大です。(先日、・・での
> > 救命士の方々と飲み会でもその思いを強くしました。)
>
> …おそろしい飲み会ですね。
誤解です(笑)。
気管内挿管の必要性について、現場の叫び声を聞いていました。
> 付言させて頂くなら、ひとまずはスタンダードを決めることにはなるであろうと思
> います。…自分なら、人口密集地=搬送時間が短い地域ではマスク、過疎地では(い
> ろいろな理由から)挿管にすると思います。何らかの理由でスタンダードから外れた
> 場合について、工夫していくことでしょう。…当然、違うスタンダードがあってもい
> いと思います。重要なのは、データを集積し、公開して、定期的に見直しをすること
> の方です。
おっしゃるとおりです。全国一律で進む話では無いと思います。
そのスタンダードの設定がいかに難しいか。最終的な結論へ至る戦略を立て、
いくつかのスタンダードを設定したstudyが必要になるのですよね。
今までの議論でも、皆さんがいろいろな角度からの意見を述べていらっしゃ
います。最終目標は同じように読みとれますが、スタンダードの設定に
苦慮し、有効な議論が行われていないように感じます。
dicision makingの件につき、もう少し時間をかけて、考えを整理したいと
思います。
では
From: B(医師)
Date: Fri, 15 Mar 2002 11:23:02 +0900
Subject: [eml-nc2: 1202] Re: 気管挿管に関する文献調査
・・病院の・・です。
まだasahi.comのサイトを見ていませんが、今朝の朝日の一面に踊る
「救急救命士 気管内挿管を容認 厚労省 世論の高まり受け」
の見出しや、記事の中での医政局のコメントとして掲載された
「国民の声のたかまりを受けた」
は、マスメディアに掲載される情報としては、あまりにも言葉足らずで
情けなく思います。自分で言うのも何ですが、私の生意気投稿の方が
余程マシだと思います。
プレホスピタルでの気管内挿管の有用性について、ふと思ったのですが、
例えば救急救命士による気管内挿管の是非を検討するにあたって、
患者転帰をエンドポイントとすることが不可欠なのでしょうか。
生垣さんがお書きになった疑問を、私も全く同様に感じました。
背景因子が膨大で、有意差を見出すためにあまりにも多くのnと時間と
労力を必要とするスタディがなくてはならないなのでしょうか。
プレホスピタルでの気管内挿管が有用であるかどうかを検討するのでは
なく、確実にチューブを気管に挿入することができ、気管内挿管以外の
気道確保オプションも柔軟に選ぶことができて、さらに気管支挿管や
事故抜去を予防し、かつ発見することができるなどの広範な知識と技能
を身につけるだけの教育体制とMC体制が築けるのかという検証では
不充分でしょうか。
あわせて、喉頭展開に伴う合併症やスタイレットの誤使用に伴う損傷
などの検討も必要でしょう。これらは、秋田や酒田での検証を厳密に
行うことで、貴重な資料が得られると思います。そのような検討が
出来るだけの詳細なデータも残されないままで違法行為が行われて
いたのであれば、もしくは検討もしないままに違法行為を追認するよう
な決着は、あまりにも安易に過ぎると思います。
「何でもあり」を朝日や厚生労働省は認めるとでもいうのでしょうか。
「気管内挿管がいいにきまっている」という問題と言うよりは、気管内
挿管を含めた救命処置の能力を誰に求めるか、その能力の評価を誰が
どのようにして行うのか、さらには、そのコスト負担をどうするのか、
という問題ではないかと感じています。
それが[eml-nc2: 0998] 「長い道のり」で山本さんがお書きになった
ことではないでしょうか。
「遠い夜明け」を思い出しました。長く牢獄に繋がれていたネルソン・
マンデラが大統領に選出され、無血の政権移行による夜明けを迎えて
鳥肌が立つような歴史を見せてくれた迎えた南アは、今も苦しんでいます。
私たちはどのようにして歴史を作ろうとしているのでしょう。
From: 金子高太郎(医師)
Subject: [eml-nc2: 1203] 病院前救護における気道確保法 ー気管挿管とEBMに基づいた一考察
Date: Fri, 15 Mar 2002 12:10:35 +0900
県立広島病院救命救急センター 金子高太郎です。
救急救命士による気管内挿管の是非が問われていますが、教育・検証などの確立
の後に行うべきと考えます。このためには、救急救命士による病院特に手術室で
の実習が不可欠です。
厚生労働省が第一に行うべき判断は、救急救命士による気管内挿管を認めること
