救急救命士の気管挿管問題について

【3月 3日〜】


From: 越智元郎(医師)
Date: Sun, 03 Mar 2002 00:07:42 +0900
Subject: [eml-nc2: 0925] Re: 0924 ニュースステーションをみて(酒田からのeml参加はなし)

 Bさん、皆様、愛媛大学の越智です。活発な意見交換あ
りがとうございます。

〇
Bさんは書きました(eml-nc2: 0924):
>テレ朝の報道が虚偽であるとは言えません。確かに事実を報道している
>のでしょう。しかし、このような報道の仕方はセンセーショナリズムを
>生むだけです。それに利用された酒田消防の方々は、まだ胸の内を
>吐き出されませんか?

 → eml-nc2のメンバーリストを検索する限りは酒田地区から
  の救急隊員、医師のご参加はなさそうです。

〇
 今回、eml-nc2/amlなどの論議を公開ホームページ上に収載
させていただいています。いずれもご許可をいただいた方のメ
ールを、氏名入りあるいは匿名で収載させていただいています。
しかし、ML内の非公開の意見、情報の交換がemlの交流の根幹
ですので、論議が公開に向かないとのご判断があれば、部分的
に、あるいは全部ウェブ収載はやめるように致します。この点
につきましても皆様のご指導を宜しくお願いいたします。

 それでは皆様、引き続き宜しくお願いいたします。


Date: Sun, 3 Mar 2002 00:50:55 +0900
From: B(医師)
Subject: [eml-nc2: 0926] Re: 酒田からのeml 参加はなし

・・病院のBです。

越智さん、ありがとうございました。

ううむ。これは大きな誤算だった。
いやしかし、どなたか酒田の当事者をemlに参加するように
引っ張ってきてくれませんか。

いやいや、酒田からでなくても構いません。
それに、この際だからメディアとの接し方、メディアの読み方
でもいいではありませんか。


From: 森野一真(医師)
Date: Sun, 3 Mar 2002 10:15:08 +0900
Subject: [eml-nc2: 0929] Re: 酒田からの eml 参加はなし

Bさん、中村さん、皆さん、こんにちは、森野@山形県立救命救急
センターです。一部のreplyにしかなっていないことを御容赦ください。

Bさんより:
>> ううむ。これは大きな誤算だった。

宣伝が足りませんでした。m_O_m
ただ救急隊の中には本MLを知っている人もいるはずです。
医師は誰も知らないかもしれません。

>> いやしかし、どなたか酒田の当事者をemlに参加するように
>> 引っ張ってきてくれませんか。
>
> …非公開のMLとは言え、ちと難しいかと思います。

local MLで宣伝してみます。

・・さんより
> ただ、実際にできあがった番組を御覧になって、不満の無いはずもなく、その辺、
>関係者の方のアドレスをご存知の方があれば、全く第3者の自分からでよろしければ、
>参加をお薦めいたしますが…。
(Bさんより)
>> それに、この際だからメディアとの接し方、メディアの読み方
>> でもいいではありませんか。

それも一つの目的として、localな山形救急メーリングリスト
(emyといいます)が現在稼働しております。現在70名が
登録され、救急医療に関係する方々が参加され、庄内
地区の方も参加されています。

2月23日に第4回山形救急懇話会が開催され、これまで参加されて
いなかった地区の医師(救急隊は当初から参加しています)も会
の幹事として加わることを皆さんに承認していただきました。
緊急の議題として本件を上げるべきだったのかもしれませんが、
都合もありできませんでした。

以下は、最近その中で私が発言した内容の一部です。
まだreplyはいただいておりませんが。

-----------------------quote-----------------------------

まず共通認識として、

第一に山形の救急医療を向上させ、我が国に誇れるような
救急体制を構築するためには適切なメディカルコントロール
体制の構築が無い限り不可能であること。体制の構築は地域、
県全体、さらには国全体で望まなければなりません。
ところが体制構築には5年以上、いや10年以上を要するものと
推測されます。何故か?それは一筋縄でいかない問題だらけ
だからです。それゆえ、はがゆいのですが、牛歩のごとく物事
を進めなければなりません。ところが牛歩とはいえ進むものは
進むのです。

次に、大切な事を議論する場合にはきちっとした場所と
形で議論すべきであります。そしていつでも相手を尊重
しながら議論すべきです。やけになってはいけません。 
#ML上でもかまわないと思います。個人攻撃はいりません。

山形の救急医療関係者(例えば懇話会やこのMLを通して)
はまとまる機会をすでに得ています。

マスコミ報道された関係者の皆さんは我々の仲間であって、
敵では無いです。ところが不用意なマスメディア上での発言は
誤解も生じてしまいます。

2月28日のマスコミ報道(私はニュースステーションしか見てい
ません)に対する全国の救急医療関係者の反応は嵐のようです。
熱意があっても法を無視することは許されないという否定的な
意見しか出て来ません。

マスコミ報道は短絡的で、感情論を全面に押し出させていたため、
「まず最初に謝罪があるべきではないか」という意見もあります。
昨年から謝罪しつづけた関係者にとって「まだ謝罪し続けなければ
ならないのか」という思いもあるかとお察ししますが、それが厳しい
現実のようですし、マスメディアの恐さでしょう。私は彼等の謝罪を
知っていますが、世の中には浸透していないのかもしれません。

そしてあの報道の中に欠けていたのは何か?
それは適切なメディカルコントロールと言う概念です。
これから外れた発言に我が国の救急医療関係者は誰も今振り向
いてはくれません。素人は振り向くかも知れませんが、法改正
につながるような力にはならないでしょう。

悪法の責任は誰が取るのか?理論的には国でしょう。
ところがこれまでの例をみますと国が悪法を認め当事者に謝罪する
まで数十年かかっています。(´_`;)
このスパンを考えるとばかばかしくてやってられないですが、現実は
そういうものですし、我々は悪法であればそれを変えるための戦略を
それなりに考えなければなりません。

法が破られた事が明るみに出れば、多くの場合、法は法を破った者を
守ってはくれません。またアホな法であれば破ってかまわないのか?
という問いにはやはり悪法も法というしかありません。今回の報道の
アプローチは悪法を変えるための有効な方法とは思えません。それは
厚生労働省の役人の発言を見れば明らかでしょう。

法が無ければ、システムもなく、救急医療は動きません。
法に従い、システムが機能しなければ救急医療はその役割を果たす
ことはできないでしょう。だから法とシステムは大切なのです。

法やシステムを作ったり変革するにはしかるべき裏付けと順序が
必要です。その裏づけはどこにあるのか?それは我々の法を遵守
した日々の行為の結果の中に有るのです。この10年間で救命率が
上がったと言う報告は全国平均からは伺えません。じゃあ何がいけな
いのか?10年間何をやって来たんだろう?という反省と疑問、そして
海外の研究結果も参考にした上で新しいシステムの芽が生まれてくる
のです。こういうプロセスでなければなりません。国に突き付ける
裏づけを我々は持たなければならないのです。裏づけとは動かしがたい
事実です。その裏づけとして救命士法に基づき頑張って来たこの10年間
を国につきつけたかった、というのが救急医療関係者の叫びだったのです。
この叫びが叫びでなくなってしまった事が悲しいのです。

視点を変えてアウトローに徹して世直しするという方法論もある
のかもしれませんが、少なくとも公的な立場でそれを継続することは
不可能でしょうし、確実性が無く、システムとして確立しません。
失敗すれば風当たりは強く、時には社会人としての資格を失いかねません。

---------------------unquote-----------------------------------------


From: 入江幸史(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 0930]  Re: なぜ六ヶ月間?(消防職員の救急救命士の研修期間)
Date: Sun, 3 Mar 2002 13:24:20 +0900

伊藤さんこんにちは。入江@鳥取西部消防です。
(中略)

【伊藤さん】
> そこで教えていただきたいのですが、どうして六ヶ月の期間で救命士の国家試
> 験受験資格が受けれる様に成ったんでしょうか?

→なぜ、6ヶ月に研修期間がなったのか。

 以前どなたかが、このメールに投稿されていたような記憶がありますが、確証は
 ありません、人から聞いた話です。
1)救急救命士の養成が急がれていたこと。
2)現に消防署で働いている消防職員を1年間研修に出すのは、消防組織の負担
 が大きくなること。
 などが理由にあげられたとのことです。

【伊藤さん】
> というのは、昨日から気管内挿管の是非についてコメントが出ていますが、
> 六ヶ月間で国家試験を受けれるっていうことは、
> 現場の経験とその期間を汲み取っていると思われるわけで、その経験があるか
> ら六ヶ月で良い、と言うものではないのでしょうか。
> なぜなら、救命士専門学校は二年以上の修学期間だからです。

→消防職員が救急救命士の養成所にて研修を受けるには、5年以上の実務経験
 または、救急活動を行った時間が2000時間になった職員で、救急救命士法施行
 規則の別表にある科目を、合計250時間受講している必要があります。

 また、養成所での研修時間は835時間で、期間は6ヶ月以上となっています。
 ただ、消防職員の為の救急救命士の養成所も一般的には修業年限は、1年以上
 となっていまして、特に指定された養成所が修業年限が6月以上となっています。

 特に指定された養成所とそれ以外のものに何か差があるのかといいますと、
 私が救命士法を読んだ限りではですが、差がありません。

 【伊藤さん】
> 経験は、ただ漫然と乗車していても同じ経験とみなされることでしょう。あま
> りにも曖昧で差が有りすぎます。

→ただ、漫然と救急車に乗っている隊員は少ない(いないと信じたいです。)と思い
 ますが。5年以上の経験といいましても、救急出動の多いところでは6000件から
 1万件の救急出動をするでしょうし、少ないところは600件に満たないところも有る
 でしょうね。同じ経験があるとはとうてい言えない状態かもしれません。

【伊藤さん】
> よって、現時点の気管内挿管を全ての救命士に実施させることは、やはり今の
> 制度では納得はいきません。

→私もその通りだと思います。

==========================
 YONAGO-TOTTORI-JAPAN
  IRIE-KOUSI 入江 幸史
==========================


From: 小泉博仁(救急隊員)
Date: Sun, 3 Mar 2002 18:36:40 +0900
Subject: [eml-nc2: 0942] Re: なぜ六ヶ月間?

可茂@伊藤さん、みなさん、こんにちは山形の小泉といいます。

> 第1回救急救命士国家試験をとって、救命士としては長いのですが、救命士に
> ついては全く詳しくありません。
> そこで教えていただきたいのですが、どうして六ヶ月の期間で救命士の国家試
> 験受験資格が受けれる様に成ったんでしょうか?
> 
> というのは、昨日から気管内挿管の是非についてコメントが出ていますが、
> 六ヶ月間で国家試験を受けれるっていうことは、
> 現場の経験とその期間を汲み取っていると思われるわけで、その経験があるか
> ら六ヶ月で良い、と言うものではないのでしょうか。
> なぜなら、救命士専門学校は二年以上の修学期間だからです。
> 
> 経験は、ただ漫然と乗車していても同じ経験とみなされることでしょう。あま
> りにも曖昧で差が有りすぎます。

> よって、現時点の気管内挿管を全ての救命士に実施させることは、やはり今の
> 制度では納得はいきません。

そうですね、気管内挿管についておっしゃっている事は正しいと思います。

ただ、一点だけ述べたいのですが・・・
私は確かに、学習期間が半年では短すぎるとは思っていますが、現場経験を積んでから専
門的な勉強を行う今の学習方法を気に入っています。

まあ、そのまま受け取る事は出来ないかもしれませんが、半年しか勉強しない消防職員と、
3年間勉強してくる救命士専門学校生の国家試験合格率を比べると、ダントツで消防職員
のほうが良いという現実があります。(なにしろ95パーセント以上の合格率。専門学校生
は確か50パーセント台だったような・・・)

このことだけ見てしまうと、専門学校卒業生レベルの人材を育てるのには消防職員は半年
で十分過ぎるという事になってしまいます。

要は学習期間よりもその体系が問題なのではないでしょうか?

----------------------------------------------
所属  山形県 西村山広域行政事務組合消防署
氏名  小泉 博仁
----------------------------------------------


From: 入江幸史(救急隊員)
From: "Irie Kousi" 
Subject: [eml-nc2: 0944] Re: なぜ六ヶ月間?(救急隊員の現場活動に対する意識)
Date: Sun, 3 Mar 2002 21:49:21 +0900

可茂@伊藤さん、こんばんは。入江@鳥取西部消防です。

長くなってしまいました。ごめんなさい。

【入江】 
> > →ただ、漫然と救急車に乗っている隊員は少ない(いないと信じたいで
> す。)と思いますが。
【伊藤さん】 
> 私もそう思いたいのですが、実は漫然と乗っている救急隊員が多いのは事実で
> す。
> 一番危惧していることは、モニターに頼ろうとする行動です。
> 脈拍を診ください。と、頼むとパルスオキシメーターを装着してその脈派から
> 出る数値を読もうとする。

→そうなんですか、と言うより、そうなんでしょうね。
 私が救急隊になった時代には、救急隊は聴診器ひとつ持たせてもらえなかったのです。
 (当時、馬鹿げた事だとは思っていましたが、その規則を守っていました。)
 ですから、当時の救急隊員にとっては、五感に頼るのは当然のことなのですが。

 一気に救急が、進んだせいでしょうか。昔の救急隊の技術などというものは伝承されず、
 捨てられてしまっているのでしょうか。私もそのような技術を後輩にすべて、伝承出来て
 いる自信はありません。しようと努力はしていますが。

 PTCJの講習で、「血圧は橈骨動脈を触れるだけで判断しろ。」と指導されますが、これ
 など昔の救急隊の技術だと思います。
 今は、すぐに道具を出したがる人が多いのも事実です。

【伊藤さん】
> 呼吸を取ってください。と頼むとすぐに測定できない、観察できない。(聴診
> 器なしで)
> 実際に脈拍を手指で計らせると、計算できない。脈圧の強さ、硬さなど全く診
> ることが出来ていない。などなど・・・

→救急隊員の中には、頚動脈で脈の触知が出来ないものが居たのも経験しています。
 慣れていないと難しい、G2000なるほどと思いました。
  
 少し、弁護させてください。その隊員けっこう緊張していたのではないでしょうか。
 また、救急隊隊長の経験が無いか、少ない隊員ではないでしょうか。案外救急隊員
 でも隊長に頼りきっている人は、状況が変わると出来ないことがあるもです。

 脈の計算ですか、私の趣味のエアロビックでは、10年以上前の事ですが、運動中に
 頚動脈で10秒間脈を図って6倍して心拍数を出し、運動効果の確認をしていました。
 そんな関係で、わたしは馴染みがあるのですが、一般の人には馴染みがないかも。
 
 すこし、苦しい弁解になっていますね。弁解やめます。

【伊藤さん】
> これも、私の責任と言えばそうかもしれませんが、若手の救急隊員と同乗する
> といつもの注意が繰り返されます。

→伊藤さんに責任は無いと思います。

【伊藤さん】 
> あなたは、いままで何も経験していなかったことになってしまいますよ。血圧
> 計は自動血圧計で計り、脈拍は患者さんに触れることなく脈派を書き込み、こ
> れは全て素人でもできることです。自分の体で患者さんの状態を診て、その積
> み重ねで脈を触れただけ血圧や脈拍数がある程度わかり、顔色を診ただけで呼
> 吸状態がある程度洞察できる、これが素人と専門職との違いですよ。と、説明
> しています。

→時間があれば、余裕があれば、機材を使用して測定してかまわないと思いますが、
 瞬時に判断する必要がある場合に、悠長に観察機材を使用するのは、伊藤さんが
 言われる通り間違いです。

 確かに、患者さんの顔を観察しているだけで、次に起きる様態変化を事前に
 察知して、必要な機材を準備することなどが出来るようになると思いますが。
 それには、相当の経験と努力、才能が必要だとおもいます。

 ある程度は誰にでも出来て欲しいと、私も思っていますが・・・。

(中略)

【伊藤さん】
> いままでの捨ててきた経験、勿体無いですね。救命士になるために6000件
> の出動をする方もいるかもしれませんが、いいかえれば所詮6000件だけで
> す。

→反論したり、弁護したり、同情したり、忙しいですが。
 6000件の救急活動は軽くないです。
 私が救命士になったときには、15年の経験、9000件近くの救急出動をしてい
 ました。

 救命士の勉強をしていて、それまでに搬送した9000人の方達に対し大変もうし
 分けないと言いますか、悔しい気持ちになりました。

 それは、これだけの医学知識があったら、除細動とかの医療行為ではなく、ただ
 単に医学知識だけで、もっと適切な医療機関に搬送するなどの事で、中には救え
 た人も居たのではないかと考えたからでした。

 とても無理でしょうが、救命士制度が無くとも勉強なら出来たのですから。

【伊藤さん】 
> 話が揺れていますが、私が言いたいのは、
> > →ただ、漫然と救急車に乗っている隊員は少ない(いないと信じたいで
> す。)と思いますが。
> ということは、まず絶対ではないということです。

→この発言は、私の楽観的(のんき)な性格から来ているのかもしれませんね。
 たしかに、後輩を育てるとき、自分の価値観、ポリシー、信条などが皆には
 伝わらないです。伝わる人には、一緒に救急出動をするだけで伝わりますが。

 うまく伝わらないのは、伊藤さんの責任ではないです。
 
 取り留めない話になってしまいました、ご容赦ください。

============================
   入江 幸史  Kousi Irie
============================


Date: Sun, 3 Mar 2002 23:29:51 +0900
From: 花田(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 0945] Re: ニュースステーションをみて
Date: Sun, 3 Mar 2002 22:14:23 +0900

皆さん、こん○○は花田@むなかた消防です。

----- Original Message ----- 
From: "Toshihito"rijin"Nakamura MD 中村 利仁" 
Sent: Sunday, March 03, 2002 4:45 PM
Subject: [eml-nc2: 0936] Re: ニュースステーションをみて
>  うるさいようで恐縮ですが、メディカル・コントロールのためには、「感じ」るだ
> けでは不充分です。ほんとうに支障が無いのかどうかをデータに基づいて検討し、ま
> た施行者によって生じる差違を検出し、評価する事が必要です。
> 
>  誰がやっても、どんなやり方でも、LMAが入っていればそれで充分という訳には
> いきません。これからは、病院到着時の血液ガスでも、挿入胃管からの排気量でもな
> んでも、主張するには根拠が必要なのです。
> 
> 「しっかりとした頭部固定ができていれば」何が担保されますか? その自信の根拠
> となるデータは、どんなメディカル・ディレクターや救急医療協議会の評価検討にも
> 耐えられますか? 中間変数でも結構ですが、森さんが指標にされているのは、何で
> すか?

