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東京大学医学部附属病院
口腔顎顔面外科・矯正歯科
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病気の種類・治療法

病気の種類・治療法

  1. 口唇口蓋裂
  2. 顎関節症
  3. インプラント治療
  4. 顎変形症
  5. 口腔癌・口腔粘膜疾患
  6. 外傷

注)掲載している写真について、患者さんによっては見え方や経過は変わりますので、ご注意ください。

外傷

1. 顎口腔外傷の特徴

外傷は、時代や地域の世相を反映した種々の原因で起こります。受傷原因としては、交通事故によるものが多く(約40-50%)、転倒・転落(約10-20%)、殴打(約10-20%)、スポーツ(約5-15%)、作業事故(約5-15%)などがあります。

顔面は、鼻、眼、耳などさまざまな感覚運動機能をつかさどる重要な器官が集まるとともに、咀嚼をつかさどる歯が存在しており、機能的にも重要な部位です。加えて、個人の象徴として常に人目にさらされ、注目される部位でもあります。たとえ、それがわずかな変形や醜形瘢痕であっても、大きな精神的苦痛を残すことになります。機能障害を残さず、変形・瘢痕を最小限にとどめるには、速やかな診断に基づいた適切な治療が重要です。

2. 受傷部位の分類

顎口腔領域の損傷は、受傷部位により軟組織損傷(顔面皮膚および口腔軟組織)、歯および歯周組織損傷、および顎顔面骨損傷(上下顎骨およびその他の顔面骨)に大別されます。

a. 軟組織損傷

  1. 顔面皮膚の損傷

    部位的には頬部、オトガイ部に多く、隣接する眼、鼻、耳の損傷をともなうこともあります。

  2. 口腔軟組織の損傷

    口腔に特有な原因による損傷には、舌や頬粘膜の咬傷、不良な歯の治療や歯石による舌の損傷があげられます。これらに対しては、原因因子の発見、除去が必須です。てんかんの患者様では、けいれん発作時に舌や口唇の咬傷を生じることがあります。また、子供が箸や歯ブラシを加えた状態で転倒した際など、口蓋や頬粘膜を単独で損傷することがあります。この場合、方向や深さによっては脳や大血管を損傷することがあり、同時に深い位置に異物を残す可能性があります。

b. 歯および歯周組織損傷

  1. 歯の破折・脱臼

    急激な外力を受けることで、歯が破折することがあります。破折の際、歯髄(歯の神経・血管)の露出の有無で症状や処置方法が大きく異なります。また、歯が歯槽より抜けた状態を脱臼と呼びます。

  2. 歯槽骨骨折

    歯あるいは歯槽骨部に外力が加わることにより、歯槽骨が骨折することがあります。しばしば歯の破折や脱臼を併発します。

c. 顎顔面骨骨折

  1. 上顎骨骨折

    上顎の骨は下顎のように独立した骨ではなく、上顎骨、頬骨、鼻骨、側頭骨、蝶形骨などが結合し、さらに頭蓋骨に連続して顔面頭蓋を構成しています。そのため、これらの骨の合併骨折が多く、眼窩底の骨の変位による眼球位置・運動の異常をきたすこともあります。

  2. 下顎骨骨折

    顔面骨折のなかでは、下顎骨体部骨折や下顎頭骨折といった下顎の骨折が一番多くみられます。

  3. その他の顔面骨骨折

    頬骨は前外方に突出しているため外力を受けやすいく、頬骨骨折は下顎骨、上顎骨骨折に次いで多いとされています。

3.顎顔面外傷の治療

a. 軟組織損傷

  1. 顔面皮膚の損傷

    交通事故では、フロントガラスによる損傷を受けやすく、細かい切創が多数みられることがあります。皮下に埋入した土砂やガラス片などの異物を丁寧に摘出し、創の縫合を行います。創治癒後の拘縮により変形が生じる場合には、形成手術で2次的に修正します。

    一般に開放創の処置は、従来受傷後6-8時間以内に行えば、感染の発生頻度は少ないとされていますが、とくに近年では抗生物質などが普及したことにより、従来いわれているよりも長時間経過した後の処置でも感染が生じることが少なくなってきています。顔面損傷の治療が行われるまでは、創部が乾燥しないように、生理食塩水を含ませたガーゼで創部を被覆しておきます。

  2. 口腔軟組織の損傷

    幼少児がスプーンや箸をくわえたまま転倒して受傷することが多くあります。口蓋の損傷にとどまっていれば、損傷した粘膜を縫合閉鎖します。損傷が頭蓋底にまで及んでいる可能性があるときには、CT撮影などの検査が必要であり、直ちに脳外科など専門医の診察を受けるようにします。

b. 歯および歯周組織損傷

  1. 歯の脱臼

    抜け落ちた歯を元の骨に戻す方法を歯の再植術と呼びます。早期に適切な処置を行えば、その後生着して十分な機能を果たすことができます。特に、30分以内で生理食塩水や牛乳、唾液などで歯が乾燥しないように保存したものであれば、生着する可能性が高くなります。抜け落ちた歯の歯根膜(歯の根の表面を覆っている膜)が清潔で、歯周組織の炎症や高度の骨吸収がなく、歯槽骨の損傷が少ないほど成功率が高くなります。しかし、多少汚れていてもガーゼなどで歯の表面をきれいにすることは、歯根膜の細胞を傷つけるので、軽く洗う程度にすることが重要です。

  2. 歯槽骨骨折

    整復は、骨折片の干渉がない場合は徒手で整復を行い、骨折片が互いに干渉していたり、その間に軟組織が介在していたりして徒手で整復できない場合には、装置を用いて数日持続的に力を作用させ整復させることもあります。また、干渉している骨片を除去して、徒手で整復することもあります。術直後は動揺や咬合痛がありますが、順調な経過をたどれば1-2ヵ月で生着し、咬合に耐えられるようになります(固定期間は1-2ヵ月)。また、後に骨折線上の歯の神経が死んでしまったり、歯槽骨の吸収から歯周病になることもあるので、術後も注意が必要です。

c. 顎顔面骨骨折

骨折の整復固定は、受傷後早期に行うほど予後は良好ですが、受傷直後では、出血、呼吸困難、ショックに対する救急処置が最優先されます。また、受傷後すぐには出血で、しばらく経過すると腫脹により外傷の診断と評価が正確にできないことがあります。そのため、受傷直後の状態を把握するための診査と応急処置は必要ではありますが、その後の咬合を回復するための治療方針を立てるために、ある程度腫脹や痛みが治まり開口や顎運動が可能になった時点でより詳細な診査を行います。顎骨骨折の治療としては、口腔の機能を考慮した整復固定法により咬合の回復を図ることが重要です。

顎顔面骨折の治療には非観血的治療と観血的治療が適応されています。新鮮骨折の多くでは非観血的治療が可能ですが、粉砕骨折、固定源となる残存歯が少ないまたは無歯顎の場合、および関節突起基底部骨折の場合は、新鮮骨でも観血的整復固定が行われることが多いです。また、陳旧性骨折で骨片が転位した状態で骨性癒着が認められる場合や、偽関節が形成されている場合は観血的治療が行われることが多いです。しかしながら、非観血的治療と観血的治療のどちらが優れているかについては、さまざまな意見があり、いまだ一定の見解は得られていません。特に関節突起骨折のおける治療は顎関節部の解剖学的、機能的な特殊性のため、治療法の選択や治療結果の評価が難しいです。

外来受診につきまして
当科は原則的に予約制となっており、初診受付時間は、午前9時〜午前11時です。
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