ではなく、救急救命士など直接重症患者に医療を行うものに病院での実習を義務
づけ、かつそれが行える法整備や環境調整を行うことです。歯科医師の麻酔科や
救命救急センターでの研修も同レベルの問題であると思います。
以下に論拠をまとめてあります。ご参照ください。
中川隆、谷川攻一、金子高太郎、美濃部堯:病院前救護における気道確保法 ー
気管挿管とEBMに基づいた一考察:日本医事新報 4063.75,2002
尚、この論文の要旨の一部は、厚生化学研究費補助金(医療技術評価総合研究事業)による「病院前救護の向上に関する研究(第一、第二、第三次研究報告書)」に収載され、平成12年5月「病院前救護体制のあり方に関する検討会報告書」において参考資料として報告されました。
From: 鈴木 全(医師)
Subject: [eml-nc2: 1204] Re: 病院前救護における気道確保法 ー気管挿管とEBMに基づいた一考察
Date: Fri, 15 Mar 2002 12:50:19 +0900
鈴木全@新潟県立吉田病院です。
金子さん、みなさまこんにちは。
> 中川隆、谷川攻一、金子高太郎、美濃部堯:病院前救護における気道確保法 ー
> 気管挿管とEBMに基づいた一考察:日本医事新報 4063.75,2002
ちょうど、昨日拝見したところです。
大変よくまとまっている論文であると思います。参考文献のNo.46に
あがっている、文献の、不適切な気管内挿管の発生率のデータは
恥ずかしながら、知りませんでした。
2002年03月15日12時29分ころ
"KANEKO Kotaro"さんから、いただいた
"[eml-nc2: 1203] 病院前救護における気道確保法 ー気管挿管とEBMに基づいた一考察" より引
用いたします
> 救急救命士による気管内挿管の是非が問われていますが、教育・検証などの確立
> の後に行うべきと考えます。このためには、救急救命士による病院特に手術室で
> の実習が不可欠です。
手術室での実習が不可欠であることは理解できます。いくら、マネキンが
発達しても、(いいかたが適切ではありませんが)生身の人間を使った
訓練は必須であるでしょう。
この点についても、上手に患者様となりうるすべての人に理解して頂く
必要があります。
> 厚生労働省が第一に行うべき判断は、救急救命士による気管内挿管を認めること
> ではなく、救急救命士など直接重症患者に医療を行うものに病院での実習を義務
> づけ、かつそれが行える法整備や環境調整を行うことです。歯科医師の麻酔科や
> 救命救急センターでの研修も同レベルの問題であると思います。
文面通りの意味で理解したいと思います。
実習の行える環境を、まず整備し、検証し、それから現場でのデータ収集
へと移るべきであるという方法論は正しいと思います。
以上のことをふまえまして、ここ2ヶ月ほどの報道、それによる、世論の
変化を考えますと、「気管内挿管を認めるべきである」という世論のみが
一人歩きし、それにより、国の方策が変わってきてしまうように思います。
国会での質疑の内容は、その一つの現象であるとは断言できませんが、
身の回りを見ても、世論の変化は確実に起こっています。
それは、好ましいことでもありますが、日本醫亊新報へ投稿された論文の
中で危惧されている、十分な訓練が行われていない状況での気管内挿管が
事故を引き起こし、今度は、世論が気管内挿管不要説へ傾く可能性を
秘めています。実習に関しても、理解を得られなくなるかもしれません。
いい論文、いい研究を、上手に、医療関係者以外の人々にも知ってもらわな
ければならない。そのための地道な努力が行われていますが、数分間の
放送でそれが覆されてしまいかねない(実際覆された感があります)状況で
焦燥感はつのるばかりですね。もっと、積極的なactionを起こすことが
できないのだろうかと自問自答を繰り返しています。
「条件付きで」の条件を十分に検討して頂き、慎重な発言を期していただ
きたいものです。テレビなどで、部分的に抜粋されただけではつたわらない
ことも多いのですから。今回のテレビ、新聞報道にしても、医療関係者の
方々以外には、「条件付き」という言葉は見えず、「気管内挿管が許可
される」位にしかきこえないでしょうから。
From: 西岡和男(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 1205] Re: 気管挿管に関する文献調査
Date: Fri, 15 Mar 2002 13:50:18 +0900