・・さんと私の環境は違いますが。。。
中村さんの言われていることが出来ることが(そのものが)、MCなのではないですか?
”私達はMCを受けるつもりで待ちわびています。”(もちろん内からの努力も行ってです)
でないと、少なくとも私は中村さんが言われている検証作業すら行えません。
医療従事者としても、今はただの消防士ですよ。
救命士の前に消防士があるのです(逆だとどんなに良いか)。

読んでいて、そんなこと言われるなら強制的でも良いからDR側から、もっと消防に介入し
MCやってくれと思いました。

仕事で救命と消防、消防では更に警防・予防等と何足も草鞋を履いているのです。
断言します。多くの田舎消防じゃ上記の事柄は不可能に近いです。
「感じ」ではダメというのは判ります。ですが、日本で検証されていないことをやるなと言われ
るなら高エネルギー事故での脊柱固定さえも出来ません。
昔の運び屋に戻るだけです。
救助隊に戻るか・・・・(-_-;)


Date: Sun, 3 Mar 2002 23:29:51 +0900
From: B(医師)
Subject: [eml-nc2: 0952] Re: 酒田からのeml  参加はなし

・・病院のBです。

> …非公開のMLとは言え、ちと難しいかと思います。
(・・さん)

徹底的な検証の進行状況は現在どうなんでしょうか。

>>  それに、この際だからメディアとの接し方、メディアの読み方
>>  でもいいではありませんか。
>
>   具体的には、どんなことをお考えですか?
(・・さん)

国民に救急医療が抱える問題点を知ってもらい、考えてもらうためには
広報活動がとても重要です。今回のニュースステーションの報道を考える
ことで、メディアからの一方的取材に応えるという形では不十分である
ばかりでなく、かなり歪んだものになってしまうことがよくわかると思います。

私は熱意はともかくとして今回のメディア出演の動機がどのような
ものであり、どのような過程で番組が制作されたのかについて大変
興味があります。そのことを明らかにしてもらうことで今後につなげる
ことができるのではないかと考えました。

メディアからの取材に応える形を取る場合には綿密な打ち合わせ
=意志の疎通を図る必要があると思います。
例えば、私自身の経験では、着衣泳のアピールのためにプロデューサーや
ディレクターと直接打ち合わせをしながら番組の構成について考える
機会がありました。

メディアはメディアとしての意志を持っています。そして私達は
私達としての意志を持っています。両者の間があうんの呼吸で分かり
合えるのであればいいのですが、現実にはありえないことです。
だからこそ意志の疎通を計ることが重要です。今回酒田消防の
みなさんがどのようにニュースステーションの制作クルーと意志疎通を
計ったのか。それがキーとなるのではと感じました。

救急救命士に許される医行為の範囲以外にも、emlのメンバーのみなさんには
様々な場面でメディアとのやりとりをなさった方がいらっしゃると思います。
みなさんの経験をこの場で教えていただくことで、今後私達が意見を
発信するにあたって留意すべき点を考えることができるのではないでしょうか。

ところで、上記の考えとは別に、専門科集団としての見解を表明するに
あたっては、メディアに依存しすぎることは危険であるとも考えています。
その危険性を排除し、メディアの意志とは関係なく、専門家集団の意志を
伝えるためには、取材に応えるという受動的な形ではなく、自ら声明を
発することが大切であると考えています。メディアはその声明を事実として
伝えることで、その役割を充分に果たすことができるのではないでしょうか。

みなさんのご意見をお待ちしています。


From: 張替喜世一(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 0973] テレビタックルについて
Date: Mon, 4 Mar 2002 22:14:46 +0900

横浜市消防局救急課の張替です。

3月4日に放映されました、テレビ朝日系のたけしの
TVタックルで横浜消防局のヘルメットをつけた救急隊が
登場しましたが、当局には、事前にお話しがなく、
許可をしておりません。

バラエティ番組とはいえ、許しもなく特定の消防本部の名前が
入ったヘルメットを着用して、現在問題になっていることを
おもしろおかしく表現することは、許されざる事と思います。

当局の指示体制において、テレビであったような食事中で
指示が出ないというようなことは、絶対にありませんので
誤解のないようにご理解お願いいたします。


From: 堀木正明(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 0974] TVタックルを見て
Date: Mon, 4 Mar 2002 22:22:28 +0900

皆さん、こんばんは、堀木@市川市消防局(千葉県)です。
テレビ朝日のTVタックルという番組で、救急医療体制と
救急救命士による気管内挿間、救急救命士制度、救命率等に
ついてが取り上げられていました。
そこで感じた事をかかせて頂きます。
1.救急当直医は色々な科の医師が交代でしている場合が
  多いと照会されていました。そのとおりと思いました。
2.救急救命士の特定行為の実施時における場面想定で
  指示を仰いでいる際の取り上げ方、もっと現場に即して
  真剣に真摯に表現してほしかった。受けをねらっているような
  不快を感じました。
3.全国の救命率と秋田市の救命率を比較して、救命率を上げるため
  秋田地域の医師がおおめに見ていた等と出演者が表現していた。
  その中には、国会議員も含まれており、その言動、認識不足大変
  不快に感じました。
4.傷病者を医療機関に収容する際の選定方法について、容易に
  収容してくれる所を救急隊は選定している。そのような医療機関は
  普段患者が少なくそれだけでまずいですよ等と出演者が表現していた。
  私はこんな安易な考えで病院選定はしていません。ましてする気持ちも
  ありません。もっと救急活動について勉強してから発言してほしい思いま
  した。
5.厚生労働省の考え等も出演していた国会議員から紹介されていました。
  もっと良く考えて発言してほしいと思いました。
6.気管挿管の問題ばかりが取り上げらていますが、違法行為が行われて
  いたのは事実として再認識すべきと思います。
  現場では瞬時に判断しなければならない状況に置かれる事は多々有る
  と思います。その中であえて違法行為と知りながら行うでしょうか。
  結果、検証された際に緊急避難としてやむおえない事であったと全てが
  判断されるでしょうか。そうならなかった場合の違法性については法廷で
  判断されるでしょう。結果、救急制度全般にはかりしれない影響を及ぼす
  とおもいます。私の所(隊)では今自分の行える処置を全て行い、全力を
  出して活動しようと頑張っています。決して逃げてはいません。守りながら
  以下に効果的に攻めるか、守勢一本槍ではなく、攻めながら守る事が
  必要ではないかと思います。
以上長文になり又、纏まらない文章で申し訳有りません。さらに生意気な事を
長々と書きましたことお許し下さい。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
堀木 正明 市川市消防局
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From: 小池勝己(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 0979] Re: テレビタックルについて
Date: Mon, 4 Mar 2002 23:08:50 +0900

  張替さん、コイケです。
  僕はTVタックルは見れなかったのですが・・・。
----- Original Message -----
Subject: [eml-nc2: 0973] テレビタックルについて

> 皆さん、こんばんは、張替@横浜市消防局です。
> 
>
> バラエティ番組とはいえ、許しもなく特定の消防本部の名前が
> 入ったヘルメットを着用して、現在問題になっていることを
>おもしろおかしく表現することは、許されざる事と思います。

    TV朝日さんは、女性救命士主人公のドラマを横浜市消防局
    の協力により放送したばかりですよね。

    きっと、局の方たちと番組製作者の方と、いろいろなディスカッション
    がされてでしょうに・・・、そのときの映像か何かつかわれたのでしょうか?
    もしくは撮影時の“小道具”を使用したりしたのでしょうか?
    
    この番組については、すでに堀木@市川市消防局さんも
    書かれていましたね。あまり、いい内容ではなかったようですね。
    最後はやっぱり「たけし」のギャグで落ちなんでしょうけど(苦笑)
    (結局は「バラエティー」ですからねって終わる・・・。
     僕は「たけし」は好きなんですけど・・・なおさら悔しいですね。)
   
    いずれにしても、こういった(不本意な?)形でとりあげられるのは、
    残念なことですね・・・。
    “マスメディアの効果”特にTV放映というものについて、いろいろ
    考えさせられる今日この頃です。

             小池 勝己
   新潟県柏崎地域広域事務組合消防本部 


From: 西岡和男(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 0977] Re: [eml-nc2: 0973] テレビタックルについて
Date: Mon, 4 Mar 2002 23:13:16 +0900

熊本市消防局の西岡です

張替さんのお怒り、いかばかりかと拝察いたします。
娯楽色の強い番組とはいえ、あまりの内容であったように思います
堀木@市川市消防局さんがお書きになっているように
病院の希望がなければ、近くの誰も行かないような救急病院に運ばれる
など、言語道断にも等しい内容。
その論調で、厚生労働省をこきおろそうという姿勢はどう見ても暴力的
とも思える印象でした。
 こんな内容であるにも関わらず、映像の一部には横浜市消防局の名前
がドッカンと入った役者さんのオーバーな演技ですから、これはいかん
ですよ。
 この番組で深く傷ついた人たちが沢山いると思います。
 扇動ですよ、これは。そうとう、悲しいです。

 ・・@・・病院さん、せっかくの熱弁が残念です。
 わかってる皆には、よーく解ってます。今一献さし上げられないのが
とても残念です。

こんなことで、総務省消防庁と厚生労働省が仲たがいするなんてことは
ないと信じていますが、周りからの影響が心配でもあります。

 大きな雑音も生じますが、今はMCの確立に向けて互いの信頼を深めて
立ち向かってゆきたいと思いました。

 クローズアップ現代に期待します


From: 生垣 正(医師)
Date: Mon, 4 Mar 2002 23:17:03 +0900
Subject: [eml-nc2: 0980] 救急救命士と気道確保

生垣@砺波です:

今回再び,ニュースステーションをきっかけに
救急救命士の気管挿管の問題が話題になっています。

そこで,・・さんから,大変わかりやすい問題点の整理がなされました。
以前にも,だいたい・・さんから同様のまとめがあったように思います。
そのほかの方からも,だいたい同じ様な方向に収斂しつつあるように思います。
すなわち,救急救命士の気管挿管には大変問題があること,と
秋田の問題をもっとMCの面から問題にすべきではないか,ということの
指摘がなされていると思います。

私も,以上のような御指摘に納得していました。
しかし,今回,市川さんのご意見に考えさせられました。
市川さんの勇み足もあるようですが,それはそれで解決していただきたいと思います。

しかし,市川さんの核心の問題点はやはり考えていくべきことのように思います。
救急救命士による気管挿管には問題点は,これまでご指摘あるように
確かにいろいろ問題があると思います。しかし...。

救急救命士(以下救命士と略します)にとって,気道確保は一つの重要な課題です。
現在,気管挿管は問題があるとして,
用手的気道確保,LM,コンビ、EOA,WBが許されているということですね。

LM自体は,私は日常の麻酔で愛用しており,救命士の病院実習でも実際にやって
もらっています。
しかし,市川さんがご指摘のように,確かにフィットしないときがあります。
病院では,ほかの同僚に相談したり,すぐに別の手段に変えたり,特別の問題
にはなりません。
だけど,救命士の場合には事情は全く異なるように思います。このことに関して
これまであまり深く考えてきませんでした。決してわれわれ麻酔科医のようには
気楽には対処できないでしょう。
LMに関しては,病院実習で訓練をつむことは可能だと思います。しかし,LMをめぐる
状況は,病院と現場では大きく異なるのではなかろうか?

次に,コンビ、EOA,WBです。
私は実際に使用したことがありません。
救命士の実習のために,購入し実際に使うことも考えてみました。しかし,その決断は
できないで,現在に至っています。
これらを実際の麻酔に使っているのでしょうか?実際に使っているとは,とても
思えません。
とすれば,研修所でしか訓練できません。病院実習でできないことをやってもらう
というのは,やはり疑問が生じます。

特定行為を拡大し,気管挿管を含めるというのは,いろいろ指摘されているように,
確かに大きな問題をはらんでいると思います。
しかし,救命士にとって気道確保は絶対に必要な課題です。
市川さんの気管挿管しかないのではないか,という提起はやはり充分
検討すべきことではないかという気がしてきたのです。
病院実習をどのようにすべきか,普段,訓練用の人形で毎日始業前に必ず訓練
する体制は作れないか,などいろいろ考慮しなければならないことが
あるのはこの間の論議で明らかです。だけど,必要であるなら,それを考えていく
ほかないと思います。

もう一つ,秋田の問題はMCの問題をはらんではいると思います。しかし,そのことに
すり替えることもできないと思います。
気道確保をどうするかは,避けて通れない重要な問題です。だからこそ,問題が
生じてきたはずです。「気道確保をどうするか」それ自体をやはり,もう少し
つっこんで考えていくべきでしょう。

ちょっと別の問題になりますが,
>  LMA・WB・コンビをすぐに抜き取られ挿管チューブに切り替えられます
>  病院もございますし、呼吸停止後からの時間経過など色々と根拠となる
>  ものが現在、私個人での結果では難しいです。

これ,ちょっと気になるのです。
気道確保が適切になされているかをまず確認することだと思います。
気道確保がよくないなら,すぐ抜き取るべきですが,もしなされているとしたら,
ほかにすることがあるはずです。取りあえず気道確保されているということは
非常に有用なことのはずです。やるべきことがなされた上で,入れ替えに伴う危険が
そのまま続けているより少ないと判断された後に,入れ替えるべきだと思います。
もし,そうでないとしたら,私には許せないことだと思います。

最後にちょっと。
G92までは,endotracheal tube, endotracheal intubationだったのですが,
G2000ではtracheal tube,tracheal intubationになったので,
気管内チューブ,気管内挿管ではなく気管チューブ,気管挿管の語を使いました。

***************************
生垣 正 Ikegaki Sei
***************************


From: 広瀬保夫(医師)
Subject: [eml-nc2: 0981] Re: 救急救命士と気道確保
Date: Mon, 4 Mar 2002 23:40:56 +0900

生垣さん、みなさん、こんにちは

新潟市民病院の広瀬です

救命士の気管挿管の件です

生垣さんwrote:
> しかし,市川さんの核心の問題点はやはり考えていくべきことのように思います。
>
> 救急救命士(以下救命士と略します)にとって,気道確保は一つの重要な課題です。
> 現在,気管挿管は問題があるとして,
> 用手的気道確保,LM,コンビ、EOA,WBが許されているということですね。

> 次に,コンビ、EOA,WBです。
> 私は実際に使用したことがありません。
> 救命士の実習のために,購入し実際に使うことも考えてみました。しかし,その決断は
> できないで,現在に至っています。
> これらを実際の麻酔に使っているのでしょうか?実際に使っているとは,とても
> 思えません。
> とすれば,研修所でしか訓練できません。病院実習でできないことをやってもらう
> というのは,やはり疑問が生じます。

