学生・研修医の方大学院生の声

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了/川上 大

私は学生時代から病理や解剖に興味があり、入局当初から大学院で研究したいと考えておりました。2年間の臨床研修で、切開線がどこにあったのか分からない程綺麗に治癒する患者さんがいる一方、瘢痕が残り、中々傷口が塞がらない患者さんがおられることに気付きました。どちらも熟練した同じ術者が手術しているにも関わらず、時としてこのような創傷治癒の差異が生じることは非常に興味深いと感じました。また瘢痕が残らない治療が実現すれば、必ず口唇口蓋裂等の体表奇形を有する患者さんにとって福音となるだろうと考え、口唇口蓋裂の胎児治療・創傷治癒が私の研究テーマとなりました。
しかし検討項目が多岐に亘り、入学当初は何から手をつけてよいのかさっぱり分からず、途方に暮れておりました。さらに、口唇口蓋裂は致死的疾患ではないため、胎児治療の是非については賛否両論がありました。しかし患者さんの悩みというのはご本人にしか分からないもので、致死的な疾患でないからといって決して軽んじられるべきではないと思います。患者さんに寄り添った治療・研究を行うことが東大病院口腔外科の使命ではないかと考え、発奮し4年間研究に打ち込みました。大学院に進学する理由は人それぞれだと思いますが、困難な状況でもリスクをおそれず一歩前に踏み出せるような強い動機があれば充実した4年間を過ごすことが出来るのではないでしょうか。

東京大学大学院医学系研究科博士課程修了/國分 冴子

きっとこちらを読んでいるのは大学院への進学について考えていらっしゃる方だと思います。大学生のときに研究活動をしていてさらに進んで研究をしたい、という方は迷わず大学院を受験されることをおすすめします。もし、大学院に進むかどうか悩んでいる方がいらしたら『ぜひ大学院へ』と言うべきところかもしれませんが、私はそんなことはないと思います。私は研究活動をとおして、科学的な視点を身につけ、未知なものに対するアプローチの仕方を学ぶことができてとても良かったと思っています。研修医のときに大学院入学を星教授に相談すると『大学院で研究をすると、人生が豊かになる』と仰っていたお言葉を今になって実感しています。とはいえ卒業までの道のりは決してラクではなかった、というのが本音です。大学院進学の決断が自分にとって良かったかそうでもなかったのか、これはやってみないと分かりません。いかなる現象や事実であっても、そこにどんな意義を見出し意味づけるかは自分次第だからです。進路に正解も王道もありません。悩んでいる方に対して私のおすすめは、直観で選んでみることです。私の場合は大学生のときに自分の興味のある本などを読んでいるうちに、何の疑問ももたずに「大学院に進もう」と勝手に決めていました。進路についての諸先輩方の意見は、実際はあまり大きな意味を持たないこともあるかもしれません。なぜなら、そのアドバイスはあくまでその人の経験によってしかないからです。ほかの人の経験談が自分に当てはまるとは限りません。それよりも積極的に情報収集をして、よく考えて、「なんとなく」の自分の感覚を大切にしてみるもの良いのではないでしょうか。

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