熊本市消防局の西岡です
報道をみていて、冷静さを欠いてはいけないことを痛切に感じています。
個人的には、厚生労働省の発言としては、「MCの構築の上の拡大」という
基本路線に基づいての発言と解釈したいと思っているところです。
PCの問題で参議院予算委員会のインターネット映像が見れませんので
今夜にでも確認したいと思っています。
・・病院 BさんWrote
> 確実にチューブを気管に挿入することができ、気管内挿管以外の
> 気道確保オプションも柔軟に選ぶことができて、さらに気管支挿管や
> 事故抜去を予防し、かつ発見することができるなどの広範な知識と技能
> を身につけるだけの教育体制とMC体制が築けるのかという検証では
> 不充分でしょうか。
昨日、今日の発言が本当に、現状のまま動いてしまったら・・・・
西暦○○年、消防本部では「なんで、そんな高価な器材を使うんだ、挿管
だったら1/10のコストじゃないか。挿管チューブしか買わないから・・」
「やっぱ、挿管がかっこいいじゃん。他の方法なんてやってらんないよ。」
なーんてフィクションが頭のなかに、フッと浮かんで・・・・、あまりの
空恐ろしい空想に慌てて頭を振って消去して、目の前の仕事の山の現実に戻る
午後のひと時です。
メディカルコントロールの構築の責任を重く受け止めてます。
☆★☆ 熊本市消防局 西岡 和男
From: 佐藤克範(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 1206] Re:気管挿管に関する文献調査
Date: Fri, 15 Mar 2002 13:58:46 +0900
佐藤@新発田消防です。
西岡さん、皆さん、こんにちは。
ピンポイントレスです。
西岡さん:wrote
Sent: Friday, March 15, 2002 1:50 PM
Subject: [eml-nc2: 1205] Re: 気管挿管に関する文献調査
(中略)
> PCの問題で参議院予算委員会のインターネット映像が見れませんので
> 今夜にでも確認したいと思っています。
近日中にでも参議院のホームページで、参議院会議録
情報としての予算委員会の質疑及び答弁を閲覧できます。
なお、今現在平成14年3月11日分までですので、
注目の平成14年3月14日の参議院予算委員会の議事録は作成中です。
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/kaigiselect.html
(↑参議院会議録情報)
http://www.sangiin.go.jp/
(↑参議院HP)
それでは。
「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「
佐藤克範
中条消防署(新発田地域広域消防)
」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」
From: 向井嘉浩(救急隊員)
Subject: [aml.18511] Re救命士も気管内挿管OK
Date: Fri, 15 Mar 2002 15:57:39 +0900
北原@高遠消防さん、 Q@・・消防さん、
皆さん、京都むかいです。
(中略)
私も今朝聞きました。さきほど秋田の職員と電話でやりとりしましたが、特に今回
の決定について肯定も否定もせず、多くを語ることなく短い会話で終わりました。
「国民の声」に押し切られた形でとりあえず方針が示されましたが、「やらしてやる
から心してかかれ!」とばかりにかなり厳しい法的整備や各実施基準などが進められ
る感も個人的にもっています。
来月の臨床救急医学会ではそれぞれの思惑の第一波がでてくるでしょうし、それも楽
しみとして参加する予定です。
向井 嘉浩
京都市伏見消防署
Subject: [aml.18513] 救命士も気管内挿管OK
From: 昆野 誠
Date: Fri, 15 Mar 2002 21:15:53 +0900
向井さん、みなさん、こん○○は
昆野@気仙沼消防です。
ずいぶん久しくのレスになります。
気管内挿管OKについて、私も今朝、新聞で拝見しました。
何だか、素直に喜んでいいのやら、どうなのやら・・・
複雑な心境でいます。
>「国民の声」に押し切られた形でとりあえず方針が示されましたが、「やらしてやる
>から心してかかれ!」とばかりにかなり厳しい法的整備や各実施基準などが進められ
>る感も個人的にもっています。
私も向井さんと同様な感じを抱いているからでしょうか・・・?