私は、生垣さんのこの考えに賛成です

コンビ、EOA、WBを病院で使う気にはなりませんよね
LMAも私のように麻酔科を背景にしない者にとっては、縁遠いのが正直なところです

研修医に器具を使った気道確保をトレーニングする時に、まず気管挿管から始めま
すよね(もちろんバッグマスクが先!)
LMAからでは無いと思います

やはり気管挿管が“Gold standard”であるのは疑いの無いところでしょう

医師が病院で使う気になれないものを救命士に使ってもらっている点が、私に
は納得できません

私は、十分なメディカルコントロールを前提に、気管挿管を救命士に実施する方向に
した方がよいのでは、と思っています
そして、気管挿管の適応、挿管困難の場合固執しないこと、など、十分な教育が
大前提です
それが出来ない地域では、行うべきでは無いと思います

やはりGold Standardは救命士も医師も共通にした方がよいと思います
これから各地にメディカルコントロールを広げようということであれば、尚更だと思
います

-----------------------------------------------------------
広瀬保夫      新潟市民病院救命救急センター


From: 越智元郎(医師)
Date: Tue, 05 Mar 2002 00:16:50 +0900
Subject: [eml-nc2: 0984] 患者での挿管訓練について(ある救急救命士より)

 愛媛大学の越智です。ある救急救命士の方より救急救命士による
挿管問題について以下のご意見をいただきましたので、紹介させて
いただきます。
              ☆ ☆

 A市は、新聞が特集を組み、経過を追った最後で挿管のトレーニ
ングをどんな風にしたのか、手術室での実習が欠かせないとしたら、
それは了解を取らない人体実験でなかったかとまで書かれたため、
黙するだけになっていると思います。

 私も、健康な人での練習があったという点で、とてもデリケート
な問題だと思っています。救命のためという最終目的がクローズア
ップされていますが、そのため手術を受ける方は挿管のトレーニン
グの場を提供するというコンセンサスがなければならないと思って
います。

 健康な人が、病をえて、再び健康になるため決断した手術室で、
研修を受ける救急救命士の技術が悪ければ当然苦しさが増し、もち
ろん後遺症が出るほどのトラブルもあるということは、ほんとに身
のすくむことです。

 救命について多数の意見、人命こそ最優先ということは論を待ち
ませんが、そのための協力が必要であるということを、当事者であ
る市民自身がどう判断するのか。これが、ニュースステーションが、
はずした点ですね。

 また、救命についても、地域的な優先順位は違うと思います。は
やばやと資格を得て、機材を揃えて活動を開始したとき、周囲の消
防本部は、なかなか活動が始まらないことを随分不思議に思いまし
た。市民の人命だよと、最優先の施策になるのではないのと聞いた
のですが、予算編成などを聞いて、高規格救急車よりもかねて予定
していた梯子車や消防自動車が必要なんだと知り、人命のためとい
っても市町村の政策の優先順位は違うことを改めて感じたものでし
た。

 挿管については、手術室のことを含めて医師と国民の問題かもし
れません。手術室のトレーニングについては、研修を受ける救急救
命士の問題ではなく、救命のため必要なトレーニングであるならば、
十分な監視を医師がするべき問題(もちろん救急救命士は最大の努
力を事前に積んでいかなければなりませんが)かも知れません。そ
して市民は、何かあったとき、より充実したサービスを受けるため、
医療機関での様々な研修を了解しなければならないということでし
ょうか。

 挿管がもっとも確実、挿管できると心マが人工呼吸の間中断しな
いのは生理的、挿管では、医薬品の気管内散布の可能性があること
など、個人的には挿管が有利だと思います。ラりンゲアルマスク等
は少し漏れたりして確実じゃないという点が、やはり質的に充実し
てほしい、確実な手段が欲しいと思うのですね。

 救命のためといいながら、そのため市民の皆さんの手術室での協
力が欠かせませんということを声高に言わないでいるので、ニュー
スステーションの報道のように、必要だの一点張りではいけません。
手術室内のトレーニングについては倫理的な問題をどう考えるか、
放送された方々のようには行きません。もちろん、彼らも同じこと
を思っているかもしれませんし、なにより地元医師との間できちん
とした共通の価値判断を持っているからこそ、言えたのかもしれま
せん。

              ☆ ☆

 以上、皆様のご意見をお聞かせ下さい。


From: 市川高夫(医師)
Date: Tue, 05 Mar 2002 08:09:21 +0900
Subject: [eml-nc2: 0986] Re: 救急救命士と気道確保

On Mon, 4 Mar 2002 23:17:03 +0900
Mr.or Ms. IkegakiSei wrote:

> 生垣@砺波です:

> 市川さんの勇み足もあるようですが,それはそれで解決していただきたいと思います。

本論からはずれて、ちゃちゃに近いものですが・・。
勇み足とはどういうことでしょうか?
その解決すべき点を指摘してください。m(__)m

気管内挿管指導を病院内で行っていたということでしたら、
まちがいなく長岡時代から最近まで行っていました。
(最初のきっかけは、前にも書いたかもしれませんが、救急隊が
デマンドバルブを使用して、餅による気道異物を運んで来た時の
ことです。バッグマスクで全然入らず、喉頭展開すると気管の
奥深くに白い異物が嵌頓していました(;_;)。
その後は何も処置できずでした。
これを救急隊に見せ、異物除去(昔はなつめ鉗子などというえたいの
しれないもので盲目的に取っていた)を喉頭鏡を使って除去する
方法を指導しました。その中で、気管内挿管も行っていました。
気道が見れたかどうかの最も確実な検証方法でしたから)
法律が改正され、正式に気管内挿管ができるようになったら
日本で一番最初にやれる状況を作っておく。
しかし、現場ではやってはいけない。これが当時から最近までの
指導方法でした。

(中略)
あと、誰かが気管内挿管の変わりにコンビやWBでも十分、
BTLSでもやっていると言っていましたが、ウソのようです。
アメリカBTLSではコンビもWBも指導はないようです。

アメリカパラメディックは50%くらいの失敗例の報告がある
ことは知っていてもゴールドスタンダードは気管内挿管で、
コンビもWBも使用していません。
訓練、訓練、また訓練で技術を維持しています。
MCで事故を少なくするように努めています。
コンビもWBもごまかしです。
日本発のあたかも世界標準の様にいうことはおかしいと思います。

---------------------------------------------
市川高夫        済生会新潟第二病院 麻酔科


From: 市川高夫(医師)
Date: Tue, 05 Mar 2002 08:20:14 +0900
From: 市川高夫 
Subject: [eml-nc2: 0987] Re: 気管内挿管報道から思うこと

On Fri, 01 Mar 2002 16:58:11 +0900
Mr.or Ms. 山本五十年 wrote:

> 山本五十年@東海大学です。

山本さんの気管内挿管システム構築のためのハードルのご意見は
全く賛成です。
これを作らなければいけないのですが・・、

> 結局、気管内挿管を含む、処置範囲の拡大のためには、上記の、研修ー指示
> ー検証のシステムが整備されなければなりません。秋田、山形、青森、新潟
> では、一体、どのようにしていたんでしょうか。MCは完璧だったとでも言っ
> てくれるのでしょうか。気管内挿管を処置拡大にすることは、湘南エリアで
> は到底不可能です。現場で気管内挿管が安全に実施できるだけの能力を身に
> つけさせ、現場に送りだすだけの研修システムを確立すること自体、難しい
> のです。

湘南ですら不可能としたら、日本のどこで最初にできるのでしょうか?
秋田、札幌は叩かれて立ち直るのに時間がかかりそうです。
(個人と地域システムの双方に痛手となったでしょう)
北九州、広島、島根、名古屋、湘南、これくらいしか日本で最初のMCが
できるところはなかろうと見ていたんですが、湘南がそんなことでは
日本はどこから始めればよいのでしょうか?

---------------------------------------------
市川高夫        済生会新潟第二病院 麻酔科


Date: Tue, 5 Mar 2002 09:49:56 +0900 (JST)
From: 畑中哲生(医師)
Subject: [eml-nc2: 0988] 救急救命士と気道確保

市川さん、生垣さん、みなさん、こんにちは。
ELSTA九州の畑中です。

At 08:09 2002/03/05 +0900, 市川さん wrote:

> あと、誰かが気管内挿管の変わりにコンビやWBでも十分、
> BTLSでもやっていると言っていましたが、ウソのようです。
> アメリカBTLSではコンビもWBも指導はないようです。

米国でのBTLSを経験したことがありませんので、実態は不明ですが、
BTLSのテキストには、最近になってコンビやLMAについての記載が
追加されました。

また、パラメディックであっても気管挿管を認められていない地域も
あります。これらの地域では、コンビやEGTAなどは実際に使用されて
いるようです。WBは日本で開発されたものですから、米国での使用実
績はないと思います。

病院内でのゴールドスタンダードであるがゆえに、当然、病院前でも
有用に違いないと信じられてきた気管挿管の米国における地位が揺ら
ぎ始めています。いや、揺らぎ始ている、というのは早計かも知れま
せんが、少なくとも、多くの研究者が疑い始めています。代わって、
コンビ・LMAなどが、思った以上に効果的だということが認められ始
めています。

> アメリカパラメディックは50%くらいの失敗例の報告がある
> ことは知っていてもゴールドスタンダードは気管内挿管で、
> コンビもWBも使用していません。
> 訓練、訓練、また訓練で技術を維持しています。
> MCで事故を少なくするように努めています。
> コンビもWBもごまかしです。
> 日本発のあたかも世界標準の様にいうことはおかしいと思います。

本日、厚生労働省の班会議で、気管挿管の有効性に関する文献調査の
結果を報告してまいります。いずれ、皆様にもご覧いただけるものと
希望的に観測しております。

-畑中哲生
救急救命九州研修所


From: 小泉 博仁(救急隊員)
Date: Tue, 5 Mar 2002 10:25:00 +0900
Subject: [eml-nc2: 0989] Re: なぜ六ヶ月間

・・さん、みなさんこんにちは、山形の小泉です。

>  すいません。本質論ではありませんが、救急救命士養成に関わる者として一言。
>  小泉さんが述べられました。

> > まあ、そのまま受け取る事は出来ないかもしれませんが、半年しか勉強しない消防職員と、
> > 3年間勉強してくる救命士専門学校生の国家試験合格率を比べると、ダントツで消防職員
> > のほうが良いという現実があります。(なにしろ95パーセント以上の合格率。専門学校生
> > は確か50パーセント台だったような・・・)

>  国家試験取得だけが救急救命士養成の目的ではありません。
>  しかし、試験に合格しなくては意味をなさないことも事実です。
>  ちなみに過去3年の春の合格率ですが(秋は1号校の卒業者がいないため)、
>  1号施設77.1%、4号施設98.1%と大きな差違があります。でも決して50%
>  などという状態ではありませんよ。

こちらも本質論ではなく申し訳ありませんm(_ _)m

私のうろ覚えのデータは、日本救急医療財団資料の第20回救急救命士国家試験概要から
見たものでした。・・・私は20回卒業なんです(^^;

ちなみに以下のデータは全国消防長会のホームページからの引用です。
http://www.fcaj.gr.jp/dynamic/kokkashiken_20.htm
2 試験結果
受験者          数          合格者数    合格率 
法34−1      53        18        34.0% 
法34−2      0          0          − 
法34−3      0          0          − 
法34−4      637      626      98.3% 
法附則2条      188      94        50.0% 
全体            878      738      84.1% 

私は法34−1該当者が専門学校卒業生、法34−4が消防職員と、考えてはいたのです
が、法34−1該当者の合格率が余りにも低すぎたので、法附則2条が専門学校卒業生か?
と、勝手に思い込んでいたようです。
申し訳ありませんでした。

一見、専門学校生の合格率は34%と著しく低いように見受けられますが、秋には試験を
受けなかったから、というのが実態なんですね。
春の試験を通過できず、再試験に臨んだ人達の結果を、専門学校生全体のイメージとして
捉えてしまったようです。

よく調べもせず、専門学校生のイメージを不当に下げるような発言になってしまい、申し
訳ありませんでした。

ちなみに消防職員も再試験に臨んだ結果は同様に低かったそうです(数字は出ませんが)

それではまた。
----------------------------------------------
所属  山形県 西村山広域行政事務組合消防署
氏名  小泉 博仁
----------------------------------------------


From: 市川高夫(医師)
Date: Tue, 05 Mar 2002 11:28:40 +0900
Subject: [eml-nc2: 0990] Re: 救急救命士と気道確保

On Tue, 5 Mar 2002 09:49:56 +0900 (JST)
Mr.or Ms. Tetsuo Hatanaka wrote:

> > あと、誰かが気管内挿管の変わりにコンビやWBでも十分、
> > BTLSでもやっていると言っていましたが、ウソのようです。
> > アメリカBTLSではコンビもWBも指導はないようです。
> 
> 米国でのBTLSを経験したことがありませんので、実態は不明ですが、
> BTLSのテキストには、最近になってコンビやLMAについての記載が
> 追加されました。
> 
> また、パラメディックであっても気管挿管を認められていない地域も
> あります。これらの地域では、コンビやEGTAなどは実際に使用されて
> いるようです。WBは日本で開発されたものですから、米国での使用実
> 績はないと思います。

確かに広いアメリカですから、一律はないですね。
それと同じように、日本でも一律でいく必要もないと
思います。

アメリカでのコンビなどの訓練の実態を教えてください。
→見て来た人

---------------------------------------------
市川高夫        済生会新潟第二病院 麻酔科


From: 竹田 豊(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 0995]  Re: 気管内挿管報道から思うこと
Date: Tue, 5 Mar 2002 13:29:19 +0900

市川さん、皆さん、こんばんは。竹田@出雲消防です。

【市川さん】
> 湘南ですら不可能としたら、日本のどこで最初にできるのでしょうか?
> 秋田、札幌は叩かれて立ち直るのに時間がかかりそうです。
> (個人と地域システムの双方に痛手となったでしょう)
> 北九州、広島、島根、名古屋、湘南、これくらいしか日本で最初のMCが
> できるところはなかろうと見ていたんですが、湘南がそんなことでは
> 日本はどこから始めればよいのでしょうか?

島根の名前が出ましたので現状を・・・
島根は大変な田舎ですのでどこの地域に行っても核となる病院は少なく
そうした病院にたまに救急に理解がある先生がいらっしゃったとしても
異動などによりまた振り出しに戻ってしまうことが多いようです。
出雲の場合は、おかげさまで管内に救命センターと大学病院があり、どち
らの先生にも大変理解いただき、ドクターカーシステムなどMCの足がかり
となるようなことをしていただいています。また、今年になり事後検証表も
つくりまして、今後はその検証システムを作らなければと思っています。
では、出雲はMCがすぐにできるのかといいますと、まだまだ問題も山積
し、MC自体どういうものか職員が理解していないこともあり、本当のMC
と呼べるようになるのは、まだまだ先のことと思います。
まー、何はともあれ出雲としては亀のようにMCシステム構築にむかって
進もうとしているのですが、本来、中心となってMCを作っていかなければ
ならない県はといいますと・・・・。

(中略)
最近、アメリカではMCというよりメディカルオーバーサイトという考えに
なってきたそうですね。日本のMCも現場から病院での最終的な処置までの
整合性のある医療とするなら、厚生労働省→県の医療対策→基幹病院→
消防救急という一本の筋にするか、もしくはそれらをまとめる法律でもないと
前に進まないのかな〜。ああ〜〜いつになったらMCの夜明けを見ること
ができるのやら・・・。

すみません。上記は私の”たわ言”ですのでお気になさらないように。m(__)m

///////////////////////
竹田 豊(Yutaka Takeda)
出雲消防署 西部分署
//////////////////////


From: 小澤和弘(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 0996] Re: [eml-nc2: 0986] Re: 救急救命士と気道確保
Date: Tue, 5 Mar 2002 16:04:04 +0900

市川さん、生垣さん、・・さん、みなさんこんにちは
小澤@名古屋市消防局です。

シアトルのパラメディックは彼らの持っているACLSテキストにはコンビ、WBなど記載
されていますが、かれらはそれらの器材のことを知らず、挿管がスタンダードとなっ
ています。
ただし、挿管がフィールドでできるには1人のMDだけなく、12人以上の麻酔科医から
認められなければ行えません。逆にいうと12人の麻酔科医、MDに技術が認められなけ
ればいつまでたっても挿管ができない教育システムになっています。
失敗例については何例かは知りませんが、STOROKEの時の挿管で脳圧をあげてしまっ
た例はあるといっていました。
ですから、彼らは挿管をするよりも挿管するかしないかの判断が難しいといいていま
す。もっとも判断に悩むときは必ずオンラインにて指示をもらうシステムとなってい
ます。

市川さんWROTE
> アメリカパラメディックは50%くらいの失敗例の報告がある
> ことは知っていてもゴールドスタンダードは気管内挿管で、
> コンビもWBも使用していません。
> 訓練、訓練、また訓練で技術を維持しています。
> MCで事故を少なくするように努めています。
> コンビもWBもごまかしです。
> 日本発のあたかも世界標準の様にいうことはおかしいと思います。
>
********* YUOR KAZU ***********
小澤 和 弘
名古屋消防局救急対策室


Date: Tue, 05 Mar 2002 17:24:13 +0900
Subject: [eml-nc2: 0998] 長い道のり
From: 山本五十年(医師)

市川高夫さん
ご無沙汰しています。
山本五十年@東海大学です。

PTCJ副代表ですが、2日名古屋でBTLSインストラクタ−コースを受講さ
せていただき、若い医師や救命士から教えをいただき、勉強になりました。
昨日は、日本救急医学会MC体制検討委員会と病院実習ガイドライン及び
事後検証マニュアル作成委員会のワーキングに出席しました。いよいよ、
佳境に入ってきています。帰院すると、メールが400通もたまっておりま
して、何ともなりません。

さて、市川さんから、湘南が過大評価されてしまい、救急隊員とどこかの
穴にでも入りたい心境です。
>湘南ですら不可能としたら、日本のどこで最初にできるのでしょうか?
>    (略)
>湘南がそんなことでは日本はどこから始めればよいのでしょうか?

最近、皆さんの発言を拝見しておりまして、どうしてそんなに焦るの?と
いう思いを禁じえません。

問題は救命士制度だけではありません。そもそも、1970年代初頭の段階
では、欧米と日本はそれほど差はなかったと思われます。米国では1970 
年にシアトル消防本部でパラメディク教育課程がLeonard Cobb 博士によ
り初めて設立されてから、やがて、ベトナム戦争の帰還衛生兵(上官は軍
医)を中心に、パラメディク制度が整備されていきました。EMSシステム
も、重症度別の救急医療システムから救急医(American Board)を軸と
したERシステムへと転換され、メディカルディレクターを中心としたEMS
のメディカルコントロ−ル体制が確立していきました。このシステムは、
国家と州の施策でした。
http://www.cityfujisawa.ne.jp/~kyukyu/pdffile.htm
(アミス ゲイト氏講演−米国パラメデッィク制度の現状と将来展望)

他方、フランスでは、軍に所属する消防職員がいましたが、国策として
SAMU方式によりドクターカーのシステムと麻酔科医を中心とした救急医
の制度を作り上げました。ドイツでは、救急医療施設のほとんどは国また
は自治体の病院であり、整形外科を軸とした外傷医制度が独自に発展し、
病院選定上の問題や医療と消防との軋轢はまったくありません。

概して、欧米ともに、救急医療システムは危機管理のベースであり、国の
施策により発展を遂げてきました。しかし、日本は、traumatologyとい
う造語に示される外傷学の進歩は別にして、1977年の初期ー二次ー三次
の救急医療システムの施策と救命救急センターの整備にとどまっていたよ
うに思われます。

初期ー二次ー三次の救急医療システムを発展させることを企図した救急医
療基本問題検討会の報告書は、その意味では、画期的なものでした。しか
し、その後の施策は、救命救急センター、MC、ドクターヘリ、災害医療等、
個々には次の時代を展望する内容は見られますが、国として、どのように
救急医療システムを整備し、そのためにどのような救急医をどのように養
成するか、まで踏み込むことはできませんでした。

このため、MC体制を整備しようとすればするほど、我が国の制度上の矛盾
は明らかになってきます。制度上の矛盾が明らかになることは、救急医療
の再構築へ向けた地殻の変動へと繋がると思います。

さて、様々な関係者が、MC体制構築の内容を施策化するために、懸命に頑
張っていますが、手探りで詰めているものですから、多くの皆様がいら立ち
と焦りの気持ちを抱かれるのは当然のことであると思います。

現在、救急業務高度化推進委員会の報告書の内容に基づき、すべての都道府
県に救急医療調整協議会を設立する動きが顕在化していますが、おそらく、
都道府県ですら一律でなく、担当者によって認識の差が非常に大きいのでは
ないでしょうか。来年度、ほとんどの都道府県で救急医療調整協議会とMC単
位協議会の設立が目指されていますが、最初から形骸化が予想される協議会
が生まれないように、都道府県に働きかけることが大切であると思います。

さて、協議会ができれば、MC体制が構築されるわけではありません。MCを
担う実体が必要です。実体とは、MCを担う検証医師であり、指示・指導助言
医師であり、消防機関の指導者です。我が国には、教育訓練された検証医師
も、指示・指導助言医師も皆無です。まして、我が国の標準的なテキストも
ありません。先ずは、ここから、始めなければなりません。無から有を作る
ようなものです。来年度から、当面、全国に240人程度の検証医師と1200人
程度の指示・指導助言医師を養成すること目標に徹底した医師研修を行うべ
きであると思います。MCの標準テキストも必要です。消防機関の指導者をど
のように養成するか、これは総務省消防庁にしっかりと考えていただかなけ
ればなりません。

そのためには、災害医療や病院前医療を、救急医の業務とする施策が必要
です。救急医のアイデンティティや養成カリキュラムに災害医療や病院前医
療を位置付け、かつ、本格的な救急医の養成を開始しなければ、10年後には、
救急医療のコアとなる救急医が激減することが予想されます。週60時間程度
の労働時間にするためにも、救急医の大幅な増員が不可欠です。

指示システムも、現在の特定行為に対応する程度のものではなく、近い将来、
処置範囲の拡大に対応できる指示・指導助言システムに高めなければダメで
す。近未来的には、救急患者の増大に対応するためにメディカル・レギュレ
ーションの機能を持ったディスパッチセンターを整備する必要もあると思い
ます。

救急救命士の病院実習も、見学実習ではなく、各個人のニーズや課題に対応
できるオプションを持つ必要があります。実習をやりっぱなしにせず、記録
と評価をきちんとすることが必要であり、実習内容を検証することも重要で
す。ガイドラインの実習内容と厚生労働省判断に齟齬が発生しないように、
詰める作業も必要です。

事後検証のためには、救急活動プロトコルが不可欠ですが、各MC協議会で作
成できない地域もありますから、各MC協議会が参考にできる標準的な救急活
動プロトコルを作成する必要があります。もちろん、救急活動記録の内容を
決定し、検証のあり方を示すことも重要です。ウツタインスタイルを導入す
ることは必定です。

こうした施策が前提となり、処置範囲の拡大が可能になっていくものと思い
ます。気管挿管のことばかりが、話題になっていますが、pulseless VTに
対する除細動は、法の改変、ハードの改良(あるメーカーに聴取したところ、
調整可能とのことです)および周知によりすぐにでも実施できます。出血性
ショックやアナフィラキシーショックへの輸液は、病院実習で静脈路の確保
のトレーニングを行っていますので、これも、実習の向上により対応可能で
すね。低血糖性昏睡の傷病者へのブドウ糖の静注も、現行の実習の向上によ
り可能になります。意識障害患者への50%または20%ブドウ糖の静注は、
欧米ではルーチンに実施されており、血糖値を測定することなく実施できま
す。

問題は、指示医師が、救命士の目を自らの目とし、手を自らの手として、口
を自らの口として、出血性ショック、アナフィラキシーショックや低血糖性
昏睡の病態評価を行い、頭に描きながら適切に指示できるか否か、です。
医師と救命士の間に業務上の信頼関係が前提になるでしょうし、指示医師が
現場の状況を把握できる能力を身につけることがが重要です。先ずは、現行
の実習内容によりスキルの向上が可能である、こうした処置から範囲を拡大
するべきではないでしょうか。そして、段階的にMCのあり方を高めていくべ
きです。

除細動は、当然、個別的指示から包括的指示へと変更するべきです。救急活
動プロトコルに明記し、周知徹底すると同時に、きちんとした事後検証を行
うという条件で、業としての除細動を包括的指示によるものに変更すること
を検討するべきでしょう。当然、救急標準課程の応急処置項目の見直しも必
要です。

気管挿管を認める前に、為すべきこと、為すことができることが沢山ありま
す。上記の処置範囲の拡大もそうですが、外傷現場の観察処置法や救命士が
行うALSの研修プログラムを、全国の救命士全員が習熟するべきでしょう。
また、検証医師も指示医師も、救急隊員が現場で実施すべきことを学ばなけ
ればなりません。そうでなければ、事後検証なんてできません。

さて、処置範囲の拡大は全国一律では到底不可能です。MC体制が構築されて
も地域差はむしろ拡大するかも知れません。処置範囲の拡大にともない1万
人以上の救命士の研修を一斉に実施することは不可能です。しかし、法は、
一律に全国に及びます。さて、どうすれば良いでしょうか。

出来るとすれば、次の施策しかないと思います。
1)法の改正により、処置範囲を拡大する。
2)国がMC体制整備の指標を策定し、公正なMC地域評価委員会で地域評価
  を行い、MC体制の基準以上を満たした地域に処置範囲の拡大を許可する。
3)拡大処置を実施できる救命士は、ある基準以上の研修(病院実習および
  研修会等)を実施した者に限定するべきであり、資格制度とは別に認定
  制度を作ってはどうでしょうか。

市川さん
湘南は、確かに、湘南救急活動研究協議会というメディカルコントロール機
能を有する組織を作り上げました。消防職員が生涯学習、学術研究を自主的
に(しかも、公的に)行える環境はできました。しかし、根本的には、従来
の消防組織と救急医療機関の枠と質をこえているわけでなく、消防職員も我
々救急医も、全国の皆さんと同様の問題を抱えているのです。

MCへの近道はありません。米国ですら20年かかりました。MC体制の構築を
進めることは、我が国の救急医療の土壌を耕し、様々な問題を解決すること
に繋がります。病院前医療の改革は消防組織の改革、病院医療と救急医制度
の改革を不可避にすると思います。長い道のりを焦らずに一歩一歩進んでい
く覚悟が必要ではないでしょうか。

       ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
       神奈川県伊勢原市望星台
       東海大学医学部総合診療学系救命救急医学
       東海大学医学部付属病院救命救急センター
                       山本五十年
       ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


From: 小笠原(一般市民)
Subject: [rcml:0001339] Re:FW: [eml-nc2: 0975] 6
Date: Tue, 5 Mar 2002 21:58:52 +0900

> 1月31日のフジテレビ「特ダネ最前線」(気管挿管の話題)、どなたか録画してお
> られる方はおられませんか。

すいません、見たのですが 口をおっぴろげていました。
この問題は、われわれ素人には、判断がつきかねます

ただ、人の命が、少しでも助かる方向に進むことは
良いことではないかと思います。

rcmlには救命士の方も、医師の方も居られるので
色々な言い分があると思いますが、

本当のところ、どうしたらよいのでしょうか?
「法律は法律」守ってこそ「法律」なのか

命を救うためには、法律を越えることも
必要なのでしょうか?

もうすこし、気管挿管や医師法について
勉強してから、提言さしていただきます。


Date: Wed, 06 Mar 2002 08:10:34 +0900
From: 市川高夫(医師)
Subject: [niigata.1646] みんなで見ようクローズアップ現代

すでにemlでもご存知のように、本日7:30pmから
NHKのクローズアップ現代で「命か法か・救命士たちの選択」
が放映されます。
みんなで見ましょう。
(中略)
---------------------------------------------
市川高夫        済生会新潟第二病院 麻酔科


From: 佐藤克範(救急隊員)
Subject: [niigata.1647] Re:みんなで見ようクローズアップ現代
Date: Wed, 6 Mar 2002 14:08:26 +0900

佐藤@新発田消防です。
(中略)

昨日のニュースステーションでは、気管内挿管問題の続報として
ちらっと放映してました。
反響の意見として300通のメールがニュースステーションに来たそうです。

内容は第2回研究班会議の開催と、
研究班の報告書は今月末までにまとめる予定だそうです。

また、野党の民主党内で、医療問題会議を開き、
厚生労働省と総務省消防庁の担当者を呼んでヒヤリングを行ったそうです。
見解は先の放映のとおりですが、民主党の議員からは
厳しい質問が相次いだそうです。

民主党議員の発言はテープ起こしで抜粋しますが、

**********************
【議員A】
10年前から検討しますと言っていて、まだ検討すらできていない
といことは、検討はやっぱり、きっちりできない訳なんですね。

【議員B】
職務怠慢じゃーないですか。
個人的な認識が遅れていることじゃないですか。

【議員C】
救急救命士法の改正、やっぱりこれを本国会で提出することを目指して、
このワーキング事務をやっていく。
やっぱりこの問題、急ぐ問題だと思います。
**********************

それでは。

「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「 「  「  「
  佐藤克範 sakatsu@minuet.plala.or.jp
  中条消防署(新発田地域広域消防)
」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」 」  」  」


Date: Wed, 6 Mar 2002 18:48:14 +0900
Subject: [P.H.Network] PHニュース(0306)

http://www.sakigake.co.jp/servlet/SKNEWS.News.kiji?InputKIJICODE=20020306AK
秋田市の関係者が背景を証言/気管内挿管問題で厚労省がヒアリング

>「秋田は脳疾患が多いので、ラリンゲアルマスクでは対応できない」と語り、
これらのことが気管内挿管問題の背景にあるとした。

・・☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆
              公衆衛生ネットワーク
http://home.att.ne.jp/star/publichealth/link.htm
  *☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆*☆・・


From: 新倉哲夫(救急隊員)
Subject: [aml.18373] クローズアップ現代!
Date: Wed, 6 Mar 2002 20:19:32 +0900

皆さんこんばんは 新倉@愛川消防です

クローズアップ現代を見終わって
さすが〜と思うことと、今まで見てきた他の番組同様・・・?

気管内挿管について、今まで各種テレビ局で放送されてきましたが
私なりに思うことを書かせて頂きたいと思います。
7年前から気管内挿管が違法としながら、現場ではこれしかない・・と
思い自分達の判断で実施してきた訳であるが、何故、今回国から一通の文章が
回ってきただけで器材を救急車から降ろしたのか、私には判りませんでした。

違法としながら行ってきたことを、最後まで責任(意地)持ち、
自分達が行ってきたことに対しての正当性を訴えてほしかったと思います。

それが出来ないのであるならば、謝罪をする気持があっても良いのでは?
と思いました。

最後は、千葉北総病院の・・先生・野田消防の・・さんの言葉が
上手くまとめられてるな〜と感じました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
愛川町消防署 
 新 倉 哲 夫


From: 川内敦文(医師)
Subject: [eml-nc2: 1028] 日看協HPより
Date: Wed, 6 Mar 2002 20:40:43 +0900

八女保健所・川内です。

先月実施された看護師等の国家試験の内容について多くの異論が出ているという
話を聞き及びましたので厚生労働省や日看協のHPを覗いていたところ、たまたま
下記の記載を目にしました。

http://www.nurse.or.jp:9968/cgi/seisaku/index.asp
「3/5、厚生労働省の「救急救命士による適切な気道確保に関する研究」班の会議で、
気管内挿管の有用性について多くの文献を検証した結果、生存率をあげるという
エビデンスはないとの見解を示した。」

常識的な見解ではありますが、今後のactionをどう結びつけるかが課題ですね。
C/U現代でも指摘がありましたが、気管挿管も含めて拡大した上で、個人and/or
地域限定式に制度改正するのが落ち所かな、と。この場合、MC体制・MC担当医の
quality assurenceのシステム化と併せ技となりそうです。また、医事資格制度の
普遍性を考慮すると消防主体の地域MCの枠から外れる民救、海保、SDF等に
従事する救命士への対応を別途考える必要もでてきそうですね。個人的には
民救は地域MCに包含するものの、海保・SDFはindependentはMC体制でも
よかろうかな、と愚考しています。

=============================
KAWAUCHI Atsufumi, M.D.
YAME Regional Office of
Public Health & Environment
FUKUOKA Pref. Gov.
=============================


Date: Wed, 6 Mar 2002 21:34:49 +0900
From: 小幡 登(救急隊員)
Subject: [ibarakiems.1845] 関根さん全国ネットに