〇★〇☆〇★〇☆〇★〇☆〇★〇(^_^)v
昆 野 誠
●☆●★●☆●★●☆●★●☆●(^^)/~~
From: 河野 満(救急隊員)
Subject: [aml.18514] 救命士も気管内挿管OK
Date: Fri, 15 Mar 2002 22:13:33 +0900
河野@所沢消防です。
気管内挿管について進展があったようですね。
「国民の声」に押し切られたとは、正にその通りだと思います。
世の中の動きは、医学的な必要性よりも「国民の声」の影響が大でしょうから・・。
その意味では、ここにいる多くの皆さんががっかりした「Nステーション」の
功績?が大きいのでしょう。
「国民の声」的には、挿管ばかりがクローズアップされている様な気がします
が、除細動と挿管だけ認めてシャンシャン、あたりを落しどころとされないよ
うにして欲しいものです。
挿管だけでは救命率が上がらないのは明らかです。まず挿管ありきでなく、何
が傷病者に必要か?何を成さねばならないか?そのためには(実行するには)
どうすべきか?から、再びスタートを切るべきだと思います。
☆★○●◎◇◆□■△▲▽▼
所沢市東消防署
救急救命士 河野満
☆★○●◎◇◆□■△▲▽▼
From: 長岡敏信(救急隊員)
Subject: [aml.18517] 指示なし除細動もOK
Date: Fri, 15 Mar 2002 23:28:58 +0900
みなさん、こんばんわ。
長岡@ELSTA九州14thです。
さきほど、下記のような記事をみつけました。
「電気ショック器具使用も医師の指示なしで」(22:54)
厚生労働省は15日、医師の指示がなくても、心停止した患者に電
気ショックを与える器具の使用を救急救命士に認める方向で検討を
始めた。坂口力厚労相が同日、参院予算委員会で明らかにした。
http://www.asahi.com/national/update/0315/035.html
一連の気管内挿管の報道以来、めまぐるしく変わっていく救急救命
士事情。
なにか不安を感じるのは私だけではないですよねえ。
うまく言えないのですが、「時期尚早」としてきた厚生労働省が一
転して気管内挿管を認め、さらには指示なし除細動まで容認する方
向で検討されてます。おそらくメディカルコントロールの体制下に
行うことが条件なのでしょうが、焦る余りに形だけのメディカルコ
ントロールで本当に検証体制が確立されるのでしょうか?
「救急救命士の処置拡大」という大きな波にぶち当たっていくかの
ように国家試験に挑む私たち。「国家試験合格!」という大きな
壁、目標の先に更なる大きな壁があることは間違いありません。
ひょっとすれば研修所のカリキュラムも変更されるかもしれませ
ん、「ライセンスを取得してからが、本当の戦いなのだ」と感じて
おります。今は国家試験合格に向けて全力投球ですが、何か複雑な
気持ちを感じているのも私だけではないですよねえ。
なにか独り言のようになってしまいましたが、ELSTAのみなさ
ん、国家試験まであと一週間、私も含めて全員合格に向けて頑張り
ましょう!
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
下関地区広域行政事務組合
北消防署
長 岡 敏 信
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
From: 大貫 肇(救急隊員)
Subject: [aml.18519] Re: 指示なし除細動もOK
Date: Sat, 16 Mar 2002 02:16:15 +0900
長岡さん 皆さん、こんにちは
大貫肇@相模原消防?%九州研修生です。
独り言返し!