 関根さん皆さん今晩は。小幡@みと消です。
 今日6日偶然NHKを見ていたら6:30に何と関根さんと思しき
救命士が除細動を実施しているではないですか。半信半疑で
したが次に北総病院の松本先生が出てきたので間違いないと
確信しました。「ゆれる救急現場」という番組です。先日10chで
も取り上げていた酒田市の気管内挿管を問題提起の材料とし
救急現場の医療行為の拡大についての特集を組んでいました。
 次に船橋市のドクターカーの医師の挿管現場が出てきて生存
率の高さが気管内挿管等の処置によりその重要性が示され,
その次に北総病院の研修現場が出てきて松本先生と関根御大が
登場となりました。
 テーマとしては
 1.救急現場のジレンマ
 2.厚労省がいっている救命士の技量への疑問?
 3.現場での救命のための医療行為拡大の必要性
 4.医療行為の拡大のためこれからの課題と方法
 このなかで、北総病院での検証評価体制の実績づくりは、医療
行為の拡大の中で「2.厚労省がいっている救命士の技量への疑問?」
の解答になっていると思います。
 また、キャスターの「なぜ救命士制度が出来て10年も手付かずでい
たのか。」といっていた所に大きな問題があるのではないかと思われ
ます。
 それから、船橋市のドクターカーの生存率の高さにびっくりしました。
水戸市にもドクターカーは在りますが救命率は上がっていません。
私も含め赤面ものでした。そのドクターカーも平成十四年に国立水戸
病院移転後は消防長判断で無くなってしまいます。私としては十数年
続けてきたドクターカーをなくしてしまうことは、救命士の医療行為の
拡大までは必要と考えています。
(中略)

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 
小幡 登
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇   


From: 石原 晋(医師)
Subject: [eml-nc2: 1034] Re: [eml-nc2: 1028] 日看協HPより
Date: Wed, 6 Mar 2002 22:18:03 +0900

川内さん、こんばんは
石原晋@県立広島です
クローズアップ現代見ました。
考察はかなり適切でした。
そのなかで「救急救命士の階層化」や、MCの用語こそ使われなかったけれど「病院実
習や検証体制の整備できた地域から、処置拡大を」などのコメントは全く同感でし
た。これまでこのような提言は、随所で行われてきましたが、国(厚生労働省)のス
タンスは「全救命士一斉、全国一律」ということであったと理解してきました。
さて、川内さんは
----- Original Message -----
> 八女保健所・川内です。
> C/U現代でも指摘がありましたが、気管挿管も含めて拡大した上で、個人and/or
> 地域限定式に制度改正するのが落ち所かな、と。
ーーーーーーーーーーーーーー
ということは、上記「国のスタンス」は私の勝手な思い込みだったということでしょ
うか。
地域限定式、体制が整った地域から出発!ということになれば、MC体制推進にも随分
励みが出るというものです。


Date: Wed, 06 Mar 2002 22:20:09 +0900
Subject: [eml-nc2: 1035] Re:  日看協HPより
From: 中村利仁(医師)

 八女保健所・川内さん、こんばんは。
 中村@町立中標津外科(4月からは東北大医療管理学)です。

> 「3/5、厚生労働省の「救急救命士による適切な気道確保に関する研究」班の会議で、
> 気管内挿管の有用性について多くの文献を検証した結果、生存率をあげるという
> エビデンスはないとの見解を示した。」

 別に意外な結論ではありませんが、エビデンスがないことはしないというのも、随
分乱暴な議論でしょう。LMAやWBもやめるんでしょうか。
 すわり込んだアヒルというわけです。

 27日の最終結論に注目しています。

-- Toshihito"rijin"Nakamura MD 中村 利仁


From: 石原 晋(医師)
Subject: [eml-nc2: 1036] クローズアップ現代
Date: Wed, 6 Mar 2002 22:39:36 +0900

石原晋@県立広島です
クローズアップ現代は、誰を悪者にするでなく、重要なポイントをきちんと押さえ、
良いできばえだったと思います。
救命士の気管内挿管の問題を「法か命か」の感情論に走ることなく、なぜこのような
勇み足が行われてしまったのか、それは救命士が活動するためのインフラの整備が遅
れてきたためである、としたのはまさに卓見でした。
気持ちよく観ることができましたが、それよりも楽しかったのは、多くの仲間の活躍
ぶりの紹介でした。船橋の境田さん、北総の松本さん、たくひろさん、野田の関根さ
ん、ACLSやPTCJで拝見する顔ではない、日常の顔・・・かっこよかったよ〜。


From: B(医師)
Date: Wed, 6 Mar 2002 23:04:29 +0900
Subject: [eml-nc2: 1038] Re: クローズアップ現代

・・病院のBです。

クローズアップ現代は、様々な話題を対象に、鋭い切り口で問題点に
突っ込んでわかりやすく解説してくれる、とても好きな番組です。

今回の番組は幅広い人たちに見てもらいたい内容であったと私も思います。
欲を言えば、救急医療の現場を支える救急救命士を育てて自分たちの万が一
を支えてもらうためには、一人一人の市民が患者となったときに、病院実習に
理解を示して協力してくれることが必要不可欠であるとのメッセージがあれば
なお良かったように思います。

番組内で紹介された気管内挿管実施例に限って言えば、緊急避難が当てはまる
と考えることができるような気がしました。ただし、すべてのケースがそうで
あったのか、漫然と気管内挿管が実施されていなかったのか、という点について
は、いまだに疑問が残ります。

ドクターカーでの気管内挿管例では心肺停止患者ではなかったようですから、
これは特定行為の項目のみならず、対象者まで拡大する必要があるとの
メッセージだったのでしょうか。


Date: Wed, 06 Mar 2002 23:08:22 +0900
From: 玉木基之(一般市民)
Subject: [aml.18375] 消防職員にとっての気管挿菅問題

皆さん、こんばんは。
玉木です。
本日のNHKで放送されたクローズアップ現代を視聴された方も
多いかと思います。

今日も、酒田の消防の方がはっきりと「悔いがない。」旨を言われていましたね。
この問題って、医療の問題だけではないと思い、少し論点を整理してみました。

1.「命」を優先させるために消防職員が法を犯しても良いのか?
緊急避難行為との意見もありますが、消防職員の仕事そのものが
一般的に言われる緊急業務に当たると思います。救急活動という緊急業務に
「緊急避難行為」が除外例として認められるのでしょうか?

2.挿菅は必ず必要な技術なのか?
本日のNHKの番組を見ていると、LMAと気管内挿菅チューブしか
出てきませんでしたね。それ以外でも、コンビやWBも
有りますよね。嘔吐が考えられる場合、コンビを使用して
気道を確保することも出来るはず。なのに、今日の番組は
気管内挿菅が必須事項のように扱われています。
実際、皆さんもそう思いますか?

症例の解析が進まないうちに気管内挿菅だ、薬剤だと言うのが
非常に怖いのですが・・・・・・

番組内でも最後で免許制度に触れていましたが、
まさにその通りだと思うのですよね。

皆さん、どう思われますか?

==========================================
    玉木 基之(Motoyuki Tamaki)
==========================================


From: 古川 猛(救急隊員)
Subject: [aml.18378] Re:  消防職員にとっての気管挿菅問題
Date: Thu, 7 Mar 2002 00:30:06 +0900


Eさん、皆さん、こんばんは。
守口市門真市消防、古川です。

> 本日のNHKで放送されたクローズアップ現代を視聴された方も
> 多いかと思います。

今回も見る事が出来ませんでしたので、いい加減な意見は・・と
思うのですが・・。


> 今日も、酒田の消防の方がはっきりと「悔いがない。」旨を言われていましたね。

今までMLに出す意見は出来るだけ漠然とした意見をと
思っていました。なぜなら本音は出来るだけ避けていた方がいいと思っていたからで
す。

その方はその行為に満足されていたのですか?
自分はそれを行う事によって職を失うとは思っていない訳ですよね。
失っても悔いがないと言われているんですよね。
現状に一石を投じたと言われているのですね。


> 1.「命」を優先させるために消防職員が法を犯しても良いのか?
> 緊急避難行為との意見もありますが、消防職員の仕事そのものが
> 一般的に言われる緊急業務に当たると思います。救急活動という緊急業務に
> 「緊急避難行為」が除外例として認められるのでしょうか?

私たちは法の下に仕事を今現在している訳です。誰でも人の命は助けたい!!
今まで多くの人がこの話題に意見を交わし、議論してこられたと思います。
でも、違法行為をして、本当に法は変わるのでしょうか?
(それを見越して、変えてみせるとして行われていたのでしょうか。
その時はヒーローとして扱われるのでしょう)
自分自身の信念で行われていたのなら自分自身の責任です。
指導医師云々は違うでしょう。
そんなに私たちが行っているBLSを含む処置はおかしいのですか?
隊の活動を改善する方が先でしょう。

緊急避難を期待しなければ人の命は救えないのですか?
気管内挿管が全ての人を救う事が出来るならば私は迷うことなく
行います。ひとつだけ私が許せないのは、法を犯してでも
その行為をしなくてはいけなかったと受け取れるコメントでした。
(Nステーションは見ました)
傷病者の人を救うためには必須ともとれました。ビデオを撮っていないため
詳しいコメントはわかりませんが、そんならそれをしない救命士は
人の命を見ていないのですか?
(編集の仕方も多分にあると思いましたが)


> 2.挿菅は必ず必要な技術なのか?
> 本日のNHKの番組を見ていると、LMAと気管内挿菅チューブしか
> 出てきませんでしたね。それ以外でも、コンビやWBも
> 有りますよね。嘔吐が考えられる場合、コンビを使用して
> 気道を確保することも出来るはず。なのに、今日の番組は
> 気管内挿菅が必須事項のように扱われています。
> 実際、皆さんもそう思いますか?

そんなことはないでしょう。
十分に換気できる技術、器具」があれば気管内挿管にこだわる必要が
なぜあるのでしょう?確実な換気が出来るからですか?
でも換気が出来た聴診の経験、その他も必要ですよね。
その後の処置云々はなぜ話題にならないのでしょう?
それを一人でするのは難しいし、チームワークが必須。
いぜんMLに出した中でいろいろな意見を頂きました。
私自身が思っているのはそんな事は大事じゃない、その隊が
本当に助けたい、その気持ち、そこまで持っていく事が
一番の課題だと思うのですが。(それを行うのは
気管内挿管より難しい)


> 症例の解析が進まないうちに気管内挿菅だ、薬剤だと言うのが
> 非常に怖いのですが・・・・・・


いつもコメントをするたび、もう、コメントやめよと思います。
むつかしすぎますし、話題が現実(私の)を
はるかに超えています。

(中略)

気管内挿管、薬剤の使用、本当に恐いです。


   守口市門真市消防組合 古川  猛 


From: 玉木基之(一般市民)
Date: Thu, 07 Mar 2002 01:27:09 +0900
Subject: [aml.18380] Re:  消防職員にとっての気管挿菅問題

古川さん、皆さん、こんばんは。
玉木です。

Takesi Furukawa wrote:
>>今日も、酒田の消防の方がはっきりと「悔いがない。」旨を言われていましたね。
>>
(中略) 
> 自分はそれを行う事によって職を失うとは思っていない訳ですよね。
> 失っても悔いがないと言われているんですよね。

如何なのでしょうかねぇー
ここまでは、はっきりと仰っていませんでしたが。
職を失うことを前提に話していないのであれば、
私の考えでは言語道断と言う気がしますが・・・・・
因みに、処分は戒告だったそうです。

> 現状に一石を投じたと言われているのですね。

のようですねぇ〜〜〜
これは、推測ですが・・・・


>>1.「命」を優先させるために消防職員が法を犯しても良いのか?
>>緊急避難行為との意見もありますが、消防職員の仕事そのものが
>>一般的に言われる緊急業務に当たると思います。救急活動という緊急業務に
>>「緊急避難行為」が除外例として認められるのでしょうか?
>>
> 
> 私たちは法の下に仕事を今現在している訳です。誰でも人の命は助けたい!!
> 今まで多くの人がこの話題に意見を交わし、議論してこられたと思います。
> でも、違法行為をして、本当に法は変わるのでしょうか?
> (それを見越して、変えてみせるとして行われていたのでしょうか。
> その時はヒーローとして扱われるのでしょう)

今回の番組でも「なし崩し的に・・・」という意見があることは
賛成、反対を含めて紹介していましたね。

> 自分自身の信念で行われていたのなら自分自身の責任です。
> 指導医師云々は違うでしょう。

私は最近思うのですが、Dr.の方々には失礼かもしれませんが、
救命士とDr.の裁量範囲が余りにも違いすぎるはずです。
しかし、同列に話されているケースがありませんか?
何か凄い矛盾を感じるのですが・・・・・・

私のような一般人には、緊急避難行為が認められ、
医師には幅広い裁量権があるのですが、
救命士には限られた選択肢の中で、現場で活動しなければならないという背景が
有ると思います。挿菅が許可されても薬剤が許可されても
この事情は変わらないと思います。

> そんなに私たちが行っているBLSを含む処置はおかしいのですか?
> 隊の活動を改善する方が先でしょう。
> 
> 緊急避難を期待しなければ人の命は救えないのですか?
> 気管内挿管が全ての人を救う事が出来るならば私は迷うことなく
> 行います。

私も同感です。
ただ、違法行為という現状では例え私が救命士でチューブが有っても
挿菅しないでしょうね。むしろその苦しみをデータで証明して
改善するしか合法的に改善できないと思っています。
いずれにせよ、エビデンスが少なすぎるか解析が粗すぎると思いますが・・・

> ひとつだけ私が許せないのは、法を犯してでも
> その行為をしなくてはいけなかったと受け取れるコメントでした。

> (Nステーションは見ました)

今年の三が日に、NHKのニュースキャスターとアメリカABCのニュースキャスターが
9.11のテロの報道に関して討論をしていたのですが、
その時に印象に残ったのが、

NHK「報道の姿勢としては、世論をまとめていく必要があるのではないか?」
ABC「いや。それは違うと思う。それは、報道側が世論を誘導していると思う。
     あくまでも報道に求められるのは、情報の正確さ。あらゆる面での問題の洗い出し。
     それを正しく視聴者に伝えることだと思う。答えを出すのは、視聴者だ。」
公共放送と詠っているNHKでさえ、このような有様ですから民間放送が
何をいわんやだと思います。

> 十分に換気できる技術、器具」があれば気管内挿管にこだわる必要が
> なぜあるのでしょう?確実な換気が出来るからですか?
> でも換気が出来た聴診の経験、その他も必要ですよね。
> その後の処置云々はなぜ話題にならないのでしょう?

以前、東海大学のセミナーで畑中先生が欧米のパラメディックのデータで
「挿菅した時と、バッグマスクだけのときとで蘇生率が変わらない。」と
紹介されていました。しかし、バッグマスクテクニックが本当に
救命士がちゃんと取得しているかどうかは・・・・・
救命士養成施設は、九州研修所だけではないですし
ましてや救命士ではなくて2課程(標準課程)の人間が操作することが
殆どではないでしょうか?確かに、曳航途上では、挿菅してしまった方が
確実に換気は出来るでしょう。でも、それは挿菅しなくても
LMAやWB,コンビでも十分なはずだと思いますが・・・・
本当に挿菅が必要なケースは限られますよね。
それは、当の酒田でも研究されていたようで、それを基準に
挿菅をしていたようですが・・・・・

> それを一人でするのは難しいし、チームワークが必須。
> いぜんMLに出した中でいろいろな意見を頂きました。
> 私自身が思っているのはそんな事は大事じゃない、その隊が
> 本当に助けたい、その気持ち、そこまで持っていく事が
> 一番の課題だと思うのですが。(それを行うのは
> 気管内挿管より難しい)

御意!
気持ちだけではなく、勉強会等で勉強していかなければならないと思います。

> いつもコメントをするたび、もう、コメントやめよと思います。
> むつかしすぎますし、話題が現実(私の)を
> はるかに超えています。
> 
> 私が考えている事はもっと次元が低い事です。
> (恥ずかしい事ですが)
> 所属がどうしたら真剣に活動を考えてくれるとか、現状が
> どうしたら良くなるかです。
> 気管内挿管の問題は二の次三の次の事です。

私も、同感です。
今、救急医療の問題はDr.と救命士間の問題のように取られていますが、
私はそうは思いません。もっと、救助や消防にも活動を支援してもらうために、
一緒に勉強する必要があるのではないでしょうか?
PA連携をネタに、一緒にしてもらうことも出来るでしょうし、
交通救助では救助と一緒に行動するはずです。
そんな時に、救急隊の活動を理解してもらっていなければ、
スムーズな現場活動は望めませんよね?
これは、次元が低いことではなくて、
根底の問題だと思います。避けて通れないと思います。

でも、救助や消防の人間からすると、どの勉強会(セミナー)も
救命士以上だったりすることが多く、余り勉強するには、
良い環境だと思いません。自社内での勉強会でも
限界があるでしょう。そんな時に敷居の低いセミナーで
刺激を受ければ更に、良くなるのではないでしょうか?

> 気管内挿管、薬剤の使用、本当に恐いです。
うちのある救命士が、「早く、薬剤許可してくれればなぁ〜」なんて

言っていましたけど、私はサービスを受ける側として
怖いです。一般人に救命士は選べませんから・・・・・

==========================================
    玉木 基之(Motoyuki Tamaki)
==========================================


From: 川内敦文(医師)
Subject: [eml-nc2: 1051] Re: 日看協HPより
Date: Thu, 7 Mar 2002 01:48:51 +0900

中村利仁さん、石原晋さん、八女保健所・川内です。

中村@町立中標津外科さん;

>  別に意外な結論ではありませんが、エビデンスがないことはしないというのも、
> 随分乱暴な議論でしょう。LMAやWBもやめるんでしょうか。

あくまで検証のための研究班ですから、今後についてはまた別の議論だと思います。
しばし状況を見守るなり提言するなりが在野としての動きかな、と考えます。

石原晋@県立広島さん;

> クローズアップ現代見ました。
> 考察はかなり適切でした。
> そのなかで「救急救命士の階層化」や、MCの用語こそ使われなかったけれど
> 「病院実 習や検証体制の整備できた地域から、処置拡大を」などのコメントは
> 全く同感でした。

いつぞや・・さん@当時厚生省が仰ったように「百年河清を…」というのも
如何ともしがたいので、どこかでスイッチをonせねばなりません。

> これまでこのような提言は、随所で行われてきましたが、国(厚生労働省)のス
> タンスは「全救命士一斉、全国一律」ということであったと理解してきました。
> さて、川内さんは
> ----- Original Message -----
> > 八女保健所・川内です。
> > C/U現代でも指摘がありましたが、気管挿管も含めて拡大した上で、個人and/or
> > 地域限定式に制度改正するのが落ち所かな、と。
> ーーーーーーーーーーーーーー
> ということは、上記「国のスタンス」は私の勝手な思い込みだったということでしょうか。

上記の囲み部分は、既に国政オンチの川内が申し上げているだけですので、そこを
お含みおき頂ければと思います。ただ、救急救命士法を含め全ての国家資格が
「全資格者一斉、全国一律」の原則で立法・運用されていますので、これを救命士法
のみが別の道を歩むのは多大なエネルギーが必要ですし、2年前の病院前検討会
ではMC体制の確立を打ち立てることに主眼が置かれていましたわけであります。

現在の厚生労働省の指向は知る由もありませんが、MC体制の進展・熟成の具合を
見計らいながら、国民の利益を重視した政策を考えて頂きたいと、筑後平野の片隅で
東の空を見守っているわけであります。

=============================
KAWAUCHI Atsufumi, M.D.
YAME Regional Office of
Public Health & Environment
FUKUOKA Pref. Gov.
=============================


From: E(救急隊員)
Subject: [aml.18382] Re: [aml.18380] Re:  消防職員にとっての気管挿菅問題
Date: Thu, 7 Mar 2002 01:58:38 +0900

皆さん、こんばんは
Eです

ここからは、玉木さん皆さんに
 [aml.18380] Re: 消防職員にとっての気管挿菅問題
に対するレスです。

> 以前、東海大学のセミナーで畑中先生が欧米のパラメディックのデータで
> 「挿菅した時と、バッグマスクだけのときとで蘇生率が変わらない。」と
> 紹介されていました。しかし、バッグマスクテクニックが本当に
> 救命士がちゃんと取得しているかどうかは・・・・・
> 救命士養成施設は、九州研修所だけではないですし
> ましてや救命士ではなくて2課程(標準課程)の人間が操作することが
> 殆どではないでしょうか?確かに、曳航途上では、挿菅してしまった方が
> 確実に換気は出来るでしょう。でも、それは挿菅しなくても
> LMAやWB,コンビでも十分なはずだと思いますが・・・・
> 本当に挿菅が必要なケースは限られますよね。
> それは、当の酒田でも研究されていたようで、それを基準に
> 挿菅をしていたようですが・・・・・

バッグマスクテクニックに関して、ここ九州研修所では徹底的に教え込まれました
そして、指導のコツも盗ませてもらいました。地元に帰ったら伝授するつもりです

> > 私が考えている事はもっと次元が低い事です。
> > (恥ずかしい事ですが)
> > 所属がどうしたら真剣に活動を考えてくれるとか、現状が
> > どうしたら良くなるかです。
> > 気管内挿管の問題は二の次三の次の事です。

私も、同感です。気管内挿管ができても救命率は向上しないのではないでしょうか?
バッグアンドマスクでもほとんどの場合換気できませんか?
私は過去、2課程、標準課程隊のみで完全社会復帰させることができた経験があり
リスクを背負ってまで気管内挿管とは思いません。(まだ、救命士になっていませんが)
また、秋田市が救命率を向上させたのは事実でしょうが、それは気管内挿管のおかげ
とは思っていません。秋田市はどこよりもバイスタンダー育成に力を注いだからでは
ないでしょうか?
もしこのまま、変な世論から法改正が行われてしまってもその効果、リスクを考えると
私は使わないと思います。それよりも、地道に内部改革(大げさ?)と講習会の営業に
力を注ぎたいと思っています。


From: 市川高夫(医師)
Date: Thu, 07 Mar 2002 09:14:05 +0900
Subject: [eml-nc2: 1054] Re: クローズアップ現代

On Wed, 6 Mar 2002 23:04:29 +0900
Mr.or Ms. B wrote:

> 番組内で紹介された気管内挿管実施例に限って言えば、緊急避難が当てはまる
> と考えることができるような気がしました。ただし、すべてのケースがそうで
> あったのか、漫然と気管内挿管が実施されていなかったのか、という点について
> は、いまだに疑問が残ります。
> 
> ドクターカーでの気管内挿管例では心肺停止患者ではなかったようですから、
> これは特定行為の項目のみならず、対象者まで拡大する必要があるとの
> メッセージだったのでしょうか。
> 

平澤先生のエビデンスがないは事実と思いますが、実際に
はたして気管内挿管で蘇生率に有意差はないは理解しますが、
では逆にコンビや、EOA、WBなどのように法律で許可されている
ものを使用した場合と使用しなかった場合で有意差がでるかと疑問に
思います。

日本の現状の心停止状態を現場で初めて確認して(それまで何分かかっているか)
気道確保(なにで行っても)、換気を行っても器具による差、器具を使用した
しないでの差は出ないのではないかと感じています。

正にウツタインで、層別をしっかりして年齢、発症から処置開始までなどの
母集団の選別を行って、気管内挿管、コンビ、バッグマスクだけなどの
有意差をレトロでもいいですから検討すべきと思います。


テレビでも出ていたように、われわれ医師が行う気管内挿管は
まさに船橋のように院内では、心停止または呼吸停止に陥る直前に
それを予想して行うことが殆どで、完全に心停止してからの蘇生率は
院内でも高くないことは前からエビデンスがありますから。


日本一律でなく、地域別発進をお願いしたいです。
→石原さん、山本さんがんばって、お願いm(__)m
新潟はそれを見て自治体、消防、医師会に働きかけを開始したいです。

---------------------------------------------
市川高夫        済生会新潟第二病院 麻酔科


From: F(救急隊員)
Subject: [aml.18389] Re:  消防職員にとっての気管挿菅問題
Date: Thu, 7 Mar 2002 09:51:21 +0900

皆さん、こん○○は F@・・消防です。

クローズアップ現代ですが、知ってる顔が一杯でしたね〜

で、肝心の内容ですが。。。。
酒田の救命士の方は全例では行われていなかったようで、
LMA等でも気道確保困難例に対しての使用であったようで
すので少し安心しました(誤解を受けるかな〜)。
確かに嘔吐があれば、CTAやWBで気道確保を試みますが、
必ずしも気道が確保出来るとは限りませんからね。
一石を投じたと言えば投じたとは思います。

しかし、反省も何も無く「後悔してない」じゃ〜
テレビを見ていた方は「挿管」が正義って思われちゃいますよね。
「なんで挿管しないんだ〜」って言う住民の方が出てくるんじゃ。。。

MCに関して松本さんや関根さんの北総ACLS(でしたっけ?)の様子を
含めて紹介がありましたが、松本さんがボランティアで検証等を行われて
いることにウチのカミサンが驚いていました。また地方じゃ
無理よね〜って(わかってるじゃん)

昨日の報道は、色んな問題を浮き彫りにしていたとは思いますが、
肝心の部分は・・・・・。
消防組織は?
専門職のように言われながらも、そこまで私達ってプロフェッショナルですかね?


From: 菊地要之介(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 1056] Re: [eml-nc2: 0998] 長い道のり
Date: Thu, 7 Mar 2002 10:16:03 +0900

山本さん、みなさんこんにちは、菊地@川崎消防です。

なにかと話題の挿管問題ですが、取材をする側、受ける側に温度差があるよう
感じますね。
やはり取材する側の意図に合うよう編集されているのは歪めない感がします。

山本さんWrote
> 救急救命士の病院実習も、見学実習ではなく、各個人のニーズや課題に対応
> できるオプションを持つ必要があります。実習をやりっぱなしにせず、記録
> と評価をきちんとすることが必要であり、実習内容を検証することも重要で
> す。ガイドラインの実習内容と厚生労働省判断に齟齬が発生しないように、
> 詰める作業も必要です。

●日ごろから大学病院での研修体制に疑問を感じています。
救命センターで救命処置を学ぶことも大事ですが、見学オンリーでは再教育とし
ての研修の意味がありません。
極端な話2次病院のほうが、しっかりしたカリキュラムを組んでくれるので、そちら
で研修したいくらいです。
やはり、救命士の質を検証して階層別、習熟度別のきめ細かい研修を望みます。
具体的には科目別に指導医を決め、研修期間中の院内帯同指導が望まれるとこ
ろです。
救急現場を知らない医師から何を学べるかは、未知数ですが接点を持つことに
将来の展望を見出せることと信じます。

この点はわが社でも要望したのですが、医学生研修とのブッキングがあって困難
との回答でした。


山本さんWrote
> 事後検証のためには、救急活動プロトコルが不可欠ですが、各MC協議会で作
> 成できない地域もありますから、各MC協議会が参考にできる標準的な救急活
> 動プロトコルを作成する必要があります。もちろん、救急活動記録の内容を
> 決定し、検証のあり方を示すことも重要です。ウツタインスタイルを導入す
> ることは必定です。

●あらゆる救急事案に対するプロトコールは必須と感じています。
わが社は、救命士の出身養成所がバラバラで、活動中の意思疎通を図ることが
難しいことがあります。
そのためにも指示医療機関によるMCとして、活動プロトコールは必須ですよね。

山本さんWrote
> さて、処置範囲の拡大は全国一律では到底不可能です。MC体制が構築されて
> も地域差はむしろ拡大するかも知れません。処置範囲の拡大にともない1万
> 人以上の救命士の研修を一斉に実施することは不可能です。しかし、法は、
> 一律に全国に及びます。さて、どうすれば良いでしょうか。
>
> 出来るとすれば、次の施策しかないと思います。
> 1)法の改正により、処置範囲を拡大する。
> 2)国がMC体制整備の指標を策定し、公正なMC地域評価委員会で地域評価
>   を行い、MC体制の基準以上を満たした地域に処置範囲の拡大を許可する。
> 3)拡大処置を実施できる救命士は、ある基準以上の研修(病院実習および
>   研修会等)を実施した者に限定するべきであり、資格制度とは別に認定
>   制度を作ってはどうでしょうか。
> MCへの近道はありません。米国ですら20年かかりました。MC体制の構築を
> 進めることは、我が国の救急医療の土壌を耕し、様々な問題を解決すること
> に繋がります。病院前医療の改革は消防組織の改革、病院医療と救急医制度
> の改革を不可避にすると思います。長い道のりを焦らずに一歩一歩進んでい
> く覚悟が必要ではないでしょうか。

●まずは、救急業務に関し環境の土壌改良が必要ですよね。
職場の理解を得られること、救命士資格取得後の新たな目標を設定し、モチベー
ションの低下を防止する、業務内容の軌道修正を常に行う。
資格更新制度もありかなと思う今日この頃です。
後輩たちがまっすぐ育つために・・・

(Y)o\o(Y)(Y)o\o(Y)(Y)o\o(Y)(Y)o\o(Y)(Y)o\o(Y)(Y)o\o(Y)(Y)o\o(Y)(Y)o\o(Y)
        川崎市消防局  救急救命士
        菊地 要之介


From: 境田康二(医師)
Subject: [eml-nc2: 1058] Re: [eml-nc2: 1038] 裏話
Date: Thu, 7 Mar 2002 10:57:42 +0900

境田@船橋市立医療センターです。
Bさんが書かれた点についてお答えします。
●
> ドクターカーでの気管内挿管例では心肺停止患者ではなかったようですから、
> これは特定行為の項目のみならず、対象者まで拡大する必要があるとの
> メッセージだったのでしょうか。

報道は一部分しか出ませんので誤解が生じることがあります。
しかしBさんのご指摘鋭い点です。このメーリングリストには救命士の
方がたくさんいますので今後の参考にして下さい。

取材された症例は結果から言えば
心不全→肺水腫→低酸素血症→意識障害→呼吸停止が起きました。
心停止ではありません。
(消防は呼吸停止のみも心肺停止に含めるようですが)
しかし、あのまま(呼吸停止から)処置をしなければ間違いなくPEAから
心停止に至ったと考えています。

年に何回か経験するのですがたまたま取材の日に起きました。
また先着隊の報告より患者意識清明、バイタル安定だがECG上不整脈
ありとの報告、患者さんの家までドクターカーが入れない(船橋の道路
事情はひどい)ということで広い道路でドッキング(これも年に何回か)
した症例でした。(そのために車内に入るときに薬!薬!)

診察して胸に開心術の跡、気管切開の跡があり、聴診でラ音がひどかっ
たのできっと心不全だと思いました。酸素マスク10l/min投与でSpO2が
90前後だったのでギリギリかなと思って点滴をとっているうちに
眼球上転、意識↓呼吸停止と進みました。(ここで挿管!挿管!の言葉。)

当然バッグマスクで陽圧換気、SpO2が少し良くなって呼吸再開、でも
泡沫状の痰ひどいので挿管(当然自発にあわせて挿管、だからはいゆっくり
息してーの発言。また患者をすわらせた状態で実施。低酸素血症があるとき
は挿管してから鎮静した方が安全)。
ところが確かに先端は気管に入っているのにチューブが進まない(テレビで
見ると口からでていたチューブが長かったことに気付きました?)。
おかしい、これはもしかしたら気管切開の跡が狭窄になっているかも?
(LMにしておけばよかったと後悔!)
でも陽圧換気ができたので無理にはチューブ進めずそのまま換気し
搬送したのでした。(挿管の取材にLMにするのはいやみですよね。)
病院では抜管してマスクでBIPAP(陽圧換気)しました。

低酸素血症の患者さんは最初、血圧上昇、頻脈、頻呼吸になります。
それを通り過ぎると意識↓、徐脈、呼吸停止に進みます。この時点では
心臓は動いていますが処置が遅れれば心停止になるでしょう。
心不全からと判断すれば現場でできることは陽圧換気が有効ですから
どこかで器具による気道確保が必要でしょう。
幸い消防では呼吸停止を心肺停止に含めるようですからPEA?との
判断で救命士の方は気道確保すればいいのではないでしょうか。

こんな裏話を知ってから見るとまた違った感想がでるかもしれません。
******************************
境田 康二
船橋市立医療センター救命救急センター
******************************



From: 佐藤篤代志(救急隊員)
Subject: [aml.18391] Re:  消防職員にとっての気管挿菅問題
Date: Thu, 7 Mar 2002 11:13:40 +0900

玉木さん、守口市門真市消防・古川さん、皆さんこんにちは。
佐藤@三条地域消防(新潟)です。

> 気管内挿管、薬剤の使用、本当に恐いです。
私も同感です。薬剤の使用は特に怖いと思っています。
怖いと思うのは、知識・技能のない私だけなのかもしれませんが・・・

後輩が医学的な話をしている時、まるで医師と同じ感覚で話をする者もいます。
その時、私は後輩に、医師と救命士、救急隊は同じではないよ。同じように会話がで
きるように努力することは必要だけれど、決して同じにはなれないよ、と言うことが
あります。そして、最後に、もし同じになりたいのなら、救命士の資格でなく医師免
許をとった方が良いよ、と冗談半分、本気半分の気持ちで言う時もあります。