国会中継と新聞報道になんとなく納得できないなにかを感じ
ている今日この頃です。
動き出してしまった歯車は止まることが出来ませんね。
前に進むだけです。
しかし本当に何人の医師が真剣に私たちの活動を検証し
てもらえるのかという部分では、皆さんはどう期待できるのでし
ょうか?
救急医療に真剣な医師はたくさんいても、救急隊員の教育
に真剣な医師は、一体何人いるのでしょうか?また医師の
救急隊員教育に真剣に答える救急救命士は一体何人いるの
でしょうか?
研修所で教授が通報内容に左右されず、毎回除細動器を持って
いっている先輩がいるところ?と聞かれて
200人中たった4名しかいない現実に先輩方はどうこの記事は感じ
これから国試を受ける私たちはどう感じたのでしょうか?
(中略)
では
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
大貫 肇
相模原北消防署 本署 救急隊
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
From: Q(救急隊員)
Date: Sat, 16 Mar 2002 08:45:14 +0900 (JST)
Subject: [ibarakiems.1881] オンライン指示無し除細動OKも
Q@・・消防です。
以下の記事が出ましたのでご覧下さい。(22:54)
電気ショック器具使用も医師の指示なしで 厚労省検討
http://www.asahi.com/national/update/0315/035.html
From: 小幡 登(救急隊員)
Date: Sat, 16 Mar 2002 11:23:29 +0900
Subject: [ibarakiems.1882] Re: [ibarakiems.1880] 救急救命士も気管内挿管OK
上杉さん、石森さんこんにちは。救命士の皆さん救命処置拡大
おめでとうございます。救命士でない小幡@水戸消防です。
厚生労働省が気管内挿管・指示無し除細動に関する検討に入った
という報道は、ショッキングなことでした。これで、酒田・秋田市の努力は
報われたと思います。これが今までは、東京を中心とした動きで政府の
意思決定がされていたことが、地方の消防職員の活動により国が動い
たことに意義があると考えます。(いばらきEMSの影響は無かったかな?)
酒田市の消防長がこの問題をディスクロージャーとして、隠蔽しなかった
ことが良かったのではないかと思います。(酒田市消防長に拍手)
> 救急の現場のようにCRITICALな判断を必要とするところでは、やは
> り、BACK UPのアドバイザーを確保する事がのぞましいとおもいます。
> 急いでいればな おさらと思います。
> 大切なことは、救命士の相談に乗れる医師の養成(自分自身もまだ
> 不十分と思います)
>救命士の研修体制の整備と思います。 みなさんの御考えはいかがでしょうか。
上杉さんのお考えはベストです。しかし現状は上杉さんのような医師が少ない
ですから、どうしても地域限定となって、同じ日本国でありながら自治体により
サービスが異なり、T市では助かる傷病者もM市では死んでしまうというような
不公平が出来てしまうのです。是非とも全国一律の行政運用を望みたいもので
す。先日のテレビ朝日で医師会の代表が、「救急現場で医療行為をしたいのなら、
消防署で医師を雇えば良い」と述べられていましたが、現状を見れば論外なこと
だと思います。医師会と行政はもっと救急業務について話し合うべきだと思います。
石森さんのご意見
> 「患者が心肺停止状態で、医師からの指導が受けられるときなどに限定する。」
は現実の問題として垣根を高く作ってしまうと、数年後なかなか法令を改正するこ
とに時間が掛かったり、現場でのハイレベル?救命士のジレンマを作ってしまうの
ではないかというお考えでの意見と思います。できれば、限定をアメリカのように
技能のレベルに応じて、段階的に解除していくべきと思います。
救命士の皆さんがんばって下さい。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
小幡 登 水戸市消防
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
From: 鈴木啓之(救急隊員)
Date: Sat, 16 Mar 2002 22:23:18 +0900
Subject: [aml.18527] Re: 指示なし除細動もOK
大貫さん皆さんこんちは鈴木@大阪市です。
おおかたの意見は丸山さんと同じです。
"大貫 肇まして"は書きました
> しかし本当に何人の医師が真剣に私たちの活動を検証し
> てもらえるのかという部分では、皆さんはどう期待できるのでし
> ょうか?
> 救急医療に真剣な医師はたくさんいても、救急隊員の教育
> に真剣な医師は、一体何人いるのでしょうか?また医師の
> 救急隊員教育に真剣に答える救急救命士は一体何人いるの
> でしょうか?
→大貫さんの地元にも大貫さんの熱い気持ちに答えてくれる医師は必ずいるはずです。
救急隊員の中に医師に検証してもらいたいと思っている隊員がいることを伝える努
力も必要だと思います。草の根の努力でがんばりましょう!
:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;
大阪市消防局阿倍野消防署
鈴木 啓之
From: 市川高夫(医師)
Date: Sun, 17 Mar 2002 10:02:46 +0900
Subject: [eml-nc2: 1228] Re: 参院予算委審議(気管挿管)ウェブに―札幌の松原さん読んで
On Sun, 17 Mar 2002 00:06:54 +0900
松原 wrote:
mattsu> 松原@市立札幌です
松原さんの日々の努力、苦悩されておられることに
本当に敬意を表します。
mattsu> ところで、新たな処置拡大を誰が教育するのでしょうか。
mattsu> ある関係者曰く「救急救命士は病院で研修出来るのかなー。業の場所は救急車
mattsu> 内とその近辺だろう」といったという話をききました。
法的には確かにその記載なんですが、実際の運用ではこれでは
こまった事だと日ごろから思っておりました。
意味のある行為ができるために、厚生労働省の現実的な対応を
期待したいです。
(中略)
是非、全国のこれからの日本の救急の先を見ている多くの救命士や
若き救急医のためにもご自身の信ずるところを実行されることを
期待します。(レベルは違いますがとても他人事には思えません)
それが、最後には広く日本の国民・市民が多くの先進国や韓国などと
同じレベルの恩恵を享受できることにつながるのではと、私は思います。
蛇足ですが、カーネギーの書かれた中でリンカーンの言葉を最後に・・。
「もし私が私に寄せられた全ての攻撃文を読むくらいなら、まして
返事を出すくらいなら、この事務所を閉鎖して、何か他の仕事を
始めた方がましだ。私は私が知っている最良を、私がなしうる最善を
実行している。それを最後までやり続ける決心だ。そして最後の結果が
良ければ、私に浴びせられた非難などは問題ではない。もし最後の
結果が良くなければ、十人の天使が私を弁護してくれたところで、
何の役にも立ちはしない。」
マッカーサーやチャーチルまでもこの文を自分の机の前に
貼っていたといいます。
----------------------------------------------------
市川高夫 済生会新潟第二病院 麻酔科
From: 澤田 清(救急隊員)
Subject: [ibarakiems.1883] Re: 救急救命士も気管内挿管OK
Date: Sun, 17 Mar 2002 13:32:58 +0900
上杉さん、澤田@北茨城消防です。
> 「患者が心肺停止状態で、医師からの指導が受けられるときなどに限定する。」
> に関してですが、救急の現場のようにCRITICALな判断を必要とするところでは、やは
> り、BACK UPのアドバイザーを確保する事がのぞましいとおもいます。急いでいれば、
> なおさらと思います。
→常時のバックアップ体制が望ましいのですが、そのMDの確保には予算が伴います
からなかなか難しいのが実情です。
> 大切なことは、救命士の相談に乗れる医師の養成(自分自身もまだ不十分と思います)
> 、救命士の研修体制の整備と思います。
→『オンラインMCは、プロトコール、研修、検証など、オフラインMC体制の充実とともに
その意義が低下することが米国の経験から知られている。』(救急医学12月号「メ
ディカルディレクターのあり方」)
救急現場での活動には長くても十数分といったところで、患者の脇に到着してから時間
を計ればさらに短い時間で、事故概要把握、受傷機転の把握、患者の観察、そして処
置、収容と行うわけですから、医師の指示、指導に時間を使うことは時には結果が良く
ないこともあります。となると、どのような状況下ではオンラインが有効なのかを地域ごと
に調べて研究し、オフラインで対応することも必要になってくるかと思います。
前置きが長くなりましたが、是非とも検証、教育研修体制にお力をお貸しいただき
たいと思います。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