特定行為を多くこなすのが救命士であるのなら、私は、救命士失格かもしれませんね。
救命士制度、救命士とは何なのだろうと、考えてしまう今日この頃です。

***************
     三条地域消防本部
        佐藤篤代志
***************


From: 高橋敏行(救急隊員)
Subject: [eml-nc2: 1059] Re:NHK「クローズアップ現代」
Date: Thu, 7 Mar 2002 11:42:21 +0900

みなさん こんにちは高橋@四日市消防です。

先週のニュースステーションは出動中で見れませんでしたが・・、

前半に出ていた救命士は東京研修所の同期で、この9年間の
地域医療環境の違いを感じました。

救急現場と手術室との根本的な違い、「胃内容物」(フルストマック)
の対処について誤嚥防止のため気管挿管が有効であると言ってお
られ、それに対処するために医療機関と何度も意見交換され挿管
に至ったと報道から受け止めました。
順法・違法という面を抜きにして、いわゆるMC体制が出来ていたの
は評価できると思います。

救命士テキストでも気管内投与できる薬剤は「気管内エ・リ・ア」
 ( エは エピネフリン、リは リドカイン、アは アトロピン )
と、教わりいかにも早期に出来るのだと私自身も勘違いしていました
が、現場で症例をつむたび、復帰例をつむたびに、気管挿管、薬剤
投与に関しその効果について??が多くなってきました。
しかし、胃内容物に関し約半数が(あいまいですみません)逆流を認
め口腔内吸引に手こずり、結局病院到着まで気道確保不十分なまま
心臓マッサージのみで搬送する場合があることも事実です。

彼はこの件について医療機関と話をする場所を持ち、研修を積み
気管挿管に至ったその姿勢は,同じ時期に資格を習得した私と比べ
医療機関との顔の見える関係を作ってきた事実は評価できると思い
ます。

症例の検証に入っているようですが、現場到着時の、初期調律が
どうだった気になるところです。

高橋 敏行


From: 成田慎也(救急隊員)
Subject: [aml.18392] Re:消防職員にとっての気管挿菅問題
Date: Thu, 7 Mar 2002 13:46:03 +0900

成田@北見消防です。

玉木さん、皆さんこんにちは。
ご無沙汰しています。

問題のTV、見ていませんので何とも答えにくいのですが・・・

救急隊には、バックマスクという”武器”があります。チョット練習を積みさえ
したら出来る手技です。
しかし、継続しての気道確保は、難しいです。
担架搬送しながら、揺れる救急車内の中で、等々全て経験が必要です。

気管内挿管は、固定さえしたら用手による気道確保より断然優れていることは
言うまでもありません。
この辺が、安易に考えられ救急隊が間違いを犯した一つの理由かも知れません。

私なりに挿管問題だけを整理しますと

1.緊急避難と気管内挿管は、別に考える必要がある。
  気管内挿管が緊急避難で救われると言うのは、数%?低いが、あるでしょう。
  しかし、救急救命士制度問題の本質ではない。

2.○○救命センター当直医師でも気管内挿管が出来ないDrが現実にいる。
  挿管問題では、むしろ上記の方が深刻です。
  

我々救急隊は、病院内での医療従事者と違いDrのすぐそばで顔を見ながらの
仕事ではありません。
患者さんを病院へ搬送し、その後(勉強のためと)病室への出入りは、そう簡単に
は出来ない状況です。
なじみのDrにもそう簡単に、接触出来ません。(全て消防組織という壁)

患者さんを病院処置室に搬送して初めてDrとコンタクト(電話含むか?)が
できます。
ですからより以上にメディカルコントロールが必要になると思いますしメディカ
ルコントロールが理解しているDrが必要なのです。

ですから上記の理由で、指示なし除細動以外の特定行為拡大と言うことには、反対です。


我々救急隊は、もっとバックマスクに誇りをもたなければなりません。
             
          そして

ホンキで救命率を考えるならば、バイスタンダーCPRを全国レベルで考えましょう。
    
 ━━━━━━━━━☆━━━━━━━━━━━
         救急救命士 成田慎也
  ━━━━━━━━━☆━━━━━━━━━━━


From: H(医師)
Date: Thu, 7 Mar 2002 18:17:37 +0900
Subject: [P.H.Network] RE:  PHニュース(0306)

http://www.sakigake.co.jp/servlet/SKNEWS.News.kiji?InputKIJICODE=20020306AK
秋田市の関係者が背景を証言/気管内挿管問題で厚労省がヒアリング

>「秋田市で心肺停止患者の社会復帰率が高くなったのは、本来算入すべきではない市民に
>よる蘇生(そせい)例や、呼吸だけ停止した人を心肺停止患者に加えて算出したため」など
>と指摘した。

 これは、どういうことですかね。
いずれにせよ社会復帰率を水増ししていたということになりますね。
議論の前提が変わってしまうのでは。


From: 小泉博仁(救急隊員)
Date: Thu, 7 Mar 2002 20:31:02 +0900
Subject: [aml.18400] Re: 消防職員にとっての気管挿菅問題

佐藤さん皆さんこんにちは、山形の救命士、小泉です。

> 佐藤@三条地域消防(新潟)です。
> 
> > 気管内挿管、薬剤の使用、本当に恐いです。
> 私も同感です。薬剤の使用は特に怖いと思っています。
> 怖いと思うのは、知識・技能のない私だけなのかもしれませんが・・・

佐藤さんは薬剤の勉強をしたからこそ、誤って使用した場合の怖さ、使用を許可される為
に歩まねばならない道のりの、そのあまりの遠さに恐怖心を抱いているものと理解します
がいかがでしょうか?

> 後輩が医学的な話をしている時、まるで医師と同じ感覚で話をする者もいます。
> その時、私は後輩に、医師と救命士、救急隊は同じではないよ。同じように会話がで
> きるように努力することは必要だけれど、決して同じにはなれないよ、と言うことが
> あります。そして、最後に、もし同じになりたいのなら、救命士の資格でなく医師免
> 許をとった方が良いよ、と冗談半分、本気半分の気持ちで言う時もあります。

私もよく「救命士に関係ない(出来ない)事を勉強してなんになる?医者になれば〜?」
と言われている者の1人です。

他にも「ミニ医者」と呼ばれ、蔑まれている救命士もいるやに聞いています。

ですが私は、医師も看護師も救命士も、患者の為に何が必要かという観点で、同じ考えを
持つことが必要であると考えています。
今、この患者に何がベストなのかを考え、その次に自分のスキル、使用可能な資機材、環
境等に応じて選択枝を選んでいく事が、将来的にも患者の為になると思っています。

現場に出ない医師、看護婦にBTLSは必要ない?薬剤を使えない救命士にACLSは必要ない?
他の分野の勉強をする事は今回の事件につながる危険思想でしょうか?

お上のお達しがない限りその分野に取り組まないという姿勢は、どこか他人任せであり、
自ら殻を作っている感じを受けます。

私自身、他人任せにしてきた部分が多分にあり、反省しています。
自らの殻を破るのは、何も違法行為に走る事に直結するわけではありません。
全国には合法的に、より良い体制を構築しようと現実に実行に移している方々がたくさん
います。
私はそのような人々を尊敬すると同時に、自分もそうなりたいと強く思いますし、その為
には他の分野の勉強が必須であると考えています。

----------------------------------------------
所属  山形県 西村山広域行政事務組合消防署
氏名  小泉 博仁
----------------------------------------------


From: 杉江(救急隊員)


From: 杉江(救急隊員)
Subject: [aml.18402] 救命率が上がらないのはなぜ
Date: Thu, 7 Mar 2002 21:37:04 +0900

皆さんこん○○は
滋賀東浅井の杉江です。
あまり意見していないので気がひけてしまいますが
一言だけ言わせてください。
先日放送された中に「救命率が上がらないから気管内挿管を」
といった話がされていたように思います。
自分自身CPAの傷病者を搬送した際に、
「この傷病者にもっと早く手当てが施されていたら助かったかもしれない。」
といつも思っています。
このような思いをした人はたくさん居られるのではないでしょうか。
今、気管内挿管が問題になっていますが、確かに真剣に考える必要があります。
しかし、今考えなくてはいけないことは、
皆さんがいろんな問題提起をしている「ガイドライン2000」
に基づく応急手当の普及啓発ではないでしょうか。
おそらく気管内挿管をといわれる背景には住民指導は
もう行き届いたというから次は気管内挿管となったような気がします。
(これはいいすぎですよね。スイマセン)
もう一度基本に戻って応急手当の普及啓発をやりましょう。
成田さんの
「ホンキで救命率を考えるならば、バイスタンダーCPRを全国レベルで考えましょ
う。」
この言葉大賛成です。
一言ですまなくてスイマセン

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
滋賀県東浅井郡消防本部
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


From: 庄林昭彦(救急隊員)
Subject: [aml.18403] Re: 消防職員にとっての気管挿菅問題
Date: Thu, 7 Mar 2002 21:51:40 +0900

こんにちは 小泉さん、佐藤さん、みなさん。
京都消防 庄林です。

> 私もよく「救命士に関係ない(出来ない)事を勉強してなんになる?
> 医者になれば〜?」と言われている者の1人です。
> 他にも「ミニ医者」と呼ばれ、蔑まれている救命士もいるやに聞い
> ています。

処置を見れば、病院のレベルが推察でき、次からの病院選定で考慮
できる。(極秘扱いで)
搬入後の処置が分かっていれば、医師や看護婦に対する申し送りが
的確に行え、信頼関係が築ける。
既往症が悪化した患者やその家族は、病気や投薬についての知識が
豊富で、それについての知識が必要になる。

ということで、ミニ医者と呼ばれるぐらいしっかり勉強したいですね。
もちろん、佐藤さんが言われるように救急隊の現場感覚を大事にして
勉強しなければならないですね。

庄林 昭彦


From: 石井 隆光(救急隊員)
Subject: [aml.18412] Re:消防職員にとっての気管挿菅問題
Date: Fri, 8 Mar 2002 00:49:40 +0900

成田さん、杉江さん、みなさんこんばんわ!
石井@相模原市消防やっと II 課程になりました!です。

成田さん、杉江さんの意見にとても共感しました。(;_;)

成田さんが書きました。
> 我々救急隊は、もっとバックマスクに誇りをもたなければなりません。     
     
>           そして
> ホンキで救命率を考えるならば、バイスタンダーCPRを全国レベルで考えましょう。

まったくその通りだと思いました。
 確かに一番有効な換気ができるのは、挿管だと思います。しかも
逆流が起こっても効果は変わりません。救命士が使えるようになれば
気道確保の最大の武器になると思います。
 しかし、バックマスクの手技によっては、逆流を防ぎ有効な人工呼吸も可能
ではないでしょうか。
 もし、挿管を救命士が行うことができるようになったとして、はたして
救命率は目に見えて上がるのでしょうか?
 救命士制度が発足して10年、確かに僅かながらの救命率の上昇はありました。
しかしそれは、現場での特定行為よりは、医学の専門的な知識を習得したことによる
現場での「判断」による見えない部分での救命率の上昇の方が大きかったのではない
でしょうか?
 
 でもこれもあれも、結局はわれわれ救急隊が現場についてからの事です。
われわれが現場に着くまでの空白の数分間をつなぐのはやはり一般市民であり、
傷病者の近くにいる人です。
チェーンオブサバイバル!この第一走者がスタートを切ってくれなければ、
やはり命を救うのは難しいと思います。
 秋田で救命率が高いのはやはり市民への普及活動に力を入れていたからではないの
でしょうか?
 
 なぜ、救命士研修所で「空白の数分間」の重要性をいやというほど習ってきているはずの
救命士が普及活動に力を入れないのですか?なぜ、自分の知識・技術を上げることばかり
考えるのですか?
 普通救命講習すら面倒くさがる救命士は何を勉強してきたのですか?

(中略)

 災害の最前線で処置ができる救命士を目指す、救命士の種でした。

**********************
相模原市消防本部 南消防署 
石  井    隆  光
**********************


From: 関根和弘(救急隊員)
Subject: [aml.18417] Re: クローズアップ現代!
Date: Fri, 8 Mar 2002 11:30:50 +0900

新倉さん
みなさん こんにちわ。せきね@のだ市です。

> クローズアップ現代を見終わって
> さすが〜と思うことと、今まで見てきた他の番組同様・・・?
→まぁ今回の取材の方も良く救急のことを
勉強してきた感じはしました。

> 気管内挿管について、今まで各種テレビ局で放送されてきましたが
> 私なりに思うことを書かせて頂きたいと思います。
> 7年前から気管内挿管が違法としながら、現場ではこれしかない・・と
> 思い自分達の判断で実施してきた訳であるが、何故、今回国から一通の文章が
> 回ってきただけで器材を救急車から降ろしたのか、私には判りませんでした。
> 
> 違法としながら行ってきたことを、最後まで責任(意地)持ち、
> 自分達が行ってきたことに対しての正当性を訴えてほしかったと思います。
→言い方は強引かもしれませんが、救急2課程に「VFだから
除細動を実施しろ。。」と同じ事。

 私には、ようせんですわぁ。そんな勇気はありません。
目の前のVFと除細動器があってもCPR継続を指示します。

> 最後は、千葉北総病院の松本先生・野田消防の関根さんの言葉が
> 上手くまとめられてるな〜と感じました。
> (関根さん、男前に写っていましたよ!)
→ほんま!!(*^▽^*)
でもあの後のインタビュウーには、とんでもない事を
言っているんだなぁ。これが。あのインタビュゥーのカットの
仕方はさすがNHKです。

PS 昨晩の12CH(TV東京)でJALのAEDの
  訓練が放映されていました。最後にキャスターは、
  救急救命士は、医師の指示がなくては除細動を実施できません。
 ってな事をコメントしていました。

関根和弘@野田市消防本部


From: 市川高夫(医師)
Date: Fri, 08 Mar 2002 10:51:33 +0900
Subject: Re: [P.H.Network] RE:  PHニュース(0306)


On Thu, 7 Mar 2002 18:17:37 +0900
Mr.or Ms. H wrote:

> http://www.sakigake.co.jp/servlet/SKNEWS.News.kiji?InputKIJICODE=20020306AK

> 秋田市の関係者が背景を証言/気管内挿管問題で厚労省がヒアリング
> 
> >「秋田市で心肺停止患者の社会復帰率が高くなったのは、本来算入すべきではない市民に
> >よる蘇生(そせい)例や、呼吸だけ停止した人を心肺停止患者に加えて算出したため」など
> >と指摘した。
> 
>  これは、どういうことですかね。
> いずれにせよ社会復帰率を水増ししていたということになりますね。
> 議論の前提が変わってしまうのでは。


うーーん、新聞だけではよくわからないし、金先生、円山先生も
熱心なまじめな方ですけど・・。

救急隊が呼吸停止のみの患者も心肺停止に含めているのは
以前からで、呼吸停止と心停止を分けていないで集計しているようです。

また、市民による蘇生例でもおそらく全例救急車を呼んで高度医療機関へ
搬送しているはずで、「命を救う鎖」の考え方からは至極当然に
思います。
市民による蘇生率が秋田で高いのも、円山先生や救急隊の他で例を
見ないくらいの熱心さの賜物です。

本来ウツタイン方式という蘇生の実態を時間単位で記録して
統計処理する方式が世界的にあるのですが、日本で少しづつ
行われて来ていますがまだ不十分です。

これで検討すれば金先生の船橋と円山先生の秋田で母集団を
揃えて検討できるはずです。
データはどちらも揃えられるように思いますが・・・。

社会復帰率の水増しという表現はおかしいと思います。

今後の進展を見守りたいと思います。

---------------------------------------------
市川高夫        済生会新潟第二病院 麻酔科


From: 関根和弘(救急隊員)
Subject: [ibarakiems.1853] Re: [ 関根さん全国ネットんに
Date: Fri, 8 Mar 2002 12:22:10 +0900

・・さん
みなさん こんにちわ。せきね@のだ市です。

>  関根さん皆さん今晩は。・・です。
>  今日6日偶然NHKを見ていたら6:30に何と関根さんと思しき
> 救命士が除細動を実施しているではないですか。半信半疑で
> したが次に北総病院の松本先生が出てきたので間違いないと
> 確信しました。「ゆれる救急現場」という番組です。
→そうですね。
クローズアップ現代です。
当初は12月中の取材で1月の放送予定だったのですが
秋田や他の地区の気管内挿管を実施した所属の許可が
とれなくて今までずれ込んだようです。

>  次に船橋市のドクターカーの医師の挿管現場が出てきて生存
> 率の高さが気管内挿管等の処置によりその重要性が示され,
> その次に北総病院の研修現場が出てきて松本先生と関根御大が
> 登場となりました。
>  テーマとしては
>  1.救急現場のジレンマ
>  2.厚労省がいっている救命士の技量への疑問?
>  3.現場での救命のための医療行為拡大の必要性
>  4.医療行為の拡大のためこれからの課題と方法
>  このなかで、北総病院での検証評価体制の実績づくりは、医療
> 行為の拡大の中で「2.厚労省がいっている救命士の技量への疑問?」
> の解答になっていると思います。
>  また、キャスターの「なぜ救命士制度が出来て10年も手付かずでい
> たのか。」といっていた所に大きな問題があるのではないかと思われ
> ます。
→制度発足と一緒にMC体制を考えていれば
こんな事にはならんかったでしょうね。
 でもこれからがまた大変ですが。

 うちの地区の○○○○○の会合で○○長から「検証制度??
そんなものは知らん。。保険点数がついてから考えよう」と
早速釘を刺されたみたいです。
 まぁ消防側もきちんとした予算組みをして(補助金としておりて
きているはずです)検証制度にお金を払う仕組みを作らんといけません。

 日医北総の検証制度は、松本先生のボランティアで成り立っています。
松本先生が他へ異動になったりしたら破綻する制度です。
 これでは・・・・制度とは言えません。

>  それから、船橋市のドクターカーの生存率の高さにびっくりしました。
→あれもNHKの確信犯でしょうか??
統計の取り方が示されていませんでしたね。

 船橋の生存率は、心原性、目撃あり、VF、での統計です。
(ウツタインスタイル)
他の地区の分母は、全心肺停止でしょうから。
分母が違えば%が高くなるのも最もです。

 しかし、船橋は全中学生にCPRの普通救命講習会の
開催やDRカー医師団、救命士へのACLSやPTLS(日本版ATLS)を
受講させていたりハードだけではなく、ソフトにも力をいれて
いますね。その辺が数字に表れてもおかしくはない。

ちなみに野田は、ウツタインスタイルでの統計で4.1%の
社会復帰率でした。手元に資料がないので数は後日。

> 水戸市にもドクターカーは在りますが救命率は上がっていません。
> 私も含め赤面ものでした。そのドクターカーも平成十四年に国立水戸
> 病院移転後は消防長判断で無くなってしまいます。
→もったいないですね。折角あるものを。
船橋は年間5000万円の予算でDrカーを
運用しています。
 医師会を巻き込んでできないものでしょうか。
難しいか・・・・(^^;

 しかし船橋以外の他市の市民からすれば何故人口50万人の
船橋ができて○○や○○、○市ができないだ。って思いますよね。
現に市民からはそう言われているらしい。
 上記にあげた市は、市立病院ももっており○○は救急センターまで
もっている市なのに。また、人口規模もそう変わらない。

 水戸の人口と船橋との比較はどうなんでしょう。
また、ウツタインスタイルでの統計等は実施しているのでしょか。
統計の標準化ができなければ、同じテーブルでの話合いができません。

>  関根さんイイ顔してました。
→ありがとうございます。
冷や汗をかきました・・・・・いきなりの指名での
ACLS・・・即席救急隊でした。。σ(^-^;;

関根和弘@野田市消防本部


From: 佐々木伸也(救急隊員)
Subject: [aml.18418] 消防職員にとっての気管挿菅問題
Date: Fri, 8 Mar 2002 12:50:59 +0900

皆さんこんにちは佐々木@大阪消防です

気管内挿管について私の意見を述べさせてもらいます。
私は、気管内挿管は救急隊にとって必要ないのではないかと考えています。
以前は、私も気管内挿管が絶対に必要だと思っていましたが、CTやWBを使うよう
になって気道確保、換気といった面では挿管と比べ遜色がないと感じるようになりま
した。
気管内挿管のメリットは、薬剤の気管内撒布が出来るぐらいしか思い当たりません。
気管内挿管と薬剤の使用が同時に認められるなら多少の効果はあると思うのですが?
それに引き換え、挿管は非常に手技が難しいことです。
CTやWBで有効な換気が出来るなら、リスクをおかして挿管する必要はなく、DC
はもちろんのことルートの確保や搬送を急ぐべきではないでしょうか
また、病院到着後(ACLS)でも、有効に換気が出来、ルートが確保できるようで
あればCTやWBを挿管に変える必要もないと思っています。
(中略)
救命とは、ある種時間との戦いでもあると思います。
薬剤投与などによって、心拍が回復してから気管内挿管に変えてもいいのでは?
CTやWBはG2000ではクラス未確定となっていたと思いますが、日本ほどCTやW
Bの症例のある国はないので、これをしっかり検証して、安全かつ有効であることが
立証されれば世界のスタンダードになっていくと思います。

とりとめもない文章になりましたがお許しください


From: 古川 猛(救急隊員)
Subject: [aml.18422]  Re: 消防職員にとっての気管挿菅問題
Date: Fri, 8 Mar 2002 14:20:34 +0900

皆さん、こんにちは。守口市門真市消防、古川です。

玉木さん
> 私のような一般人には、緊急避難行為が認められ、
> 医師には幅広い裁量権があるのですが、
> 救命士には限られた選択肢の中で、現場で活動しなければならないという背景が
> 有ると思います。挿菅が許可されても薬剤が許可されても
> この事情は変わらないと思います。

御意。私もそう思います。

> 確実に換気は出来るでしょう。でも、それは挿菅しなくても
> LMAやWB,コンビでも十分なはずだと思いますが・・・・
> 本当に挿菅が必要なケースは限られますよね。
> それは、当の酒田でも研究されていたようで、それを基準に
> 挿菅をしていたようですが・・・・・

今日、「クローズアップ」のビデオをみました。
少し複雑な気持ちになってしまいました。。おっしゃるように組織の中で
きちんと基準を設けて行っていた事、医師のコメントもありました。
果たしてここまで組織を統一する事が私たちの所属で可能か・・。
別の意味で見習う事が多くあるように感じました。

成田さんwrote
>我々救急隊は、もっとバックマスクに誇りをもたなければなりません。
             そして
>ホンキで救命率を考えるならば、バイスタンダーCPRを全国レベルで考えましょ
う。
本当ですね。

・・さん、
>現場に出ない医師、看護婦にBTLSは必要ない?薬剤を使えない救命士にACLSは必要ない?
>他の分野の勉強をする事は今回の事件につながる危険思想でしょうか?

危険思想とは思いません。必要なことだと思います。
救急に携わる方々、すべての人が同じ認識を持つ事は大切だと思いますし
広い知識を持とうとし、技術を磨く事は更なるステップアップに必須だと
思います。小泉さんの意見に賛成です。


先日私の所属の職員から「気管内挿管はしなあかんなー。人の命助けるためには
必要やろー。」と言われました。救急の人とは違います。
「いや、それは・・。」と言いかけて別の職員(救命士)が「せや、いるでー。うんぬん」
「・・・・・。」
テレビの影響の大きさに驚いています。
でも、それ以前の事は話題には上りません。救命講習の重要さ、救急隊自体の
スキルアップ、病院との連携など。
救急以外の人は当然解らないので、と思うのですが、簡単に「いるでー」
と言い切る人もいる現実をみると・・。
私にはやっぱり2の次3の次の事柄になってしまいます。
すみません。愚痴になってしまいそうなので・・。

   守口市門真市消防組合
    警防係 救急  古川  猛 


From: H(医師)
Date: Fri, 8 Mar 2002 18:27:29 +0900
Subject: [P.H.Network] RE^3: PHニュース(0306)

>本来ウツタイン方式という蘇生の実態を時間単位で記録して
>統計処理する方式が世界的にあるのですが、日本で少しづつ
>行われて来ていますがまだ不十分です。

>社会復帰率の水増しという表現はおかしいと思います。
 おっしゃる通り、世界的にスタンダートな算定法が取られていない
のであれば不適切な表現ですね。むしろ、「算定法が異なるもので
率の高低を議論しても意味は無い。」とした方が正確でしょうか。

>今後の進展を見守りたいと思います。
 御意


Date: Fri, 08 Mar 2002 19:27:42 +0900
From: G(医師)
Subject: [niigata.1653] 有用性示す文献なし

Gです。随分と温度差のある内容です。

2002年(平成14年) 3月8日金曜日
 日医インターネットニュース 1242号 より抜粋

■ 気管内挿管の有用性示す文献は見当たらず ― 厚生労働省研究班 ― 

 厚生労働省「救急救命士による適切な気道確保に関する研究」班の畑中
哲生研究員(救急救命九州研修所教授)は3月5日の第2回班会議で、気
管内挿管の有用性について複数の文献を検証した結果、「傾向として、気
管内挿管が生存率をあげるというエビデンスはない」との見解を示した。
調査対象などに偏りはあるものの、AHA(アメリカ心臓協会)の指標で
信用度が最も高いとされる論文(Gausche、2000年)でも、気管内挿管の
有用性は証明されなかった。同研究班は、次回3月27日の会合で、救急救
命士の適切な業務範囲について報告をまとめる予定だ。 

 畑中研究員がこの日示したGauscheの論文によると、気管内挿管と他の
気道確保方法による生存率を比べたオッズ値(1を上回ると気管内挿管の
方が有用)は呼吸停止例で0.27、虐待事例で0.07と有意に低く、マスク換
気による気道確保の方が生存率が高いことが示された。心肺停止事例でも
有意差はないものの、オッズ値は0.96と1を下回った。 

【コメント】現時点でのテレビ報道の内容は拙速で曲解にすぎるといえよ
う。厚労省の責任ある対応を求めたい。なお、研究班からの見解を掲載し
た一般紙は皆無であった。(T.Y) 

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■ 救急救命士の気管内挿管について見解求める 

 民主党医療問題ワーキングチーム(WT、今井澄座長)は3月5日、救
急救命士による気管内挿管について、厚生労働省、消防庁から説明を受け
た。救急救命士が心肺停止状態の患者に気管内挿管を行って気道確保する
ことは禁じられている。だが最近、秋田、山形の消防本部で恒常的に気管
内挿管が行われていた事実が判明。これを契機に救急救命士の業務範囲見
直しを求める意見が出ている。WTで厚労省、消防庁は、救急救命士が行
う医療行為を医師が指導したり、事後評価する「メディカルコントロール
体制」の整備と、気管内挿管の有効性とリスクについて検証したうえで、
業務範囲見直しの議論に入る方針を示した。しかし、WT側は「切羽詰っ
た問題という認識はないのか」「10年前の救急救命士法制定時と同じ議論。
踏み込んだ内容が何も出てこない」などと不満を噴出させた。 

【コメント】救急救命における気道の確保は当然重要であり、これに対す
る最善の方策を練ることは喫緊の課題である。(T.Y) 
----------------------------------------------------------------


From: 成田慎也(救急隊員)
Subject: [aml.18435] Re:消防職員にとっての気管挿菅問題
Date: Fri, 8 Mar 2002 23:22:58 +0900

成田@北見消防です。

・・さん、石井@相模原市さん、・・さん
コメントありがとうございます。

気道確保の基本は、バックマスク気道がしっかりしていたら
特定行為による気道確保は、時間の無駄。
でも組織では、CPAには特定行為による気道確保、除細動、そして
ルートが義務化されているところも聞き及んでいます。

(中略)

挿管問題で、中にはこれしかないと言う事例もあるでしょう。
みなさん、患者さんが
家族だったら?知人?、隣人?・・・○○だったら?
どうします?

軍人が、負傷し友軍でがみすてて、違う友軍が医療行為をして
助ける。
結果、助けた友軍(だけ)が、軍事裁判にかけられる。

そんなシナリオ??(チョット過激か?)

医療は、人類愛です。ネ
だからといって、救急隊の違法行為を肯定するもではありません。
救急の応急処置の基準の中には、「やむを得ない場合はこの限りでない」
と言う文面もありました。

みなさんは、2.3歩前に進んでいる方ばかりです。
でも現実は、違います。
ここは、あくまでもバーチャルの世界。

メディカルコントロールなんて、ほど遠い世界に身を投じています。

現実は、せつなくバイスタンダーCPRを大事にしなければ、次が
ナイのです。(私はそう思います。)


その後、世論が生きてきて救急隊の特定行為が拡大されるでしょう。
   
        ♪♪♪♪♪
♪将来♪行政改革で、消防組織から救急隊が離れ・・・・

    ♪♪チョット 夢見ました♪♪♪


ありがとうございました。

    ♪♪♪♪♪ ☆ ♪♪♪♪♪

         救急救命士 成田慎也


Date: Sat, 09 Mar 2002 05:19:20 +0900
From: 市川高夫(医師)
Subject: [eml-nc2: 1085] Re:  LMA ProSealについて

・・さん、・・さん、・・さん、どうも・・。
LMAの救急現場における意味について、LMA大好き
医師の立場から少し・・・。
大好きであるがゆえに、無理な使い方はしてほしくないと
いう気持ちです。
車の中で挟まれて救出に時間がかかる患者で喉頭鏡を
使えない状況では(向こうでは手だけで挿管する手技も使うようですが)、
どこからでも挿入できるLMAはかなり有効と思います。

気管内挿管に関する報告が、他の器具を使った
ものと有意差がなく、気管内挿管を救急の現場で使用することを
支持するエビデンスはないということになりそうで、心配しています。

具体的に3階のマンションで心筋梗塞と思われるエピソードで
心肺停止状態の40代男性を救急隊が現場に駆けつけて、
バイスタンダーがCPRを施行中の状況とします。

ストレッチャーに載せてバッグマスクを開始はできます。
そこでLMAを入れるわけですが、エレベーターは横に
寝かせてはのれないもので、バッグマスクでは換気は不可能。
階段をアンビューバックとLMAで換気しながら、3名の隊員で
換気、心マで降りられますでしょうか?

とても動揺が激しく、LMAのずれ、もれで換気は形だけに
なるように思います。

階段を降りてから、高規格車までの搬送も。
一旦載ってしまえばバックマスクでも可能ですね。
一人は運転、一人はバッグマスク?、一人は心マ?
(サンバーにつけるか)。

ここでも気管内挿管できれば、手が空くし、サンバーにも
不安なく気管内チューブをつけられます。

コンビやWBは指導されていますか?

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市川高夫        済生会新潟第二病院 麻酔科


From: B(医師)
Date: Sat, 9 Mar 2002 22:45:03 +0900
Subject: [eml-nc2: 1092] Re:  裏話

みなさん、こんばんは。

・・病院のBです。

境田@船橋市立医療センターさん、クローズアップ現代で放映された
ドクターカー内での気管内挿管のエピソードについて、大変興味深い
裏話をご披露いただきまして、ありがとうございました。

まさに現場での対応のダイナミズムが伝わってきますが、ご紹介いただいた
症例での気管内挿管は気道確保手段というよりも陽圧換気による肺水腫への
対応という意味でなされたようですね。

低酸素状態でありながらも自己心拍が残る状態での喉頭展開や、気管内
チューブが充分な深さまで挿入できない場合の思考過程は、病態生理を
含めた深い医学的知識が背景に求められると思います。

この場に参加されている救急救命士のみなさんは、発言の有無にかかわらず、
規定されている教育課程をはるかに超えて、この場で様々な知識を貪欲かつ
積極的に得ようとしておられるのだと思います。

法が規定している制限は、ゆらぐ命の灯火を目前で見れば見るほど
歯がゆく思われることと思います。しかし、だからこそ、日々の地道な
努力を重ねていただき、法の規制が緩和されるだけの実力が自他共に
認められるだけのものを身につけていただきたいと思います。
それまでは冷静に法を守って職務を果たしていただきたいと切望します。

ドクターカーが運用されている地域はごくわずかです。私の家族に
万が一のことがあった時に、常に私がバイスタンダーであることは
ありえません。真っ先に駆けつけて生死を決する最初の時間を委ねる
ことができるのは、医師でも看護師でもありません。
通報で真っ先に駆けつけて下さる救急救命士や救急隊のみなさんなのです。

私の投稿は毒や棘が多いと思いますが、救急救命士や救急隊のみなさん
への私のメッセージは、すべてその思いから発しているつもりです。

いえ、それだけではありません。看護師や歯科医師、そして医師のみなさん
に向けたメッセージも、私が医師であるというよりも、ユーザーとしての
立場を原点として発しているつもりです。

人の命を扱うからには、難しいことはわからないなどとうそぶかないで
欲しい。それは医学知識だけではなく、法や倫理も同じです。
頭が痛くてたまらないほど、考えて考えて考え抜いて下さい。
悩んで悩んで悩み抜いて下さい。頭を使うことを止めないで欲しい。

身の程知らずもいいところであることは充分に自覚していますが、憎まれ
口をたたくことこそが、この場における私の役割だと勝手に考えています。


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