澤田 清
北茨城市消防本部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From: 澤田 清(救急隊員)
Subject: [ibarakiems.1884] Re: 救急救命士も気管内挿管OK
Date: Sun, 17 Mar 2002 13:43:17 +0900
小幡さん、みなさんこんにちは。澤田@北茨城消防です。
【小幡さん】
> 上杉さん、石森さんこんにちは。救命士の皆さん救命処置拡大
> おめでとうございます。救命士でない小幡@水戸消防です。
→できれば、標準課程(U過程含む)においても処置範囲の拡大をして
ほしいと思っていますがいかがでしょうか。
特に、除細動に関しては是非とも行えるようにしてほしいと思います。
【小幡さん】
> 厚生労働省が気管内挿管・指示無し除細動に関する検討に入った
> という報道は、ショッキングなことでした。これで、酒田・秋田市の努力は
> 報われたと思います。これが今までは、東京を中心とした動きで政府の
> 意思決定がされていたことが、地方の消防職員の活動により国が動い
> たことに意義があると考えます。(いばらきEMSの影響は無かったかな?)
> 酒田市の消防長がこの問題をディスクロージャーとして、隠蔽しなかった
> ことが良かったのではないかと思います。(酒田市消防長に拍手)
→そうですね、中にはその逆で、やれていないこともやれていると公言して
しまったりすることがありますが、それもディスクロージャーに反していますね。
【上杉さん】
> > 救急の現場のようにCRITICALな判断を必要とするところでは、やは
> > り、BACK UPのアドバイザーを確保する事がのぞましいとおもいます。
> > 急いでいればな おさらと思います。
> > 大切なことは、救命士の相談に乗れる医師の養成(自分自身もまだ
> > 不十分と思います)
> >救命士の研修体制の整備と思います。 みなさんの御考えはいかがでしょうか。
【小幡さん】
> 上杉さんのお考えはベストです。しかし現状は上杉さんのような医師が少ない
> ですから、どうしても地域限定となって、同じ日本国でありながら自治体により
> サービスが異なり、T市では助かる傷病者もM市では死んでしまうというような
> 不公平が出来てしまうのです。是非とも全国一律の行政運用を望みたいものです。
→一昨年の救急臨床救急医学会のシンポで、消防庁の担当者は、「処置範囲の
拡大は全国一斉です」と答えておりましたが、今でも救急医療を担当する医師の
中には「できると所からやった方がいい」という考えの方もいます。そうなると、
偽りのMC構築により実施されるところも出てきそうな気もいたしますが考えすぎ
でしょうか。
また、 国としても不公平を前提とした制度を実施するわけにもいかないでしょ
うし、私としても、やはり不公平なものにはしていただきたくないですね。
先日のテレビ朝日で医師会の代表が、「救急現場で医療行為をしたいのなら、
> 消防署で医師を雇えば良い」と述べられていましたが、現状を見れば論外なこと
> だと思います。医師会と行政はもっと救急業務について話し合うべきだと思います。
→以前にも、医師会長が「(救急車が)現場近くの開業医が合流すればいい」と言っ
ていましたが、現場がいつも医院の前でもないし、医師が今診ている患者を置い
てはいけるはずもないですから、荒唐無稽な話だなぁと思いながら、なんとも現場
を知らないにしてもちょっとひどいと思ってしまいました。
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澤田 清
北茨城市消防本部
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
From: 荒井和生(救急隊員)
Subject: [aml.18536] Re: 指示なし除細動もOK
Date: Sun, 17 Mar 2002 20:58:31 +0900
大貫さん、長岡さん皆さんこんばんは
・・消防のIです。
お二人を含め研修生のみなさん、国試までもう少しですね
あと少しですから試験直前で体調を崩したりしないように注意してくださいネ、
さて、大貫さんから
> 研修所で教授が通報内容に左右されず、毎回除細動器を持って
> いっている先輩がいるところ?と聞かれて
> 200人中たった4名しかいない現実に先輩方はどうこの記事は感じ
> これから国試を受ける私たちはどう感じたのでしょうか?
200人中たったの4人ですか??
これはどういうことでしょうか?
でも・・これがどこの所属も現在の先輩救命士の現実なんでしょうかネ?
除細動器持っていかないってことは
もしかしたら・・酸素もバックマスクも持っていかない??
どちらの所属でも「古式ゆかしき伝統の?・・・・・を信念に??」
新しい取り組み等を受け入れない先輩方が見受けられるようですね、
後輩たちはそういう先輩の背中をみて育ってるんですよね・・
いいことも、悪いこともいつも背中は見られています。
200人中ったったの4人、さて来期は何人に増えてるでしょうね
From: 上杉雅文(救急隊員)
Date: Sun, 17 Mar 2002 22:02:04 +0900
Subject: [ibarakiems.1885] Re: 救急救命士も気管内挿管OK
茨城EMSのみなさん、石森さん、澤田さん、そして小幡さんこんにちは。
高萩協同の上杉です。
先日の救命士の気管内挿管に関する意見は、自分自身、EMSにPOSTしたあと、果たし
て何が正しいのか、かんがえこんでしまいました。
そんななか、昨日杏林大学島崎先生の講演を聴く機会をもちました。
その中で、off line MCの話しが出たのですが、
私おもいました(島崎先生がいったのではありません、ねんのため)、
救命士の気管内挿管時の「医師の指導」というのを、off line MCまで拡大すれば、
より現実的な、ガイドラインとなるのではないでしょうか。
二次、あるいは一次医療圏において、救命士のMCをになう可能性のある医師あるいは
病院が、ひごろから救命士と、緊急時の蘇生につき打ち合わせをしておき、「基本的
にはon line MCが望ましいが、予想されるいくつかの場合においては現場の判断での
特定行為もやむなし」とし、その後の事後検証をしっかりと行うこと。その過程にお
いて発生した出来事については、収容先の医療機関(打ち合わせを行った)が負わざ
るを得ないとは思いますが。
というのはいかがでしょうか。
物事の進みが遅かったとしても、現代の医療従事者には、我が国における医療行為の
質を将来にわたって保証していく義務があるとおもいます。
また、除細動行為に関しての報道をみても、我が国の医療行政を司っている方たちは
なかなかの見識をもっておられるように思います。(私のようなものが言うのもおこ
がましいのですが、)
地道な意見交換をつづけましょう。
From: 鶴岡 信(医師)
Subject: [ibarakiems.1886] Re: [ibarakiems.1884] Re: 救急救命士も気管内挿管OK
Date: Sun, 17 Mar 2002 22:25:51 +0900
Qさん、石森さん、上杉さん、小幡さん、澤田さん、皆さん今晩は。鶴岡@
取手協同です。3月14日夕より本日昼まで大阪の学会に出席しており救命士の
気管内挿管、除細動に関する国会の議論をついさっき知りました。
望ましい方向に事は進んでいると思いますが、参議院の議論でも気管内挿管の
問題がほとんどであり、わずかに研修の問題が議論されておりました。しか
し、私も大事なのは上杉さん御指摘のようにメディカルコントロール体制であ
ると考えており、MC体制なくして救急救命処置の検証も行えないようでは国民
の期待にこたえるような結果は出ないのではないでしょうか。ただし、指示な
し除細動に関しましてはすでにエビデンスは十分であり現在すぐにでも行える
ようにすべきであると思います。
救命士の気管内挿管に関しましては以下のHPにeml-nc2での議論も含めて詳し
く載っております。
http://plaza.umin.ac.jp/~GHDNet/02/soukan.htm
また、以下で3月14日の参議院での議論の映像を見る事が出来ます。
(Real Playerが必要で、議論は4時間20分過ぎごろからです)
http://online.sangiin.go.jp/vod/SA200203140121.ram
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鶴岡 信
取手協同病院 脳神経外科
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